いしかわ百万石文化祭2023に合わせ、金沢城公園にて「チームラボ 金沢城 光の祭」が行われている。
なかなか見に行けなかったそのイベントへようやく観に行けた。
いしかわ百万石文化祭2023に数えられるイベント
石川県では令和5年10月14日(土)~11月26日(日)にかけて、第38回国民文化祭と第23回全国障害者芸術・文化祭とを合わせた「いしかわ百万石文化祭」が行われている。
そのイベントの一つで、先駆けて9月30日(土)より金沢城公園で行われているのが「チームラボ 金沢城 光の祭」だ。
チームラボのイベントは21美にやって来たときに観に行っていて、噂に違わず楽しいコンテンツを作るところだなと思っていたので、今回の金沢城でのイベントもやっぱり見に行きたくて仕方なかった。
いしかわ百万石文化祭そのものより2週間くらい早くスタートしていたので、行けるチャンスはたくさんあったのだろうけど、野外なので公開時間が18時半スタートと夜だったことと、この時期はすでに珠洲市で奥能登国際芸術祭2023が始まっていたこともあって、なかなか足を運べずにいた。
しかも行けるかなと思った土曜日に限って天気が悪かったりしてタイミングもなかなか合わなかった。
会期は11月26日(日)までなので11月に入ってそろそろ行かなくては終わってしまうと焦り始めた頃に、勤労感謝の日である11月23日(木・祝)の前日が暑いくらい晴れるとの天気予報があったので、急いでチケットを購入したのだった。
ついでに貧乏くさいことを言うと、入場料が金土日祝で200円アップするので、祝日の前日であった11月22日(水)は少しお得に入場できる。素直に嬉しい。
ということで金沢城へ
会場入口(出口)が石川門からだけだったので、近くのパーキングに車を停めて、歩いてここまでやって来た。
自分が到着したのは19時過ぎくらいだったと思う。
祝日の前日だからか、この時点で人が多いなと思った。
列が出きている
夜の石川門でこんなに人が多いことってなかなかないので、不思議な感覚があった。
あと、昼間は20℃近く上がるという季節外れの暑さだったんだけど、夜になると10℃くらいしかなくて、その寒さから頭が少しポォ~としている感じもあった。
一応、コートを着ていったけど、寒さにやられそうな雰囲気がこの時点よりあった。
この石川門を抜けた先に受付があり、前売り券を購入している人はQRコードを見せて通過することになる。
前売り券がなくても当日券も門を抜けた先で購入できる。
自分、パソコンでチケットを購入してしまったんだけど、印刷機がないからスマホのカメラでそのQRコードを撮影して現地に向かった。現地ではその写メのQRコードを提示。
読み取りエラーになるか心配だったけど…
無事通過(受付にて)
無事読み取ってもらえたので通過できた。
「チームラボ 金沢城 光の祭」を楽しむ
受付を通過すると順路に沿って歩くことに。
ただ、夜で暗いので、やや鳥目(夜盲症)のケがある自分は入っちゃいけない芝生に入ってしまったり、ワタワタとしてしまっていた。
歩いていくと石垣になにか見えてくる
石垣をバックに薄い明かりが当たって、その中を墨字が泳いでいた。
順路に従うと最初にその石垣へと誘導されていく。
説明書き発見
暗くて見づらく撮りづらかったが、なんとか撮影。
これによると石垣の墨字は「古えの石垣の円相」と呼ぶそうだ。
静止画なので分かりづらいが…
墨字が生き物のように
動く動く
空想上のドラゴンが石垣の狭い空間を泳いでいるようである。
円相が動き続け、変化し続け、なにせジッとしていない。
めちゃくちゃ活動的なんだけど、その動きが孤を伴う柔らかいものだから、観ていてうるさくない。
むしろその場でずっと観ていたくなる。
水族館で回遊する魚の動きをずっと見ていられるときのような、そんな心の落ち着きがある。
一プログラム終了して、いったん消えたところで寒さもあるので次に進んだが、次に始まるとそれまでと同じ動きがないようなので、ずっと観ていられる。
ほんと、生き物みたいであった。
続いて向かうのはこちら
ここに向かうとき、細い階段を登っていったりするので、一番列が続いていた。
順路通り進むので、必ずみんなここを通るのだけど、鑑賞者の多さに比べて道が細いのだ。
待って少しずつ進んでを繰り返してたどり着いて見えたものは…
闇の中に妖しく浮かぶ赤い火花だ
「我々の中にある巨大火花」というタイトルだ。
「火花」を「花火」と間違えて読んで勘違いしている人が何人もいたけど打ち上げ花火でも線香花火でもなく「火花」だ。
心の中に浮かぶ火花を具現化してくれた作品だ。
その火花が何物でどんな性質のものかは、観た人それぞれで違うだろう。
希望にも見えるだろうし、闇の中から見つめる獣の瞳のように恐ろしいと感じる人もいるだろう。
なにかの衝動のようでもあれば、こうして写真に撮ってみると眩しさが抑えられるので闇からの出口のようにも見えてくる。
自分が現場で実際に目にして感じたことは、「これがもっと暖かければ、この寒い中、火花の下で鍋をつつきたくなるなぁ」だった。
観ていて何故だか食欲がそそられたのだ。
温かいスープでも、美味しいコーヒー(パン付き)でもいいなぁ。
食べ物、美味しいものに飢えているのだろうか…?
