初心の趣

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廃駅の旅30 「珠洲駅」

列車がやってこなくても、いまではしっかり道の駅。

廃駅の旅、30回目だ。

節目の30駅目は珠洲市にある旧「珠洲駅」に行ってきた。

 

 

何度もやってきている道の駅

のと鉄道を中心に廃線にとなって今では使われなくなった駅を巡る個人的な旅、廃駅の旅ももう30回目だ。

能登線も残りわずか、節目のこのときにやってきたのは石川県の奥能登中の奥能登珠洲市の名前を冠した「珠洲駅」に行ってきた。

でもこの珠洲駅、これまで何度もやってきている。

前回の「飯田駅」同様に奥能登国際芸術祭の作品展示場所になっていたからだ。

さらにいうと、そこは現在「道の駅」として生まれ変わっていて、芸術祭以外で珠洲市にやってきたときも休憩場所としてよく活用するからだ。

地図にももちろん載っている

グーグルマップにも「道の駅すずなり」としてちゃんと載っているので迷うことはないだろう。

珠洲駅という名前だけあって珠洲市の中心地にあった駅なので駅自体大きく、駐車場も広いので行きやすいところである。

到着

珠洲市の大きな道を進んでいると流れるように到着してしまう。

駅のホームのようなものも残っているし、旧駅舎は「すずなり館」としていまも活用されているのだ。

昨年の「奥能登国際芸術祭2020+」のときにもやってきているので自分としては約一年ぶりだ。

昨年芸術祭でやってきたときの記事はこちら

なんなら2017年の第一回目のときにも作品の展示場所になっていた。

そのときにも足を運んでいるので廃駅の旅としては真新しくないといえば真新しくはない。

2017年の芸術祭のときの記事はこちら

この記事を書くにあたって芸術祭のときを振り返ってみたのだけど、懐かしい。

どちらもすずなり館はそのままで駅のホームで展示を行っていた。

観光でこの道の駅に立ち寄る際、すずなり館に寄ることはあっても、そのホームの方に立ち寄ることは殆どなかったので、芸術祭以外のホームが普段どのような姿なのか、飯田駅同様に今回のこの廃駅の旅ではそちらを確認してみたいと思う。

 

普段の旧珠洲駅ホーム

ホームの方に行ってみよう

すずなり館を正面にして右手にそれはある。

タクシー乗り場となっているところだ。

線路はないけどプラットホームは残っているのですぐにわかる。

ご覧のように

駅だ。

線路がないこと以外、駅のホームだ。

Y字のようになっているその屋根も廃れることなく残っている。

手前に見える白い小屋のようなものは売店があったところだろうか?

芸術祭のときは、2017のときも2020+のときもここでアーティストの作品や、本、塩なんかが売られていた。

普段は、このように窓も閉じられて利用されていなかった。

ドアもあったけど

中にはもちろん入れない。

その中にはロープやら自転車やらが置かれているのが確認できた。

倉庫みたいになっているようだ。

撮っているとガラスには線路も写り込んでいる。

そう、このホーム、正面から見ると線路が撤去されているんだけど、裏側に回ってみると線路が少しだけ残っているのだ。

このように

ここだけ見ると現役の駅なんじゃないかと勘違いできてしまう。

振り返っても…

現役の駅のホームみたいだ。

駅名標もこうしてきれいに残っているので、ここだけ見てもいまも電車がやってきそうではないか。

その下の看板も

こうして残っている。

現役当時を知っている地元の人にはいつまでもここが駅だった思い出にふけれるのではなかろうか?

当時のものだろうか、ベンチも置かれており、そこに腰掛けておしゃべりしている地元の人と思われる方々も目にした。

ホームに上るためのスロープや階段もあるので、お年寄りでもここまで来やすい。

駅のホームでおしゃべり、なんてことは現役時代に普通に見られた光景だろうけど、いまでもそれが行われていることが、部外者なのになにか嬉しい。

自分も階段を降りてみる

すずなり館がある側はスロープだったが、反対のこちら側は階段だ。

ここを降りるとこうして残された線路の上までやってこれる。

電車が走っていたときは怒られてしまう、なんなら法律違反になってしまう線路の上を歩く、という行為もできてしまう。

線路を低い位置から撮ることだって可能

線路を歩くと映画『スタンド・バイ・ミー』(ドラえもんじゃないやつ)を思い出すけど、そんな感じの画がこうして撮れる。

奥に車庫のようなものが見えてしまっているけど、斜め上を見上げてホームの方へ視線を向けると当時の雰囲気も味わえそうである。

なんなら、奥の車庫も遠くからやってくる車両に見えなくも……… ないだろうか?

