昨年より、白山一里野スキー場では夏にイルミネーションイベントが行われている。
期間中、毎日ゲレンデでイルミネーションが点灯されるのだ。
昨年より一度見てみたいと思っていたので、今年2018年の8月に撮影目的で足を運んでみた。
白山開山1300年の記念事業
昨年2017年は白山が開山して1300年の節目の年だった。
その記念すべき年に、一里野温泉スキー場では夏にイルミネーションが点灯していた。
その1300年をこれからも灯りでつなごうということで今年2018年もサマーイルミネーションイベントが行われている。
目標は次の100年、1400年までつなぐことで、今年はまたその一歩なんだとか。
期間は2018年7月7日~9月30日の約2ヶ月間だ。
その間、雨が降ろうが台風が来ようが毎日、日没より約4時間、点灯する。
ということで足を運んだ
到着したのは夕方6時半過ぎくらいだろうか。
8月だと、この時間ではまだ明るい。19時を過ぎないとあたりは暗くならない。
これが9月も後半になると18時前には薄暗くなるので、開催期間中でも訪れた月によって点灯のスタート時間が異なることを覚えておいたほうが良い。
それにしても久しぶりに一里野にやってきた
まだ自分がスノーボードを趣味でやっていたとき、県内のゲレンデといったらここだった。
友人たちと何回来たかわからない。
ここも懐かしい
一里野温泉スキー場のセンターハウス「あいあ~る」だ。
サマーイルミネーションの期間中、土日のみ夜の9時までオープンしている。
この建物の正面に初心者用の最初のゲレンデがある。
初心者用と言ってもそれなりに坂に角度がある。技の練習をするときはひたすらそこを利用していたものだ。
改めてゲレンデの様子
斜面にチェーンのようなものが張られているのがわかる。
それらにくくりつけられているのがいくつもの「灯り」なのだろう。
駐車場脇のチェーンにもくくりつけられていた
イルミネーションを形成する「灯り」はLEDライトだそうだ。
ペットボトルに入っている。
通称「ペットボタル」と言うらしい。
これらが約3万個あるという。設置したのは100人超のボランティアの方々なんだとか。
「あいあ~る」の斜め前にはベンチもある
観賞用にベンチやイスが設置されていた。
ちょうど真正面にくるのでいいポジションだと思う。
それを知ってか、自分が到着したときには写真のようにすでに先客がいた。
こちらは看板
「白山開山1300年事業 灯りでつなぐ1300年」とある。
養老元年(717年)に泰澄(たいちょう)という僧侶が登ったことが白山の始まりらしい。
泰澄もまさか1300年後に自分が登った山が虹色にライトアップするとは思ってもみなかっただろう。
そう、このイルミネーションのデザインには虹色のライトアップがある。
他には青色の点灯があって、30分ごとに変化するのだ。
スキー場の斜面を登って七色の点灯を写す
あたりが暗くなったのはやはり19時過ぎくらいであった。
その頃になると点灯もスタートしていた。
最初は虹色だった
スキー場斜面のLEDライトが一斉に点灯していた。
ちゃんと七色の灯りだ。この七色、白山の禅定道をイメージしているそうだ。
それらが蛇行する川のように斜面から流れ落ちているような配置がなされていたのだが、わかるだろうか?
もしかしたら分かりづらいかもしれない。現場にいた自分も分かりづらいと思った一人だ。
麓から見上げるように撮影してみると、その蛇行する様子を1枚の写真に収めきれなかった。おかげでどう撮って良いものか悩んでしまったものである。
さらに近づいて撮ってみる
斜面だということだけは、伝わるだろう。
蛇行している様は…まず伝わらないだろう。
しようがないので、下から駄目なら上からという考えで斜面を登ることにした。
登りながら撮影
ある程度登ると見晴らしがいい。
ただ、下から見上げた限りでは大したことないと思っていたら、登ってみると結構距離があって幅もあって広いところにライトが設置されているんだなと気づいた。
そう気づいたときにはかなり疲れることをやってしまったなと、ちょっと後悔した。
スノボで来ていたときはリフトで上って滑り下っていてばかりであったし、こんなほぼ初心者用の斜面と侮っていたのだけど、甘かったらしい。
とはいえ、途中でやめる気にもならず、イルミネーションの尻尾(最上部)まで登っていった。
登ったからこそ見れた景色
蛇行している様を撮れた。
天の川のようだとパンフか何かに書かれてあったが、確かに虹色の天の川を想像した。
その流れに飛び込んで身を任せてみたいもんですなぁ、と一瞬思ったけれど、このLEDライトの群れの中を今登ってきたわけなので、後には「きつかったな…」と額ににじむ汗を腕で拭うのであった。
青色に変色
撮るものも撮れたので登ってきた斜面を下り始めると、途中でLEDライトの群れが変色し始めた。
