初心の趣

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龍助町の中出精肉店で「小松基地空上げ」を食べる

先日、お旅まつりで小松市内を歩いていると、龍助町で「小松基地空上げ」の幟を掲げた精肉店があったので入ってみた。

唐揚げの感想+祭りの様子少々をまとめたい。

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中出精肉店小松基地空上げをいただく

航空自衛隊の隊員食堂では基地それぞれでオリジナル且つ人気のメニューとして唐揚げがあるという。

より上を目指す意味も込めて空自ではこれを「空上げ」と呼んでいるそうだ。

小松基地にもオリジナルの「空上げ」なるものがあり、最近では小松商工会議所と普及協定を結んで、公式の使用食材(供給業者が指定されている)を使って作られたものには認定も行っているという。

つまり、指定した食材、正しいレシピで作り、認められたものは「小松基地空上げ」として販売することができますよということだ。

この話を以前ニュースで知ったのだけれど、これまで実際に販売しているものを見たことがなかった。

それが先日、「お旅まつり」で曳山子供歌舞伎を見に小松市内を歩いている時に龍助町の精肉店で目撃したのだった。

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こんな幟を目撃した

思わず足が止まってしまった。

そうして見上げてしまった、その精肉店を。

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それが「中出精肉店」だ

「こまつ名物炭火焼豚」と書かれてある。

後で知ったことだが、なんでもここの焼豚は石川ブランドにも登録されているそうだ。

創業1965年だそうで、老舗精肉店だ。

応対してくれた現在の店主の方は若い方だった。

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土日限定だそうだ

中出精肉店の「小松基地空上げ」は週末限定のものだ。

お旅まつりのため日曜日に小松の町を歩いていただけなので、ほんと偶然だ。

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イスあり

店の前、また店の中にも椅子が置かれていて、そこに座って食べることが出来る。

自分は外の椅子に座っていただいた。

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こちらが中出精肉店製「小松基地空上げ」だ

小松基地空上げの特徴は

  1. 塩麹に漬け込む
  2. 酒粕に漬け込む
  3. 衣に米粉を用いて、揚げる

と、なっている。塩麹酒粕米粉も供給業者が決まっている。

それらを守れば晴れて「小松基地空上げ」と認定されるわけだが、この中出精肉店のそれはさらに「小松大麦味噌」も味付けに加えている。

その味、食感はフワウマ。

唐揚げって自分で作ると肉の繊維がしまって固くなるんだけど、これはそういうのがなくて肉がふわふわ。

それでいて表面はサクッと歯ごたえもある。

大麦味噌の香りもふんわりと広がって味噌に慣れた日本人にはどこか懐かしさのする味だった。

これ、美味い。

 

獅子舞を追いかける

話を聞かせてくれた中出精肉店の店主の中出さん、なんでも龍助町の「にぎわい部会長」なんだとか。

龍助町には250年前から受け継がれている「大獅子」があって、お旅まつりで曳山を所持する8町の中でも、この大獅子を持っているのはこの龍助町と京町だけとのこと。

その龍助町の大獅子は本折日吉神社の筆頭神具(「一番神具」とも。神輿のお供のことを「神具」というらしい)として、太鼓や笛の音に合わせて家々の前で舞を披露するんだけど、この中出さんたちが舞っているそうなのだ。

