初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

金沢駅もてなしドーム地下の思い出黒板アート第二弾は魚を食べたくなる

9月のはじめに金沢駅東口もてなしドーム地下に思い出黒板アートが登場していたが、その第二弾が9月の後半に予定通り登場していたので見に行ってきた。

その写真をサクッと並べたい。

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閉校になった学校の黒板を使ったアート第二弾

金沢駅東口の地下にて閉校になった小学校の黒板を使って、金沢美術工芸大学の油画専攻の学生さんたちが「金沢の四季」をテーマに黒板アートを描いていた。

展示期間は一週間と短かったものの自分も足を運んで当ブログでも紹介している。

黒板アート「金沢の四季」の記事はこちら

その展示から約2週間後にその第2弾が、やはり短い展示期間ながら同じ金沢駅もてなしドーム地下で登場していた。

今度は同じ金沢美術工芸大学ながら日本画専攻の学生さんたち5人が制作したそうだ。

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ということで金沢駅東口へ

奥に鼓門もみえる東口のもてなしドームだ。

黒板アートはこの地下広場にある。写真は地下に降りる階段より撮っている。

ついでにいうと今回訪れたのは夜だ。

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地下空間へ

東口からの階段を下り、写真でいうと左側に目的のそれがある。

前回第一弾と同じ場所だ。ところが同じ場所ながら、その場は前回と比べてちょっと様子が違っていた。

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なんか狭い

絵が描かれた黒板はちゃんと置かれてあるものの、その作品の前方にパテーションがいくつも立てられていて鑑賞スペースが窮屈に感じられた。

自分が足を運んだのは9月22日の土曜日。なんでも同じ場所に置かれてあるストリートピアノで先日ライブが行われていたようで、そのためにかこのように仕切り板が並べられていたようなのだ。

f:id:seisyunsanka:20180924000438j:plain同じもてなしドーム地下に置かれているストリートピアノ

当ブログでも以前紹介した、小学校で使われなくなったピアノを再利用したものだ。

過去のストリートピアノの記事はこちら

時間内なら誰でも自由に弾ける。

ご覧のようにそのピアノを中心にイベントが行われていたようなのだ。

地下への階段を降りながらそのパテーションだけが見えたときは黒板アート第2弾は中止になったのかとも思ったけれど、狭くて見づらい、写真が撮りづらいもののちゃんとあったので一安心だった。

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前回同様ボードも立ててあった

前回同様、その黒板は3月31日を以って統合のために閉校となった金沢市立材木町小学校で使われていたもののようだ。

制作は公開されていたようで、展示は9月17日から行われ、24日(月・祝)までとあった。

 

「海の中の宇宙」がテーマの黒板アート

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全体図(三枚構成)

完成したばかりの頃はパテーションもなかったようだけど、自分が足を運んだ22日にはこうして仕切りがあったものだから狭すぎて全体の写真を撮ることも難しかった。

三枚構成の作品の全体を一枚の写真に収めるということができなかったので、このように一つずつ撮ることにした。

その一枚も、やっぱりパテのせいで狭すぎてちょっと斜めにしながら撮っている。

その作品は、魚がいっぱいの海中世界。

なんか回遊水槽みたいだ。

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頑張って3つを1枚の写真に収めた図

斜めから無理やり撮っている。

こうして撮ることでさらに回遊水槽っぽくなった気がする。

以下、描かれているものを細かく見てみたい。

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甘エビだ

いきなり魚類ではなく甲殻類で申し訳ない。

が、金沢と言ったら甘エビだという人も少なくない。

全国でもトップクラスの水揚げ量で最近「甘エビまつり」というものが行われていたくらい市を代表する海産物だ。

もっとも、金沢には「ガスエビ」という知る人ぞ知るエビもあるので、そっちだったらゴメンナサイ。

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こちらは寒ブリだろうか

自分はサカナについてあまり詳しくないが、背と腹の間の黄色いラインなんかを見ると寒ブリだろうなと思えてくる。

雷の多い金沢市では「鰤起こし」なんて言葉もある。

12月や1月など冬の始まりに鳴る雷のことで、これが鳴るといよいよ冬の季節になるんだな=ブリが獲れる頃だなと金沢市民や石川県人は思うわけだ。

能登町の宇出津港ではブリまつりも行われているので寒ブリの水揚げといったら能登のイメージもあるけど、もちろん金沢でも食べられるものだ。

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こちらはトビウオ

トビウオは、石川県の奥能登の方で「あごだし」としてよく使用されている。

トビウオを焼いて干して作るものだ。

出汁を取るのにいいんですよね。

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こちらにはカニ

そのデカさ、赤色からベニズワイガニだろうか。

石川県ではこういったデカイ蟹もよく出回っている。

しかしまあ、でかいわね。

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蟹の側にもいた青魚

これらはサバだろうか?

