初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

百万石行列は金沢城内にいると結構ほとんど見れる<前編>(獅子舞も加賀鳶はしご登りも見れる)

4年ぶりの通常開催となった「金沢百万石まつり」、久しぶりに生で行列を見たくなっったので、金沢城へ行ってきた。

城内公園にいると結構いろいろと見れる。

 

 

兼六園から金沢城を目指す

2023年も金沢市では百万石まつりが行われた。

しかも今年はコロナ禍を越えて4年ぶりの通常開催だ。

メインのイベントでもある土曜日に行われる百万石行列もフルスペックで実施された。

むかしは前田利家公が入城した日にちなんで毎年6月14日に行われたのだけど、それだと平日でも開催することになるので2000年から6月上旬の土日に合わせて開始されることになっている。

最初の頃は6月の第2土曜日だったのだが、その頃だともう金沢は梅雨入りして雨の日が多く、2007年からは第1土曜日に開始されることになった。

なお、6月14日に行われていた頃は、平日だと市立の小学校や中学校が休みになっていたので、まだ小学校や中学生だった自分としては有り難かったのを憶えている。

土曜日にあわせて開催されるようになってから、県外や海外のお客さんも増え、行列のときはものすごく混雑するので長年現地で観ることはしていなかったのだけど、コロナ禍があってながらく我慢するときが続いていたからか、通常開催される今年は久しぶりに生で見たくなった。

行列は、土曜日(2023年は6月3日)14時より金沢駅前の鼓門から出発して3時間以上掛けて金沢城へ入っていく。

子供の頃、沿道で観ることがほとんどだったので、今回できれば城の近く、または城内で見たいと思い、ゴールである金沢城へと向かうのであった。

ということでまずは兼六園に到着

駅から城へ向かうまでの道路は当然交通規制がされていて車で入っていくことはできない。

そのため、車で向かう場合は少し手前の有料駐車場に止めるか、もしくはバスといった公共交通機関を使って近くまで来るしかない。

自分はこうして兼六園の手前までやってきているが、金沢医療センターのある方向、つまり小立野経由でやってきている。

こちら側は行列も通らないので車やバスで来やすい。

そうしてこの兼六園を通過してしまえば、その先には金沢城がある。

本日、無料開放

百万石まつりの日は兼六園も無料開放されているので、誰でもタダで入って行けて通過することができる。

この日に観光に来れば、祭りだけじゃなく兼六園も楽しめるわけだ。

久しぶりに園内通過

この季節は新緑が気持ちいい。

春夏秋冬で色な表情を見せてくれる兼六園だけど、自分は個人的にこの季節が一番好きかもしれない。

行列を前に園内を撮り続ける自分

これが有名な徽軫灯籠(ことじとうろう)

映えスポットとしてしられるところで、だいたい皆さん手前の小さな石橋の上やその手前から記念撮影している。

この日は園内そんなに人の数は多くなかったのだけど…

タイミングによっては人が並んでいた

並んでいたとはいえ、いつもの土日と比べると全然少ない方なので、行列が行われている時間に見に来るというのも一つの観光テクニックなのかもしれない。

さて、自分が兼六園近くにやってきたのは15時30分くらいだったと思う。

パレードが駅前の鼓門を出発するのが14時なんだけど、自分は出発する光景をテレビ中継で確認してから1時間くらい経った15時くらいに家を出ている。

行列の先頭が金沢城の石川門から入城していくのが16時前くらいからなのでそれに間に合えばいいやと、そんな時間にやってきていたのだ。

あ、でも、もうやってきている

兼六園の石川門側の出口を出ると、沿道ではすでにパレード(行列)が見えていた。

園内で写真を撮りすぎて時間を使いすぎたせいで先頭集団はすでに入城を開始していたようなのだ。

しかも…

石川門の前ではすでに通行規制が

兼六園から金沢城への最短ルートである石川門は、行列がやってくる少し手前の15時30分には通行規制が敷かれ、一般見物客のそこからの入城が、行列全ての通過が終わるまでできなくなってしまう。