先に記したようにイルミネーションは30分ごとに「虹色」から「青色」へ、またその逆へと交互にデザインが変化する。
どうやら登りながら撮っている間に30分経ったらしい。
虹色(7色)だったものが…
青に変わっていった
こうしてみると緑っぽい色も混ざっているので「青系統の色」に変化したというのが正しいのだろう。
麓から
全体的に見ても青系統だが、細かく分解すると濃い青に緑、さらには少し黄色っぽい色も混ざっている。
これを川の流れとしてみると、すべてが清流とはいかず、いろいろと混濁しているものであると言われているような気もする。
まるで社会の縮図のようだ。
また、もう一つ虹色から青に変化した場所もあった。
同じく一里野サマーイルミネーションの演出の一つであるゲレンデの隣の「一里野公園」だ。
斜面を上の方まで登って降りてくる途中、その公園のライトアップも上の方から眺めることができた。
公園を上より
光量が弱く少し見づらいけれど、ご覧のようにこちらも最初は虹色に光っていた。
それが…
真っ青に
公園の方はゲレンデ斜面と違って、ほぼ濃い青で構成されていた。
緑などの別の色はごく僅かだ。
一里野公園のイルミネーション
ゲレンデ斜面を下った後、隣の一里野公園にも足を運んだ。
足を運んだと言っても、すぐ隣なのでそんなに歩くわけではない。
宿によっては目の前にその公園があるし、ゲレンデの駐車場からするとその公園のほうが近かったりする。
斜面を登ったことのほうが3倍くらい疲れた。
一里野公園だ
スノボをしていた頃、よくこのゲレンデに来たものだけど、冬で雪が多かったからか、隣にこんな公園があったなんて恥ずかしながら知らなかった。
しかもなんか「恋人の聖地」と言われているそうだ
知らなかった。なんかやっぱり恥ずかしい。
鐘を鳴らすところもあるし
恋人の聖地と呼ばれるところって、どこも鐘があるのはなぜだろうか?
謎だけど、その全国の例に漏れずこちらでも鐘があった。
一人で撮影しにきて、一人で見上げながらシャッターを切っているとやっぱりなんだか恥ずかしくなった。
聖地の聖地たる力だろうか、一人で入ると気まずくなる。
ただ、家族連れで鳴らしている方も多かったので、恋人限定というわけでももちろんない。
なんにせよ、その気まずさからか、調子が狂ったようで…
おかげでぼんやりした写真ばかり撮ってしまっていた
ピントが合っていない。自分でも何を撮ろうとしたのかよく覚えていない。
撮った写真のほとんどがこのような調子だったのでよっぽど変な気分になっていたのだろう。
聖地の魔力だ。
しまいにはこんな調子に
玉ボケのみの写真になっていた。
イルミネーションを撮ろうとすると基本夜で暗いのでオートフォーカスがうまく作動してくれないことが多々あったのだけど、これはもう開き直ってマニュアルで調整して、調整段階で間違ってシャッターボタンを押してしまっている、そんな画だ。
それでもぼんやりと、公園にこんもりとした小さな丘があって、そこにもLEDライトの入ったペットボタルが設置されていると伝わるのではないかと、そう思いたい。
まとめ
7月7日の七夕の日から始まり9月30日まで続く一里野温泉スキー場でのサマーイルミネーションは想像以上にキレイであった。
来訪者の層も偏っておらず、家族やカップルで見に来ている人もいれば、自分のようにカメラを抱えて撮影目的でやって来ている人も数人いた。
撮影に来ている人は、たいがい三脚を持っていた。光量が足りずピントもオートでは合わせづらいくらい基本的に暗い場所なのでキレイに撮ることを考えると三脚は必須なのだろう。
個人的には、あれだけ光の粒がたくさんあると玉ボケを撮る練習になるなとも思えた。
全部玉ボケの画しか撮れませんでしたが
ちなみにこの画、玉ボケの中に、SNS映えのする写真をスマホで撮っている方々の影も映っているのがおわかりだろうか。
時代はまだまだスマホでSNS映えだ。それに抗ったような写真を初心者ながら少ない力量で工夫して撮っていた。
オートフォーカスの調整がうまくいかず開き直った末がこういう路線だった、とも言える。
うまくいかないことだらけだったが、まだまだカメラを楽しめると思わせてくれたイルミネーションであった。
来年以降も続きそうなので、いろいろと考えてまた挑戦したい。
なお、最後にまったく余談であるが、一里野スキー場にこの季節やってくると、特に夕方、「オロロ」(正式名:イヨシロオビアブ)と呼ばれる虻の一種が群がってくるので注意したほうがいい。
駐車場にてクルマから乗降するために扉を開けた瞬間に車内に3匹くらい一気に入ってきていた。おかげで駆除が大変だった。
オロロ、久しぶりに目にしたが、ハエみたいに動きが速い。蚊みたいに吸血する虫でもあるので刺されたり(裂かれたり)するとなかなか痛い。
特にお盆前後に来る際は気をつけていただきたい。
帰り際、車内で退治大会みたいになりますよ。