初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

能登町の道の駅には高校生たちが作った製品が売られている

能登珠洲市の隣りにある鳳珠郡能登町の道の駅「桜峠」に立ち寄ったら、能登高校の生徒たちが作った製品が売られているコーナーがあった。

なんだか羨ましいなぁとまじまじ眺め、ついでにそれら製品を買ってしまったので紹介したい。

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能登町の道の駅「桜峠」へ

鳳珠郡能登町というと自分の中では「ケロンの小さな村」が最初に思い浮かぶ。

ケロンの小さな村を見つけたときの記事はこちら

県道57号線沿いにあるのだが、同じ道路沿いに道の駅「桜峠」(さくらとうげ)もある。

金沢から向かったとするとその道の駅が先に現れるので、これまで何度も目の前を通過している。

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道の駅「桜峠」だ

県道57号線を走っているとこの看板が見えてくるのでわかりやすい。

右下にいるのは「のっとりん」だ。能登町のイメージキャラクターだ。

何度もこの前を通ったことがあるものの、そこの物販所に立ち寄ったことはこれまでなかった。

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建物の様子

左の建物がトイレで、右が物販所(直売所)だ。

ともにコンクリートがよく使われている建物であった。

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直売所前に大きく「道の駅 桜峠」の文字

達筆ながら高校の学園祭の出店の看板のような手書き感(失礼)があって、自分なんかはこういうのを見るとほっこりしてしまう。

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店頭のPOPも手作り感にあふれている

親しみやすくて自分好み。店内のPOPもこんな感じだった。

能登海洋深層水を使ったコーヒーやかけうどん、能登の肉を使ったコロッケやメンチカツなど美味そうな食べ物が並んでいる。

能登町ではブルーベリーも特産品らしく、そのソフトクリームもあるようだ。

さらには「究極のかれいぱん」という文字にも何か惹かれるものがある。

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一つ買ってしまった

どれも美味しそうでどれも食べたく迷った末に「究極のかれいぱん」なる縦長のカレーパンを買った。こちらは能登町限定というわけではないが、気になって買ってしまった。一つ300円だ。

長さが約27cmある。小学校の時に使っていた竹物差しくらいあった。その長さに惹かれてしまった。

なお、この直売所の中にはテーブルやイスも設置されており、店内で飲食もできる。

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食べてみる

作りたてをもらえるため、買う時2~3分ほど待たされるけれど、待ったかいあってかじると熱々ホクホク。

パン生地はもちっとしていて、中のカレーにはとろみがあって、そのとろみのせいか甘みも感じられた。あとから軽い辛味というかスパイスの味が来る程度で、基本的にカレーは甘口しか食べれない自分でも辛さを気にすることなく食べることが出来た。

そしていったい何なのか「旨味」も感じるカレーパンだった。

究極というだけあってほんと美味いのだ。

旨味の成分が気になって店員の方に能登牛が入っているのかと尋ねるとそうではないらしい。謎だ。

ちなみにこのお店にはカレーパンがもう一つ売っており、「能登牛カレーぱんブラック」という名のものはその名の通り能登牛を使用していると言われた。

次来た時はそちらも食べてみたい。

ちなみに、この直売所の側には日本庭園もある。

食べながらそちらを眺めることも出来ただろうが…

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あいにく雪で埋もれていた

能登町のこの辺りは雪がよく降るところな上に、記録的な大寒波がやってきた後なのでまあ仕方がない。

これはこれで一興かと思われるが。

 

能登高校の製品を買う

そんな道の駅「桜峠」に、地元の県立能登高校の製品も置かれていた。

しかも一品ではなく数品あって、能登高校の製品だけをまとめたコーナーも店内にあった。

能登高校には普通科の他に「地域創造」という学科もあるようで、そこでは農業、水産、商業、福祉のコースが設けられて、それぞれで課題研究や実習などもカリキュラムに組まれているという。自分たちで製品を作って、自分たちで販売先を決めて売れ行きを見ながらマーケティングも学べるというわけだろう。

自分は高校時代、普通科(別の高校の)であったので、学生時代にこういう商売や製品開発みたいなことを経験できたら楽しかっただろうなと、大人になった今では思う。

そのためか、こうして二十歳前から商売に少なからず関われている能登高校の生徒たちが羨ましく思えてしかたがない。

この羨ましさのために、ついついそれら能登高校の製品をマジマジと眺め、ついには手を伸ばしてしまっていた。

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まとめ買いしてしまった

というか、こういうパッケージで売られていた。

こちらは単品で買うと計1100円のところ、1000円になっていた。

4つの品が入っているので、一つ25円の割引だ。

賞味期限が迫っているものをまとめ、割引して販売しているセットもあった。

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購入したのはこの4つの製品

「プチクッキー」と「いちじくジャム」と「しそ」と「メカブみそ」だ。

どれも地場製品っぽいものばかりだ。

店内のコーナーにはこの4つの品が売られており、すべて一気に購入したことになる。

どうせなら全部味見してみたかったのだ。

以下にそれぞれの製品を食べた感想を並べたい。

 

