初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

福井県越前市にある「猫寺」こと御誕生寺に行ってきた

少し前になるが9月に福井県越前市に行ってきた。

そこに通称「猫寺」と呼ばれている「御誕生寺」という寺院があるという。

動物好きとしては気になってしまったので一度足を運んでみた。

 

 

「猫寺」と呼ばれる御誕生寺へ

9月に別の用事で福井県越前市に行った際、時間もあったので観光もしてみた。

越前市に何があるのかネットで調べてみると「御誕生寺」という寺院が出てきた。

なんでも「猫寺」と呼ばれるくらい境内に猫がいるそうだ。

自分は学生時代に実家に犬がいたので犬好きだけど、祖父母の家にはむかし猫も住み着いていたので猫も好きだ。

猫、撮りたい…

ということで御誕生寺に向かった。

まずは地図で場所を確認した

これまで福井県越前市に行ったことがなかったので市の雰囲気がわからず、地図で見てみる限り町の中にあるのかと思った。

イメージとしては金沢市で言うところの寺町あたりだ。駐車場がね、いつも困るんだよね。

でも実際にナビに従って行ってみると…

結構町中から外れたところにあった

山の方にある。

道も広くて車でも行きやすく、もちろん駐車できるスペースもまあまあ広くあった。

この「車で来やすい」っていうの、ほんとありがたい。

駐車スペースに停めて車から降りるともう大きな仏像が見える。

ドンッと

左隣の建物が工事中でしたけど。

表面も白くてきれいな大仏様だ。

新しい大仏様だなと思ったらその通りで、鎮座したのは「令和元年十二月八日」と彫られていた。

令和に誕生した大仏様なのだ。

その膝の上には猫がいる

近づいて見上げ、そのご尊顔を拝むと、膝の上に猫がいることに気付く。

当たり前のような顔で座っている。

よく見たら幸せそうな顔で横になっている

この寺にいて幸せですって顔をしているじゃないか。

なんなら腕にぶら下がっている子もいる

自由だな。

人間がこんなことしたら天罰が下りそうだけど。

それらを許す大仏様のなんと寛大なことか。

とまあ、さすがに令和に鎮座した新しい大仏様だけあって、「猫寺」との愛称をかなり意識したデザインであった。

大仏様の後ろには本堂

ここだけを見ると猫寺なんて想像もつかない普通の立派なお寺の佇まいをしている。

ひとまず合掌だ

気のせいか本堂もそんなに古くなっていないように見える。

いつに建立されたのか合掌しながら気になった。

御誕生寺のいわれを見てみよう

大仏様の手前にこちらがあった。

これによると建設が始まったのが平成十一年一月で、落慶法要が行われたのが平成二十一年六月とある。

完成して十数年しかまだ経っていないかなり新しい寺だったのだ。

猫が大仏様にぶら下がったりしてもOKなのも、考えが柔軟な現代的なお寺だからなのだろう。

転経器(と思われる)の下に「無為自然

あるがままにまかせることを意味する言葉だ。

猫が腕にぶら下がってこようがあるがままに受け入れているわけだ。

よし、鐘も鳴らそう

大仏様と同じ方向に向き直ると、遠くに梵鐘が見えた。

近寄ってみると、なんでも「しあわせの鐘」というらしい。

ありがたい鐘だ。

富山県海王丸でもベルを鳴らして幸せチャージをしてきたけど、よりしあわせになりたいのでこちらも撞きたくなった。

いつでも撞いてOK

許可もバッチリだ。

こう書かれたら撞かないわけにはいくまい。

こちらがその梵鐘

立派で、そしてやはり新しい鐘だ。

これだけ新しいと、本当に撞いていいのか一瞬戸惑ってしまう。

構えよし

そしてゴォ~ンッと

音が控えめになったのは、自分の遠慮しがちな性分によるところだと思う。

こういうのを思い切り撞けないのである。

なになに「みほとけのほほえみの音」だって?

