初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

ウメサ食品の「とうふのみそ漬」を日本酒といただく

金沢駅近くの老舗の味噌屋に「とうふのみそ漬」というちょっと変わった少し癖のある、でも酒の肴になる食べものが置かれている。

久しぶりにそれを手に入れたのでお酒と一緒にいただいてみた。

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金沢市六枚町にある味噌屋にて

いまは全然お酒を飲まなくなった自分であるが、20代前半の頃は人並みに飲んでいたほうだと思う。

その頃、酒の肴として気に入っていたのが「とうふのみそ漬」と呼ばれる少し癖のある食べ物だった。

友人に金沢のお土産として持たせることもしばしばあったくらいだ。

ただ、スーパーなんかで売られているものではないので簡単に手に入れられるものでもなかった。

金沢駅近く、六枚町にある老舗の味噌屋「ウメサ食品」が作っているものなのだ。

酒を飲まなくなって縁遠くなったそれを久しぶりに食してみたくなったので、駅の方に行ったついでにお店に立ち寄ってみたのだった。

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こちら金沢駅

その東口だ。

鼓門を抜けるとホテル日航金沢なんかがある通りに出る。

写っている道路がそれで、写真でいうと左方向(鼓門を背にすると右方向)に歩いていくと六枚町にでる。

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この道を真っ直ぐ行く

左手に見える大きな建物がホテル日航金沢だ。

この通りを進んでいくと…

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六枚の交差点に出る

駅近くと記したけどまあまあ歩く。

200メートル以上はあるかもしれない。

でも、ここまでくるとお店はすぐそこだ。

この交差点を左折した先に目的のウメサ食品があるのだ。

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こちらの建物がそう

創業明治十年の老舗のお味噌屋さんだ。

軒下には「うめさのおみそ」と書かれてある。

これはお店の名前だ。

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二階を見上げると会社名

道路を渡って近づいてみると「ウメサ食品」の名も見えた。

これは会社の名前だ。

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近づいてみるとショーウィンドウにこんなものが

六枚町の説明が書かれてあった。

宅地税の地子銀(「じしぎん」と読む。銀で収めていた地税のこと)が六枚だったことから六枚町と呼ばれていたそうだ。

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その隣には日本人形が置かれていた

出口加津子 作とある。

材質は… 木だろうか?

かわいらしい。

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ご覧のようにお味噌屋さん

味噌、醤油、みそ漬、胡麻味噌、金山寺味噌からし漬、もろみ、紅糀みそといった、ミソやミソ関連の商品が売られている。

けっして大きなお店ではない。でも自分はこういう昔ながらの小ぢんまりとしたお店って落ち着くので好きだ。

中に入るとやっぱり味噌の香りがする。

自分は日本人で子供の頃から味噌汁を飲んで育っているからか、これまた落ち着く。

目的の豆腐の味噌漬けは入って奥のところに置かれていた。

壁にはその食べ方も書かれてあり、またそのみそ漬けが県の優良観光土産品として推奨されていた証書も飾られていた。

結構マイナーな食べ物だと思っていたけど… 県も知っていたんだね。

この日は80グラムのものを一つ購入。

むかしはこのお店の裏メニュー的なものだと思っていたけど、お店の方に聞いたらちゃんとむかしから表メニューとして売っていたと教えてくれた。

 

とうふのみそ漬を日本酒と

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こちらが「とうふのみそ漬」(80g)

このサイズで「小」になる。値段は一つ622円(税込)だ。

購入した時、食べ方や保存方法などが書かれた説明書きもついていた。

それによると白山麓の堅豆腐をウメサ食品秘伝の味噌に半年間もじっくり漬け込んで作っているそうだ。

中国や沖縄で伝承されている豆腐の発酵食品を参考に開発されたとのこと。

保存方法は要冷蔵で、賞味期限も2ヶ月間くらいもつようだ。

食べ方は色々とあり、そのままお酒のツマミとしてもよし、サラダに散らしてもよし、ご飯やお粥と一緒に行ってもよし、クラッカーにアボガドや海老と一緒に乗せてもよし、醤油やニンニクを加えて焼肉のタレや刺し身の漬けタレにしてもいいみたいだ。