それぞれ食べてみる

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まずはプチクッキー

こちら、道の駅でもけっこう売れているそうで、コーナーとは別にお店に入ってすぐの目につく場所にも置かれていた。

裏を見てみると製造者の名前が「石川県立能登高等学校」と記されていた。

表のラベルも生徒たちの写真だ。

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いただく

サイコロサイズのクッキーだ。

食べてみると歯ごたえサクッとしてそれでいてしっとりマーガリンの味がした。

サクサクさとしっとりさのバランスが良くて、結果としてボリボリと次々食べてしまった。

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あっさり完食

4つの中で唯一のお菓子ってこともあるけど、あの食べやすさと味は、人気があるのもうなずける。

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続いては「いちじくジャム」

こちらもラベルには生徒たちの写真だ。クッキーと同じ写真なので、今年製造している生徒たちの面々なのではないかと思われる。

このいちじくジャムは以前より作られているもので、年によってその表のデザインも違う。

このようにちゃんと製品化されたものは毎年下級生たちにレシピが引き継がれているようなのだ。

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ジャムだ

開けて匂いを嗅いでみるといちじくのやさしい香りがする。

このまま一口パクっと食べてみると、これまたふんわりとやわらかい甘みが口いっぱいに広がった。

甘みにトゲトゲしさやくどさが一つもないのだ。口に入れたことでさらにいちじくの香りも鼻を抜けていく。

そのままスプーンでダイレクトで食べ尽くしてしまいかねないくらい美味かった。

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食べつくすのを自制してパンに塗る

自家製パンに塗って食べると、市販のものの市販のものらしい味が一切しない。

いまでは朝食のパンのお供になっている。

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3つめは「能登のしそっ子」

シソの粉だ。

原材料は「しそ」と「梅酢」と「食塩」だけのシンプルな、いわゆる「シソ」だ。

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まずはダイレクトに

シソというとふりかけのようにご飯にかけたりして食べるものなのだろうけど、まずはそのまま食べてみた。

市販のものの中には舌がヒリヒリするくらい塩辛いものがあったりするのだが、こちらものはそのまま食べてもそんな刺激がなく、食べやすかった。

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ご飯にもかける

不思議なもので直に食べても塩辛さを感じなかったのに、ご飯と一緒に食べてみると塩味が際立つ。

白米のアクセントとしてはちょうど良い。

いまでは手製の弁当のご飯にいつもかけている。

ちなみに賞味期限は購入した日から10日後くらいしかなく、この量をどうやって食べきろうか思案しているところである。

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最後は「女花舞みそ」

女花舞はこう書いて「めかぶ」と呼ぶ。

いわゆる「メカブみそ」だ。それも甘口。ほかにも辛口というのもあった。

こちらの製品は地域創造科3年の女子生徒2人が2014年に考案したもので当時ニュースでも取り上げられていた。

ラベルの写真もこちらだけ違う。キャピキャピ感が眩しい。

こちらもレシピは後輩に引き継がれているそうだ。

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原材料はこちら

米糀みそ、りんご、砂糖、ネギ、生姜、メカブ、唐辛子、胡麻油とある。

自家製の麹と能登産大豆の味噌らしい。

メカブとはワカメの根本みたいな部分のことだ。正確にはワカメの生殖細胞が集まっているところらしい。

この日本ではよく食用にされるし、美容にも良いそうだ。

なお、賞味期限が購入日から一週間後であった。かなり早い。

早速食べなくてはと思ったけど…

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蓋が硬かった

冬場の乾燥でアカギレした手では開けるのに苦労した。

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なんとか開いたけど

手がますますボロボロに。

なかなか頑固なフタだった。

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まずはダイレクトに

味噌のいい香りがする。

食べてみるとリンゴのおかげなのか辛くなかった。むしろ甘いほうだろうか。

メカブは細切れで、噛むとシャキシャキとした歯ごたえがある。

そして食べているとそのうち磯の香りがした。

複雑濃厚な味をしたメカブ味噌だ。

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こちらもon theご飯

わかっていたことだが、むちゃくちゃ白米とマッチする。

味噌の旨味と甘みと、最後に香る海産物の生臭さがどれもご飯のお陰で際立っていた。

複雑濃厚な味であるが、細かく考えるのが馬鹿らしくなるくらいご飯に合う。

うん、美味い。

ご飯がすすむ、すすむ。

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試しにシソと一緒に乗せてみた

シソの塩分と味噌の甘みがそれぞれご飯の上で際立つので、一緒に食べると結果として中和されていた。

これはこれで面白い味だった。

 

まとめ

どれもこれも美味しかった。

高校生たちが作ったものと侮れない。

そしてそれらの製品をコーナーまで設けて置いている道の駅「桜峠」の大人の懐の深さにも感服する。

商いの経験を学生の時分より経験できる生徒たちが改めて羨ましいのなんの。

また、地域活性は大人だけじゃ果たせない時代なので、こうして若い人たちが若い人なりの感性で商品を考えている姿が頼もしくも思える。

懐の深さと書いたけど、結局大人たちにも見返りがあるわけだ。

今回の件を振り返るにあたり、地域活性にはいろんな垣根を外していかないといけないんだろうなと改めて考えさせられた。

自分としてもいい勉強になった。

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冬場は雪が多いけど

美殿駅「桜峠」、また来たい。