初心の趣

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奥能登国際芸術祭2023を地震に負けず回る第一日目その14(カールステン・ニコライ「Autonomo」)

能登国際芸術祭2023、三崎エリアに入った。

そのエリアでの最初のスポットは旧粟津保育所だ。

そこでは2作品が展示されていたので一つずつ紹介したい。

今回記す1つ目はカールステン・ニコライさんの作品だ。

 

 

旧粟津保育所ではNo.14と15の2作品あり

能登国際芸術祭2023、日置エリアの次は三崎エリアだ。

能登半島の最右端のエリアだ。

そこではまず旧粟津保育所に向かった。

ここは前回2020+でも作品が展示されていた場所なので行き慣れていたからか、旧保育所の全体的な写真を撮るのを忘れてしまった。

玄関には二つの作品看板が

No.14と15の作品が展示されているのだ。

玄関を抜けて右に曲がると14番の作品が、左に曲がると15番の作品が展示されていた。

受付ももちろん共有していれば、鑑賞パスポートのスタンプの場所も「14」「15」が一つにまとめられていた。

このように

2アーティストで一つのスタンプを押してもらうことになる。

今回記す14番はカールステン・ニコライさんの作品だ。

混乱しそうになるが、カールステン・ニコライさんだけで2作品ある。

 

14番 カールステン・ニコライ「Autonomo」「図書室:カールステン・ニコライが推薦する子供の本」

14番だ

ドイツのカールステン・ニコライさんの作品名が、この看板でも二つ並んでいるのがおわかりいただけるだろうか?

「Autonomo」と「図書室:カールステン・ニコライが推薦する子供の本」だ。

14番は二種類あるのだ。

ちなみにニコライさんの作品は前回2020+から展示されている。そのときから、こうして二種類あった。

前回と同じものなので真新しい印象はないかもしれないが、特に「Autonomo」は動的な作品なので、今年だけのムーブを模索して鑑賞したい。

玄関入って右手に曲がると長めの廊下がある

その奥には遊戯室(体育館のようなところ)があり、そこに「Autonomo」が展示されている。

2020+の時からずっとそこにあるのだろう。

この廊下を進んで途中、右手の一室に入ることができるんだけど、そこが「図書室:カールステン・ニコライが推薦する子供の本」の展示場所になっている。

前回2020+で足を運んだ人ならわかるかと思うが…

絵本が並んでいるのだ

テーブルにも

作品名のとおり、カールステン・ニコライさんがオススメする絵本が並んでいる。

自分が子供の頃からある絵本も置かれているので、懐かしくなったりもする。

前回2020+のときとラインナップが多少変わっていると思う。

アンケート用紙発見

同じ部屋に2023のアンケート用紙が置かれていた。

こういうの見つけると書きたくなるんだけど、鉛筆はあるものの、投票箱がどこにあるのかわからなかった。

受付の人に渡せばよかったのだろうか?

その部屋も後にして突き当りに進むと…

遊戯室がある

ここが「Autonomo」のある部屋だ。

すでにどんなものか見えている。

全体的にはこんな見た目の作品

丸くて大きなアルミ板が天井から9枚、吊り下げられている。

衝立の奥にはテニスボールが発射される機械が置かれていて、定期的にボールが発射され、壁やアルミ板に当たって音を立てる。

その音で、かつてこの保育所で園児たちが遊んでいた景色を想起させるような作品だ。

懐かしさもあれば、そこにはもうない寂しさもある音…

そんな音を楽しむ作品なので、静止画である写真でその良さを伝えることは難しい。

せめて発射されたボールが跳ね返る瞬間の画を撮れれば、その躍動感、動的な感動みたいなものを伝えられるんだろうけど、いかんせん飛び出してくる球が結構速いので、なかなか捉えきれない。

ちなみにアルミ板がぶら下がる敷地の手前に立入禁止の線が張られているので、中に入って近くで撮るということもできない。

じゃあ、静止画で何を撮れっていうんだよ…

そんな声が口から漏れそうであった。

いえ、音を楽しむんです。

 

感想

二年ぶりのカールステン・ニコライさんの「Autonomo」、何も変わっていなかったけど、発射されたボールの行方、弾む音は同じものが2つと無いので、見ていて、聞いていて飽きない作品だ。

2020+のときにも鑑賞した作品だから、すぐに見え終えて帰るかと思っていたら、なんだかんだこの場に長居していた。

線を超えてきたボールを投げ返していたりしていたんだから、そりゃ長くなるわね。

境界線内側の床に転がっているボールは係の人たちが回収

この光景は前回も目にしたんだけど、飛んでくるボールに当たらないのか、そんな心配をしてしまう。

機械から球が完全になくなってから回収しに来ているのだろうか?

いずれにせよ、境界線の中に入れるのは羨ましい。

線の内側でしか聞き取れない「音」というものもあるはずだ

このアルミ板が、この室内をいくつもの空間に分け隔てているような、そんな見え方もしてきたよ。

打ち出された黒いテニスボールは、それら境界に投げ出され、さまよう迷子だったりして。

たのえば、今を生きる自分たちのように。

線を超えたら、お子さんたちに投げ返されますけどね…

う~む、考えさせられた。