輪島市の門前には郷土食として門前そばというものがある。
總持寺祖院を拝観しに行った際にそちらも食べてみたので記したい。
總持寺祖院内の持寺珈琲にて
1月に和傘のライトアップを撮りに總持寺祖院へ訪れた話を当ブログでも記事にしたかと思う。
(和傘のライトアップを撮りに行った記事は→こちら)
その際、境内にある喫茶店「持寺珈琲」(じじこーひー)にも立ち寄って軽くお昼も済ませることにした。
「持寺珈琲」は以前、フグ付きの門前味噌バーガーを食べたお店でもある。
(フグ付き門前味噌バーガーを食べたときの記事は→こちら)
その頃から目に入っていた「門前そば」という文字がずっと気になって一度は食べてみたいと思っていたので、この度それを目当てに立ち寄ってみることにした。
こちらが持寺珈琲
能登地震後に總持寺祖院側から打診されてオープンした喫茶店なんだとか。
自家焙煎珈琲だけではなく、フグ付きの門前味噌バーガーからもわかるように地元食材のコンボが面白い食事メニューも豊富なところだ。
色々ありすぎて、正直どれを選べばいいかわからなくなるときがある。
この日、自分が訪れたのはお昼を少し過ぎた頃であったので、お蕎麦くらいしかありませんと言われたが、目的が門前そばであったので自分としてはなんの問題もなかった。
メニュー
こちらお蕎麦のページ。
温かいのと冷たいの両方があり、量も並(600円)と大(1000円)がある。
さらにはトッピングが7種類もあるので、蕎麦だけだというに悩まされた。
結局自分は温かいものを並で、トッピングは月見とさせてもらった。
門前そばをいただく
そもそも門前そばとは何なのかと言うと、いわゆるご当地そばだ。
しかも能登唯一のご当地そばだ。
ただし、あまりメジャーなものではなく、この辺りの郷土食として食べられていたものである。
でも、門前で蕎麦といったらそれなんだとか。
歴史も古く江戸時代からあり、明治時代に總持寺祖院が一度火事で焼けるまで總持寺祖院の参道には何件も蕎麦屋があったそうだ。
一般的な蕎麦は小麦粉を使うところ、つなぎに自然薯を使っているのが特徴で、そば10に対して皮ごとすりおろした自然薯を6くらいの割合で使用しているという。
こちらがその門前そば
温で並盛、月見だ。
シンプルに蕎麦の味を確かめたかったのでこのトッピングにした。
温かいのにしたのは寒かったので。
こうして見た限りではその色も太さも状態も普通に「かけ蕎麦」だ。
ではいただきます
箸で掴んで口に含んで噛んでみると、蕎麦は気持ち太めだろうか。細くはない。
舌に乗せると、そば粉の割合から考えるとちょっと不思議なくらい野趣な味わいがある。
カケにしたので香りの確認はモリほどできていないものの「あ、そばを食べているな」との主張、強さも感じるのだ。
とはいえ、いわゆる田舎そばほどクセや濃さがあるわけでもない。
つなぎに使った自然薯のおかげなのか喉ごしツルッといけてしまうのだ。
いわゆるさらしなそばと田舎そばの中間に位置するような食感であり味というところでありながら、いわゆる二八そば(小麦粉2、そば粉8)とも風味が少し異なる。
喉越しがいいのに感じる野趣な味わいは皮ごとすりおろした自然薯(里芋)の持つ自然の風味によるものなのかもしれない。
この不思議な味わい、癖になりそうである。
美味いです。
ごちそうさまでした。
まとめ
以上、初めて食べた門前そばの感想である。
野趣なところを残しつつ、ツルツルと食べやすいその味わい、なんだか田舎に帰ってきたようなホッとする食べ物であった。
カケにしたおかげで温まるし、並盛の割にはお腹に溜まった。
この腹持ち、これも自然薯のおかげかもしれない。
その香りをより確かめるためにも、次は冷たいもの(たぶんモリ)も試してみたくなったし、持寺珈琲ならではのユニークなトッピングも試してみたくなった。
この時間、お客さんは自分だけだった
コロナ禍のせいで観光客が激減し、飲食業はお店の存続も危ぶまれる状態である。
門前そばは家庭用のものも売っているみたいだし、それらを買って自分なりのトッピングも試してみたいとは思うけど、自分としてはこういう地元の食材を色々と使うお店に足を運ぶのはこのあたりに来たときの楽しみの一つでもあるので、どうにかコロナ禍に負けずに存続してほしいものである。
また總持寺祖院に足を運んだ際は、立ち寄りたい。