2022年5月4日に、七尾市で三年ぶりに行われた青柏祭の曳山行事(デカ山)を見に行ってきた。
朝7時から始まる魚町のデカ山(本山)が大地主神社に向かうまでを追いかけた、その後編だ。
辻回しをメインにまとめたい。
仙対橋から内浦街道を抜けて大地主神社へ
前回は、魚町の山車が一本杉通りを駆け抜けて仙対橋までやってくるまでを記した。
この後編ではそこから内浦街道を抜けて大地主神社(山王神社)へ向かい、先に待つ鍛冶町、府中町の山車と三台勢揃いするまでを記したい。
仙対橋で停車する魚町のデカ山(前回はここまで)
一本杉通りの交差点から出発し、同通りを駆け抜けて仙対橋までやってきてしばし停車している魚町の山車だ。
ここからさらに大地主神社(おおとこぬしじんじゃ)へ向けて、家々の間の狭い道をまだまだ抜けていくことになる。
大地主神社の地図
大地主神社はこんなところにある。
地図を左の方へスクロールするとわかると思われるが、仙対橋からはそれなりに距離が離れていて、道中、曲がり角もいくつかある。
その曲がり角ではデカ山の一番の見せ場「辻回し」も見られることになる。
橋から再び動き出したデカ山
人だかりができていてちょっと分かりづらいかもしれないけど、家と家の間の道を通ろうとしている。
これ見てもわかると思うけど、高さ12メートルもあるデカ山は家なんかよりもでかい。
そしてこの狭さですよ
家の軒や電柱にすれすれ。
人も多く、山車の脇を抜けて前に出たくとも出れないのがわかるだろうか。
っていうか、ときどき電線にも触れていたと思う
ショートとかしないから不思議だ。
この時間だけ、電気、停めているのだろうか?
キッズたちはそんな心配してなさそう
関係なく楽しそうであった。
ちなみに丸に「山」と書かれた山紋の法被は鍛治町のものだ。
鍛冶町はこの通りの先にある町で、3つの町では一番大地主神社に近く、そのデカ山は前日3日の20時にスタートしていてすでに神社に到着している。
あ、MROのアナウンサー発見
「うっしー」こと牛田アナだ。レオスタを見ているからか、すぐにわかった。
でも彼らは仕事中だ、邪魔しないようにしよう。
このように後を追いかけている人たちがゆっくりと歩いている。
この通りは一本杉通りと比べるとまだ狭いのでデカ山の進み方も徒歩で追える速さだった。
速くはないので、脇道にそれて別の通りからデカ山の正面に回ることも可能だ。
やはり正面からも捉えたいので、自分も道をそれて、走って回り込んでみた。
回り込んだ
先回りしてやってくる山車を見上げていると、いつ見ても町にやってきた巨大怪獣に見えてしまう。
このあたり交差路になっていて、山車も曲がらなければならず、最初の「辻回し」が行われることになる。
このあたりでひとまず停車
奥にいる山車が、これから左折することになる。
その準備と少しの休憩のため、こうしてちょっと止まるのだ。
少々離れたところから見る
白い建物の影に隠れているが、奥にデカ山がいる。
このまま直進すればいいんじゃない?とも思われるかもしれないが、ここの電線が低いところにあってデカ山が通れないから、白い建物の手前で左折しなければならないのだ。
はっきり言って、狭い
奥の木造の建物と、手前の白い建物の間の通りへと曲がらなければならないので、この巨体で本当に曲がるの?曲がれるの?と、初めて目にする人は思うだろうけど、曲げるのだ。
それを「辻回し」というのである。
辻回しを近くで
辻回しは本当に危ないので、自分としては今回少し離れたところから見ていようかなと考え、白い建物の下から見ていた。
そこからでもそれなりに近い
辻回しはテコの力と人力で旋回させていく。