それも観終えて次に進むと見えてきたものは…
こちらだ
「Walk,Walk,Walk-金沢城」というタイトルのもので、石垣に挟まれた通路を通りながら、その石垣に映し出された鳥獣戯画のようなキャラクターたちが列を作って行進している様を見ることができる。
ウサギたちが進んでいく姿を見れれば
盆踊りのような動きで列を作って進んでいく人のような姿も
想像はしていたけど、写真で撮ると露出(明るさ)の問題から、何が何やらといった具合の画になってしまう。
これらはちゃんと動いていて、自分たちが歩く速さよりゆっくりなものだから、別次元の御伽の世界に迷い込んだような感覚がある。
そんなもので、本来これは静止画よりも動画で見たほうが間違いなくその世界観を伝えられるのだろうけど、自分にはコレ(一眼レフカメラ)しかないので、ご容赦を。
さらにこの石垣の間も抜けると、次に見えてくるのは…
光るタマゴだ
こちらは「自立しつつ呼応する生命の森」というタイトルなんだけど、カメラを持つ者からすると、明るいのでオートフォーカスを働かせやすく撮りやすかった。
こちら、触れてOK
バルーンで出来たタマゴは触る事が出きる。
傾けることは出来ても転がったりしないので、起き上がり小法師のようなものだ。
しかも他の人が他のタマゴに触れるとそれに呼応してタマゴの明かりの色が変わるので命の躍動のようなものまで感じてしまう。
あちこちにあるなぁ…
と思っていたら…
むっちゃある
進んでいくと大量に密集しているゾーンがあった。
確かに「森」だわ。
狭っ!
ここ入っていくの?と思うけど、皆さんどんどん入っていく。
まあ、自分も入りましたけど
タマゴに挟まれて、ときどき思いっきり押している人がいるから、体ごと持っていかれる時がある。
その瞬間はタマゴが凶器のように思ってしまうが、それも一瞬で、痛くないものだから、その持っていかれぶりを楽しんでしまう自分がいた。
そしてときどき思いっきり踏ん張る!
どうだ、押しきれまい!
と、勝った気になるのが個人的に面白かった。
あ、スタッフの方々は常に「タマゴは優しく押してください」と声をかけているので、優しく押して上げましょう。
小さなお子さんは、ふっ飛ばされて怪我することもあろうから。
そういう小さなお子さんこそ無茶苦茶に押しまくっていたから、愉快といえば愉快だったが…
反動で押し返されているお子様たちの姿を見ると、こういうのも社会勉強だよなと、そんなふうにも思えてしまった。
なお、そのエリアも抜けて順路に従って進もうとすると、それらタマゴの森を遠くから客観的に見れるスポットもあった。
月と一緒に撮れたりする
人の影も影絵のようにいい感じに映ってくれるから、このタマゴ、傍から撮るのにもいいんだよね。
なんか謝肉祭みたいだな…
と思った自分は、やはり食べ物に飢えていたんだと思う。
タマゴのエリアを抜けると妖しく光る通路を進む
木々がライトアップされていて、それらが何色にも光るので、摩訶不思議な世界に誘導されていく印象があった。
あ、途中、トイレもあります
急に現実に戻して申し訳ないが、会場内にはいくつかお手洗いがある。
自分も利用させてもらった。
なにせ寒いので、途中からトイレも我慢できなくなってくる。
こういう看板、有り難い措置だと、ほんと思う。
そうしてその通路を歩いていくと次にはお堀のあるところに出るんだけど…
堀のある石垣に巨大なデジタルアートが
デカい…
でも、カメラだとその明るさを捉えきれない…
これ、無数の花が巨大な動物を形成して、石垣を伝うように行進していくのだけど、その動きが滑らか!
