あけましておおめでとうございます。
毎年のことながら初詣へは少し変わった神社に行きたがる自分。
今年2023年は日本で唯一、香辛料の神様を祀る波自加彌神社へ行ってきました。
金沢市花園八幡町にある波自加彌神社
金沢市には生姜の神様を祀る神社がある。
香辛料の神様を祀る神社というのは日本でもそこだけなんだそうだ。
以前に一度参拝してきたことはあるのだけど、初詣には行ったことがなかった。
元日、三が日にはしょうが湯の振る舞いも行われるという。
さらにはここにお参りすれば料理も上手くなるんだとか。
昨年から料理も自主学習するようになった自分なので、これは参らずにはいられなかった。
こんなところにある
金沢市の花園八番町というところにある。
市内にこんな名前の町があるだね。
少し行くともう津幡町、そんなところだ。
到着
それなりに山側のところにある。
拝殿は山の中にあるし、そこまで階段を上がっていかなくてはならない。
一応、車でも来れるのだけど、駐車場へは裏参道を通っていくことになる。
その駐車場へ向かうなら、この鳥居前で一度右折する。
右折したあとの景色
道なりに進んで用水にかかった橋をわたり、狭く急な坂道を登っていくと拝殿の裏にある駐車場に行ける。
自分も車だったのでその坂を登ったのだけど、かなり急勾配で、車のエンジンパワー的に上がるのかちょっと不安だった。
こんな急な坂を登ってきた
傾斜がきついし、幅も車1.5台分くらいしかないような坂だ。
なんとか登ってこれた。
登った先の駐車場
駐車場も決して広くなく、車3~4台が停めれるスペースしかない。
現地で話しかけてくれた地元の方いわく、車で行きたいけどすぐ混んでしまうので歩いて参拝しに行くんだそうだ。
でも歩いてくると長い石段を上がってこなければならず、それはそれで大変なんだとか。
車で来れば、写真のようにもう拝殿はすぐそこだ。
なになに「はじかみ」とは?
波自加彌神社はこう書いて「はじかみじんじゃ」と読む。
「はじかみ」って山椒の「椒」の字もこう書いて「はじかみ」って呼ぶように、生姜や山椒のように歯で噛んで辛いもののことを指すようなのだ。
名前からして香辛料を意味する神社なんだね。
こちらが拝殿
山の中にあるので周りは背の高い木がいっぱいだ。
とりあえずお参りしよう
お賽銭箱が置かれていたのでそこでお参りしようとしたところ、拝殿の戸が開いて「どうぞ中へ入ってお参りください」と神職さんに言われた。
吊るされた縦幕に「どなたでも中でお参りください」と書かれてあるように、誰でも入っていいようなのだ。
中でお参りすると新春福引、さらにしょうが湯の振る舞いもあるとも書かれてある。
これはいい機会なので、自分も中に入らせてもらった。
中はこのような雰囲気
中では写真は撮っていない。そのため文章で説明させて頂く。
部屋の奥に祭壇が設けられていて、その手前で玉串を手渡された。
こういうの奉納する経験がなかったのでやり方も教えてもらって奉納させてもらった。
「の」の字にまわして前後逆に置くんだね。
祭壇がある奥、窓越しに更に社が見えたので、生姜の神様はそこにいるのだと思われる。
その社に向って二礼二拍手一礼をさせてもらった。
厳かな雰囲気がその奥の社にはあって、そのときの自分の顔も神妙なものになっていたに違いない。
それだけの所作にも関わらず、なんか気持ちが洗われた気がした。
そうしてお参りも済むと、おみくじ(百円)を引いた。
さらに、そのおみくじとは別に無料で新春福引というものも引かせてもらえた。
なんなんだろうと思っていたら…
しょうが湯をもらえた
