石川県鳳珠郡能登町にはジェラート世界チャンピオンにもなった柴野大造氏で知られる「マルガージェラート」の能登本店がある。
すんごい長閑なところにあるというので足を運んできた。
能登町瑞穂にあるジェラート屋さん
ジェラートの祭典Sherbeth Festival(パレルモ・イタリア)にて優勝し世界チャンピオンにもなったことで最近改めてテレビにも出演・紹介されている柴野大造さん(石川県能登町出身)。
ジェラートイリュージョンなんかでも知られる氏のお店が「マルガージェラート」だ。
このお店の名を聞くと、金沢あたりに住んでいる者だと「あの野々市にあるお店ね」となるんだけど、能登方面に住んでいる者や出身者からすると「本店は能登町」とこうなるようだ。
自分などは能登町にマルガージェラートのお店があることすら知らなかった。
長閑なところにあるらしく、一度行ってみたいと以前より思っていたので、先日、能登町を通った際に本店の方に立ち寄ってみた。
(ちなみに自分は野々市のお店にも行ったことがない。こちらはオシャレで都会っぽい感じがしたので庶民の自分はちょっと敬遠してしまっていた)
能登町瑞穂というところにある
能登町でも内浦の方だ。
国道249号線を走っていると、途中で看板が見えてくるのでそこで曲がるとすぐだ。
こんな道、あんな看板
ご覧の通り、周りは山だ。
そんな中を走る道の途中に「まるごと能登」と書かれている看板が立っている。
看板拡大
「手作りジェラート」や「MALGA GELATO」の文字も。
これによると営業時間は10時から18時までだ。
営業中と書かれたその下の矢印に従って、国道249号線を写真でいうと右折すると良い。
角には郵便局もあり、対角線上には消防団山田分団もあるのでなかなか特徴的な曲がり角だと思う。
曲がった先の景色
このように建物の側面に「マルガージェラート」と書かれ牛の絵が描かれているのでそこが目的地だとすぐわかる。
お客様駐車場もあるので車でも来やすいと思う。
駐車場、結構広い
8台、頑張ればもっと停められそうな広さだ。
なんだったら、路駐もできそうなところであった(怒られそうだが)。
それくらい、このあたりは車の通りも多くない。
お店の正面に
山に囲まれた田園の中にある。
左手には屋根付きのベンチもある。
ほとんどのお客さんがそこで座って食べていた。
右手には屋根なしのベンチもある。
天気がいいときはそこで食べるのも気持ちが良さそうだった。
ダブルコーンで食べてみる
店員の方は小窓を開けて応対してくれる。
窓の内側にはアイスのショーケースがあって、注文するとそこからすくって盛ってくれるのだ。
この日は男女の若い店員の方が二人で店番をしていた。
「何にしましょうか?」といったことを聞かれたけれど、自分はこのお店にやってくるのが初めてなので何があるのかもさっぱりだった。
小窓の隣にメニューがあった
コーンタイプとカップタイプがあり、それぞれシングルかダブルで注文できる。
シングルは310円、ダブルは二種類選べて430円だ。
アイスの種類も「ジェラート」と「シャーベット」の二種類があった。
そこからさらにフレーバーをチョイスするわけだけど、想像以上にフレーバーの数も多い。
3、4種類くらいだろうと思っていた自分は能登本店をどこかでナメていた。
フレーバー、店員の方が言うには「本日」とあるように日によって違うそうだ。
ちなみに注文の手順も載っていた
初心者にもやさしい。
これによるとシングルでもダブルでもおまけで一口サイズながらもう一種類フレーバーを選ぶ事ができるとある。
自分はダブルコーンで頼んでみたのだけど、実際お店の方に3種類目のフレーバーを何にするのかも聞かれた。
種類もあるので店員の方を前にちょっと悩んだ末に自分が選んだフレーバーは、
「能登の塩」と「栗」だった。
「おすすめ」や「今が旬」という言葉に乗せられて選んでしまった。
味見用のおまけフレーバーは、たまたま目についた「ラムレーズン」を選んでいた。
そして3種類を盛られて渡されたものが…
こちら
全体的に「白」だ。
我ながらインスタ映えしなさそうな絵面だ。
もっとこうカラフルになるかなと思ったけれど、チョイスが甘かったらしい。
まあ、自分はインスタをしていないのでいいんですけどね。
そんなことよりもジェラートなんてイタリアの小洒落たアイスを田んぼの前で食べることのほうが個人的にはインパクトがあったしね。
そう、ご覧のようにお店の前も田んぼが広がっているのだ。
田園と書くと洒落た感じもするけど、田んぼだ。
ジャパニーズ田んぼだ。
長閑で素晴らしいじゃないか。
その中で「白」というのも潔くて日本っぽいといえば日本っぽいだろう。
なんにせよ、いただきます
最初におまけで一番上に乗せてもらったラムレーズンから食べたのだけど、このフレーバーの境界線がわかるだろうか?
よく見ると多少、色が違うのがわかってもらえるかと思われる。
真ん中上あたりのレーズンが入った白玉みたいな大きさのものが「ラムレーズン」で、左半分が「栗」、右半分が「能登の塩」だ。
ラムレーズン、ラムが濃いレーズン入りのアイスだった。
「栗」も「能登の塩」もバクバク
栗、濃すぎるというわけでもないけれど濃厚なミルクジェラートの中に品よく、かつ確かな自己主張をもってそこに栗がいた。
なんだろうか、バクバク食べてもくどくないのだ。
能登の塩は、その名の通り塩が利いている。
ミルクアイスと塩のコラボの良さはソフトクリームなどでも承知しているが、その期待を裏切らない名コンビぶりを魅せていた。
不思議なものでミルクアイスの甘さが塩によって引き立つし、それでいて塩によって引き締められるから、こちらも全然くどくない。
美味い。
自然な味わいで美味い。
ただ、気温が高いと、特にコーンだともたもたしていると溶け出してくるので、じっくりゆっくり食べようとすると手元が大変なことになるで注意が必要だ。
ここまで食べればひとまず大丈夫
こうなると溶けてもコーンを伝って手が汚れることはない。
二種類のフレーバーをコーンの中でブレンドすることもできなくもないので、ここからの味わいがまた新しいものになることもあるだろう。
塩と栗の合体は、なかなかでした。
ごちそうさまでした。
感想
派手な演出、派手なフレーバーではなかったものの、より素材のまま、より自然に近い味わいをいただけたと思う。
自然たっぷりのものを自然の中でのんびり食べれる幸せ、これは能登町瑞穂というロケーションだからこそ堪能できるものではないだろうか。
柴野大造氏は野々市町のお店にいるそうなんだけど、野々市店ではこののんびりっぷりはまず味わえないと思うのだ。
「本店は能登町」は伊達ではない。
なお、自分はあたりを散策しながら食べていたんだけど、そのうちこんな場所にたどり着いた。
閉校になった小学校を発見
お店から100メートルくらい離れた近いところにある。
能登町立瑞穂小学校だ。
ここって確か柴野大造氏の母校だったはず。
より原点に近い自然の風味を味わえるジェラートを食べながら、その作り手の母校にたどり着けるとは不思議な因果を感じずにはいられない。
たまには原点回帰するといいよと、そう教えてもらえたような能登本店であった。
ノスタルジーにふけりたいときなど、また来たい。
それでもってよりオシャレそうな野々市店の方にもこれを機会に一度立ち寄ってみようかと思う。