9月15日に白山市の一里野高原にあるペンション(カフェ&バー)内にてパンクバンドの方々による小さなライブが行われていた。
知り合いも参加していたことが縁で見に行ってきたので紹介したい。
- 一里野スキー場の麓のペンションにて
- ライブ始まる
- 1.Sakura
- 2.StoAt
- 3.STUPID PLOTS
- 4.BARREL
- 5.キーマカリーズとチチワシネマ
- 6.GREEP
- 7.SANHOSE
- まとめ&余談
一里野スキー場の麓のペンションにて
職場の先輩に当たる方がバンド活動を行っているというので、そのライブをこのたび初めて見に行くことにした。
今回の会場が一里野高原のペンションだという点も少し惹かれた。
ということで一里野へ
「CAFE & BAR UNILA」というところだ。
場所は白山一里野温泉スキー場のすぐ側。第5駐車場(だったかな)の隣りにある。
地図もあった
調べてみると宿泊型、自由型英会話教室も行っているようだ。
ライブイベントは15時スタートで、自分は丁度その時間に到着した。
まだイベントは始まっていなかったものの、入ってみると楽器などが準備されてあった。
中の様子
建物は吹き抜けのペンション。
その一階の一角にドラムやアンプ等が設置されていた。
出演者の方々もすでに待機している。
カウンターの様子
ビールやおつまみなどが気楽に置かれている。
パンク合宿という名前らしく「合宿」の雰囲気がある。
中央のテーブルには物販も
こういうオリジナルアイテムを作るの楽しそうだ。
こういうのがあるだけでそこがライブ会場だという雰囲気になりますな。
建物内の小物など
こういうところに目を移すと、普段はレトロでおしゃれなペンションなんだろうなと想像できる。
ほかにもエンジェルのロウソクなど、これからパンクのライブが始まるとは思えないメルヘンな小物も置かれていた。
参加していたバンドの皆さんも普段は社会人の良識ある人たちで、挨拶や談話もまともなら、ポカ~ンとしてしまうような格好をしている人がいるわけでもなかったので、本当にここでパンキッシュな楽曲が流れ始めるのかと、ちょっと疑ってしまったほどだ。
この日は食事もできた
当日は入場は無料ながら、入場料代わりにワンドリンク500円を頼む必要がある。
それ以外にこのようにカレーなども注文できた。
出演者の方々はビールなども頼んでいた。
自分もカレーを食べてみた
このお店はカレーも得意なようなので試してみた。
ただ、自分は辛いのが基本的に苦手なので「グリーンカレー」には挑めなかった。
自分が頼んだのは「ごろごろトマト・バターチキンカレー」だ。一皿800円。
その名の通りトマトがコロンと入っていて、鶏肉もドンといた。ルーはサラサラとして辛味の方もバターのコクのおかげか、辛いのが苦手な自分でも苦にならないものだった。
美味かったです。
こちらを頼んで正解だった。怖いもの見たさと同じ理屈でグリーンカレーの方も試してみたくなったが。
ライブ始まる
自分がカレーを食べている間に準備も終わってライブが始まった。
慌ててカメラを構えたときにはカフェの店長(ペンションのオーナー)の方と最初の出演者が挨拶をしていた。
左の人がオーナーのかた
「CAFE & BAR UNILA」のHPでもその写真が上がっている方だ。
隣りにいる女性は最初の出演者の「Sakura」さんだ。
出演者のリストはこちら
入り口に立てかけられていたボードに出演者が載っていた。
全部で7組だ。
トップバターのSakuraさんは唯一の女性だ。
しかもバンドではなくピンでの主演だ。
さらに言うと、その歌を聞いてみたらいわゆるパンクとも違っていた。
それ以外の6組は自分がイメージするいわゆる「パンク」なバンドであった。
ライブの臨場感を伝えるためには音声や動画を上げたほうが有効的なのは百も承知だけど、それぞれのバンドの様子を当ブログらしく「写真」で少しずつまったり伝えたい。
1.Sakura
1番手のSakuraさんは福井県の方だそうだ。
アコースティックギターを手に弾き語るように歌ってくれていた。
窓を背後に
声が柔らかくて、なんというか昼下がりののんびりした時間や秋の夜長のまったりした時間に聞きたくなるような種類のものだった。
海外でいうとノラ・ジョーンズみたいな部類(ノラはジャズっぽいですが)。
彼女を、まだ日も出ているうちに登場させたのは画的には正解であったと個人的に思う。
紅一点だしいわゆるパンクでもなかったけれど、普段自分が聴いている音楽がまったり、のんびりしたものが多いので、自分的には好みな歌だ。
学生の頃はハードな曲ばかり、それこそパンクなんかも聴いていたのにね。歳を取るごとに変わって来てしまっている。
ちなみに彼女の歌の歌詞の殆どは英語だ。
アルバムも出しているようだ
少女の絵が描かれているのがそれだ。
絵を見ると缶バッチも作っているようで、ギターを持ったもう一パターンもあった。
モデルは本人だろうか?