応対してくれたときも、汚れないように上に羽織るものを着ていたものの、その下には袴を着込んでいた。

なんでも、お旅まつりは曳山子供歌舞伎が主に注目されるけど、祭りのディープな一面として神輿や大獅子(獅子舞)ももっとフューチャーされて欲しいのだとか。

たしかに、自分も曳山子供歌舞伎だけを目的にその日小松に足を運んでいた一人だった。

これもなにかの縁と感じた自分は、神輿や大獅子をちょっと追いかけてみることにしたのだった。

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いた

さっそく神輿発見。

昼の1時前くらいだろうか、町中を歩いているとすぐに見つかった。

こうして家々をまわっている。

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本折日吉神社の神輿だ

法被の背中の社紋が本折日吉神社のものだ。

先日、当神社に参拝し、いただいた御朱印にも同じ印が押されていた。

本折日吉神社に参拝したときの記事はこちら

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子どもたちの神輿もいた

大人の神輿の後方にいた。

ただついて来るだけではなく、ちゃんと家々を回っている。

自分は子供の頃、地元にこういうお祭りがなかったので、子供のころから神輿を担げる経験ができる彼ら彼女らが羨ましい。

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こうしてみると結構な人数で動いている

神輿を担ぐ人だけではなく後ろの方には変わった、これも神具と呼ぶものと思われる釣鐘状の何かもつんだっていた。

興味深い。

その後ろにはお稚児さん(この呼称でいいのかな?子供巫女?)の姿も。

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こちらも家々の前で舞を披露

神社や祭りによって稚児と呼ばない所もあるので呼称が正確ではないかもしれないが、稚児舞というものだ。

家々を回るのは神輿だけという祭りも少なくないので、自分の中ではけっこう貴重な風景だった。

いいものを見れた。

それにしても、肝心の大獅子の姿が見当たらない。

昼頃であったのでもう昼休憩に入ってしまっているのかと思っていたら…

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いた

神輿の担ぎ手や子どもたちとも違った独特のオーラが出てた。

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もちろんあとを追いかける

やはり家々をまわる。

このあと皆さん昼休憩に入るのだけど、それまで追いかけた。

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太鼓の音がいい

後ろの太鼓の、ポロン、ポロン、ドドン、ドドンッといた具合の、激しく叩くわけではないあの独特のリズムが自分には好みだった。

これに笛の音も加わると周りの空気が一気に神妙になる。

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神事をやっているんだなと改めて気づかせてくれるほど神妙な音色

これって本折日吉神社や龍助町独特のものなのだろうか?

そういうところも興味深い。

このあと舞を披露。このお店の前では角度的に写真を撮りづらかったのでここでは割愛する。

ちなみに獅子に噛んでもらうことも。

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ガブリと

魔除けになって一年間無病息災でいられるのだとか。

お旅まつりのHP等によると、この噛んでもらうの、回ってもらった家々の人だけがしてもらえるわけではなさそうだ。

もしかしたら観光客も噛んでもらえるのかもしれない。

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次の家のときに大獅子の舞を連写

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神妙に厳かな中にも

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この迫力

いいものを見れた。

 

まとめ

お店の地図

小松市龍助町の中出精肉店で食べた「小松基地空上げ」(500円)は、揚げたてだったし、ほんと美味しかった。

土日にあの辺りを歩くことがあったらまた立ち寄りたい。

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さらにはイベント限定の焼豚にも興味を持つ

お旅まつりのようにイベントが行われているときは、ほかに焼豚丼(700円)というのも数量限定で販売されているようで、これも次回以降食べたくなった。

今回食べなかったことを後になって悔やんだくらい。

龍助町の大獅子についても知れ、実際に見ることもできたし、いい出会いのあるお店だったなと思った。

余談だけど、大獅子の人たちの昼飯は毎回「餃子菜館 勝ちゃん」(外回りの時。内回りのときは毎回「うな与」)でするというマニアックな情報も教えてもらった。

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これが「勝ちゃん」

偶然見つけてしまった。

ここの餃子にも興味を持ってしまった、今回の出会いであった。

もちろん、今回の主目的である小松基地空上げそのものにもさらに興味を持った。

中出精肉店さんではこまつ大麦味噌味だったけど、他のお店ではどんな味がするのか食べ比べをしたくなった。

我ながらずいぶんと空上げのファンになったものである。

ちなみにこんな公式テーマソングもあった

笑ってしまった。

龍助町を筆頭にますます小松が好きになってしまった。