初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

金沢市粟崎町には五郎島金時の自販機がある

金沢市粟崎町は「五郎島金時」というサツマイモの産地である。

その粟崎に五郎島金時の自販機があるという。

以前より気になっていたので足を運んでみた。

 

 

粟崎町の「かわに」さんへ

10月、それは食欲の秋だ。

ラジオ等で「五郎島金時」こと金沢のサツマイモの話題がよく取り上げられていたことから10月の自分へのご褒美として旬であるその五郎島金時を食べたくてしかたなかった。

スーパーなんかでも売られているので、ちゃちゃっと買って煮るなり焼くなり自分で調理してしまえばいいのだけど、そんな五郎島金時自動販売機なるものまで粟崎町に存在していると耳にしたものだから、いっそそちらで購入したくなった。

調べてみると、自販機があるのは「有限会社かわに」さんの敷地内らしい。

ということで地図を見てみる

粟崎町は金沢市でも外れの方にあって、なんだったら内灘町なんじゃないかと思ったこともあるところなので、自分はその町にほとんど行ったことがない。

迷子になりそうな予感があったので、こうしてまずは地図でしっかり調べてから向かった。

もちろん車のナビも利用した。

それだけアンチ迷子武装をしていたはずなのに、実際行ってみると、行きなれていないからだろう、ちょっと道に迷った。

正確には曲がるべき交差点を間違えてしまった…

我ながらどうしようもない。

それでもなんとか到着

ここが「農業生産法人 有限会社かわに」さんだ。

加賀野菜の一つでもある五郎島金時(さつまいも)を生産している会社だ。

イカなんかも生産しているんだそうだ。

その工場兼事務所と思われるこの建物の端に目的の自動販売機が置かれていた。

自分が到着したときには先客がいた。

結構人気があるようだ。

これ専用の駐車場があるわけでもないので、皆さんその自販機の前に車を停めてササッと購入していた。

 

五郎島金時の自販機

これがその五郎島金時の自販機

ラッピングされているのは青空とさつまいも畑だろうか。

縦長の爽やかな一基だ。

側面には「かわに」の社長さんの姿も

この方が社長なんだそうだ。

いいガタイをしていながら、むっちゃスマイルだ。

反対側にはこのような文字が

「かわに」はお菓子屋さんではありません。

さつまいも農家です。

とある。

これだけ読むとどういうことからそんな誤解を心配しているんだろうと不思議に思ってしまうけど、自販機のラインナップを見ると、ああ、なるほどと納得してしまう。

スイーツが並んでいるのだ

焼き芋バームクーヘンとぽて丸のセット。

農家屋きんつば五郎島金時プリンのセット。

そしてちっちゃな焼き芋。

さらには農家屋ぽてと6個入。

ちょうど目の高さにこれらが並んでいるので、スイーツの自動販売機のように見えてしまうのだ。

でも、さつまいもの自販機です

一番上には200グラムの焼き芋がドーンといる。

そのまま焼き芋として食べてもいいし、お菓子作りや天ぷらに使ってもいいとのこと。

ただし、自販機スペシャルセットということで、スイーツの素と併せて一つ1000円だ。

自販機で買うものとしてはなかなかの値段だ。

正直、この日の自分の予算を超えていた。

比べて一番下には「理由アリ品 大処分」(売切御免)なる商品も

何が出るかわからない「訳あり品」が100円で買える。

打って変わってかなり破格の値段だ。

注意としては「おひとり様1個まで!」とのこと。

そりゃそうだろう。

一人で何個も買っていったらすぐに無くなるだろう。

ギャンブル要素があるけど、このお得感は広くみんなで共有させたいようである。

自分としては、何を買うべきか実に迷った。

五郎島金時を素直に味わうなら一番上にあった200グラムの焼き芋なんだろうけど、セット品で1000円もするので予算オーバーだ。

払えないわけじゃないけど、この日は別のところでもお金を使ってしまっていたので、千円は、渋ってしまった。

一番の下の「理由アリ品」を100円に挑んで同じ焼き芋を引くというギャンブルに出るという手も考えたが、本当に焼き芋が入っているのかもわかっていないので、これまた悩むところであった。