福引で景品がもらえたのだ。
自分、しょうが湯大好きなので、これ本当にありがたい。
ちなみに拝殿の中でも紙コップに入ったしょうが湯を振る舞われます。
「御神酒」と「しょうが湯」どちらがいいですか?と聞かれるので、車で来ている自分はしょうが湯を選んだ。
御神酒にはアルコールが含まれているのだ。
なお、お守りや御朱印も拝殿で頒布されている。
普段、この波自加彌神社ではお守りや御朱印は少し離れた波自加彌神社遥拝殿というところで頒布されているのだけど、初詣のときは拝殿でも受け取れるようだ。
参考までに遥拝殿の場所はこちら
数年前に、初めて波自加彌神社に行ったときはこちらにも立ち寄ったことがある。
ただ、道がさらに狭く駐車場もなかった覚えがあったので、今回は向かわなかった。
拝殿で御朱印もいただきましたしね
御朱印、二種類あって、香辛料の印が押されたものと、毎月変わる季節限定のものがあったので、自分は季節限定1月バージョン「お正月」の印が押されたそれ(三百円)をいただいた。
お守りもいただく
波自加彌神社にも色々とお守りがあるのだけど、なかなか珍しい「料理上達守」(七百円)をいただいた。
料理上達のためにこの神社に初詣にやってきているのでこのお守りも欠かせない。
「料理上達守」には紺色と桃色の二種類ある。少し迷った末に自分は紺を選んだ。
自分はLGBTQではないけど、男だろうが女だろうが色くらい好きなの選べばいいだろうという考えがある。
正直、桃色も格好良く見えた。自分はピンク色も嫌いじゃない。
もし何かの間違いでフェラーリを手に入れることがあったら(そんなことはないと思うけど)、赤ではなくピンクに塗るだろう(ゲーム「グランツーリスモではいつもそうしている)。ピンクって目立って素敵。
なにはともあれ、これでもう少しくらい料理がうまくなりたい。
別に料理人になりたいわけじゃないけど、人生をもう少し楽しむために料理もうまくなりたい。
香辛料の神様、頼みますよ。
狛犬も撮る
神社に来たなら狛犬も撮りたい。
狛犬写真家を自称しようかと目論むことを思案中の自分だけに、狛犬も見逃せない。
もちろんこの波自加彌神社にも狛犬はいた。
と、その前に、どうせなら山を登る前の最初の鳥居から撮りたい。
裏参道から入ってきているので、全体を知りたい、知った上でこんなところにこの狛犬はいるのかというバックボーンのようなものも味わいたくなった。
ということで…
下まで降りた
石段を使って降りていった。
下の鳥居の周りをよく見ていなかったので、あわよくば下の方にも狛犬がもう一対いないかなと考えたりもしたからだ。
それにしても、ほんと急な石段だ。
踏み外すと転げ落ちそうだったよ。
下に到着
石柱にも波自加彌神社の文字。
こういうのを目にすると同じく石で作られた狛犬が、この近くにもいそうな気がしてしまうのだ。
まあ、実際にはいなかったんですけどね。
代わりに石碑を発見
これは竣工記念碑でいいのかな。
谷本さんよりさらに一つ前の石川県知事だった中西陽一さんの名前も彫られてある。
中西さんも任期が長かったね。懐かしい。
その左奥にも石碑
こちらは…読めない。
辞書がないと読めそうにない。
さらに鳥居の側にはこんなものも
波自加彌神社の由緒などが書かれてある。
木ではなく石に彫って書かれてあるところが渋い。
木よりも石の方が長持ちするからね。
確か、木や紙だと数百年単位、石だと数千年単位で記録(文字)を残せると聞いたことがある。
この神社をずっと残したいとの気概を感じるのだ。
その近くにはこんな石も
これは何か、誰かの歌碑のようなものだろうか?