自分の控えめな鐘の音を肯定してくれるような一文が石柱に彫られていた。

心理や行動を見透かされ、先読みされているようで、あらためて仏に畏敬の念を抱いてしまう。

合掌だ。

 

猫を撮りたい

境内をこのように移動していると、時々猫に出くわす。

わしゃわしゃと大量にいるわけではないけど、猫を見かけるのだ。

ここが「猫寺」と呼ばれることを知っていて、同じように猫を見よう、猫と戯れようと来ている参拝者も少なくなく…

こういう光景をしばしば見かける

こんな陰になっているところにいたりするので、よく探さないと見つからない。

猫も気まぐれだからどこにいるかはわからないのだ。

こうして見つけて戯れている他の参拝客の方を見かけると猫にも会いやすい。

この白い猫は他のお客さん、他のお客さんと順番に撫でられていた。

人間にもずいぶんと慣れているようである。

探すのが面倒だなと思う方には、こういうところもある。

この小屋

庇の下に「休心亭」を書かれてあった建物だ。

大仏様が目を向ける先に設けられている。

ここが何?と思われる方のために角度を変えて撮ってみよう。

こちら側から

猫タワー(でいいのかな?)が置かれているのがわかるだろうか。

さらに角にはケージや猫用のソファベットがいくつも置かれていた。

ここ、猫たちの住まいのようなのだ。

おおぉぉ!いる!

ただの寝床で日中は猫たちみんないないものだと思っていたらくつろいでいる子がいた。

なんと無防備な。

近寄ってもふもふしてやりたくなるではないか。

ただし、ここ…

関係者以外立ち入り禁止

参拝者が勝手に入っていいわけではなさそうなのだ。

さらにいうと、「解放厳禁」ともある。

開けっ放しもいけないみたいなのだけど、自分がやってきたときにはすでに開けっ放しだったので、お寺の人が敢えて開けてあるのかそうでないのかわからなかった自分はそのままにしておいた。

ちなみに小学生くらいの子が…

中に入って撫でていた

関係者の子なのかは自分には不明であった。

猫としては、ナデナデを許しているところを見る限り、ウェルカムな様子だった。

ほんと、人間に慣れていますな。

(断っておくが、自分は中には入っていない。写真もドアの外から撮っている。)

なお、これら境内にいる猫たちは、ほとんどが捨てられていた猫や怪我や病気をした猫を保護したものなんだそうだ。

保護猫でもここまで人間に慣れているって相当愛情持ってこちらで育てられているんだろう。

雑に育てられていないのがこの張り紙からもわかる

ガラス扉に「猫にエサをあげないでください!」とある。

アレルギーのある猫や体重制限のある猫もいるようで、ちゃんと管理しているのがわかる。

白いのもいた

さっきの子が戻ってきたのだろうか?

猫寺と呼ばれる始まりは4匹の保護猫からだったそうなんだけど、いまでは数十匹いるらしい。

そんなもので、どんな子がいるのか、白い子が何匹いるのか、初めてやって来た自分にはそういったことがわからない。

何を飲んでんだい?