前輪、もしくは後輪を浮かせて、デカ山の腹にある進行方向とは垂直にある車輪「地車」に心棒を入れて、それをピッチング回転させることで山車全体を曲げることになる。
車輪を浮かす際、以前まではでっかい梃子を用意して人間がそのテコの上に乗っかって浮かしたりしていたのだが、コロナ禍もあって今年は大きなジャッキを使って浮かせていたらしい。
このように浮かせてしまう
ここでは後輪を浮かせていた。
浮かせた方の車輪を曲げたい方向に振ることになる。
それにしてもプロのテレビカメラマンたちはあんなところまで接近して撮っていた。さすがだ。
伸ばされる綱
車輪を浮かすと、次は綱を伸ばして引っ張る準備をする。
浮かせた方を振るのはこうして人の力で引っ張って行うのだ。
引っ張って旋回
木遣り衆もそれまで乗っていた足場とは逆の後方の足場に移っていて、声を出して旋回を景気付けていく。
旋回してしまえば、その足場が今度は前方になるわけだ。
辻回し(旋回)完了
1つ目の辻回しが決まった。
回してしまうと、このように再びちょっと休憩タイムとなる。
車輪にかましたテコとかを外さないといけないし、何より辻回しは危険な上に体力も使うから回してすぐに前進というわけにはいかないのだ。
木遣り衆も給水タイム
あれだけ声を出していれば喉を潤す必要だってある。
この間にインタビューも行われていた
おそらくHAB(北陸朝日放送)のカメラだと思われる。
インタビューを受けていたのは、7時の神事でも玉串を奉納していた山女魚会会長の女性の方だ。
長らく女人禁制だったデカ山であるが、平成12年に町の女性の方々の希望もあってまず府中町が女性の祭り参加を認めた。
この魚町でも近年認められて、そのレディースメンバーを「山女魚会」と呼んでいるようなのだ。
実際、女性は華がある。
動き出す気配
このあと、再び山車が動き出すのだけど、最初の曲がり角は曲がってすぐにまた曲がり角があるので、続けて2回めの辻回しがすぐに始まることになる。
プロのカメラマンの動きを見ていたら自分もやっぱり近くで辻回しを撮りたいとの願望が芽生えてきたので、他のカメラマンが来る前に先回りして次の曲がり角で待機することにした。
次の角にやってきたデカ山
建物の影から撮っている。
今度はこの角を曲がってくるのだ。
5人の木遣り衆も
近い近い
町角=最前列にいるわけだから通過する木遣り衆も近くで撮れた。
さらには2回めの辻回しが行われるから山車自体もこの角付近で一旦停車することになる。
曲げますよ
2回めは小休止もほとんどなくすぐに回す準備に取り掛かる。
綱は引っ張られたままだ。
グサッと車輪に刺さるストッパー(梃子)
「止梃子」という名でいいのかな? この道具の正式な名前を知りたいところだ。
このストッパーを車輪の下に差し入れてテコの原理で少しずつ前輪を傾け、曲げていく。
20トンを超すこの巨体を曲げていくので、一歩間違えると大きな事故にもなりかねない。
引っ張る人たちも
綱元の人も
でかい梃子(ストッパー)を持った人も
安全係の人も
後見の方も
後見の方が意見を求めていたベテランの方も
真剣そのもの。
ときに怒号が飛ぶくらいピリッとした瞬間だ。
この危険と隣り合わせの緊張感がまた祭りの躍動感でもあるので、自分はこの瞬間も好きだし、身震いするくらいシビれる。
のんびりとした日常ではなかなか味わえない空気感だ。これもこの祭りの醍醐味の一つだと自分などは思う。
祭りは楽しむものだけど、動かしている人たちは命がけなのだ。
この瞬間を撮ろうと角で屈みながら陣取っていると、自分の隣にいつの間にかMROのカメラマンも待機していた。
撮りたいものは同じなようだ。
しかも角度的に撮りづらい曲がっていく瞬間を…
こんなカメラで撮っていた
