初心の趣

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奥能登国際芸術祭2023を地震に負けず回る第一日目その1(塩田千春「時を運ぶ船」)

三年に一度、最涯(さいはて)の地、石川県珠洲市で行われる国際芸術祭が2023年に帰ってきた。

今年は大地震にも見舞われ、開催が3週間遅れたが、9月23日(土)よりスタート。

さっそく観に行ってきたので今回も作品を一つ一つ順に記事にしていきたい。

 

 

能登国際芸術祭2023を作品NO.1より回る

珠洲市全域で行われる「奥能登国際芸術祭2023」が始まった。

三年に一度開催される、いわゆる「トリエンナーレ」で、これで三回目となる。

前回の「2020+」はコロナ禍の影響で一年遅れた2021年に開催されたので、2年間のブランクしかあいておらず、更にいうと、今年2023年は5月5日に震度6強を記録した大地震にも見舞われ、いまだ復旧、復興の最中であるので、よく開催してくれたと思う。

コロナ禍や地震なんかに負けない珠洲市を応援したい…

そんな気持ちから、事前に鑑賞パスポートも購入した。

開催期間は、2023年9月23日(土)~11月12日(日)

51日間ある。

第1回、第2回ともにすべて回った経験から、自分のスローリーな鑑賞ペースでは少なくとも4日間はかかると考えているので、開催日初日より現地に足を運び、観に行ってきた。

毎回、だいたい飯田町の多目的ホール「すずなり」を起点に一日目をスタートさせてきたんだけど、今年は作品No.1がある大谷地区から見て回ることにした。

外浦側の左端からスタートすることになるので、順々に回りやすいことに、第三回目にして今更のようにようやく気付いたのだ。

ということで作品No.1のある地へ

珠洲市大谷地区にある旧清水保育所だ。

ここは2017年の第一回目から作品が展示されている。

第二回目も同じものが公開され、今年第三回目も引き続き公開されることになった。

ずっとここに置かれているのだ。

その作品は、もはやこの奥能登国際芸術祭を代表するような作品となっている塩田千春さんの「時を運ぶ船」だ。

3回連続で作品Noも「1」となっている。

自分がこの日、この場所にたどり着いたのは朝の9時ちょっと過ぎだ。

事前に購入したパスポートも取り出して、いざ鑑賞へ

作品鑑賞パスポートは一般用で3300円(学生用や子供用はさらに安い)。前売りで購入すると2750円だった。

もちろんスタンプも押されていない。

能登国際芸術祭2023では48の作品が珠洲市全域で展示されていて、作品ごとにスタンプを押して貰える(自分で押すところもある)。

コンプリートすると景品ももらえる。

過去2回もすべて回っているので、もちろん今回もすべて回るつもりだ。

珠洲市全域で点在しているのですべて回るのは大変だし、数日かかるけど、大変だけにやり甲斐もあり、達成したときにはカタルシスもある。

2023もそれを目指してやる気満々でやってきた。

でも、戸が開いていたのでいざ入ってみると、受付に誰も立っておらず、スタンプを押してくれる様子もない。

係の人たちはいたものの、何やら掃除を始めているのだ。

「あれ? スタンプは…?」

と聞いてみると、

「え? 開始、9時半からなんですよ」

と、答えられた。

自分、どうやら開始時刻を勘違いしていたのだ。

恥ずかしい…

金沢から来ているので、9時に間に合うように朝の5時すぎに起床していたのに、間違えていたのだ。

自分、平謝りだ。

でも、その係の人、すごく優しい人で、

「よかったら、どうぞ先に作品を観ていてくれてもいいですよ。スタンプも今用意します」

と言ってくれる。

さすがにそれは申し訳ないと思ったが…

一枚撮ってしまった…

フライングだ。

誰もいない、作品しか置かれていない部屋に入って撮らせてもらった。

卑怯にも、独占状態だ。

皆さん、申し訳ない。

建物の外で9時半になるのを待っていた人も一人いたので、さすがに長居しては場が混乱してしまうと思い、自分もすぐに退散し、車に戻った。

ボランティアの人たちも増えて掃除が一斉に始まる

9時半スタートに向けて準備が始まっていた。

受付にもボランティの人たちが入って、鑑賞客も徐々に増えてきた。

受付開始を待つ皆さん

9時20分くらいには数名やってきていた。

スタンプを押してくれる受付は9時半からスタートするので、それまで皆さん玄関で待っていた。

 

1番 塩田千春「時を運ぶ船」

1番だ

9時半になったので、自分も玄関で並んで鑑賞をスタート。

この作品看板も久しぶりだ。

これにちゃんと書かれている。

「公開時間 9:30~17:00」と。

あらためて、間違えて恥ずかしい。

どんだけ気持ちが逸っていたんだと思う。

それだけ楽しみにしていたという話でもある。

受付で教えてもらえるスタンプ

01から押されたのは第3回目にして初めてだ。

パスポートは事前に購入していたのだが、毎回購入していた公式ガイドブックが金沢の書店では売っていなくて、ダメ元でここの受付に売っていないか聞いてみたら、あるとの返事があった。

ということでガイドブックも購入(1300円)

2023の表紙はこの「時を運ぶ船」だ。

この場所で購入できて、なにか縁のようなものを感じて、人知れず嬉しくなった。

展示室では皆さんすでに鑑賞中

3回めなので、この作品も何度も鑑賞し、何度も撮影しているから、自分自身はそこまでガッツリと撮るつもりはなかった。

こうして作品を鑑賞している皆さんを撮っている方が楽しいと思ったりしたくらいだ。

隣の部屋などを先に撮影

このあたりも第二回目と大きな変化はない。

それはそれで安心する。

帰ってきたなと、そんな気持ちになった。

真ん中の部屋の映像も

細い隙間から見える映像も久しぶりに撮った。

塩田千春さんの制作風景などが見れるのだ。

そして空いてきた頃にメインも撮影

自分、これまでこの作品をだいたい夕方に見に来ていたので、こうして朝に撮るのは初めてだったりする。

係の人が言うには、時間によって窓からの光の具合、雰囲気が変わるそうで、表情も違って見えるそうなのだ。

光が、気持ちいいじゃないか。

これで3回めなので、あっさりと撮影するつもりだったが、撮っているときの気持ちは新鮮だった。

 

感想

能登国際芸術祭2023もスタートした。

自分は、ちょっとフライングしてしまったけど、無事開催されて心から嬉しい。

地震があっても、負けずに人としての営みを続ける珠洲の方々を応援したい。

船出の気持ち

これから、数日かけてすべての作品を回り、2023の作品一つ一つを取り上げて記事にしたい。