先月、南町に行った際にすぐ近くの金沢エムザ地下にある「チーズ工房ミモレット」へも立ち寄った。
そこで「能登味噌チーズ」なるものを見つけたので、一つ試してみた。
金沢エムザ地下にあるチーズ工房ミモレットへ
先月、自分自身が誕生日であることを思い出したので、自分へのご褒美としてチーズを買うことにした。
一番好きな食べ物は何?と聞かれれば「チーズ」と答えるチーズ好きの自分は毎年チーズを自分自身に買い与えている。
特にクセがあってニオイがキツイやつだ。
ただ、そういうチーズはチーズ専門店に行かないとなかなか売っていなくて、毎年のように街の方に出ていく。
金沢市民の自分にとって「街」といったら片町から香林坊、武蔵ヶ辻あたりのことを指していると思っていただきたい。
生活する上で車が必須、なんでも車で移動する金沢市民にとって、無料の駐車場がほぼない「街」ははっきり言って行きづらい場所になっている。
でも、金沢市内でチーズ専門店となるとその「街」に行かないとないのだから、チーズ好きとしては困ってしまうのだ。
先日、南町による用事があったので、ついでにすぐ近く、武蔵町にある金沢エムザまで足を伸ばした。
その地下一階のカジマート内にチーズ専門店「チーズ工房ミモレット」があるのだ。
とりあえず地図を載せておく
まあ、エムザだ。
以前まで「めいてつ・エムザ」だったんだけど、経営者が変わって昨年4月から「金沢エムザ」となったが、中の店舗は変わっていなくてチーズ工房ミモレットも残っている(先日、エムザの3階がリニューアルされていたけど)。
何度も来たことがあるような口ぶりだが、実は自分、このチーズ工房ミモレットへ足を運ぶのは今回が初めてだ。
昨年までは「香林坊大和」の中にあるチーズ専門店「チーズ王国」ばかり利用していたのだ。
たまには違うお店も、という気持ちもあったし、数少ない市内のチーズ専門店はすべて一度は行ってみないとチーズ好きとしてはダメだろうとの気持ちがあったものだから、今回、そちらへ初めて足を運んだのだった。
こちらがチーズ工房ミモレット
専門店だけあって、普通のスーパーなんかではまず売られていないような変わったチーズが売られていた。
まあ、自分の頭の中ではクッサいものを食べたかったので、フランスのエポワスチーズがあればそれを買おうと決めていた。
エポワスチーズが運良く残っていてのだけど、そのときに「能登味噌チーズ」なるものも見つけた。
なんだこれは?と興味を持ってしまったので、そちらも一つ買ってみることにしたのだった。
予算はオーバーしたけど、誕生日だからいいだろう。
能登味噌チーズを試す
こちらが能登味噌チーズ
ミモレットのオリジナル商品。一つ700円(税抜)。
奥能登珠洲市の大浜大豆と天然塩で作った味噌を使用と書かれてある。
自分としては特に「大浜大豆」に惹かれるところがあった。
作る人がいなくなってきて幻の大豆と呼ばれていたものだ。
それで作った「つと納豆」も以前食べたことがあるけど、すんごく旨味や栄養素が凝縮されているような味だったので、よく覚えている。
(大浜大豆のつと納豆を食べたときの記事は→こちら)
そんな大浜大豆を使った味噌の中にチーズが漬けられているようだ。
徳利の絵からして、日本酒に合いそうなチーズのようだけど、自分は普段から日本酒もワインもお酒全般を飲まないので…
いつものようにそれだけでやる(食べる)
カットして皿に盛った。
フォークでカットしてしまったので、断裁面はガタガタだ。
もっと柔らかいものだと思っていたけど、フォークなんかじゃ力を込めないと切れないくらいハードタイプのものだった。
パッケージの裏面を見ても、どんなチーズを漬けたのか、いまいちわからなかった。
ぐぬ… やはり硬い
なんとか切って…
いただきます
口に含んでみても、もちろんカタい。
この硬さはプロセスチーズか何かだろうか?
