初心の趣

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「奥能登国際芸術祭2020+」をマイペースに回る第四日目その4(大岩オスカール「植木鉢」)

10月に入りすべての作品が鑑賞可能になった「奥能登国際芸術祭2020+」へ、計四回目の鑑賞旅へ行ってきた。

第四日目その4である今回は正院エリアにある大岩オスカール氏の「植木鉢」を紹介したい。

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歩いていった旧正院駅

3つ前に紹介したNo.23のときに記したようにNo.20~23の作品は駐車場が共通だ。

そのため今回取り上げるNo.20の作品「植木鉢」も共通駐車場近辺から歩いて見に行った。

場所は旧正院駅になるので、正院本町の交差点からそう離れていない。ただ、それなりに歩く。

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正院本町の交差点より

この道に入っていくことになる。

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歩いて進んでここで左折する

案内板もあるのでわかりやすいかと思う。

それでも、それなりに歩く。

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曲がった先

もう展示場所である旧正院駅が見えている。

これらの距離を近いと思うか離れていると感じるかはその人次第だと思われる。

自分は歩いていけたけど…

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駐車できるじゃないか

と、たどり着いてすぐに思った。

車でも来れるのだ。

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なにはともあれ旧正院駅だ

自分、この廃駅に来るの、今回が初めてである。

廃駅の旅より先に、芸術祭で来てしまった。

 

20番 大岩オスカール「植木鉢」

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20番だ

作者の大岩オスカールさんはサンパウロ生まれで、建築学を学んだあと、東京で建築事務所に勤めながらアーティストとしても活動し、奨学金をえてニューヨークに移ってからはアメリカで活躍する油絵画家なんだそうだ。

油絵画家だけど、今作は絵画ではない。

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とりあえず入ってみる

旧駅舎に入ってみると、ベンチの上に買い物かごが置かれていた。

何だこれはと覗き込んでみると…

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写真のアルバムだった

地元住人の方々が写った古いアルバムだった。

なんでも芸術祭で駅舎を片付けていて出てきたものらしい。

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思い出の写真だ

この正院駅ではかつて町民有志の皆さんの参加で「旅行会」や「走ろう会」(マラソン大会)なんかが行われていたそうで、それらの懐かしい写真なんだとか。

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「大花見会」なんてものも行われていたようだ

この駅もまた、かつて桜がきれいなところだったそうだ。

能登町珠洲市といった奥能登の廃駅は桜がきれいなところが多い。

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ホームへ

駅舎だけではなくホームもまだまだそのまんまキレイに残っていた。

さすがにレールは取っ払われているけど、そのレールがあったところに何やら巨大な盆栽のようなものがいくつか並んでいた。

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このように

この巨大な盆栽みたいなものが作品「植木鉢」だ。

あわせて8つ並んでいた。

それぞれ形も異なり、側面に描かれている模様も違っていた。

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デカい

植木鉢って、普通のイメージでは人が抱えられるくらいの大きさで、植えられるものも花だとかだと思うのだけど、これらはどれも木だ。

シンボルツリーになりそうな「木」だ。

ガイドブックによると、かつて桜が綺麗だったこの場所で紅葉狩りもできるようにと、秋に紅葉する木が植えられているんだとか。

よくこんな大きな木が植えられる鉢を見つけたなと感心するけど、この鉢、鉢ではなく地元焼酎蒸留所で使われなくなった巨大なタンクをリサイクルしたものなんだそうだ。

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確かに金属だ

内側の質感とかを見るとタンクだというのがよくわかる。

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丸いものもあった

これも焼酎の蒸留に使われていたタンクなのだろうか。

タンクの種類だったり歴史だったりも間接的に学んでいるようで面白い。

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この一番端にあったタンクの使われ方、好み

タンクを横に倒して一部を切り取って植木鉢にしてある。

マリオの土管みたいだ。

写真でもわかるように木がかなり高いところにいる。

こんなに高く植えて大丈夫なのかと思いつつも、この高さだけにアスレチック遊具のように登ってみたくなったりもした。

ホームを降りての鑑賞は禁止されているので、もちろん登ったりなんて事はできない。

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それにしても、これらの木ってなんていう種類なんだろうか?

自分は植物に関しては疎いので、植えられているこれらの木がなんと言う名の木なのか一つもわからなかった。

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キンモクセイ

ちっともわかっていない。

ニュースでモミジやヤマボウシが植えてあると書かれてあったが、どれがそうなのか全然わからないのだ。

すべて同じじゃないみたいだし、少しは植物のことを学んでおけば良かったと悔やまれる。

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葉っぱが少し赤くなっているものも

この第四日目は10月4日に訪れているので、奥能登とはいえまだ紅葉には早かった。

しかも今年は10月だっていうのに25℃を超す夏日となった日が続いていたりもしていたし、紅葉のピークがちょっと遅れているのかもしれない。

今年はほんと、暑い10月だった。

 

感想

タイミングが合わず紅葉を見られなかったのが残念であるが、芸術祭が終わっても展示されているようなら、来年以降、廃駅の旅にて紅葉シーズンに再びこの地に足を運びたくなった。

忘れ物を回収するようで、あの旅にも意味が出てくるというものだろう。

ここを紅葉狩りの名所にしようとする作者の試みに答える意味でも、そうしたいものだ。

そんなもので作り手側や芸術祭運営側も、どうか旧上戸駅の「うつしみ」や旧蛸島駅のように何年もそのまま、できれば「紅葉狩り会」ができるくらいに「植木鉢」をキレイに残しておいてほしいものである。

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ホームもペンキを塗ってキレイにされていた

これなんかを見ると、残される可能性大と期待してしまう。

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切符売り場も掃除したのかキレイだったんだよね

芸術祭期間中の土日限定で、ここで地元の方がむかしの駅員の帽子をかぶって弁当を販売しているという情報を目にしたけど、「紅葉狩会」が今後イベントとして行われることになったら、そういう弁当販売もまたやってくれないかなと願う。

今回、平日の月曜日にやって来て、ここで弁当を買うことが出来なかったもので…

キレイになったホームで紅葉見ながら弁当を食べるの乙に思えてならないのです。