初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

「奥能登揚げ浜式塩田 しおちょこ」を味見する

先日、能登方面の道の駅で「しおちょこ」なるものを見つけた。

県産の塩を使ったチョコらしい。

一つ買って味見してみた。

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県にゆかりのチョコレート

昨年も1~2月ごろにバランタインに合わせるようにこの石川県のお土産として売られているちょっと変わったチョコレートを紹介している。

昨年は白山市の剣崎なんば(唐辛子みたいなやつ)を使った辛いチョコレートであった。

昨年のナンバを使った辛いチョコレートの紹介はこちら

今年もこの時期に合わせて何か県産とゆかりのあるものを紹介できないだろうかと考えていたところ、「しおちょこ」なるものをとある道の駅で見つけた。

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こちらがそれ

つい買ってしまった。

甘い食べ物の代表格であるチョコレートに、甘さと反発しそうな塩をブレンドしたっぽい、一目でちょっと変わっているなと思えたチョコレートである。

塩は、特に奥能登でとれて石川県を代表する食材の一つであるが、辛さの次はしょっぱさなので、チョイスがちょっと斜め上の路線を走っている気も我ながらしないでもない。

というか、昨年紹介したナンバのものと企画している会社が同じであったのだから、その会社が変わったセンス(=いいセンス)をしているということだろう。

その販売元というのが、石川県加賀市にある「アンテ」という会社だ。

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封にも「アンテ」のマーク

この「A」を中心としたロゴは前回の辛いチョコレートのときにも見かけた。

アンテは他にも地元産の塩を使ったポテチやサイダー等も開発しているので、こういったソルトのチョコというのは、ナンバのもの以上にその会社らしさが出ているように思えた。

まあ、どちらもチョコレートとしては変わっている。面白い会社だと思う。

 

味見する

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箱の中身はシンプルな包装

昨年味見してみた「剣崎なんば」のチョコレートではパッケージにも遊び心が溢れていたのに対し、こちらの「しおちょこ」は余計なものを廃したものになっていた。

これはこれで潔い。

揚げ浜式塩田のある珠洲市日本海の静かな景色が目に浮かぶようなシンプルさだ。

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波だ

日本海は冬の荒波で有名だけど、なんだか和む波の絵だ。

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チョコ本体にも波模様

この「しおちょこ」は奥能登(おそらく珠洲市と思われる)の揚げ浜式塩田で作られた塩も使用しているという。

揚げ浜式塩田では、砂(塩田)に海水をまいたあとに水分を飛ばして早く乾燥させるため、細攫え(こまざらえ)という、グラウンドをならすトンボみたいな形をした、または猪八戒の武器のようなもので砂に節目を入れていくのだが、そのときにできる節模様のようでもある。

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味見

かじってみるとどうだろう、ちょっぴりクランクチョコ系かと思わせる歯ごたえがあった。

ただし、それも一瞬のみでその固さはちゃんとチョコレートである。

では味の方はというと、「あれ? クランク?」なんて事を考えていたところに急に塩味がやってくる。

チョコの甘味に覆いかぶさるように急に「ソルト」がやってくるのだ。

しかも、ミネラルがたっぷり含んでいるであろうと思わせるやさしい塩の味だ。

しょっぱいはずなのに味に棘棘したものがないのである。

塩が甘みを引き立てているとかそういうものではなく、お互いが主張しているのに次には譲り合ってもいるような、そのような調和がある。

不思議な感覚だが、ものすごく美味しい。

 

まとめ

興味本位で味見をしてみた「しおちょこ」、想像以上に塩の味がした。

それでいて塩辛さをほとんど感じないのだから、ソルトそのもののモノがいいのがよくわかる。

能登の天日を浴びて作られた塩の実力を再確認した次第だ。

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揚げ浜式製塩法の説明も箱の裏に載っていた

ほんと美味しくてクセにもなる味であったから、気がつけば一気に一箱の半分を一人で食べてしまっていた。

チョコを食べすぎると虫歯になる危険もあるとわかっていながら、優しい塩が虫歯を防いでくれるんじゃないかと勘違いしてしまうほど塩の味に舌鼓をうってしまっていたのだった。

もちろん勘違いなので、虫歯には気をつけたい。

ちなみに一箱540円だ。

能登以外でも、能登方面の道の駅なら結構どこでも売っているので、見つけたら試してみてはいかがだろうか。

特に大人が好きそうな味であったので、酸いも甘いも塩っ気も知っていそうな大人に送ると喜ばれるのではないかと、個人的に思う。