5月31日から6月2日に行われていた百万石祭りにあわせ、今年も百万石金沢クラシックカーフェスティバルが行われていた。
車好きなので昨年に引き続き足を運び、昔の車にときめいてきた。
今年も会場はしいのき迎賓館
第2回百万石金沢クラシックカーフェスティバルが行われたのは百万石祭り最終日の6月2日(日)だった。
場所は昨年同様、旧県庁の「しいのき迎賓館」だった。
到着
そびえ立つ旧県庁。
とはいえ、会場はこの建物の中ではなく、裏に回ったところの屋外だ。
左から回り込む
昨年は建物外の左側の通路の方にもクラシックカーが並んでいたけど今年はそちらでは見かけなかった。
昨年と比べるとちょっとばかり台数が減っていたようだ。
それでも70台以上いる
昨年は80台くらいであったので減少といっても僅かだ。
その全てを撮ってきたのだけれど、全てを載せるというのは厳しいので、今年は「かわいい」をテーマに気になったものを中心にその写真を並べたいと思う。
三輪車にときめく
会場、城に向かって続く通路沿いには珍しいレトロな自動三輪の車が多く並んでいた。
自動三輪なんて、いまではなかなか見かけることがない。
その様子
細かったり小さかったり、自動三輪はどれもかわいい車ばかりだ。
注目した一台目
こちらはモーガンの「スリーホイラー」だ。
名前からして三輪車だ。
チューブ型のボディは昔のF1みたいな印象だけど、その足は三輪だからどこかぬけているように見えてしまう。
でもそのどこか抜けているようなところがまたかわいい。
エンジンは1983ccのVツイン
バイクのエンジンですな。
結構パワーもありそうだし、車重も600kgを満たないようなのでパワーウェイトレシオも相当なもんだと思う。
コクピットが戦闘機のように見えてくる
ここを見るとやっぱり「かわいい」とは違って武闘派に思えてくる。
実際、どれだけスピードが出るんだろうか?
ほか、革張りもキレイだし相当こだわっているのがわかる。
こちらも自動三輪
この車も後輪が一つしか無い。
BMWの「イセッタ」という車で、もともとはイタリアのイソ社のクルマなんだけど、BMWがライセンス生産していたものだ。
BMWのもののほうが多く生産されているからBMWの車っていう認識が広くされている(自分もそう思っていた)。
これと同じような顔で4輪のものをBMWからも出しているので混同しやすいが、イセッタは3輪車だ。
前から乗ります
これ、いつ見ても面白い。
横から乗る現代の車に慣れているので不便極まりないと思えてくるけど、こういうマニアックな作りがかわいらしい。
写真のようにオーナーの方が見物客を乗せて記念撮影をしてあげていた。
傍から見ていると、もうほとんど子供のおもちゃ
女性が乗っても似合う。
でも、男の自分でもこういう極小の車、いわゆる「バブルカー」に憧れてしまう。
こちらもバブルカー
ハインケルの「カビーネ」という車だ。
こちらは形式によって4輪車のものもあるけど、展示されていたものは自動三輪のものだった。
イセッタと同じくこちらも顔から乗車する。
こちらもカビーネ
やっぱり3輪のもの。
この愛くるしい顔がたまらん。
4輪のものでもいいから欲しいと思ってしまう。
更にユニークな形をした3輪車が2台
赤とオレンジのもの、ともにメッサーシュミットの「KR200」。
メッサーシュミットはドイツの軍用機のメーカーだ。だからか飛行機のコクピットみたいな作りをしている。
この縦長フォルムがセクシー
おしりがバイクっぽいな思っていたら、そこが開いてエンジンを見せてもらえた。
オープン
エンジンは200ccくらいのバイクのもので、変速機は通常の4速トランスミッション+リバース付き2段副変速機という4輪乗りには分かりづらいもの。
これ、前進8速、バックも8速までギアチェン出来るっていうから愉快だ。
バックも前進と同じ速さで進ませることが出来るんだよね。
二人乗れる
前後で二人乗れる。こういうのをタンデムシートというそうだ。
カプセルに入るようなハッチが近未来的でオシャレだ。レトロな車なのに。
この赤い一台は内装の革などを張り直しているそうだけど、オレンジの一台は昔のものをそのまま使っていると言っていた。
オレンジの一台は蛇革だったりする
天井には簾を用いていたし、現代の自動車ではまずお目にかかれない素材ばかりなので感嘆してしまう。
この個性は羨ましい。
