穴水町には長谷部まつりというものがある。
三年ぶりに開催された今年、初めてのイベントとしてスカイランタンも行われるという。
見てみたくなったので足を運んだ。
穴水町のあすなろ広場へ
2022年7月23日(土)、穴水町の長谷部まつりが三年ぶりに開催された。
長谷部まつりとは鎌倉時代の武将で穴水城主だった長谷部信連(はせべのぶつら)を偲ぶお祭りだ。
武者行列なんかも行われるので、珍しさから自分も3年前に見に行っている。
(3年前に長谷部まつりの武者行列を見に行ったときの記事は→こちら)
それからコロナ禍が始まって、2年間開催されていなかったが、令和4年に復活したのだ。
今年で60回目だという。
それ記念して、今回の長谷部まつりでは初めてのイベントである「スカイランタン」も実施されることになった。
それまた珍しいなと思った自分は3年ぶりに長谷部まつりへ足を運ぶことにしたのだった。
ただ、当日自分にも予定があり、夕方にしか向かえなかったのでそのスカイランタンに標準をあわせて向かった。
今年はそれまでと違って昼間に武者行列も行わず、前夜祭というものもなかったようで、7月23日一日だけ、その日の夕方から行列も花火も、そしてスカイランタンもするというプログラムが組まれていた。
これもコロナ禍のせいなのかもしれない。
スカイランタンは花火大会と同じような時刻に開始され、同じ場所で行われる。
その場所というのが「あすなろ広場」だ。
地図でいうとここ
3年前は信連行列を追いかけて町の商店街みたいな処を歩いていたので、自分がこのあすなろ広場にやってくるのは今回が初めてだったりする。
到着
そんなもので車をどこに停めればいいのか現地につくまで不安であったのだけど、到着してみると、このあすなろ広場にもちゃんと駐車場が設けられていて、無事停めることが出来た。
このように広めの駐車場がある
こうしてみると結構車が停まっている。
ここがあすなろ広場だ
平成22年(2010年)3月に完成しているので、まだまだ新しい。
自分がここに到着したのは18時過ぎくらいだ。
夏だからその時間でもこれだけ明るい。
ただ残念ながら、今年は17時に出立し、17時半にはこの場所のステージにやってきていたという信連行列には間に合わなかった。
第60回長谷部まつりのプログラム発見
これを見ると、今年の長谷部まつりは1日だけ、しかも夕方くらいから夜にかけてのあまり長くない時間にいろんなイベントを詰め込んでいるのがわかる。
広場にはステージも設けられている
自分がやってきたときには太鼓の演奏が行われていた。
プログラムにもあるように6団体(チーム)は演奏するようである。
このステージの右側から裏側には…
屋台も並んでいた
ちょっとお高いけど能登牛の串焼きとか美味しそうだった。
なんでも同じ日に花火大会が行われていた内灘町では屋台とか全然出ていなかったというので、穴水町は寛大というか、コロナ禍とか関係ないようで頼もしい。
振り返ると海も見える
船が止まっていて思わず撮ってしまった。
先日、富山県射水市新湊の内川を見てきたからか、船を見たら撮りたくなってしまっている。
夕日がもっといい角度に差しているとよりキレイに見えていたんじゃなかろうか。
まつり太鼓を味わう
ステージでは太鼓の演奏が続いていたので、自分もしばらく鑑賞することにした。
ある程度鑑賞したら、ぷらぷらとまたどこかへ写真撮影に歩き出そうかなと思っていたのだが、結果を先に記してしまうと、ずっと聞き入ってしまっていた。
どこかにウロウロするわけでもなく、空いた小腹を埋めに屋台に出向くわけでもなく、太鼓の演奏を、ときにファインダー越しに覗いて、シャッターを切りながらずっと聞いていたのだった。
それくらい魅了されてしまっていた。
太鼓、やっぱりいいんだよね。
ということで、以下にそのステージ上で演奏された太鼓の写真を羅列したい。
こちらは太鼓と獅子舞の共演
