初心の趣

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「奥能登国際芸術祭2020+」をマイペースに回る第四日目その16(塩田千春「時を運ぶ船」)

9月末まで続いていた石川県内のまん延防止等重点措置が解除され、すべての作品が鑑賞可能になった奥能登国際芸術祭2020+へ、10月4日に四回目の鑑賞旅へ行ってきた。

第四日目に目にした作品の紹介も、その16である今回で最後だ。

4年ぶりに目にした塩田千春さんの「時を運ぶ船」を取り上げたい。

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珠洲市立清水保育所

前回紹介した作品が日置エリアにあり、順当に行けば今回は日置エリアの残りの2作品、共に木ノ浦ビレッジにあるいずれかを紹介していたと思うのだが、当日、公開終了時間が迫っていたため、残り一作品しか鑑賞できないだろうと逆算した結果、大谷エリアの旧清水保育所にある、作品番号No.1の作品を見に行くことにした。

第五日目のことも考えると、木ノ浦ビレッジの2作品はまとめて見に行ったほうがガソリンを無駄に使わなくて済むだろうし、またNo.1のある場所が検温スポットよりも輪島寄りにあって、第五日目に検温してから見に行くとなると、同じ道を行ったり来たりすることになるから、それもまたガスの無駄になると思えたのだ。

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ということで第四日目最後は大谷エリアのNo.1のある場所へ

展示場所である旧清水保育所はちょっと山の方にあるのだけど、その山がご覧のように海の側を走る国道249号線沿いにある。

駐車場は坂を上がった旧保育所周りにもあるし、そこがあまり広くないのでこのように海沿いにも駐車場が設けられていた。

自分は最初、この海沿いの駐車場に停めて徒歩で坂を上がろうとしたのだけど、坂の手前で係の方が上の(保育所の)駐車場が今なら空いていると教えてくれたので、再び車に乗り込んで、車で坂を上がった。

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この急で狭い坂道を上っていく

歩いていくとなるとそれなりに大変なので、教えてくれた係の方(地元のボランティアだと思われる)に感謝だ。

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珠洲市立清水保育所

4年ぶりだ。

というのも、塩田千春さんの「時を運ぶ船」は2017のときも展示されていた作品なのだ。

自分のとしては再会のつもりで入っていった。

 

1番 塩田千春「時を運ぶ船」

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1番だ

4年ぶりの1番だ。

2017のときも作品番号がNo.1だった。

2017年の作品の中で映え的に一番インパクトあったのがこの作品だった。

鑑賞パスポートを買わず、どれか作品を一つ二つ見るならどれを見とけばいい?と、人から聞かれたときがあったが、とりあえずこの「1番」の作品を見ておけばいいと、教えたものである。

作品そのものは4年前と同じもの、同じ内容だ。

受付の方が言うには4年前からずっと、ここで保管されているそうなのだ。

細かい感想は4年前にも書いているので、そちらを参考にしていただきたい。

2017年に記した「時を運ぶ船」の記事はこちら

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お久しぶりだ「時を運ぶ船」

相変わらず毛細血管みたいな作品だ。

赤い毛糸を使った作品なんだけど、その細かさが、却って力強い迫力となっている。

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赤い

床まで赤くなって見える。

今回は、2017のときと比較するため色温度を変えてかなり赤めに撮っている。

前回は受け継がれた伝統と絡めて血脈(けつみゃく)を感じさせるとの感想を書いたが、さらに赤く撮ることで、今回は血管の中を潜水艇か何かで旅しているようなイメージを、鑑賞側で勝手に作りたかった。

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アーチ

人間がミクロサイズになって血管の中に入って写真を撮りに行っていたらこんな感じなんだろうか。

使われているのは細い毛糸なのに、人までも小さく見えてしまう。

 

感想

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撮影風景の映像を覗き込むことができるこちらも4年前と一緒

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今年はこんな写真が撮れた

先にも書いたが、この「時を運ぶ船」は2017のときからずっとこの場所でそのまま保管されているそうだ。

普段は建物の鍵を閉めて入れないようになっているんだけど、ときどき珠洲市内のツアー旅行で鑑賞スポットとして使われることがあるそうで、そのときは開けているんだとか。

建物も、作品の展示物もそのままだから、自分としてはタイムスリップしたような感覚があった。

こういった意味でも、なるほど「時を運ぶ舟」である。

映え的迫力では、やはり2020+の中でも1番だろう。さすが「No.1」。

能登国際芸術祭の顔になっているようにも、久しぶりにやってきて思えたのだった。