可愛く変わった形の車に萌える
クラシカルな車の中には、自動三輪以外にも見た目がかわいらしい車が多い。
会場にいた他の車で、「萌える」をポイントとして気になった車を以下にまとめたい。
一発目は「スプライト」
オースチン・ヒーレーの「スプライト」だ。
この愛くるしい顔がたまらない。
日本では「カニ目」、アメリカでは「パグアイ(虫の目)」、生産国イギリスでは「フロッグアイ(カエルの目)」と呼ばれているそうで、捉え方が国によって違うから面白い。
自分の目にはドラクエに出てきそうな顔に見える。
計器類が絵に描いたようにレトロ
今の車ってハンドル周りにいろんな操作系のものが付いていて便利といえば便利なんだけど、手を伸ばしてスイッチを切り替えたりするこの動作の一手間が運転している感を上げてくれそう。
便利が過ぎると、そのうちファミコンのコントローラー並みに手元ですべて完結しそうで、それはちょっと寂しい気がするのよね。
エアコンがついてないから扇風機を取り付けているところもご愛嬌ですな。
こっちもキモかわゆい
潰れて平べったくなったカエルみたいな顔をしたこちらはスウェーデンの自動車メーカーであるボルボの「P1800ES」だ。
顔は可愛らしいがそのお尻はワゴンのようになっているからなかなか機能的。
しかもガラスハッチだったりする
ハッチバックの扉が開くんじゃなくて、リアガラスそのものが開いて荷物の出し入れをするタイプ。
こういうのをガラスハッチというんだけど、いまではあまり見かけないので珍しい。
ガラスも含めたケツの曲線も愛らしいものだ。
さらに顔が潰れているなと思えたのがこちら
この、よりブサ可愛い顔をした一台はジネッタの「G4」だ。
銅管フレーム+FRP(繊維強化プラスチック)ボディのスポーツカーだ。
こんなひょうきんな顔をしているけれど、60年代にサーキットでも活躍したバリバリのスポーツカーだ。
口がどう見てもタラコ唇
もうツッコんでくれと言わんばかりのデザインだ。
愛嬌がありまくりで、こんなのにサーキットでパッシングされたら衝撃的だろうなと妄想してしまう。
速そうだけどなんじゃこりゃな車をもう一台
撮影に失敗してしまった…この一台はジャガーだ。
ジャガーの「Cタイプ」という車で1950年代のものだからかなり古い。
なんでもル・マン耐久レースに出るために開発された車らしい。
ズングリと丸いこのラインは本当に空力が良いのか正直わからない。不思議なデザインをしていると思う。
これ、ボディとフェンダーの段差がないんだね。
グリルの奥の方にはファン(扇風機)みたいなものも見えたし、いろいろ速そうな要素はあるものの、ほんと「なんじゃこりゃ」と思えて仕方のない車だ。
でもそのボディの、厚みのある丸み、セクシーだ。
レーシングカーだからか屋根なし
Aピラー(フロントガラスとサイドガラスの間の柱)もないし、そもそもフロントガラスがメガネのような形をしたオマケみたいなものだし、競争のために極力無駄を省いた作りをしているのがわかるのだけど、スッキリしているのに溢れ出るこの愛嬌はこの車の圧倒的個性だと思う。
現代の感覚がまず通用しない、これがクラシックカーの面白いところだと再認識させられた。
感想
以上、第2回百万石クラシックカーフェスティバルで目にした、個人的にかわいいと思ったクルマたちだ。
現代の自動車にも車萌えするようなかわいい車は少なくないように、クラシックカーにも少なくないことが伝われば幸いだ。
現代のクルマの可愛さは女性をターゲットにしたものが多いけれど、レーシングを目的に作られたものでも結果的に可愛く見えてしまう車があるというのがクラシックカーの不思議な魅力ではないかと、今回鑑賞しながら思えてきた。
レトロというものの中に見える「懐かしさ」は幼少の頃の記憶や感性を呼び起こすから、そう可愛く見えるのかも知れない… と、勝手に解釈などもしてみたり…
想像力の膨らむフェスであった。
もっとも、自分は今回、かわいい目線で鑑賞したが、クルマの見方、楽しみ方、趣味は人それぞれであるので十人十色で楽しみ方があるかと思われる。
会場にはハコスカGT-Rなんかもいた
こんな硬派なクルマも展示されていた。
こっちに萌える、もとい惹かれるという人も多かったかと思われる。
(自分はケンメリのほうが好きですが)
来年、第3回があるならまた見に行きたい。そうしてまた個人的な目線で楽しみたいと思う。