なんだこの釣り竿みたいなカメラは…
思わず写真で撮ってしまったじゃないか…
緊張感漂う現場だというのに、気が緩んでしまった自分がいた。
山車が近づくと再び緊迫
山車の真下にも人がいる。
手に持つ梃子「撥梃子」(はでこ)で向きを変える微調整を行ったり、油をまいて滑りを良くしたりしているんだけど、毎回思う、危険な任務だなと。
撮影ポジションが良く目の前で梃子を噛ましているシーンを見れた
こんな感じで材木を車輪の下に滑り込ませ、滑り込ませる角度なんかを微調整しながら、車体が曲がっていく角度を調整している。
これまた一歩間違えると手や足が車輪の下敷きになってしまいそうでかなり危険だ。
そりゃ、たるいことは許されないし、怒号も飛ぶし、緊迫もする。
梃子への力は人力
数人がかりで力を加え、体重を乗せて、車輪に梃子を噛ましていく。
噛まして引っ張ることで向きが少しずつ変わる
曳き手たちもタイミングを測っている
勝手に引っ張っても危険、ちゃんと噛ましていなくても危険。
この巨体を旋回させるためにどれだけの人の力と注意を注ぎ込んでいるか。
下でも
真剣な眼差し
もちろん後輪の方でも
テコを噛まして向きを変えようとしているのだ。
拡声器を使った指示も的確でなければならない。全員の安全もかかっている。
おまけにカメラマンも真剣
この緊張感を撮り逃すまいとすんごい下から撮っていた。
テレビカメラはこういう姿勢でも映像を見ながら撮れるので羨ましい。
写真のカメラだと匍匐前進するような格好になるだろう。
無事曲げて進んでいくデカ山
曲げてしまうと直進していく。
真っすぐは得意だ、と言わんばかりの迫力で進んでいくが、写真でもわかると思うように100mくらい先にはまた曲がり角がある。
辻回しはまだまだ終わらない。
建物と山車の間で辻回しを撮る
先回りして次の曲がり角に
脇道にそれて、走ってここまで先回りした。
走らないとやっぱり追いつかない。
写真にもあるように「マキデンキ」のあるあたりのT字路で、デカ山はこれから突き当りで一度辻回しを行い、マキデンキの角でまたすぐ曲がることになる。
写真の位置関係でいうと、東方向に向かっているデカ山が右折してすぐ左折してまた東方向へ向かっていくというイメージだ。
その最初の突き当りの右折で、<前編>にて神事のときに話しかけてくれた青柏会(あおかしわかい)の方とここでも出会い、再び話しかけてくれて撮影スポットを教えてくれた。
これまでにない近い距離で撮ることが出来たので、以下にまとめたい。
ここで右折する
「せがわ薬局」と看板がかかっている建物の前で辻回しが行われることになる。
頭を振ることになるんだけど、先回りしたおかげでその準備から見ることが出来た。
なんか滑り台みたいな長いストッパーを用意していた
「せり上げ台」(もしくは「せり上げ」)という名前の道具らしい。
2つの前輪のためにせり上げも2つ用意されていた。
これに前輪を乗せ、前輪を少し浮かすようだ。
真剣な眼差しで前輪を乗せようとする若衆(梃子衆)の方々
これだって一つ間違えると大事故だ。
1ミリだって気を緩められない。
こんな近くまでドでかい車輪が近づいてくる
見ていても怖ぇ。
自分は仕事でも安全第一の人間なので、緊張感がビンビンと伝わってくる。
浮かれたようなお祭り気分も大事だけど、こうして気持ちを引き締めるところはしっかりと引き締めているわけだ。
そのメリハリが職人気質な感じがして、むちゃくちゃカッコいい。
後ろからもグイグイと梃子を噛ましていく
あれよあれよと前輪が地面から離れていってしまう。
浮かせてから進行方向とは垂直の車輪「地車」を入れるのだ。
このときである、青柏会の方が手招きしてもっと接近して撮れる撮影スポットに自分を招いてくれたのは。