まったりしている中にもちょっとした毒も利いた絵だなと思う。歌う曲の声や歌詞の中にもただまったりでは済まない何かがあったことも確かだ。
2.StoAt
続いては職場の方もメンバーの「StoAt」。StoAtってオコジョ(イタチの仲間)って意味だそうだ。
こちらがメンバー
ドラムにこのペンションのオーナーの方も参加していた。
オーナーも実はバンドマンだったりするのだ。
その奏でられる音は予測不能。
逃げるイタチのようにどこに行くのかまったく読めない。
最初インストゥルメンタル(楽器だけの音で歌がないもの)のバンドかと思ってしまうくらい演奏が続いていた。
自分は初期の「キング・クリムゾン」とか「ピンク・フロイド」とかもよく聴いていたので歌無しの楽曲も結構好きだったりする。
ドライブで流したくなる爽快な音が演奏されたと思ったら、急にちょっとサイコパスな香りも漂わせて、そしてパンクらしくはっちゃけたようなシャウトも開始していた。
ためていた物を破裂させるようなシャウト
ギターをおいて打楽器をトランス状態のように激しく打ち鳴らしたり、前の3人が代わる代わるマイクに向かって叫んだりも。
ボーカル3人?
ボーカル誰なんだろうと思ったら、よく見ると前の三人はみんなギターだったりするし(ベースがいない)、いろいろと枠にとらわれない方々だ。
テンポが上がったと思ったらまた平坦になるし、と思ったら急にまた上がったりするしでこちらのイメージをどんどん裏切っていく、様式美とは無縁のバンドだった。
聴いていたほかのバンドのメンバーの誰かが「無茶苦茶や…」と笑ってしまっていたくらいだ。
面白いバンドでしたよ。
3.STUPID PLOTS
3組目は福井県のSTUPID PLOTS。
メンバーは三人
パンクなんだけど、すごくノリのいい楽曲ばかりで、聴いていて自然と自分も体でリズムを取ってしまっていた。
ボーカルのかたの喋りも面白くて、ライブで盛り上がるステージ向きな人たちだなぁというのが素直な感想だ。
余計なことを言い出すとドラムの方がそれを遮るように叩き始める場面もあったり、面白かった。
表情も動きもいちいち面白いボーカル(ギター)のかた
挑発しているような顔を見せたり、中指も立てたりするけど憎めない。
ベースのかたが歌っているときも隣でこの表情
演奏しながらこの表情。なんか狙ってますな。
ドラムのかたがまたパワフル
年齢は自分より上なんですけど、みなさん若さやエネルギーに溢れている。
かっこいいですわ
この「パンク合宿」などライブは自分のように一般客も見に来れる。でもボーカルのかた曰く「毎回バンドの人しか来ない」らしい。
そんなマイクパフォーマンスも含めて楽しいバンドだった。
最近アルバムも出したそうで、こちらも真ん中のテーブルに置かれていた。
みなさんも盛り上がり
中指は立てずに小指を立てていたみなさん。
モザイクを入れなくていいので画的にはありがたい。
4.BARREL
4組目はBARREL。こちらは石川県の方々だ。
メンバーは3人
少し変わっているのはドラムの人もボーカルを務めていたことだ。
叩くのもパワフル、シャウトもパワフル。
腕も足も頭部も大忙しで、これ最後まで持つの?と思ってしまうくらいエネルギッシュだった。
気がつくとそのエナジーに引き込まれてしまう
自分が横から近い位置で聴いていたからか、次第とそんな感覚があった。
ついつい見てしまい、撮ってしまうのだ。
これだけ全身を駆使しているのに最後まで完走していたところもすごい。
ベースの方もボーカル
このかたも節々でシャウト。
比べて奥のギターのかたがずっと寡黙にクールだった。
このコントラストが絶妙だ。
最後は愛器を叩きつけているベースのかた
楽曲はどれも高揚感のあるものばかりで、というかありすぎて脳天を突き抜けるようなものばかりで、演奏している方も、最後は廬山亢龍覇を放つ紫龍(『聖闘士星矢』をググって下さい)のように高まりすぎていたようだ。
5.キーマカリーズとチチワシネマ
5組目は京都の「キーマカリーズとチチワシネマ」。
バンド名のネーミングセンスが自分好みだ。
結構有名な人たちらしい。
メンバーは4人
みなさん若い。全員京都の大学生だそうだ。
楽曲は、自分が知っているパンクってこれだなと思わせるものなのだけど、こちらもまた予測不能なところも多くて一筋縄ではいかない面白さがあった。
曲の切れ目に戸惑ってしまうくらい、曲の調子が急に変わったりするのだ。
一瞬青春ドラマのようなフレッシュな曲調が挟まったと思ったら、一瞬でTheパンクなシャウトが始まったりする感じ。