自分が到着したのが18時20分くらいであったので、こうしてじっくり見始めたのは太鼓のプログラムでは三番目にあたる「のと半島鹿波獅子太鼓」からであった。
このチーム、珍しくて、名前の通り太鼓の演奏にあわせて獅子舞も披露してくれるのだ。
自分は能登地方でよく見られる獅子舞の「獅子殺し」が好きなので、それに近いものをこの演奏中に感じ取って、一人密かに興奮してしまっていた。
以前、羽咋市に獅子殺しを見に行ったことがあるが、こうして力強い和太鼓の演奏とともに演舞されると物語の臨場感のようなものもまた違ってくる。
(数年前に羽咋市太田町の獅子殺しを見に行ったときの記事は→こちら)
女の子も子供もバチを握って激しく演奏
こちらは「輪島高洲太鼓」のみなさん。
衣装が白で統一されているのが潔い。
こんな小さい子も
前に出て演奏。
和太鼓を継承していく若い力が芽吹いていて、見ていて微笑ましい。
こちらは笛の音も聞ける「朝霞太鼓」の皆さん
大人の人たちも何人もいて叩いていたのだけど、その動きが独特で…
腹筋運動しながら叩いていた
端っこで男女が座りながら叩いていたと思ったら、急に仰向けになって、そのまま腹筋だけを使って上半身を起こし、起こしながら太鼓を叩くっていう、見ているだけで疲れてきそうなアスリートの訓練みたいな演奏をしていた。
腹筋から腰、背中が翌日にはおかしくなるんじゃないかと心配してしまいそうな叩き方である。
こちらは「和太鼓サスケ」の方々
小学生から高校生くらいの子たちで構成されている若い太鼓チームだ。
ちょうど日が落ちてきた頃に登場していたので、視覚的な味わいが違って見えた。
なんか楽しそうだ
何という名前かわからないけど、小さな太鼓(打楽器)を手に、踊るように叩いていたので、一口に「和太鼓」「祭太鼓」と言ってもいろんな種類、魅せ方があるんだなと発見できた。
団体や地域によって伝統や個性があるそうで、和太鼓の可能性が広がっていくようで見ていて、聞いていて楽しく、ますます和太鼓が好きになった。
ちなみにステージの進行はMROのアナウンサーと慶次郎殿
MRO(北陸放送)の川瀬裕子アナウンサーと『絶好調W』でおなじみの前田慶次郎殿が行っていた。
左にいる方は石川県太鼓連盟の会長の方(所属は穴水長谷部太鼓保存会)だ。
進行の二人だけでこのステージがえらい豪華に思えた。
自分としてもやって来てよかったと思ったよ。
そして最後は今井昴さんの独奏からの『飛翔の刻』
今年2022年の金沢百万石まつりをTV等で目にした方ならご存知かと思うが、百万石パレードの出発式で演奏された石川県太鼓連盟の新曲が『飛翔の刻』で、そのセンターの大太鼓を任されていたのが今井昴さんだ。
輪島和太鼓虎之介出身(だったはず)のプロの方で、まあ、背筋がすごいのなんの。
叩き方も力強いのなんの。
この人が登場したとき、自分はこの日一番興奮してしまっていた。
出演していた団体の皆さんによる『飛翔の刻』
このように『飛翔の刻』がお披露目されるのは6月の百万石まつりに続いて2回めなんだとか。
自分は今年の百万石まつりを現地で見ることが出来なかったので、『飛翔の刻』をライブで聞けてこれまた興奮してしまった。
まさか今年の長谷部まつりでこんな豪華な和太鼓の演奏が行われるなんて思っても見なかった。
川瀬さんや慶次郎殿もいたし、ラッキーである。2022年の後半戦はなにかいいことが起きそうな気もしてきた。
スカイランタンと花火を撮る
ステージ上にて「和太鼓の響き」がエンディングを迎えると、そろそろ20時であった。
本日の一番の目的、長谷部まつり初めてのイベントであるスカイランタンの始まる時刻である。
和太鼓のエンディング中、振り返るとその準備をしているお客さんも
なにやら白い袋のようなものを持ち運んでいるお客さんが何人もいた。
どうやらそれがスカイランタンのようだ。
小さな子供たちがそれを手にして広場内を走り回っていたりもしていた。
