駅の地下広場にて黒板アートが展開される「思い出黒板アート」事業の第4弾が12月の半ばころにあった。
第4弾ではそれまでずっと制作してきた金沢美術工芸大学が高校生とコラボしたという。
興味が湧いたので今回も見に行ってきた。
またまたまたまた金沢駅東口もてなしドーム地下へ
黒板アートを見に駅に行くのもこれで4回めだ。
それまでと同じように今回も金沢駅東口のもてなしドーム地下に黒板が置かれていた。
ストリートピアノが置かれているすぐそばだ。
やはり同じように地下への階段より撮影
全く芸がないが、過去の3つと同じ場所に設置されているので、まるでいつもの儀式のようにこちらから撮ってしまった。
今回は特になにか衝立があるわけでもなく、この階段からでもスッキリと見やすい。
自分が足を運んだのは公開期間中の日曜日の朝早くだったということもあって見物客も少なく空いてもいた。
階段を降りた先にちょうどこんなのも催されていた
「第18回北陸三県 絵画/デザイン ハイスクール選手権展」というものが3日間に渡って行われていたようだ。
偶然か予定通りか、こちらも高校生が関係しているアートの展示物であった。
ただ、自分がやってきたのが朝早かったこともあって、まだオープンしていなかった。
(静止線を超えて中に入って作品を見ていた人もいましたが)
高校生も参加した思い出黒板アート
目的の黒板アート第4弾も高校生が参加している。
さっそく見に行ってみるといつもの赤い看板も置かれてあった。
いつもの案内板
これによると金沢美術工芸大学の学生たちと金沢桜丘高校の生徒たちが共同で制作したようだ。
なんでも桜丘高の美術部の生徒たちがデザインを担当したのだとか。
これにも書かれてあるように展示期間は12月11日から18日までであった。
その全体図がこちら
大学生と高校生とのコラボである今回の黒板アートのテーマは「金沢」だそうだ。
前も「金沢」系のテーマのものはあったかと思う。というか、過去3作だいたい「金沢」系のテーマだったと思う。
いつもどおりやはり3枚の黒板が使用されている。
そこに描かれているものは鼓門と城とお殿様、そして川と橋だ。
よく見るデザインだ。「金沢」のイメージってだいたいこんな感じなのだろう。
では、それらを一枚ずつ確認してみたい。
左から一枚目は橋と川だ
犀川大橋の方は、曲弦トラス単鋼橋として国の有形文化財に登録されている。
90年以上生きている古い橋だ。
細かく見てみる
バスだ。
北鉄のバスが描かれている。
この橋を河川敷の方から眺めていると、本当にこういう風景を目にすることができる。
ちょうど夕暮れ時とかだと金沢市民としてはノスタルジックな気分になれたりする。
ときには自分たちもこのバスに乗っていたという経験と記憶があるかだろう。
こういうのを描き込んでくるあたりいいセンスしているなと思う。
橋の下、河川敷の様子
影で暗くなった描写などを入れてさりげなく強調してくれているところが面白い。
小学生の頃、夏休みになるとこの河川敷をとおり、橋の下をくぐって県民プールへと向かっていたのを思い出してしまう。
個人的にはやはり懐かしさがある。
2枚めをチェック
前田利家公とおまつの方だ。
バックには鼓門、金沢城、更には地理的にそう見えることはないけれど城内に尾山神社のステンドグラスも見受けられる。
金沢の観光と歴史を象徴するものを見事に詰め込んでくれている絵だ。
よく見ると道は加賀友禅
柄などから見て加賀友禅だと思われる。
花火のようなものは金沢和傘
庶民でなかなか持っている人は少ないけれど、知る人ぞ知る傘だ。
市の特産品もさり気なく絵の中に織り込んでいるわけだ。
観光協会が喜びそうなコンボだ。
二人乗り
なんか目に止まったので撮ってみた。
利家公が描かれたことは何度もあるが、こうしておまつの方とランデブーという構図は珍しく、なんか愉快だ。
3枚めをチェック
一枚目と同じく川と橋であるが、こちらはその景色から女川とも呼ばれる浅野川であろう。
黒板アートになっても、犀川と比べて流れが柔らかそうなのが伝わってくる。
そして、この絵では人が多く描かれている。
人に注目
この笑顔のおじさん(若者かも知れないが)を筆頭に「人」に目が行ってしまう。
金沢の住人なのか、それとも観光客なのか、描かれ方としてちょっとひしめいているけれど、それぞれに人物設定がありそうな気がしてくる。
隣の和服の女性にはどこか哀愁が漂っているし、後ろのサラリーマン風の男には不安と希望が入り混じっているようにも見える。
小さな描写にも注目
橋の上に注目してみても、ここにも人が描かれている。
恋人同士と思われる者たちや、おしゃべりする友人同士など、ドラマで言うとエキストラのようなポジションでもそれぞれにちゃんと物語がありそうである。
自分としては勝手に彼ら彼女たちの会話を想像してしまう。
なかにはこんなのもいましたが
よりリアルに近い「人」が描かれている中、二次元みたいなのが描かれていた。
こういうの描きこんでしまうの、たぶん高校生だろう。
らしさが出ていると思う。
個人的には後ろの笑顔の黒人さんもイカスけど。そのリアルさと、この二次元のギャップが愉快だ。
感想
以上、駅地下の黒板アート事業第4弾の作品だ。
今回も観光にやってくる人たちに金沢の観光スポットや歴史、町の魅力を伝える内容であった。
高校生と大学生によるコラボであっても、その基本の部分は揺るがないようだ。
相変わらずディテールに拘りが見受けられ、その細かさに自分などは望郷の念を思い起こされるところがいくつもあって、今回も個人的に楽しめた。
思い出ピアノと一緒にするとより懐かしさが増すかと
別に観光客でなくても、ずっと金沢に住んでいる者でもしっかり味わえるのだ。
特に今回は高校生の若さゆえのセンスと言うか、やんちゃっぷりもほのかに楽しめて、今後の金沢に淡い期待を抱けた気もする。
今回関わった彼ら彼女たち高校生にしてみれば、今回の作品がまた思い出になるのだろう。
思い出黒板アート事業、これからも続いてもらいたいものだ。