冷静に考えるとそりゃそうなのだけど、自分はそのあたりを見誤っていて、城内の公園に入るには迂回しなければならなくなった。

このあたりからだと玉泉院丸庭園の方まで迂回する必要がある。

地図で示すとこんなところを通って行く必要がある

一旦沿道まで降りて、この地図の道を歩いていかなくてはならない。

ええ、歩きましたよ… パレードを見ながら

本当なら石でできた橋「石川橋」を渡ってしまえばすぐに石川門に行けるんですけど、この時間、通れないのなら仕方がない。

観衆が多い沿道をパレードを見ながら玉泉院丸庭園の方まで歩くことにしたのだ。

もちろん撮影も忘れません

自分が城内公園に入ったときには、この先頭集団の方々はすでに入城してしまっている可能性が高いので、今のうちに見て、撮っておいた。

このように

あ、ミス百万石の三人

今年のミス百万石の御三方はこちら。

ここからだと顔を全然撮れなかった。

なお、ミス百万石の方々は毎年オープンカーで沿道を進んでいる。

獅子舞行列も石川橋の下の方までやってきていた

沿道の見物客(外国の方)と戯れる獅子頭

石川橋の手前に有料観覧席が設けられているんだけど、だいたいそのあたりで演舞が行われたりする。

そういう場所が道程の数カ所にある。

とりあえず城内へ急ごう

しいのき迎賓館の緑地の脇の道路を通って玉泉院丸庭園へと向かった。

この道を真っすぐ進んで右手に、金沢城に隣接している玉泉院丸庭園があるのだ。

ここだ

この坂を登って行った先に金沢城公園がある。

左に見えるのが玉泉院丸庭園だ。

玉泉院丸庭園も

撮っておこう

ここに来るのも久しぶりだ。

勤め先がこの辺りだったときは通勤ついでに毎朝通っていた頃もあったのに…

城に到着

坂を登ってしまえばもう城内だ。

ただ、行列が入ってくる「入城祝祭」を観るには城内公園の「三の丸広場」までいかなくてはならない。

写真奥に見える五十間長屋のさらに奥にあるのだ。

こんな看板発見

石川門から入れなくなる時刻や地図も載っていた。

これに従って回ろうじゃないか。

まあまあ、歩くけどね

広場にはステージも設けられていて、その控室のスペースなども必要だからか、本当なら写真でいうと長屋のこの下をくぐって進めば最短で行けるのに、ここでもまた迂回させられた。

城を撮っておくか

進みながらこんなことをしているから時間がどんどん過ぎていく。

あ、広場見えた

入城祝祭の前まではこの広場では「盆正月」というイベントも行われていたのですでに見物客も多い。

というか、もう行列が通る脇道に人が並んでいる。

考えることは皆一緒だ。

ここも撮っておこう

自分、金沢城公園ではこの堀が好きで、いつもこうして撮ってしまう。

ライトアップされている夜とかだと結構キレイなのだ。

って、こんなことをしているから入城祝祭も冒頭から見れない。

開き直ってこういうのも撮影

「盆正月」の展示物なども撮った。

キッズたちが遊べるところもあった

盆正月から楽しむのも有りだったな、なんてことも思う自分がいた。

ああ、もう入城が始まっている

自分が到着したときにはもう16時を過ぎていたので、当たり前だ。

それでも市内の沿道に比べるとまだ見物客の数も少ないので、こうして制止線のすぐ近くで陣取ることもできた。

ここから行列を撮っていくことになる。

 

ミス百万石、入城

陣取った立ち位置はこんな感じ

石川門の方へカメラを向けると、このように人の壁が三重くらいにできている。

石川門からはちょうどミス百万石の御三方がやってきていた。

沿道でオープンカーに乗っている姿を見たときは、これは彼女たちが入城するところには間に合わないんじゃないかと思ったけど、なんだかんだと間に合った。

沿道の各スポットで演舞や加賀鳶のはしごを一斉にやったりするから、思った以上に進行スピードは速くないようだ。

御三方を撮影

加賀友禅に身を包んだ今年のミス百万石の三人だ。

オープンカーを降りても優雅に手を振ってくれている。

石川テレビのカメラクルーの方々も写っちゃっているけど、そりゃカメラマンも撮るわね。

当日は北陸放送MRO)と石川テレビで百万石行列の生中継をやっていた。

横顔も

こうしてみると、このポジションも悪くなかった。

前に二人くらいいたんだけど、皆さん腰を下ろして見ていたので、三列目にいた自分でも撮りやすかった。

沿道でもそうだったけど、最前列で見ている人、地べたに座って見ている人がほとんどだった。

ありがたい。

 

