今年も5月の第2金~日の間に小松市でお旅まつりが行われていた。
今年は町の路上で見られる子供歌舞伎を目当てに足を運んでみた。
そこで撮れた写真をまとめたい。
路上の曳山子供歌舞伎へ
お旅まつりは前田家三代当主の前田利常公に縁があって200年以上前から続いている祭りだ。
曳山の上で演じる子供歌舞伎が有名で、土曜日の夜には曳山が揃ってライトアップされたりもする。
以前、当ブログでもその夜の曳山曳揃えの様子をまとめたこともある。
(過去の曳山曳揃えの記事は→こちら)
今年は夜ではなく昼間の曳山子供歌舞伎を見てみたいと思い、日曜日の午前中に足を運んでみた。
今回も小松駅までは車で向かっている。
駅隣りの臨時駐車場
小松駅横の「こまつの杜」が祭りのための駐車場になっているので今年もここに停めた。
午前に向かったからか待たされることなくすんなり停めることができた。
(余談だが、午後からは軽い渋滞になっていた)
ここから曳山子供歌舞伎が行われている会場へ徒歩で向かうことになる。会場は路上で、時間帯によって場所も変わるため、パンフレットなどで事前に調べていないと無駄に歩いてしまうことになるので気をつけたほうが良い。
日曜日の午前(11時開演)は天岩辻というところが会場であった。
町中を歩いていると曳山が見えてくる
このように大通りではなく、民家の間の路地にて曳山を留めて、その曳山の上で歌舞伎が演じられる。
ものすごく庶民の香りがする祭りではないか。
もう始まっていた
自分が到着したのはちょうど11時ごろで、たどり着いたときには歌舞伎が始まっていた。
事前に地図を確認しておかないと時間を無駄にするなんて偉そうなことを記しておきながら、自分自身、地図を読み間違えて少し迷子になってしまったのでこんなギリギリの到着になってしまったのだった。
おまけにこの方角は舞台の裏側になる。
曳山が交差点中央にいて、観客席が道幅いっぱいにあるので、ここからだと正面に回るには迂回する必要があった。
ほとんど舞台裏
観客席は向こう側だ。
ここからだと観客と言うより舞台関係者の目線になってしまう。
ただ、迂回するには隣の道路まで行ってぐるっと回ってこなくてはならない。
仕方がないのでしばらく横から鑑賞
自分のように道を誤ったか、正面の観客席がいっぱいで回ってきたのかは知れないが、こうしてみると曳山の横から見ている人、少なくない。
横からでも結構見れるものである。
むしろ写真は撮りやすかったりする
少なくないとはいえ、人が多いわけでもないのでカメラは構えやすく、ポジションも近くに取れたりする。
子供歌舞伎は毎年2つの当番町が行うもので、今年は大文字町と京町であった。
こうして自分が日曜11時に目にしたのは大文字町の歌舞伎だ。
その演目は「碁太平記白石噺 新吉原揚屋の場」(ごたいへいきしろいしばなし しんよしわらあげやのば)というもの。
吉原の遊郭の生き別れになっていた姉妹が親の仇の代官を討とうとする話だそうで、自分も今回初めて知った。
演じているのは基本的に女子
演じているのは小学生を中心とした子どもたちで、そのほとんどは女子だ(たまに男子もいる)。
男役にしても、女子がする。これが小松の子供歌舞伎の特色だ。
役者がほとんど女子というのは全国的に見ても珍しいものなんだとか。
回り込んで曳山の正面へ
正面からも見たかったので、演技の最中、急いで隣の道路へ向かい、回り込んでみることにした。
隣の路地の様子
先ほどと同じような風景にも見えてしまうが、隣の路地だ。
遠くには別の町の曳山が見えた。
道中、子供たちの獅子舞も見えた
子供歌舞伎が有名でなかなかフューチャーされないけれど、この祭りは神輿も通るし、このように獅子舞もある。
曳山は「寺若」と書かれた法被を着た人たちが曳いていた