アナウンスによると地元の小学校の児童たちとその家族によってランタンを飛ばす(浮かす)とのことだ。
ステージ上では慶次郎殿も手にしていた
風船のような形をしている。
凧の糸のようなものが伸びていて、高く上がっていっても後で回収できるような仕組みになっていた。
自分が想像していたものとはだいぶ違う。SDGsを考慮したスカイランタンのようだ。
そして20時。
会場の照明も落ちて暗くなると、BGMとともに一斉に宙に浮かされていった。
このように
う~む、光量が足りない…
安全にも配慮したスカイランタンなのか、その中で本物の炎が燃えているわけではなく、LEDか何かの光源が入っていたようで、その光がまた決して強くないものだから、カメラのオートフォーカスがちっとも働かなかった。
また、シャッタースピードを下げて光を取り入れようとしても、スカイランタンは風に吹かれてゆっくりながら常に動いているものだから捉えるのが難しかった。
明るくしようとシャッタースピードを下げまくると…
ピンボケします
固定できる三脚もいまだに持っていない自分には、撮影なんて無理ゲーに思えてなりませんでした。
そうこうしているうちに15分が経過。
20時15分からは北國花火大会も始まる。
あ、花火上がった…
スカイランタンが宙に飛ばされている間に、海ではこのように花火が上がり始めた。
花火は光量が大きく、オートフォーカスも働いてくれるのでボケることなく撮れてしまう。
背後にはスカイランタン、正面には花火…
どっちを撮ればいんだぁぁ、と迷ってしまうところだったけど、ステージでアナウンスしていたことによると、花火とスカイランタンの共演はこの石川県では初めての試みらしいので両方を撮れば良いのであった。
ということで挑んでみたが…
なんか難しい。
どうやっても難しい
イメージ通りにまずならない。
永遠のカメラ初心者なので当たり前なのだけど、ランタンっぽさが伝わらず、ホタルの明かりみたいにも見えてくる。
ファイヤー!
明るくなった瞬間を撮った。
これだけ明るいとランタンがどんな形でどのように持たれ、どう光っているのか少しは伝わるのじゃないかと思う。
ちょっと花火から離れて撮ってみよう
花火でオートフォーカスを機能させながら、花火の明かりが収まった一瞬でシャッターを切るとこうなった。
自分でも何をどう撮りたいのか、迷走しているのがよく分かる。
最終的にキメて撮った一枚
花火の明るさが強すぎて、ランタンの明かりが完全に負けてしまい、紙袋が夜空に浮いているように見えてしまう。
それでも、お客さんたちが同じ方向を見上げている姿は、夏の思い出を共有しているようで、結構好きな画に思えてきた。
まとめ
第60回目の長谷部まつりにて、新たなイベントとして初めて行われたスカイランタン、ならびにスカイランタンと花火の共演を無事目にすることが出来た。
カメラで写真を撮る者からすると、ランタンの明かりがもっと強かったら、バッシャバッシャとシャッターを切りまくって、数撃ちゃ当たるで運が良ければいい写真が一枚くらいは撮れていたかもしれない。
まあ、火災の怖さとかもあるので、色々難しいところもあるのだと思うのだけど、三脚を持っていないカメラ小心者の自分にはピント調整と光の取り込みに悪戦苦闘であったのだ。
だったら三脚を買えよって話だけど、三脚なしでスマホで撮っている人も多いので、なんでも三脚で解決ってことが全てではない、と言い訳しておきたい。
ちなみにこれらがスマホで撮った写真
オートで撮ったら感度が上がりすぎてカラーの漫画みたいな画になった。
スマホはラクだけど、どうにか一眼レフのカメラで、マニュアルで、できればキレイに撮りたいのだ。
再びスカイランタンが行われるようなら、自分ももうちょっと対策を考えたい。
そう思えるきっかけをくれたことには、長谷部まつりに感謝だ。
なんだったら、ランタンと花火と太鼓の共演っていうのもいいですなぁ(妄想)。撮るのはもっと難しくなると思うけど…