弾ける前衛(ボーカル)とマイペースに叩く後衛(ドラム)
この対照も面白くて、ボーカルの子がなにせ目立つ。
引っ張っているのはボーカルの子なんだけど、手綱を握って整えているのは他のメンバーたちといった感じだろうか。
カメラマンもすごい角度から撮っていた
一つ前のBARRELのドラムのかたがカメラも趣味のようで、若者たちに何かを感じたのか演奏中こんな角度から撮影していた。
ちなみにBARRELのドラムのかたが持っていたカメラ機材は自分のよりいいものばかりでした。かないません。
カメラ目線ありがとうございます
その視線にスター性を感じたよ。
6.GREEP
6組目はGREEP。こちらは石川県のバンドだ。
メンバーはこの通り4人
あれ、どこかで見た顔だなと思ったらギター二人とドラム(ペンションオーナー)は2組目のStoAtのメンバーで、真ん中のベース兼ボーカルの人は3組目のSTUPID PLOTSのかただ。
バンドを2つ掛け持ちとか、バンドマンの間ではよくあることだ。
メインのボーカルが違うので当然なのだけど、楽曲はStoAtともSTUPID PLOTSともまた少し違っていた。
曲そのものは乗りやすく聞きやすいドライブの利いたものだ。メロウなところもあっただろうか。ただ、ボーカルの人の歌い方、重ねられるサブボーカルのシャウトなどがパンクだなと納得させられる。
後半になるほど力が入ってくるボーカルの方々
後半になると、曲も変わったこともあってよりパンク色が強くなっていく。
すんごい汗をかいていたし、高まりすぎて糸が切れないかと思えてしまうくらいだった。
気のせいか後ろで写っているドラムのペンションオーナーさんが心配そうに見つめているように見える。
7.SANHOSE
最後はSANHOSE(サンホセ)という京都のバンドだ。
日本のポップ・パンクを代表する有名なバンドなんだとか。
こちらは3人組
右のギターの方は「キーマカリーズとチチワシネマ」にもいた人だ。
オオトリだからか他のバンドのみなさんも寄っていく。
自分はなかなか近寄れなかった。
貫禄があるというか余裕があるというか
醸す雰囲気、何かが違っていた。
貫禄
ボーカルの人、渋い。
余裕
ドラムのかた、軽く叩いているようにみえるのにスピードが速い。
楽曲は、パンクなんではっちゃけた部分も多いんだけど一番聴きやすかった。
それだけ完成度が高いということだろうか。
当然、叫んで熱量が上がる場面もある
聞きやすいけど狂気もある、そんな矛盾が面白い。
もちろんアルバムも出しており、真ん中のテーブルに置かれてました。
まとめ&余談
自分はむかしから芝居にしろ音楽にしろライブが好きだ。あの臨場感の虜になっている所がある。
今回のようにパンクをメインにしたライブというのは初めてであったが、同じように臨場感にやられ、またその熱量に興奮してしまっていた。
熱かった…
想像以上に熱かった。
その熱さがかっこ良かった。
演奏をし終わった後の、汗だくになりながら得ているやりきった感、充足感にはうらやましいものがあった。自分は楽器がまったくできないので特にそう思った。
パンクもいいもんじゃないですかと、ふとそんなことを呟いてしまった。
これ、手作りらしい
パンク合宿はこれで終わりというわけではなく、今後もVol.2、3と続いていく予定だそうだ。
これから寒い季節を迎える一里野高原にあってあの熱量はいつかそのうち雪を溶かすんじゃないか、イコール一里野の名物になるんじゃないかとそんな期待をしたくなった。
なお、当日は職場の方がお子さんを連れてきていて、別の部屋にいたその子達の相手を自分も時々していた。
将棋崩しの相手をしてあげる自分
いや、時々と言うか、一つのバンドの演奏が終わり、次のバンドの演奏が始まるその準備の間、毎回ずっと相手をしていたと思う。自分はその子たちとも顔見知りなので、音楽やライブに興味のないその子たちにしても頼みやすかったのだろうと思う。
最後、その子たちがいなくなってしまってみんなで心配して走って探しにいくっていうちょっとした騒動も起きたけど、ペンションの人が退屈するその子たちのためにゲレンデのイルミネーションを見せに行っていただけだったので、一安心だった(見に行くという連絡がうまく伝わっていなかったみたい)。
一里野イルミネーションは、当ブログでも以前に紹介したあれだ。
(サマーイルミネーションの記事は→こちら)
これを見に行っていたのだ(過去の写真)
虹色の灯りのキラメキもキレイだけど、パンク合宿に参加していたバンドのみなさんの汗も負けず劣らず輝いていましたよ。