やっぱりサカナには詳しくないので断定はできないが、背中の模様が鯖っぽく見える。

金沢港でももちろん鯖は揚がる。

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タイもいた

三枚目の右の方にも黒鯛っぽいものが描かれていたが、鯛も普通に揚がったりする。

のとじま水族館では釣りもできるんだけど、そこで真鯛を釣り上げている人を見かけたことがある。

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でっかいけどイカの姿も

県人なら烏賊もよく食べる。

これはスルメイカだろうか? それなら全国でも水揚げ量がトップ5に入っていたはずだ。

ここらへんだとスルメイカは5月、6月あたりで最盛期を迎えるだろうか。

ちなみにちょっとわかりづらいけど烏賊の上部に描かれているの、これジンベイザメだよね。

でかすぎて尾っぽから腹の方までの半分くらいしか描かれていないけど、そうだと思う。

のとじま水族館でも見られる、デカさナンバーワンの魚類だ。

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ついでにいうと亀もいた

ウミガメだ。すっぽんだったら津幡町でも飼育されてますよと言えたのだろうけど、ウミガメだ。

自分はどうしても食い物目線で見てしまっていたけど、ジンベイザメ然り、食用でもないものも描かれているようだ。

あ、でも、輪島の方などウミガメが産卵しにくるところは石川県内でもある。

こうして考えると、どれも市や県にゆかりのある魚類や海の生き物ではないだろうか。

ところで亀の下の穴子みたいに細長いこの魚はなんなんだろうか?

美味そうに思えてならないのだが…

うん、やっぱり食い物目線で見てしまう。

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この赤いのはもしかして「のどぐろ」だろうか

金沢には甘鯛とかほかにも赤いもので有名なサカナがあるので断定はできないが、そのサイズ、顎のシャクレぶりなどを見ると「のどぐろ」ことアカムツに思えてならない。

のどぐろ…

むかしは庶民が食べるものだったと近江町市場の人たちが言っていたけど、いまではかなり高価なサカナになっちゃっている。

けど、あれは確かに美味い。

という理由だけでもうのどぐろにしか見えなくなってきた。

 

感想

以上、思い出黒板アート第二弾「海の中の宇宙」をテーマにした作品の写真だ。

回遊水槽のようなその作品を何のひねりもなくただ撮ってしまっていた。

それもそこに描かれていたものが金沢市や石川県を代表する海の幸ばかりだったからだろう。

食欲を刺激されて、アーティスティックな撮影のことなどすっかり忘れてしまっていたのだ(もともとアーティスティックな撮影なんてできませんが)。

自分は芸術の秋より食欲の秋なんだと思う。

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後日、のどぐろのふりかけを食べました

あのチョークで描かれた絵を見て食欲が湧いたものの、のどぐろそのものは高いので、せめてもと思ってこちらを買ってきた。

石川県内の道の駅や道路のサービスエリアなどではたいがいこの「のどぐろ」関係の商品が置かれている。

ほかにもお茶漬けだったり、ラーメンがあったりした。

乾燥させたふりかけなので、のどぐろの箸を入れただけで油ギッシュなあの感じは味わえないものの、良い風味のふりかけだった。

なにはともあれ、第二弾の黒板アートは実に食欲を刺激されるアート作品だった。

よくよく考えれば第一弾も金沢の魅力を伝え、ここへの観光を刺激させるような作品であったと今更のように思う。

アートが観光資源というより、観光資源の広告をアートが担うといった印象である。

「〇〇したくなるアート」という新たなジャンルが創出されたような気もしたが、むかしから作品が訴える力が強ければ情感を刺激し行動を起こさせるものであろうから、わざわざジャンルと呼ばずともそれが芸術の本質であると言うべきなのだろう。

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これ、材木町小学校の校章だそうだ

使われなくなった思い出の黒板が、誰かの次の思い出を作るきっかけになりそうなアートに生まれかわっていた。

面白い事業だと思う。

こういうの、今後も続いてほしい。

そして最後にもう一度「金沢や石川はサカナも美味い」です。