初心の趣

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奥能登国際芸術祭2023を地震に負けず回る第二日目その15(佐藤悠「おはなしの駅 すず」)

能登国際芸術祭2023、内浦側から回っている第二日目は飯田エリアを終え、隣の直(ただ)エリアへ。

2023では直エリアは1作品しかない。

佐藤悠さんの「おはなしの駅 すず」だ。

 

 

珠洲駅(道の駅すずなり)へ

能登国際芸術祭2023、飯田エリアを終え、次には直(ただ)エリアに向かった…

え? 飯田エリアが終わった?

自分の中では終わったと思って旧珠洲駅である現在の「道の駅すずなり」に向かったのだけど、駐車場に車を停めてガイドブックを確認したところで、飯田エリア、まだ終わっていないことに気づいた。

飯田エリアにはまだNo.28の作品があったのだ。

飯田駅で他の鑑賞客の方と立ち話していたら、すっかりそのことが抜けてしまっていて、勘違いしたまま「すずなり」まで来てしまった。

なら引き返して、先にNo.28の作品を見に行けばいいじゃないかというところなんだけど、この日、その「すずなり」ではキリコ祭りが行われていて…

去るのが勿体なく思えてしまった

さらに言うと、お祭りが進んでキリコが動き出すと駐車場の通路を移動し始めるので、車を出せない状況、または出せない雰囲気になってしまっていたので、ここに留まることにしたのだった。

芸術祭期間中に作品の前でキリコが並ぶというのもレアな景色であったし、自分としても初めて見るので、賑やかな祭り囃子が響く中、そのまま旧飯田駅の作品鑑賞を続けることにしたのだった。

 

27番 佐藤悠「おはなしの駅 すず」

切子灯籠たちがドォーーンと並んでた

旧プラットフォームが残っていて、その上で作品が展開されているはずなんだけど、こんな状況なので見えない。

それでもこれはこれで珍しい。

キリコ祭りはやっていても作品鑑賞はできる

もちろんスタンプも押せる。

27番だ

佐藤悠さんの「おはなしの駅 すず」という作品だ。

鑑賞だけではなく、体験もできる作品のようなのだけど、現場が祭り一色だったので、その体験をやれる雰囲気ではなかった。

売店では写真の展示

在りし日ののと鉄道能登線の姿かと思われる。

その隣にはモニターも設置されていて、佐藤悠さんがどのような活動を行ってきたのか、また今作品がどのようなものなのか説明されていた。

「いまいちばなし」という即興パフォーマンスの説明

この旧珠洲駅でもその即興パフォーマンスを毎週金・土・日で行っていて鑑賞者もそれに参加することができた(参加費無料)。

その取組がなかなか面白くて、この映像を観ているだけでも楽しめた。

プラットフォームに行くとこんなワゴンも

「いまいちばなし」の説明と参加の仕方が載っている。

後で知ったことだけど、佐藤さん、車掌の格好していたようで、参加したければその人に話しかければよかったようだ。

ただし、この日はこんな状況

キリコ祭りがやって来ていたので、皆さんの視線はキリコに注がれていた。

佐藤さん本人(車掌姿の方)もキリコを鑑賞しているような状況だった。

「いまいちばなし」には3人以上の参加者が揃う必要があるのだけど、この状況ではそれも難しいというものだった。

これが実際に「いまいちばなし」で描かれたものなのだろう

「いまいちばなし」は一枚の紙に絵を描きながら、参加するその場の者たち全員で即興の物語を作っていくというもので、それらをこの様に記録して展示しているそうなのだ。

結構あるな

自分が第二日目としてやって来たのは9月24日(日)だったので、奥能登国際芸術祭2023そのものが始まって二日目のときだ。

それでこれだけ描かれていたので賑わいのほどが伺えた。

コチラ側はガチで賑わっていましたが

祭りだ!

何度も記すが、この日はキリコ祭りの切子灯籠がこの旧珠洲駅に集っていた。

後で調べてみると、どうやら菅原神社、野中神社での祭礼「野々江の秋祭り」のようである。

この日は祭りを

見ろってことか!

そのように受け止めた。

切子灯籠の画がまた特徴的で、色っぽいおねさんが描かれているものが何基かあった。

着物姿のお姉さんに惹かれる

この現代的解釈で描かれた浮世絵の様な美人画、これらの絵で「いまいちばなし」が始まらないだろうかと思ったのは自分だけだろうか?

頭に「大人の」と付きそうな「いまいちばなし」になってしまいそうだが、そんな妄想も膨らむレアな現場だった。

 

感想

「いまいちばなし」の本も売られていた

珠洲駅で目にした佐藤悠さんの「おはなしの駅 すず」は、参加体験できる「いまいちばなし」も含めて一つの作品なのだろう。

自分がやってきたときにはキリコ祭りも来ていたので、結果的にそれはできなかったものの、祭りのお陰でレアで特別な「おはなしの駅 すず」の景色を目にできたので、自分としてはかなり満足している。

道の駅から町の方へと移動していく切子灯籠たち

それらを見届けた(見届けないと駐車場から車を出せなかった)頃にはもう公開時間が終わる15分前くらいだっただろうか。

自分としては、この鑑賞旅第二日目の完結としてもいいものが見れたと思った。

能登国際芸術祭は作家の作品だけを楽しむだけじゃなく、珠洲の歴史、珠洲の文化、珠洲の食、そのほか珠洲の土地にまつわるものを一緒に味わうものだから、これはこれで運がいいのだ。

祭りが去った後に正面の巨大なオーナメント文字を撮影

まず先に撮るべきものを最後に撮る、アクシデントにも似た、それまでの作品とは違う手順での鑑賞も、いい思い出になった。