初心の趣

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奥能登国際芸術祭2023を地震に負けず回る第三日目その6(トビアス・レーベルガー「Something Else is Possible/なにか他にできる」)

能登国際芸術祭2023の鑑賞旅第三日目その6では2017から旧蛸島駅に展示されているトビアス・レーベルガーさんの「Something Else is Possible/なにか他にできる」を記したい。

5月の大地震後の状況確認と、旧蛸島駅でやってみたかったことをやってきた。

 

 

蛸島エリアへ

能登国際芸術祭2023の鑑賞旅も正院エアリを終えて、次には蛸島エリアに入る。

このあたりも5月の大地震で被害が大きかったところ(正確には蛸島駅がある場所の住所は正院町)なので、よく震災に負けずに開催してくれたなと思う。

道中、こんな幟旗も

ネバーギブアップ、がんばろう珠洲、とある。

負ける気はないようだ。

 

23番 トビアス・レーベルガー「Something Else is Possible/なにか他にできる」

蛸島エリアで最初に向かったのは旧蛸島駅に2017よりずっと展示されている蛸島を代表する作品「Something Else is Possible/なにか他にできる」(作:トビアス・レーベルガー)だ。

ここはもはやグーグルマップにも載っているくらいだ。

このように

第一回である2017からの展示なので芸術祭で訪れるのもこれで3回めとなるし、個人的に廃駅の旅で去年に旧蛸島駅にもやって来ているので、その場所にやって来るのは一年ぶりだったりする。

何度も目にしている作品で、当ブログでも何度も紹介しているので、今回は深く掘り下げずに紹介したい。

作品も見えてきた

ドォーンと構えているグラデーションのトンネルみたいなものがそれだ。

堂々と鎮座しているので、その佇まいだけで地震の影響はなさそうだと思えた。

23番だ

作品看板は2020+以来なので2年ぶりだ。

変わっていないね

地震のせいでどこか欠けたりだとか、そういった影響を受けていない。

入っていくと双眼鏡も無事だ

双眼鏡や支柱はもちろん、足元の土壌も崩れていたりしていない。

こんなにカラフルで虹のようなので、今までこんなふうには思わなかったけど結構「堅牢」なんだなと思えてきた。

もちろん今年も覗き込む

駅のホーム側にある電飾看板のアレもしっかりと見えた。

向こう側も無事なようだ。

振り返ると旧蛸島駅に動態保存された車両も見える

こちらも無事なようだ。

この車両も含めて、この作品の風景になっているので、欠けることなく残っていて、この作品のたくましさを感じる。

 

蛸島駅側へ

作品は線路を歩いた先の旧蛸島駅プラットフォーム近辺にも展開されている。

途切れた線路のところから入っていく

ここから少し歩くことになるんだけど、線路の上を歩くことができるので、まるでスタンド・バイ・ミーごっこのようだから自分は結構好きだ。

もちろん歩いた

なかなかの距離だがウォーキングシューズを持ってきていたので苦にならない。

こういう用意周到なところは何度も鑑賞しにやって来ている経験によるものだ。

枕木とかもきれいに残っているなぁ

そんなことを考えながら向かった。

それでも全く被害がなかったというわけでもない。

そのうち見えてくる駅のプラットフォームと作品の電飾看板

ホームの待合所の屋根が見事に半分抜け落ちている。

こうなってたか…

震度6強を観測した正院町だけに被害がないなんてことないだろうなと思っていたけど、やっぱりだった。

近くで見ると土台のひび割れも

しっかりと震災の爪痕を残されている。

ホームには上がらないようにとの小さな看板もあるが、確かにこうなっていると危ない。

ベンチには駅ノートが入っていたボックスも置かれていたが…

中に駅ノートそのものは現在入っていないようだった。

お前は無事か…

久しぶりに拝んだが、どうやらこちらは無事のようだ。

デカいし、頭重たそうだし倒れていても不思議じゃなかったけど、大きな揺れにも全然負けていない。

これを見上げていると、「地震に負けない」のシンボルのようにも見えてきた。

 

蛸島駅でやりたかったこと

駅のホーム側にもやって来たついでに、一年前に廃駅の旅でやり残していたことをやってみることにした。

一年前に廃駅の旅で蛸島駅に訪れた時の記事はこちら

それが何かといえば…

駅舎前にある自販機だ

これ、ただの自販機ではなくて、旧能登線廃線になり、この駅が廃駅になってからこの駅のグッズを販売していたものだ。

こういったものがラインナップされている

見た目がボロボロの自販機なので、これ、本当に稼働しているのか疑わしかった。

一年前には小銭がなかったし、何より、故障のためにお金入れても戻ってこなかったらどうしようかと、そんな心配もしていたので、勇気そのものも働かなかったので、いままで小銭を入れて動くかどうか試したことがなかったのだ。

でも今年2023ではお金を投入してみる

もし本当に稼働しているなら、奥能登国際芸術祭2023の思い出の一つとして、これらグッズのどれかを手に入れたい欲に駆られていたのだ。

芸術祭で来ると、財布の紐がゆるくなってしまう。

だが…

小銭を入れた途端に戻ってきた

こちら、現在は稼働していなかった。

購入する気満々でいたので残念な結果であるが、長年疑問だった動いているのかそうでないのかがはっきりとしたので、それはそれで晴れやかな気持ちであった。

 

感想

能登国際芸術祭2023で観たトビアス・レーベルガーさんの「Something Else is Possible/なにか他にできる」、5月の大地震の影響で設置されている旧蛸島駅のプラットフォームにはダメージが散見されたが、作品そのものは無事なようであった。

あまりにも無傷な感じがしたので、その佇まいから「地震に負けない」その精神の象徴のようにも思えたくらいだ。

この異次元に引き込みそうな姿を見よ

震災も、時代の流れも関係なく別次元に吹き飛ばしてくれそうではないか。

これがある限り、珠洲は負けずに復興して行ってくれそうである。