スイーツも美味しそうだけど、食べるならやっぱり焼き芋だろうなぁ…

との迷いもあって、すぐには選べなかったのだった。

そのうち別のお客さんたち(家族連れ)がやって来て、決められない自分はその方々に先を譲っていたくらいだ。

そうして結局自分が選んだのは、「9番」

「コロコロのかわいい焼き芋」だった

細いけど3本入りだ。

一袋450円。

the・焼き芋ではなくちょっとスイーツっぽい焼き芋に見えたこちらを購入したのだった。

自分はギャンブルが下手くそなので、「理由アリ品」は結局選ばなかった。

今回は確実に焼き芋を食べたかったのだ。

 

コロコロのかわいい焼き芋をいただく

出てきたものは熱いわけでもなく、冷たいわけでもなく、常温のものだった。

裏側を見て食べ方を確認

温めたい方は袋のままレンジでチンすればいいそうだ。

温めたい方、という言い方をしているのは、これ、常温のままでも食べれるようなのである。

表面にも書いてある

このまま皮ごと食べてもおいしいようである。

でも、自分はどうせなら温かいものを食べたかったので、家に持ち帰ってレンチンするのであった。

レンチンして皿に盛りました

五郎島金時は太いさつまいもとしてスーパーなんかではよく売られているので、こういう細いものはあまり見たことがない。

おそらく規格外なのだと思う。

普通のお店には卸せないそうしたものを自販機で販売しているのだろう、商売がうまい。

自分もわかっていて購入しているので文句もない。

うむ、ヒゲまでかわいく見えてきてしまった

表面もちょっと土っぽい色をしているところもあるけど、それでももちろん皮ごと食べれるのだ。

いただきます!

かじる

皮ごと行った。

変な苦味やザラつきもなく、素直に皮ごと食べれた。

自分は焼き芋を皮ごと食べるのが子供の頃から好きなので、これは嬉しい。

皮の周りには栄養も多いしね。

肝心の味であるが、細身ながらしっかりと焼き芋の味だ。

細いので「こっぼこぼ」感(これ金沢の方言です。「ほくほく」という意味)はちょっと少ないけれど、細い分だけスイスイと食べれる。

あ、ちなみにお供は牛乳です

「甘いものには牛乳」派の自分なので、この焼き芋にも牛乳だ。

これがまた正解で、牛乳を後追いで口の中に流し込むと、細身のこの焼き芋でも甘みが増して急にスイーツっぽくなるのだ。

美味い!

なんならバターも足してみよう

味変だ。

マーガリンではなくバターだ。

じゃがいもにバターはよく聞くし、自分もよくやるけど、前から一度やってみたかった五郎島金時(さつまいも)にバター」

甘みが増すのか、それとも相殺するのか、冒険だけどやってみたかったのだ。

いや、そう悪い結果にはならないだろう。

そんな淡い期待を抱いていただきます!

うむ、イケる!

バターの風味がさつまいもの甘味にプラスされてお菓子感がまた増した。

美味いじゃないか。

欲を言えばもっと熱を加えればよかった、ということだろうか。

袋の裏面に書かれた通りの時間で袋に入れたままレンチンしたんだけど、袋から取り出してみてもうちょっと温めたほうが、それこそ湯気が立つくらい温めたほうが、バターも溶けやすく香りも味の深みも増したと思うのだ。

なんだったら、こっぼこぼ感ももっと出ていたんじゃなかろうか?

額面通りにやるのではなく自分の頭で考えればよかったか…

反省はあるものの、「五郎島金時にバター」を達成できて、そしてそれがイケる味だということも知ることができて満足である。

ごちそうさまでした。

 

感想

自販機で購入した五郎島金時、美味しかった。

細いものだったけど、三本一気に食べるとかなりのボリュームだった。

一本でやめればいいのに、止まらなくなるのが焼き芋だ。

いつか機会があれば、自販機で買った五郎島金時を焚き火の中に放り込んで焼き直して食べてみたいものである。

自分が子供の頃には田舎で焚き火をよく目にしていたけど、いまではなかなか見なくなったね…

皆さん、どのようにして食べているのかも気になるところである。

ほか、自販機で売られていたスイーツも食べてみたい。

楽しみが増えた自販機だった。