写真のせり上げ台の後方、建物の軒下に祭り関係者の人達がときに腕組をしながら梃子を噛ましている様子を眺めているのが見えると思うが、その祭り関係者しか近寄れないような場所に、青柏祭会の方が自分を呼ぶのである。
「え?いいの?」って思ったけど、ここも撮ってやってくれと言わんばかりに呼び込むので…
お邪魔させてもらった
自分なんかがこんな近くて狭くて作業の邪魔になりかねないような場所にやってきて大丈夫なの?って気後れしてしまったけど、特に誰からも文句を言われるわけでもなかったのでこの場で撮らせてもらった。
ちなみにこの場で撮っているプロカメラマンは一人もいない。
自分は素人なのに…
まあ、これも出会いというものだ、そう思うとバシャバシャと撮りまくっていた。
車体の見えづらいところに貼られた七福神のシールが微笑ましい
そういったシールもここまで接近させてもらえないとなかなか気づかないし、撮れない。
で、梃子衆の方々がこのとき何をしているのかといえば…
「地車」に心棒を入れている
車体の進行方向とは垂直にピッチング回転する小さな車輪だ。
小さいと言っても普通の車のタイヤ以上ある。
前輪を浮かせてこの地車を接地させて進ませることで、デカ山全体が旋回していくのだ。
地車のセットをしている瞬間を撮れたのもこの近さゆえだ。
ただ、この後、直に動き出すという段階になると、さすがにせり上げ台の真後ろにいるのは危ないと安全係の方々に言われた(正確には青柏会の方が言われていた)。
旋回する際、せり上げ台がこちらの方にすっ飛んでくるそうなのだ。
それはたしかに危ないので…
ちょっと右にずれる
せり上げ台の真後ろにならないように右にずれた。
ずれているけど軒下とデカ山の隙間にいることに変わりはない。
外側の車輪に噛ませたせり上げ台を監察
木槌で叩いて微調整していた。
テコの原理で曲げるので噛ませる角度も重要のようだ。
それにしても、せり上げ台にもちゃんと魚町の山紋(マーク)が押されているんだね。
にわかに慌ただしくなってくる
梃子も噛ませ、地車もセットすると綱を引っ張る準備もされ、またまた現場に緊張感が走る。
後ろの遠くで見ているお客さんにはなかなか伝わらないかもしれないが、こう近くにいると、ミスを許されない真剣さが伝わってくる。
実際に過去に梃子が折れたりして救急車を呼ぶような事故になったりもしているそうなので、遊びの気持ちではやれないのである。
何度もいうが、デカ山を動かしている人たちって命がけだと思う。
見上げると木遣り衆も足場に上っていた
景気づけ(煽り)始めていたので、いよいよ動くのだ。
曳き手のみなさんも引き始めている
写真の奥側に一斉に引いていた。
人力で引いて山車を旋回させていく。
せり上げ台、どうなるの?
との思いから潜り込むような角度で撮っていた。
なにせ、祭り関係者(特にベテラン)の方々が結構せり上げ台の後方にいたりしていたのだ。
危なくないのかな? と素人ながらに心配してしまうのだ。
杞憂というものだった
安全係の方がすっ飛んでいくせり上げ台をちゃんとコントロールしていた。
ベテランの祭り関係者の方々もその瞬間にはちゃんとどいていた。
旋回成功
ここまで曲げれば、あとは梃子を噛まして90°まで曲げていくだけだ。
この瞬間に地車の様子もしっかり撮れた
これが地車だ。
前輪と比べてピッチング回転の方向が90度も違うのがこれだとよくわかるだろう。
地車に心棒がちゃんと刺さっているのもよく見えた。
これだけ曲げた段階で小休止
そのスキにこうして進行方向へ先回りして正面から撮影。
このあとこちら側に伸ばした綱を引っ張って道路と水平にしていき前進させていく。
準備はOK?