むっちゃ上から覗き込むこちらの子。

この後、この二匹は追いかけっこしてました。

それにしても色んなところにいるな

探そうとすると見つからないけど、よくよく境内を歩いていると、色んなところで猫と出くわす。

気まぐれな猫たちなので、欲がない方が出会いやすいかもしれない。

こんなところにもいた

犬小屋のようなものが寺務所の近くに置かれていると思ったら…

いた

こちらの子も無防備に良く寝てる。

起こすの申し訳ないのでそっと撮ってそっとしておいた。

大仏様の前でも

こんな参拝客がいちばんやってくるようなところも通過しようとする。

境内を自分たちの庭だと思っているに違いない。

かわいい奴らだ。

それにしても

仏像の多い境内だ

この寺へと向かうその手前に石材店があったので、だからなのかなとも考えてしまう。

なんだったら猫の像も置かれていた

さすがだ。

流石、猫寺。

お地蔵様も多い

お地蔵様がすんごく並んでいる場所もあった。

こんなに並ぶと壮観で猫だけじゃなくこれら仏像も撮ってしまっていた。

あ、ここにもいた

人間がこんなところでくつろいでいたら罰当たりになりそうだけど、猫だから関係ない。

さすが猫寺。このノビノビさが見ていて癒やされる。

これこそ俗世を離れるって言うんじゃなかろうか… そんな気もしてきた。

この子を激写

なにか惹かれるものがあって、この子をしばらく撮ってしまっていた。

「なんだよ、昼寝の邪魔するなよ」って、そんな感じで最初は警戒されたけど、しつこく撮っていても逃げないんだから、自分もしばらく近くにいてしまうというものだ。

横顔も撮れ

と、言われたわけじゃないけど、横顔が凛々しかったのでパシャり。

シカト

そのうちシカトされて毛づくろいを始めていた。

長くそばにいると慣れてくるのだろう。

猫って、こうやって皮膚を舐めることで日光浴でできたビタミンDを補給しているって聞いたことがあるけど、本当だろうか?

寝るわ~

慣れてきすぎたのか、そのうちこうして横になり始めた。

それでいてこっちをしっかり見つめて警戒もそれなりにしているんだから、猫って面白い。

「もう寝るからあっちいけよ」という声が聞こえてきそうである。

「本当はかまってほしいくせに…」という言葉を胸の中で自分もつぶやいてやった。

撫で回したり等々、うざがられるようなことはしなかったけど、その顔もしっかり撮らせてもらった。

いい面だ。

 

招き猫おみくじを引く

帰り際に寺務所のほうに立ち寄る。

こちらがそれ

このベンチのあるところに猫たちが集まりやすいという情報もあったのだけど、この日は窓もしまっていたからか、自分がいた時間、このあたりで見かけることはなかった。

猫はいなかったけど…

「招き猫おみくじ」は置かれていた

小さな招き猫が収められたおみくじなんだとか。

一回300円。

金、赤、緑、白、黄、黒(グレー)、ピンクの七種類の色があってそれぞれでご利益が異なると書かれてあった。

猫寺で猫のおみくじ…

引かずにはいられなかった…

ということで一つ引いてみた

小袋からしてなんかかわいい。

招き猫は左手を上げたものと、右手を上げたものがいて、それぞれでまた意味が変わってくる。

一般的に左手を上げているものは「人を招く」と言われ、右手を上げているものは「金運を招く」と言われている。

自分が引いたのは…

こちらの左手を上げた黄色の招き猫

黄色は「金運・商売繁盛」のご利益があるそうだ。

左手を上げて「人脈」も招きながら金運も上がるようなので、得した気になった。

人とのご縁で商売も繁盛するということだろうか?

ありがたい話だ。

財布に入れておくと良いそうなのでさっそく入れた。

これは後日談だが、財布に入れてから金運が少しずつ上ってきている(気がする)ので、ご利益があったと思われる。

合掌だ。

 

まとめ

おみくじをくくるところも猫デザイン

福井県越前市の御誕生寺、猫寺と言われるだけあって境内に猫が何匹もいた。

のびのびと暮らしているので、猫にとっても楽園のようなところなら、猫好きにとってもたまらん寺院だろう。

人にも慣れているので、近づいても簡単には逃げず、カメラをやる者としては撮り放題だった。

むっちゃ近づけるので動物園よりも撮りやすい。

ただ、猫だけあって気まぐれで、必ず出会えるというわけでもなさそうだ。

数十匹住み着いているみたいだけど、自分がこの日に目にしたのは5匹くらいだった。

たくさん出会いたいなら猫運みたいなものがないと駄目なのだろう。

ただそれでも、訪れるたびに出会う猫、出会う場所が異なるというのは撮る側としても面白そうだ。

季節によっても景色が変わってくるだろうし、定期的に通いたくなったくらいだ。

猫たちの営みを日めくりカレンダーのようにまとめたくなるではないか。

まあ、福井県越前市は石川県金沢市から100kmくらい離れているので、実際に毎日通うのは難しいけど、またやって来たい。