七尾市中島町の駅近くを車で走っていたら「中島菜ショコラ」という幟を掲げたカフェを見つけた。
中島菜×ショコラというマニアックな組み合わせに惹かれるものがあったので、立ち寄って一つ買ってみることにした。
駅近くにあるカフェ
先日、能登の奥の方から国道249号線を使って金沢に帰っている途中、七尾市の能登中島駅(のと鉄道)の前を通り過ぎたところでとあるカフェを見つけた。
そのお店の前には「中島菜ショコラ」と書かれた幟がはためいていて、すれ違い様にそれが目に入った瞬間、運転中だと言うのに思わず振り返ってしまっていた。
こんな幟が目に入ったのだ
中島町は自分の祖父母の家があるところなので昔から度々訪れる場所であるし、その土地の特産品として中島菜というものがあることも子供の頃から知っている。よく漬物にされていたなぁ。
今でこそ能登伝統野菜に数えられているが、かなりマイナーな野菜だけに、ショコラに使われているなんて、奇特さが際立って自分にはかなり衝撃的であった。
ということでUターンして立ち寄ってしまったのだった。
こちらがそのカフェ
名前を「Cafe AROMA 美」という。
「AROMA 美」は「アロマビ」と呼ぶようだ。
中島菜ショコラを購入した際、お店のことが書かれた冊子も頂いたのだけど、それによるとカフェだけではなくアロマテラピーにも力を入れているようで、エッセンシャルオイルの販売なんかも行っている。
「AROMA 美」(アロマビ)というお店の名前もそういったところからきている訳だ。
お店の入口
北欧っぽい印象の木の扉、玄関先の電飾された植物を見るとクリスマスのイメージがあった。やってきたのは1月だったけど…
年中クリスマス気分というのは自分としては嬉しいですけどね。
お店の中もどことなくウッドハウスのような趣があって落ち着ける雰囲気のところだった。
それでいて和室もあるそうで、そこをレンタルスペースとして1時間1000円で貸していたりもしているから和洋折衷、能登の香りも残したお店だなと思う。
お店の中はもちろん、ご覧のように外でもカフェを楽しむことができる。
冬のおすすめメニューの案内
そのメニューにはコーヒーやカフェラテはもちろん、体に嬉しい効果がいっぱいのハーブコーディアルやハーブティーなどもあった。
そして手作りのケーキやクレープ、さらにはトーストやビーフカレー、ビーフシチュー、ピラフなんかもいただけるそうだ。
冬のおすすめのホットチョコレートに個人的に惹かれる。
ドリンクやケーキなんかはテイクアウトもできるとも書かれてあった。
ただ、この日は自分自身の時間の都合上お店で食べていけそうになかったので、何よりも一番に気になった中島菜ショコラだけをテイクアウトするにことにした。
中島菜ショコラをいただきます
運転しなければならないこともあって、温かいドリンクを注文することは諦め、気になった中島菜ショコラというものを買って帰ることにした。
そのショコラは、いわゆるベイクドされたショコラケーキだ。
すでに焼かれたものが入り口そばのテーブルに置かれていたので時間かからず購入できた。
ホールだと3000円、カットだと一つ500円(税抜)とのこと。
自分はカットを一つ頂いた。
個包装されている
このようにすでに包装されているので自分で手にとってカウンターに持っていけば会計を済ませてもらえる。
包装されているからと言って市販されているようなものではなく、このお店のオリジナルケーキだ。
手作りなのだ。
その表面は焦げ茶色をしている。
それなのに、いつものように茶色のシートを敷いて撮影してしまったから色的に紛れてしまった。これは自分の失敗だ。
この写真では分かりづらいけど、中は中島菜を使っているだけあって緑だ。
お皿に
これなら緑もわかりやすいはず。
ご覧のように抹茶のように緑だ。
ベイクドショコラで中が緑ってなかなか見ない。奇特な色だ。
でも逆に、店内のテーブルで他の商品と一緒に見かけたときに、それこそが中島菜ショコラだろうとすぐにわかった。
インパクト、有る。
ちなみにホワイトチョコレートも入っているそうなのだけど、ホワイトな要素は見た目にはない。
なお、添えたカップに入っているのは牛乳だ。
自分は「甘いものには牛乳派」なところがあるので、いつものようにホットミルクを添えてしまっていた。
それとの相性も含めて味見してみたい。
では、いただきます
カットした際にフォークに付いた中の緑部分の様子からもわかるように、結構しっとりとしている。
実際に口を含んでみてもそのしっとりさは舌の上でほどよく絡みついて食べやすかった。
で、その味はと言うと、いきなり中島菜の味がした。
自分は祖父母の家で子供の頃から中島菜を食べたことがあったので、鼻を抜ける青菜の香りに懐かしさを覚えてしまった。
それでいてすぐに後から焼いたチョコレートの味が広がってくる。
中島菜って苦味もあるので、ショコラの味と喧嘩しないのだろうかと食べる前は少し心配であったが、食べてみるとその心配は杞憂に終わった。
2つの味がケンカせずに具合良く口の中で混ざって広がるのだ。
自分の記憶の中で中島菜は漬物のイメージが強く、塩気の味も思い起こされるのだけど、このショコラの程よい甘みのおかげでその印象も一新される。
風味は確かにどこか苦味を含んでいるのに、その苦味もショコラケーキの中では心地よい爽やかさを与えてくれる存在になっているのだ。
なんて奇特な組み合わせだと名前だけ見ると思ったものだけど、ちゃんとスイーツとして成り立っているのが嬉しかった。
中島菜が活かされている。
牛乳と食べても相性が良く、一緒に口の中に含むと、具合良く混ざったショコラと中島菜の2つのコンボ味というものがさらに際立ってくれた。
牛乳好きとしてはこれまた嬉しい。
美味しかったです。
ごちそうさまでした。
後記
先にも記したとおり、中島菜とショコラの組み合わせって奇特だなと思ったのが最初の印象であり、その奇特さに惹かれて一つ買ってしまったのだけど、実際に食べてみるとちゃんとケーキとして美味しく堪能できて頬が緩んだ。
美味しさに緩み、かつ子供の頃に祖父母の家で食べた中島菜が、漬物でしか食べようがないと思っていた中島菜がスイーツとして活かされていることに、なんだか嬉しくなって頬が緩んだ。
中島菜はビタミンCやカルシウム、高血圧や発がんを抑える酵素なんかも多く含んでいてスーパーフードとして注目を集めている。
自分はなにげに健康志向なところもあるので、こうして食べやすいショコラになっているというのはありがたい。
中島菜の可能性が広がる。
七尾のプレミアム商品券も使えるみたい
また来たい。
そのときは店内でゆっくりとホットチョコレートなんかも味わってみたい。
なにげに健康志向だけど、欲を言えばこてこてのハニートーストも味わってみたくなった。
その際は中島菜パワーで中和されないだろうかと淡い期待をしたい。