こんなところまで綱が伸ばされていた。
白い建物がマキデンキで、この後そこでもう一回左折することになるのだけど、そのT字路を越えている。
人力で曲げて行くのだから、その分、人の数も必要となり、必然的にこのように綱もこれくらいの長さが必要になってくるわけだ。
お、引き始めた
コロナ禍の前は見物客も一緒になって綱を引っ張って曳いていたのだけど、感染予防対策とかで、今年、綱を引けるのは事前に抗原検査(だったかな?)して陰性だった祭り関係者だけだった。
なお、綱も引かずに綱と綱の間で写真ばかり撮っている方(ご自身で自虐的にそうおっしゃっていた)が、自分に色々と助言してくれた青柏会の方だ。
ベテランの方々も引っ張る
引っ張られ、曲げられてデカ山が電線や電信柱を避けていく。
自分たちであの20トンを動かしている充足感が羨ましい。
いくつになってもやめられないだろうなと、勝手ながら思ってしまう。
明らかに引き負けている女子が二人いた
法被を来ているし綱も握っているし、検査うけた祭り関係者であることは間違いないと思うのだけど、あまりにも引き慣れていなさすぎて、引っ張ろうとしては引ききれず、逆に反動で体が前方に持っていかれていた。しかも何度も。
なんなんだろう、この子達は…
と、このとき思っていたのだけど、後日MROの開局70周年特別番組を見ていたら、それに出演していたTikToker(ティックトッカー)のお二人だった。
綱を引くってかなり力がいる、ということが二人を見ていてよくわかった。
ちなみにMROの70周年特番の祭りのコーナーでこの日の青柏祭も紹介されていたのだけど、デカ山の写真を撮っている自分がウォーリーを探せなみに小さく映り込んでいた(しかも3回も)ものだから笑ってしまった。
道路に対してここまで水平に近づく
ここからさらに引っ張ってついには水平になっていた。
このように
木遣り衆も乱舞だ。
ちょうど道路の真ん中あたりに山車を持っていくところが個人的にツボで、なんかスッキリとする。
このあとマキデンキのところで再び辻回しとなる。
その前に…
再び休憩
ここでちょっと長めの休憩が入った。
神事も含めて朝の7時から動いているのだ、安全のためにもこういった休憩は絶対必要だ。
この頃には気温も上昇していて25℃くらいになってほんと暑かったので、自分もこの間に駐車場に戻ってパーカーを置いてきた。
コンビニに立ち寄ってカロリーメイトを一つ購入し、水筒で持ってきたお茶と一緒に食べてエネルギーをチャージしていたのだけど、我ながら登山をしている人のように思えた。もしくは張り込みをしているデカのようにも…
なんなんだろうか、このやる気は… この静かな熱量は? と、自問してしまうのだった。
三台勢揃いを待機して撮る
ちょっと長めの休憩の間にエネルギーと水分補給をして戻ってみたら、デカ山がマキデンキあたりの辻回しをすでに終わらせていた。
すでにこっちを向いている
こうなってしまったら近づいて撮るよりもここで待機してやってくるデカ山の通過シーンを撮りたくなったので日陰に待機していた。
あ、やってきた
あまり他のお客さんがいないところに陣取っていたので、山車の接近をこのように近くで撮ることが出来た。
山女魚会の方々も近い近い
女性たちも男衆に負けず体力ある。
木遣り衆も
近い近い
マキデンキを曲がってからのこの直線道路は一本杉通りのときと違って周りにそんなに高い建物がないので、木遣り衆の足場も影になりづらく撮りやすかった。
通過するデカ山
何度撮っても目の前を通過するときはホントにデカく感じる。
相変わらず電線ともスレスレだ。
このあとこの山車は再び突き当たりにぶち当たる。そこで90度旋回では最後の辻回しが行われることになる。
再び先回り
デカ山はすでに角にやってきている。
ここを曲がって前進するともう大地主神社だ。
辻回し中の足元は撮れているので最後は遠くから撮りたいと、この距離で待機した。
最後はGIFで
回り始めたので連続撮影。
GIFアニメにすると電柱や電線の上をスレスレで通過していることがよくわかった。
デカ山が扇形なのって、屋根を避けるためなのかなとも思った。
屋根の斜面とだいたい平行になっているように見えるのだ。
さて、最後の辻回しも目にしたところで、踵を返して大地主神社へ先回りした。
神社ではすでに2基のデカ山が待機中