獅子舞行列の演舞も見れる

続いて獅子舞行列もやってきた

加賀獅子保存協会の行列で、一つの町だけではなくいくつもの町の獅子舞がやってくる。

こういった

感じで

町それぞれで獅子頭の形ももちろん違う。

ちなみに盆正月のブースではそんな獅子頭を紹介するところもあった。

ここがそこ

6つある。

ここに展示されているということは現役のものではない…

少なくとも今年の行列に使われるものではない。

今年の獅子頭たち

各町で色が違う

ゴールドっぽいものも

加賀獅子はその特徴として胴体部分が蚊帳のようにデカいのだけど、その胴体部分ももちろん各町によって個性が出ている。

ただ、あまりにも大きいので、自分が陣取ったところだと全体を撮るのは難しかった。

あ、目の前でなにか始まった

続々と入ってくる獅子舞の一団が、その行進を止めて芝の上で待機し始めた。

分かる人にはすぐピンとくるけど、演舞を始めるのだ。

町中の沿道でもいくつかのスポットで止まって一斉に演舞を始めたりするが、この城内公園でも行われるわけだ。

それは別に獅子舞だけではないので、言ってしまうと、この城内公園にいると行列の見たいもの殆どを見れてしまう。

獅子退治をするのは女性だった

薙刀を持った袴姿の女性が獅子頭に挑む演舞が目の前で始まってくれた。

おお、かっこいい

すごい角度から攻撃してる

しかも皆さん、楽しそうだしね。

おまけに近い近い

芝の上を四方八方に動き回るのでかなり接近したところから撮ることもできた。

なんならその薙刀が観客に当たるんじゃないかと思えるくらい近い距離で演じていた。

おかげで迫力がある。

凄い構えからの…

兜割り一閃

もうね、格闘ゲームの必殺技ムーブを見ているようでしたよ。

最後は一礼

退治して勝どきをあげるのではなく、お辞儀をするこの謙虚さ、かえって潔くて日本人的だなといつも思う。

目録を読み上げる人はすんごく気合が入ってましたけど

お年を召した方だったが、子どものような声の張り方をして読み上げていた。

潔く厳かかと思えば、この高揚ぶり。

この硬軟、緩急の混在も日本の祭りだなと思う。

あ、男の奴も登場

こちらの得物は刀だ。

この人もまた躍動的で見ていて楽しかった。

牙突」行きます

白山市の「美川おかえり祭り」の獅子舞でもそうだったけど、加賀獅子では牙突の構え、よく使うよね。

これまた近っ!

格ゲーの超必殺技を決めたときの演出みたいじゃないか。

いやぁ、かっこいい。

縦撮りで

縦撮りも試してみたら、対峙しているだけで緊張感、さらにクライマックス感があって絵になってくれる。

もちろん最後は一礼

なんだろうか、もうね、勝利したとかそんなことよりも一戦交えて鍛えてくれてありがとうございますって、そういうことを話しているようでほっこりとしたよ。

獅子頭を持つ人生の先輩の笑顔の朗らかなこと。

いいもの見れた。

 