少なくとも自分は想像力たくましくできた。

これ、点滅しないだろうか?

ホームには信号機も残っている。

電車は来なくとも、例えば昼ドン(昼12時を知らせるサイレン)にあわせて点滅したりしないだろうか、とも考えてしまう。

別に昼12時に限る必要もなく、3時だったり、5時だったりでも良い。

タクシー乗り場があるくらい今でも人が集まる場所なのでそういう使い方もアリではないかと思えるのだ。

なんならタクシーや、バスが到着しました、という合図で点滅したり鳴ったりするのも面白いだろうなと妄想してしまう。

想像すると、楽しい。

 

反対側にはバス停もある

ちなみにすずなり館を挟んでホームとは反対側にはバス乗り場もある。

反対側に回ってみよう

すずなり館を正面にして左側に行くとロータリーのようになっていて、奥にバス停もあった。

もちろん現役のバス停

その回りにはベンチもある。

ここでもバスを待っていられるが、ホームのベンチでおしゃべりしながら待っている、なんてことをしているときに、やはりあの信号機がバスの接近とともに点滅してくれたら、バスを乗り過ごすということも減るんじゃないかなと思ってしまうのだった。

駅のホームからこのバス停は見えないからね。

どうでもいいけど自販機のラッピングをパシャリ

なんか、ピカチュウが可愛かったので思わず撮ってしまった。

むかし甥っ子からポケモンカードを一枚もらったなと思い出す。

ニャースが好きだと言ったら、ニャースのカードをくれた。

自分はドンピシャリの世代じゃないけど、そういう思い出もあってかポケモンには反応してしまう。

これまた蛇足だが、バス停の写真を撮った後、この自販機の前で地元の小学生くらいの子に「こんにちは」と挨拶された。

自分も「こんにちは」と返したけど、知り合いでもなんでもない。

地元の廃駅(いまは道の駅)を撮っていたことが、注目していたことが、その子にとっても嬉しかったのだろうかと勝手に想像するが、そうやって挨拶されるとこちらとしても嬉しい。

バス停も凛々しく撮っておこう

珠洲駅、いまは道の駅すずなり、何度も足を運んでしまっていることからもわかるけど、いいところだよ。

 

感想

以上、旧珠洲駅である。

いまでは道の駅すずなりとして生まれ変わって、地元の方々、観光客から利用されている場所であるので、廃駅らしい忘れられている感はまったくないところだった。

ホームが残されていて当時の面影を残し思い出にもふけれる場所でもあるので、いいところだと思う。

すずなり館には地産のものが売られている物販所もあり、珠洲のものが結構並んでいる。

そこがまた自分好みで、芸術祭のときはよくここで珠洲の食材を使った弁当を買っていた。

食べ物の他にも珠洲特産の珪藻土を使った七輪なんかも売られていて、来るたびに一つ欲しいなと思ってしまう(ちょっと高い)。

今回はこちらを買いました

小腹がすいていたので、こちらの「シューラスク」を購入。

一つ550円(税込)。

シュークリームの皮を使ってラスクにし、珠洲の塩も使用したものだ。

駅のベンチで食べてみようかなと思って買ったのだけど、こちら、袋の封がしっかり閉じられていて腕力では開けれず(無理やり開けると中身が飛び出しそうだった)、開けるのにハサミか何か切れるものがないとちょっと無理だった。

そんなもので家に帰ってから食べました。

シュー皮でもラスクになるんだねという発見に感動。

パン耳と比べると柔らかく噛みやすい分、クズクズがよく出るので家で食べて正解だった。

その味は珠洲の塩のお陰で甘いのに引き締まっていて美味しかった。

ここには間違いなくまた来るだろう。

そのときまたこうして何かを買って食べたい。