初心の趣

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君ソムの影響で今年の七尾市の青柏祭は深夜0時に始まる府中町の前祭礼から見るため夜に向かった

七尾市のGWのお祭りと言ったら「でか山」で知られる青柏祭だ。

今年2023年はコロナ禍も乗り越えて四年ぶりにフルスペックの通常開催で行われた。

5月3日~5日の三日間、日本最大級の曳山が町の中を運行するわけだが、三日間すべてを鑑賞するのは個人的な時間の都合上、無理なので今年は深夜0時から前祭礼が始まる府中町の山車を観に行くことにした。

 

 

午前0時前に七尾駅到着

ここ数年では、GWになると毎年のように足を運んでいる七尾市の青柏祭へ、今年も行ってきた。

七尾市は祖母の家があったところで、子供の時分はGWになるとこのお祭りをよく見に行っていた記憶がある。

反抗期を向かえる頃には一度足を運ばなくなったが、こうして大人になって改めて観に行ってからというもの、自分のルーツを感じ取りに行くかのように毎年のように足を運んでしまっている。

もちろん今年も行った。

青柏祭の曳山行事は3日間に渡って3基の山車で行われるのでそのすべてを見ようとすると地元の方々でなければなかなか難しい。

そこで、最近では日にちや時間を絞って見に行っている。

日にちや時間帯、その町の山車によって「宵山」や「朝山」「本山」「裏山」、他にも「送り山」や「戻り山」、さらには「納め山」や「女山」と呼ばれいたりもする。

自分はカメラを持つようになってから「本山」「裏山」「納め山」は撮りに行っている。

今年はまだ見に行ったことがない「朝山」を目標に決めた。

昨年は早朝のデカ山を見に行ったので、今年は夜だなとGWも前から決めていた。

その「朝山」は5月4日の午前1時からスタートする。

前祭礼は0時からだ。

前祭礼も見ようとすると午前0時前には七尾市に到着していなければならない。

そのため5月3日の夜に金沢を出発した。

七尾駅に到着

11時過ぎくらいに到着した。

自分は車で向かったので、駅の近くの七尾市役所の前の駐車場に停めて歩いてやってきた。

祭りの期間中、市役所前の駐車場は観客用にずっと開いているのだ。

この時間帯だとその駐車場も空いている。

今年はコロナ禍も終わって青柏祭も通常開催となり、お客さんがたくさん来るだろうから昼間に行ってもまず駐車場難民になるに違いない。そう踏んで夜に行くことにした節もある。

あ、アニメ『君は放課後インソムニア』のポスター

駅に貼られていた。

今回夜に見に行こうとそう決めた理由の一つがこれだったりする。

いや、一番の理由がこれだろう。

最近始まった七尾市が舞台のアニメ『君は放課後インソムニア』の影響だ。

普段アニメを見ない自分だけど、七尾市が舞台ということでちょっと見てみたら、出てくる七尾市の町並みに胸熱となり、早くもハマってしまった。

インソムニア不眠症)じゃないけど、やっぱり夜に活動だろう…

そんなもので夜のデカ山を見に行きたくなったのだ。

それっぽい写真も撮ってみよう

駅から歩いてパトリアを過ぎた最初の交差点で撮影だ。

うむ、見事に写真が傾いてしまった。

ここから朝山の前祭礼が行われる印鑰神社(いんにゃくじんじゃ)へ向かうわけだが、アニメの影響なのかそれまでの道中、夜の徘徊っぽくって妙に楽しかった。

ちなみに印鑰神社はこんなところにある

駅から海のそばにある道の駅「能登食祭市場」へ向かって歩いていくとそのうち辿り着ける。

よし、向かおう

うむ、夜の徘徊だ。

駅からの道中、道の脇にはすでに屋台が並んでいた。

0時前なのでさすがにどこも閉まっていたが、屋台の明かりが点いているところもあって、道は明るい方だった。

まだ営業しているお店もありましたけどね

ベビーカステラだったかな?が売られているお店が1軒だけやっていた。

こんな時間に買う人いるんだなと不思議がったけど、よくよく考えたらこれからデカ山が動くので曳く人たちがエネルギー補給に買っても不思議ではない。

あ、デカ山見えた

能登食祭市場に近づいた頃、右に目を向けると家屋の間からライトアップされたデカ山の半身が見えた。

高さ12メートルもあって電信柱や家屋の屋根くらいの大きさなのですぐに気づくと思われる。

この山車が置かれている場所が印鑰神社の真ん前になる。

近づくとこのデカさ

車輪だけで一般男性の身長より大きい。

山車の上には歌舞伎の一幕を模した人形も置かれてあるのだけど、今年の府中町は「独眼竜正宗 小田原参陣」だった。

秀吉もいる

右には愛姫だ。

歴史に興味のある方なら、ああ、あの場面ね、とわかるだろう。

この歌舞伎人形は毎年違う。各町によっても違う。

神社の鳥居前の様子

自分がこの前に到着したのが夜の11時半前だったので、まだお客さんもまばらで、法被を着た若衆の方々も山車の周りで談笑していた。

祭りに参加する地元の子どもたちの姿もあった。

深夜0時前だっていうのに夜更かし全開である。

さすが祭りだ。

印鑰神社も撮っておこう

この漢字をすぐに「いんにゃく」と読める人はすごいと思う。

自分は読めませんでした。漢検2級を持っていてもダメでした。

境内の様子

厳かに神事の準備をしているのだろうか?

人が数人集まっているものの静かであった。

 

0時より印鑰神社で前祭礼

深夜0時が近づくと山車の周りでも動きがある。

談笑から何か指示の声が飛び交い始めた。

山車の周りでは立ち入りを制限するロープも

このようにコーンを使って張られていった。

神社、さらにはこのデカ山の前でも神事が行われるようで、観客はこのロープの外側から見ることになる。

0時になると動き出す

法被を着た若衆や女性陣がぞろぞろと鳥居をくぐって本殿の方へと向かっていく。

神殿の中へ入っていく皆さん

これだけ人が入っていくとぎゅうぎゅうだ。

でもこれだけ入っていく風景も祭りならではだ。

みんなマスクもしていないし、コロナ禍も終わったんだなと、この景色を見てつくづく思った。

法被姿の人以外の方々もぞろぞろと見物しに行っていた

楽しそうだ。

すごくいいことだ。

神殿の中で前祭礼も済むと、そのうち山車の方へと皆さん戻ってくる。

立ち入り制限のロープのすぐ近くでぐるっと円を描くように女性陣が座り込んだと思ったら、山車の前では木遣り唄に合わせて舞も始まる。

木遣衆も踊っていた

しんみりと、それでいて力強い舞にね、見ていて奮い立つものがある。

エンディングのような感動があるけど、これはオープニングだ。

 

次回、1時スタートの朝山へ続く

以上、青柏祭、府中町の前祭礼までの様子だ。

駅から印鑰神社へと向かう道中は君ソム的な夜の静けさがあったが、印鑰神社に着いて祭りが始まってみれば、夜が賑やかだった。

この賑やかさは不眠症なんかでは語れない。

前祭礼のあと、深夜1時にはデカ山も動き出す。

この巨大な山車が夜の街を徘徊、いえ練り歩くのだ。

もちろんその様子も見に行っているので、次回、記したい。