加賀鳶はしご登りだって見れちゃう

獅子舞の演舞が終わると、続いて入城してきたのが…

加賀とび行列だ

金沢市3消防団によるものだ。

3消防団と言っても、町ごとの纏の数がすごかった。

纏が

続々と

入ってくる

これでも一部だ。まだまだ続々と町の名前が入った纏が並んでいった。

しかもこれ、ただ入城して通過してくだけではない。

加賀鳶行列の目玉、加賀鳶はしご登りも、この城内で見せてくれるのだ。

行進を止めて一礼

自分がいた前では「此花」「小坂」「花園」「馬場」「大浦」の纏が見えた。

準備を始める皆さん

はしごを立てるところから見れる。

おお、立った

みなさんが手に持ってはしごを支えている、柄の長い鎌みたいなものが「鳶口」というものだ。

鳶のくちばしに似ているからそういう名前らしいんだけど、加賀鳶の「鳶」はそこから来ている。

しっかり垂直に立てたら火消しの一人が上っていく

自分としてはこんな近くで梯子登りを見られるとは思っていなかったので、興奮してしまう。

こんな近くで見たのいつぶりだろうか?

確認しながら上の方へ

ちゃんと垂直になっているか、確認しながら上っていった。

冷静に考えて、梯子を支えているのが数人の鳶口だけなんだから、本来、安全も何もあったようなものじゃない。

それでも仲間を信頼して登って行ってしまう。

いやぁ、青い空に映える。

城内公園だと高いビルなんかが周りにないので見やすい。

登り切ると演技開始

「火の見」という基本的な最初の技だけど、ケツと足の三点だけでバランス取っている…

いきなりすごいことするなぁ。

これ、簡単そうにやっているけど、普通の人がいきなりやれって言われてもできないよ。

このあともデンジャラスなバランス技を立て続けに披露してくれるので、ヒヤヒヤするやら興奮するやらだった。

ハイッ

こちらも3点バランス。

ハイッ!

2点バランス!

ハイッ!!

しまいには1点バランス!

こんな高所で一箇所だけでバランス取るんだからたまげる。

さらにはこんなことも

頭だって下にする。

まだまだ!

さらに背中も反る!

なんだったら梯子の外側にもはみ出る!

いやぁ、危ねぇ!

けど、すげぇ!

おまけに逆立ちだってしますよ!

これ「灰吹き」という技らしいんだけど、姿勢が垂直であることを求められるんだって。

ブレーンバスターで持ち上げられるより、怖ぇ!

左を見たらこっちでも同じことやっているし

一斉演技なので、こうして同時に演技を行っている。

この時間帯だと夕日が逆行になるので、シルエットが綺麗に見えるときもある。

もう飛んでるみたいだ

この青い空がバックだと空中を飛んでいるようにも見えてくる。

うわぁ、なにやってるの!

って、怒られそうなことをしているが、「横大」という大技だ。

27種あるという演技の中で一番腕力を使う技らしい。

飛んでますって、これ。

でも、自分、この技が一番好きだったりする。

クライマックス「鶯の谷渡り」も決まる

演技の中で一番動作が激しいといわれる大技だ。

静止画では伝わりにくいが、これ、このあと反転、反転を繰り返している。

つまり体を下に向け、上に向け、また下に向けを繰り返すのだ。

クルッとね!

この技だけは足を布で括り付けているとはいえ、いつ抜けるかドキドキものだ。

だって下には安全マットもないんだから。

あっちでもこっちでも「鶯の谷渡り」

一斉にやっているんだから、ある意味、狂喜乱舞。

ああ、でも最後まで完走

一番最後の技「敬礼」で締める。

無事にやり切って、清々しいったらない。

前日は提灯行列が中止になるくらい大雨だったのに、いやあ、天気にも恵まれていいもの見れた。

っていうか、浮いているようにみえるね…

美しいわ。

 

後編へ続く

文章量が多くなってしまったので、前半はここまでにしたい。

前半だけでもわかるかと思われるが、金沢城内にいると百万石祭りのメインである「百万石行列」をほとんど目にすることができる。

獅子舞も加賀鳶はしご登りも一斉演技を城内公園で行ってくれるのだ。

おまけに高いものが周りにないから、加賀鳶に至っては空に浮いているように見えてくる。

テレビ中継だと城内に入っていくまでの沿道での行列の姿を主に映しているので忘れがちだけど、お城の中もいい鑑賞スポットだったりするわけだ。

このあと、武者行列、そして一番のメイン・利家公、さらにはおまつの方の姿も見れたので、後編に載せたい。