初心の趣

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金沢駅地下に黒板アート『金沢今昔行列絵巻』が置かれていた

金沢駅の「もてなしドーム地下」にときおり黒板アートが置かれることがある。

先日、約10ヶ月ぶりくらいに新しい作品が置かれていたのを目にしたので撮ってきた。

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いつもの金沢駅もてなしドーム地下

黒板アートは昨年9月ごろより金沢駅もてなしドーム地下に出現している。

自分は第4弾くらいまで目にして、当ブログでもその写真を並べてきた。

昨年の黒板アートの記事はこちら

いずれも作品はドーム地下の同じ場所に置かれており、今回もまたやはり同じであった。

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鼓門のあるもてなしドーム

地下へと続く広めの階段を降りていくと…

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右手に見えてくる

フリースペースみたいになっていて、テーブルの上では高校生と思われる男子たちが勉強していた。

ストリートピアノが置かれているところでもあるので、「駅東口のピアノのあたり」といえば駅を利用している地元民にはすぐわかるところだと思われる。

 

金沢今昔行列絵巻を鑑賞

金沢駅地下の黒板アートは、小学校などで使われなくなった黒板を再利用する「思い出黒板アート」がその始まりだ。

地元の美大生や高校生たちが描いてきた。

今回のものも、金沢美術工芸大学修士一年絵画専攻の4人で描いているという。

女子4人だそうだ。

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案内看板

これによると制作は9月25日から10月1日。

公開は10月2日から10月8日までのようだ。

毎度のことだけど、だいたい公開期間は一週間くらいだ。

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こちらがその『金沢今昔行列絵巻』の全体

ちょうどストリートピアノを演奏している人もいたので入れてみた。

こんな場所にある。

作品は黒板3枚分。

左から見て前田家の藩政時代、昭和、そして現代という流れである。

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まずは前田家藩政時代から

参勤交代のような行列が描かれている。

この時代の行列といったらコレを思い浮かべるの、わかる。

社会や歴史の教科でさんざん習った覚えがある。

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ちなみに顔はほぼのっぺらぼう

目鼻っぽいものが描かれている者もいるけれど、その顔に表情はない。

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比べて馬にはくっきり「目」

馬の顔がリアルに描かれていて、この差ってなんだろうと考えると見ていてニンマリしてしまう。

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2枚めの昭和

電車が描かれている。この金沢市にもむかし路面電車が通っていたのだ。

大正時代からあったらしく、昭和42年の全線廃止まで道路を走っていたそうだ。

自分の生まれる前の話なので、自分自身も映像でしか見たことがない。

また、この二枚目のテーマは「昭和」「路面電車」のほかに「なういやんぐ」もあった。

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ナウいヤング

すでに死語だ。自分が大人になる前にはすでに死語になっていたと思う。

リーゼントパーマだろうか、アイパーだろうか、よくわからないけど男たち、すごい髪型だ。

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女学生のスカートも長い

膝をだしません。

そんな時代だから「絶対領域」なんて言葉もなかっただろう。

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最後は令和時代

テーマは「令和時代の金沢」「鼓門」そして「まちのり」だそうだ。

「まちのり」というのは金沢レンタサイクルのことで、絵でいうと…

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これだ

参勤交代では馬、昭和では路面電車に続き、令和ではチャリンコだ。

若者も乗れば、年寄っぽい人も乗っている。

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描かれている人は…年齢不詳

若いのかそうでないのか、男か女か一見だけでは分かりづらいと思ったのは自分だけだろうか。

LGBTという言葉もあるこの多様性の時代も描いているように思えた。

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ついでに自撮り

これも今の時代らしいものだと思う。

これまたついでにいうと、どこの国の人なのか、男か女かわからない感じがここでもする。

やっぱり多様性の時代なんだと勝手に感じ取る。

 

感想

以上、金沢駅東口もてなしドーム地下に登場していた黒板アート『金沢今昔行列絵巻』の写真だ。

これが黒板アートの第5弾にあたるかは不明だが、こうしてまた目にし、撮ることができて、ずっと撮り続けてきた自分としてはちょっと安堵している。

今回の絵のテイストはむかしの絵巻物のようで、むかしのようでいて現代も描いているからユニークだ。

「なういやんぐ」を現代では死語だと書いたけど、これから未来、数十年後には今の時代も過去の時代として、こんな時代であったなと振り返られるだろう。現代使っている言葉もいつ死語になるかわからないのだから、やすやすとむかしの時代をバカにはできないものである。

同時に、変わりゆく時代の流れに対し「むかしは良かった」だの「いまの若者はおかしい」だのとただ拒否反応を示すことも、現代を馬鹿にしているようで間違っているように思えてきた。

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今の金沢ってほんと外国人(観光客)が増えたんだよね

英語で話しかけられることもしばしばあるし、少しは話せるようになったりと自分も変わらないといけないのかもしれない。

なかなか考えさせられる作品であったと思う。