自分はむかし酒のツマミにするかご飯と一緒によく食べていたもので、今回もそのつもりでお酒も用意した。

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天狗舞

石川県白山市にある車多酒造が作っている天狗舞の山廃純米大吟醸だ。

今ではほとんどお酒が飲めない自分が、飲んでいた頃に好きだった日本酒だ。

飲みやすいのでこれにした。

720mlのこちらで地元石川県だと3000円くらいで買える。

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準備OK

とうふのみそ漬は真空パックから取り出すと、まだ紙にも包まれているのでそれを剥がす必要がある(簡単に外れる)。

天狗舞は、冷からぬる燗までいけるようだけど自分は冷でいただくことにした。

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ではいただきます

豆腐の味噌漬けはとても柔らかく、ナイフじゃなくてもフォークでもスッと切ることができる。

何だったら箸でも切れる。

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柔らかいバターやクリームチーズのよう

その柔らかさのため、口に含んでもまったりとしていて、味を残しつつも舌の上でとろけていくような食感をしている。

その味はといえば味噌が前面に来て、同時に味噌で使っている糀なのかお酒を食べているような風味も被さってくる。

アルコールが入っているわけでもないのになんだか酔いそうな味だ。

甘いようで塩辛いようでもあるからなかなか複雑だ。

それらが結構濃厚に舌の上で広がり、かつ鼻を抜けていくので癖がある。

臭いチーズのようなくせでありながら、匂いはキツイわけでもないのだから独特だ。

いわゆる珍味というやつだ。

自分はそういう珍味やクセのある味が大好きなのでやめられなくなってしまう。

やめられなくなってしまうけど、味噌の旨味や塩味の濃さからカロリーが凝縮されているような感じもあって、ブロックごとバクバク食べれるようなものでもない。

お酒と一緒に少しずつ食べるのが良いだろう。

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ということでお酒も

天狗舞の山廃純米大吟醸はほのかな米の甘味とかすかに刺さるキレのおかげで、辛くもなく甘くどくもない。水のように飲める飲みやすさがたまらないお酒だ。

豆腐の味噌漬けとは対象的なクセのなさだ。

アルコール度数が16度あるので今の自分にはちょっときついけど、やっぱり美味い。

みそ漬けと合わせて飲むと、ともに甘みがあるのにそれらがケンカせず、舌の上でとろけて絡み合うようだ。

みそ漬けのクセも少しマイルドになるかのようで、それでいてみそ漬けにもお酒のような味がするものだから、酒に弱い今の自分としては、天狗舞とみそ漬けの酒の味のダブルパンチで酔いがグッと押し寄せてきた。

グラスに1cmも入れていない量なのに、こりゃもう飲めない、といった状態にまで追いやられた感じだ。

自分、やはり酒に弱くなったな…

 

ご飯登場

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ということで早くもご飯を登場させる

このとうふのみそ漬、お酒にも合うならご飯にもあう。

まあ、だいたいお酒の肴はご飯にも合うものだけど、特別このみそ漬けは、その味の濃さから自分としてはご飯と食べている方が昔から好きだったりしていた。

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乗せて一緒にパクリ

味噌漬けの濃さを、この御飯ならしっかり受け止めてくれる。

確かにご飯と食べることで、糀の酔うような味はさらにはっきりと感じ、広がるようにも思うのだけど、クセも含めてしっかり且つ優しく受け止めてくれるので、悪酔いしないと言うか後味までいいのだ。

ご飯が何杯も行けてしまう組合わせだ。

実際、茶碗半分では足りなかった。

美味いし濃いしでご飯がすすむ、進む。

これ、自分にはやっぱり御飯のお供だ。

お酒を飲めなくなっている今となっては特にそう思う。

 

まとめ

ウメサ食品(うめさのおみそ)の「とうふのみそ漬」、久しぶりに食べたけど、そのまったりとした食感と、凝縮された甘味と塩味のクセのある味は相変わらずで美味しかった。

酒のおつまみとして謳われている食べ物なので、お酒飲めないのに今回日本酒を用意してみたけど、結論としては自分にはご飯と一緒に食べたほうが好みであった。

あのクセと濃さを白米が受け止める、その役割分担、コンビネーションは自分にとっては至高だ。

酒の肴はご飯とともに、という一念が強固になった気さえして、これを機にいろんな酒の肴をご飯と食べていく企画をやっていこうかなと考えたくらいだ。

この豆腐の味噌漬けがその第一号というわけだ。

まあ、それくらい久しぶりに食べてもクセがあってやはり自分には好みであったという話だ。

濃くて癖があるので、臭いチーズが苦手な人や、子供にはあまりおすすめできないけれど、酒のみの方には一度試してほしいと今でも思う。

お店の地図

ウメサ食品のお店でも買えるし、今ではネット販売もされているみたいだ。

それ以外だと、金沢市石引にある福光屋のSAKE SHOP内でも買えたような記憶がある。

今回、車多酒造の天狗舞を飲みやすさから選んだけど、純米酒オンリーの福光屋の酒とも合いそうな気がする。

う~ん、日本酒も米から作っているんだよなぁ。

味噌を受け止めれるのはやっぱり米ですな…

それを再認識したところで、今回は終いにしたいと思う。

ごちそうさまでした。