キリンだとかカンガルーだとかフラミンゴだとか、それぞれの動物らしい動きをしながら、構成する花が花吹雪のように舞い散っていくような動きもあるので、ジブリの『もののけ姫』で観たシシガミ様のような、いろんな生命を司る神々しさのようなものまで感じ取れた。
これはスケールもデカいから迫力も半端ない。
いやぁ、いいもの観れたなと思うものの、静止画では明るく撮れず、その迫力を伝えきれない。
これもやはり動画で撮るのがいいのだろう。
一応、ここだけは自分もスマホで動画撮影を行いました。載せませんが。
写真でなんとか明るく撮りたい!
と、思うものの、どれだけ頑張っても動画には勝てない。
本当ならお堀の水面に映る姿も写したいのだけど、露出(取り込む明るさ)が足りなすぎて、ほとんど写ってくれませんでした。
パンフレットのような写真、どうやって撮ったんだろ?
そこからさらに進んで出口近くまで歩くと、そこに最後のコンテンツがある。
横長のスクリーンに子供が描いたような画の武将たちの姿が
最後のここはその名も「お絵かき武将」というもので、塗り絵のように自分たちで色を塗った武将たちをスキャンして、この横長のスクリーンに映し出し、さらに動いてくれるというものだ。
水族館なんかでもよく見かけるものだけど、せっかくなので…
自分もトライしてみた
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康や前田利家といった有名武将を選べる中で、自分がチョイスしたのは「おまつの方」だ。
武将だけではなく、こういった姫君たちも選べる。
これを選んだのは… テキトーだ。なんとなく選んでしまった。
一人一枚しか選べないので、手に持ったときにはもう遅かった。
テーブルにクレヨンが置かれているので、この塗り絵に色を付けていく。
先に言っておくと、自分には絵心というものがマジでない!
壊滅的にないので、本当ならこういうコンテンツはいつも避けていたのだけど、寒さに頭がやられていたのか参加してしまった。
色を塗ることですらセンスのない自分が描いたものがこちらだ。
ひどい…
我ながら本当に酷いと思う。
クレヨンだから一度塗りだすと消すことが出来ないので、途中から失敗したことに気づいてももう押し切るしかなく、最終的にこうなった。
恥ずかしいったらないので、描くだけ描いて帰ればいいのだけど、長い列に並んで、これもスキャンしてもらった。
ええ、スクリーンに映し出されるのです、この絵が。
あ、出てきた
出てきただけでなぜだか興奮してしまう自分。
運動会で我が子が出てきて写真を撮りまくる親御さんたちのような気分だった。
うお、意外とかわいい
親バカでしょうか? そんなことを思ってしまった。
あ、娘が同じように変な顔色のやつとじゃれ合っている!
うれしいような、寂しいような、複雑な気持ちにさせられていた自分の顔には、引きつったような笑みが浮かんでいただろう。
あ、逃げた
流石だ!
いやはや、この体験、楽しすぎる!
参加してよかった。
感想
金沢城公園で行われていた「チームラボ 金沢城 光の祭」、想像以上に楽しかった。
チームラボの石垣に映されるデジタルアートは、今回はスケールの大きさもあって圧巻だったし、ただアートを鑑賞するだけではなく、タマゴのエリアのように触れたり呼応したり、押したり押されたりで体を動かしたりと、五感のいろんなところも刺激された。
さらには最後のお絵描き(色塗り)体験がこちらの想像力を膨らませ創造力をアウトプットできたものだから「楽しい」が詰まったイベントだった。
帰るのが惜しくなる
もう公開終了時間の9時半近くだったので、帰るしかなかったのだけどね。
結局、2時間以上いた。
いやぁ、楽しんだ。
こんなに楽しいならもっと早い時期に行って、二回、三回と行きたかったと思った。
チームラボの作品は写真で捉えるには難しいものばかりだけど、体験が素晴らしいので写真撮影抜きで行きたくなる。
満喫できました。