チーズの硬さに比べて、周りについている味噌の味はまろやかで、口当たりもすんごく柔らかい。
そのギャップがトータルにしてなかなか癖のある食感だった。
大浜大豆の味噌、美味いじゃないか。
欲を言えばチーズがもっと柔らかく、味にコクがあればと思う。
プロセスチーズではなくナチュラルチーズを漬けられないかな?と妄想を始めてしまった。
エポワスチーズも食べる
一緒に買ったエポワスチーズももちろん食べたので、この記事内で報告したい。
ここからは、はっきり言って自分の趣味の話である。
エポワスだ
ホールのものが売り切れていてこちらのハーフのものを購入した。
半分でも、値段は1850円(税抜)となかなか高い。
ホールだとこの倍の値段していたようなので、売られていてもこちらを選んでいたかと思う。
エポワスチーズのことを知らない人のために簡単に説明しておくと、フランスのブルゴーニュ地方のエポワス村で作られていたウォッシュチーズだ。
熟成中に塩水と、マールと呼ばれるブルゴーニュ地方の地酒で丹念に洗われる。
「チーズの王様」と讃えられたこともある、とってもニオイがキツいチーズだ。
臭くて癖のあるチーズほど好きな自分なので、臭いチーズってありますかと専門店で尋ねるとだいたいこのエポワスを薦められる。
一度食べて以来、自分も気に入ってしまっていて、誕生日にはこればかり購入している。
チーズ工房ミモレットでも売られていたので、今年も例に漏れず買ってしまった。
皿に盛るとこんな感じ
表面がオレンジ色で中はクリーム色だ。
臭いのは塩水やマール(蒸留酒)で洗われたオレンジ色の表面だけで、中は旨味が凝縮されたトロットロのナチュラルチーズだ。
この柔らかさ
この柔肌、くさいけど、たまらん。
いただきます!
鼻につくその臭さ、口に含んでも鼻孔に逆流して一瞬自分の体をしびれさせる。
どんな香りかと言われるとなかなか表現が難しいが、なんだろうか、例えるなら田舎のトレイのような、食べ物の香りとしてはしてはならない比喩をしてしまうくらいクサい匂いがするのだ。
口の中にも広がるその臭さ、酸っぱいのか塩っぱいのか複雑な香りと味もして、クセが強い。
でも、やめられない。
コクが有り、訳の分からない旨味もあるのだ。
うめぇ~~~っ!
自分も思う、「王様だ」と。
たぶん、初めて食べる人は受け付けないと思う。
でも、初めてアルコールを飲む人もだいたい飲んだ瞬間に「うっ…」ってなるけど、そのうち慣れてきて「うめぇ!」と毎日晩酌するくらいになってしまうことって大いにあるだろう。
それと同じだと思う(いまではお酒をほとんど飲めなくなった自分が言う例えではないかもしれないが…)。
お酒のアテにせず、チーズだけをダイレクトに味わう、しかもエポワスを…
しあわせだ…
感想
以上、エムザ内のチーズ工房ミモレットで見つけた「能登味噌チーズ」の味見である。
エポワスという個人的な趣味への脱線も入ってしまったが、大浜大豆で作った味噌で漬けるという発想はユニークで自分好みだ。
先にも記したが、プロセスチーズではなくナチュラルチーズ、もしくはもうちょっと柔らかいチーズを漬けてくれないかなとの感想も持った。
エポワスをタッパーに入れて冷蔵庫へ
一度に全部食べず、数日に分けて食べたので、冷蔵庫内が臭くならないようにいつもこうしている。
いかん、この「感想」でも脱線してしまった…
でも、この作業をしているとき、エポワスを大浜大豆の味噌に漬けたらどうなるんだろう?との妄想が自分の脳天を走った。
なんという邪道!
でも予算に余裕があるなら、いつか一度自分で試してみたいと思うのだった。
想像力が膨らんでしまった… その点、チーズ工房ミモレットに感謝だ。
またチーズを買いに行きたい。