山紋が丸に「山」のものが鍛冶町、三つ巴が府中町の山車だ。
この隣に魚町のデカ山も並ぶのだ。
やってきた
最後の辻回しを終え、直進してきた魚町の山車が鳥居の前の広場(ここも境内かもしれない)にやってきた。
三台並ぶため直進してきた後、その車体をわずかに曲げて入ってくる。
90度曲げる辻回しは、この神社までの往路では先程で最後になるが、三台並べるときも小さな旋回は行うのだ。
綱もこのように伸ばされている
自分は道路ではなく小さな駐車場みたいなところで待機していたので引っ張る人たちをものすごく近くで見ることが出来た。
ちょうど目の前の小道(敷地?)に、このようにカーブを描きながら綱を伸ばして引っ張っていたのだ。
一気に引っ張る
三台勢揃いまではこれが最後。
皆さん、一斉に渾身で、かつ楽しそうに引っ張っていた。
外人さん発見
これも後で知ったけど、この方(イタリア人)もMROの70周年特番に出ていた方だった。
カメラ目線もらった
この方、なんていい笑顔で引っ張るんだ。
マスクがなければとほんと思う。
安全係も引っ張る
女性たちも引っ張る
女人禁制も超越した、これが現代の青柏祭デカ山だ。
男の自分としては女性たちの顔も見たかったから、ここでもマスクがなければと思った。
これも現代の青柏祭といえばそうだが、近い将来、マスクも不要の祭りに戻って欲しいと願うのだった。
到着
事故もなく無事到着した。
このあと梃子衆がテコを掲げ、その後ろでは木遣り衆による木遣り唄も始まる。
またあの唄が聴けるのだ。
曳き手の皆さんは地べたに座って聞く
この胡座がね、また良くて、立って聞くより唄が体に染み込んでいくんじゃないかと思える雰囲気があるんだよね。
この背中がしんみりと情緒深い
許されるなら自分も一緒に座って聞いていたくなった。
唄にあわせて舞も始まる
このときにはもう写真も程々に、座らなくとも曳き手の皆さんと同じように手拍子を打っていた自分がいた。
そのゆっくりとした手拍子を一緒に打つことで、祭り関係者じゃない自分でも祭りにまぜてもらっている感覚が芽生えてくる。
その感覚はまた自分の中のルーツにも訴えるものがあって、なんか泣けてくるのだった。
あ、花びら
木遣り唄と舞の途中でどこからか花びらが舞うんだけど、どこから舞っているんだろうと疑問に思って探してしまった。
このようにデカ山の上から舞い散らしていた。
せっかくの情緒が台無しになってしまうので撮らなくてもいいのに撮って、載せなくてもいいのに載せてしまう… 自分はやはり天邪鬼である。
最後、肩車されていた
しんみりしたと思った後のこのノリの良さ。
祭りだ。
これぞ祭りだ。
三台勢揃いもしかと見る
デカ山がでかすぎて、自分のカメラのレンズでは三台入り切らない…
超広角レンズ、欲しくなってきたよ。
帰路から感想
朝の6時半には七尾に到着して、7時から神事も見、正午ごろの三台勢揃いまでデカ山を追いかけることが出来て、自分としても達成感があった。
自分は曳いたわけではないので、祭り関係者の方々のお陰で達成感のおすそ分けをしてもらっているような格好だ。
ホント青柏祭と曳き手の皆さんに感謝である。
祭りはこの後昼休憩を挟んで、神社にて本当の青柏祭(本祭)が行われ、3台のデカ山はまた午後から自分たちの町に帰っていくことになる(「戻り山」という)。
もちろん来たときと同じように辻回しを繰り返して帰っていくのだ(翌日5日にはまた動き出す)。
戻り山まで見たかったが、自分はこのあと午後から会社に立ち寄る用事があったので、祭りを見るのもここまでで金沢に帰ることになった。
帰り際、後ろ髪を引かれる思いが何度もあった
三台勢揃いまでしか追えなかったが、それでも「早朝の青柏祭」を見に行くという目標は果たせたので満足である。
そう自分に言い聞かせて帰ったのであった。
なかなか貴重なポジションで辻回しも撮影できたし、実際かなり充実できた。
その点、色々と教えてくれた青柏会の方に重ね重ね感謝である。
帰りの途中でアイスカフェラテ購入
帰りにリボン通りにあるカフェスタンド兼フランス専門店「あっさんぷらーじゅ」にも立ち寄って眠気覚まし用にアイスカフェラテを購入。
(以前「あっさんぷらーじゅ」に立ち寄ったときの記事は→こちら)
ついでにソーセージセットも
祭りだったからか、お店の前で焼いていた。
おかげで眠らずに金沢に帰ることができた。
祭りは、無事帰宅するまでが祭りだ。