どうやら寺町の曳山だったようだ
寺町は今年の当番町でないので子供歌舞伎の上演はないものの、曳山は動いているようだ。
スタンプラリーもあるし
市内の各町にスタンプが設置されていたようで、お旅まつりを歩いて楽しめるようになっていた。
このように急いで迂回しようしていたのにシャッターを切りたくなる誘惑が道中にいくつもあって、上演中の大文字町の曳山の正面まで行くのに少々時間がかかってしまった。
やっと迂回
通りから通りへ「コの字」に折れてようやく元の通りに戻ってくる。
方角的に曳山の正面に来ているものの、写真からもわかるようにまだ距離がある。
迂回がなかなか面倒なことがこれからも伝わるであろう。
途中、こんな幕も
その浮世絵みたいな絵についつい目が行ってシャッターを切ってしまう。
ここにも
事務所開きしたそうである。周りには送られた花も飾られていて派手なものだからどうしても目についてしまう。
役者の写真もあった
ほんと、女の子ばかりだ。
役者に選ばれると三ヶ月くらい前からセリフ覚えに入って、一ヶ月前くらいから師匠との稽古をほぼ毎日するっていうんだから大人顔負けだ。
その演技だって、子供と思ってなめてはいけないレベル。
なまめかしく発声を伸ばして、現代的に見ると浮世離れした舞台空間を作ってくれている。
それでいて声にまだ子供っぽいあどけなさも残っていたりするものだから、なんか可愛くて、応援したくなる。
こうして寄り道のように迂回しながら目につくものを撮ってはいたものの、小さな役者たちにはマイクが仕込まれていて離れていてもスピーカーからその声が聞こえてくるので、芝居の雰囲気は味わえる。
ようやく正面に
でも、お客さんがいるので舞台まではちょっと遠い。
正面に来て遠く見るか、横からだけど近くで見るか、悩ましいところだ。
ちなみに椅子やベンチ(代わり)も用意されている
路上に設置して座って青空鑑賞ができるわけだ。これってなにげに贅沢。
そうこうしているうちに幕が下りる
11時から始まってだいたい50分くらいで終わっただろうか。
途中、動いていたせいもあって、あっという間であった。
最後の挨拶も様になっている
主役の子もキリッと
ヤンヤの喝采や合いの手も聞こえてきたし、この子供歌舞伎が町の人達に愛されているなというのが伝わってきた。
なんだかハートウォーミングで微笑ましくなる舞台である。
補足&感想
今回、曳山が停留していただいたいの場所の地図も上げておきたい。
ほんと路地で、信号すら無い小さな交差点なのでネット上のマップでも確認し難いところであるので、近くになにか目印がないか探してみた。
こんな看板を発見
小松にある「料亭 小六庵」だ。
ここの地図を乗せれば曳山が止まっていた場所もだいたい分かるであろう。
ということで小六庵の地図
小六庵の斜め右上の名もない交差点がこの時間に会場になっていたところだ。
来年以降の参考になってくれれば幸いだ。
予約席もあるようだ
皆さんが帰りだした後に気づいた。
座っていたのは地元の人だろうか?
自分のように慌ただしくではなく、じっくり人にはこういうのがオススメだと思う。
地元の人は自転車で来ていたりする
自転車で来ている人もいた。席の後方あたりに停めていたから面白い。
自転車でサッと来てサッと帰ることも可能だし、この着飾らない感じもまた庶民の感覚があって自分には好みだ。
お旅まつりの良さはそういうところにあるように思うのは自分だけだろうか。
町の人達の手によって作られ、町の人達に愛されている曳山子供歌舞伎。
自分はこの町の人間ではないけれど、見に来たことでその雰囲気や良さを共有できた気になれた。
すごく居心地が良かったので、何年先もいつまでも続いて欲しいものだとそう思えた。
天気も良かったし見に来てよかったなと心から思う。