これまた読めないというか、自分にはよくわからない。
その正面にはこんなものも
木版には「保存樹林 金沢市」の文字も。
石だけかと思えば、こうして樹木を活かしたものもあり、実際に山だけに木々もたくさん伸びている。
それら樹木に注目しても趣を感じられる神社だ。
それにしてもここをまた上らなければいけないのか…
下の鳥居あたりも見たいからと自分から降りておいてなんだが、この急勾配を目にするとちょっと後悔した自分もいた。
これはたしかに大変だ。
野球部やそのほか運動部のトレーニングにも使えそうなきつさじゃないか。
まあ、自業自得ですので、ちゃんと上りましたけどね。
途中にはこんな石碑も
これまた読めないけれど、石段を下りていないとこの石碑には気づかなかった、目にできなかったと思うと少しの後悔とやらも、少しは晴れた。
拝殿までさらにこの石段も上がらなければいけないけど
地元の方が大変だというのも…わかる。
上がってみると…
こんな景色が見れたりもする
雨が降ったり止んだりしていた日で、ときどき日が差していたんだけど、高い木々が何本も植えられているから木漏れ日になってくれていた。
これを見れただけでも、いいところだなと思う。
そりゃ、保存樹林にするわね。
保存樹林の看板も有り
約四百本も植えられているのか。
しかも山椒も多く自生しているそうで、さすが香辛料の神様を祀っている神社だ。
看板の後ろには手水舎も
ただ、コロナ禍のため、感染予防対策として柄杓は置かれていなかった。
しょうが湯飲めば免疫も上がるだろうし、もう大丈夫だと個人的には思うのだけどね。
手水舎の前には稲荷社も
八幡山稲荷社と鳥居には書かれてある。
もちろんここでも参拝させていただいた。
石の狛狐はいなかったけど、祠のところに白い狐の像(おそらく陶器)は置かれていた。それがまた可愛かった。
では狛犬を見てみよう
位置的にはこんなところにいる。
木の枝が伸びているので、拝殿を前にして写真を撮ろうとしても右側が隠れてしまったりする。
山の中にある神社だということが、狛犬からも伝わってくる。
枝に隠れた右側のものから見てみよう
阿形だ。
枝があるので、正面からではなくこんな角度から撮ってしまった。
その左手には玉を持っている。
比べてこちらが吽形
阿形が玉を持っていたので、こちらは子連れを期待したくなるけど、それではなかった。
しっかりと前足二つで胸を張っているようで凛々しいったらない。
そのスタイルから岡崎型のものと思われるけど、現代の見慣れたタイプの顔貌と比べると、どことなく古めかしくも感じる。
口や首、足や台座などに、いい感じで青い苔が生えているからだろうか?
パッと見て、昭和期やそれ以前の狛犬なんじゃなかろうかとも思ったけれど、台座に彫られた奉納年月を読むと結構新しい。
平成十年六月吉日
って、まだ25年くらい前のものじゃないか。
全然新しい。少なくとも狛犬界では新しい。
ただ、そう彫られた台座と、ひとつ上の台座が同じ頃に作られたものなのか、甚だ疑問である。
苔むされ方がぜんぜん違うのだ。
なんなら、石の種類も違うんじゃなかろうか?
こんな文字も彫られているし
よ、読めない…
高校生の時にもっと古文、漢文を勉強しておけば良かったなと思う。
何にせよ、この文字からして古さを感じてしまうから混乱してくる。
一番下の大きな台座だけが平成10年奉納で、上の狛犬は意外ともっと古いものではないかと、そんな推測を勝手ながらしてしまうのだった。
そんなこと知ったこっちゃないというような横面
「気にするな」と言われているようではないか。
足のカビられぶりで語る阿形
「この苔、白カビで悟れ」と言われているようでもないか。
山の中で木が多く、日差しが当たりづらいので苔もカビもすぐ生えそうなものだから、25年くらいでもこれくらいの貫禄(苔、カビ)がつくのかとも考えられる。
おかげで狛犬たちのその年齢に悩んでしまうのだ。
木の枝に食らいつきそうな阿形
なんかいい画が撮れてしまった。
おちゃめに見えてくる。
それを見てても、やっぱり「気にするな」と言われているようであった。
うむ、古い新しいは自分には関係ない。
楽しく撮らせてもらおう。
うむ、かわいい
そんな阿形を眺める吽形のお座りした背中がまたかわいい。
いつの時代に彫られたものかよりも、どのようにその神社で過ごしているかが、やっぱり魅力に感じる。
そう改めて気付かされた狛犬たちだった。
感想
波自加彌神社への初詣、行ってよかった。
社の中にも入れたし、そこで玉串を奉納して参拝もできた。
初詣でこんなことをしたのは初めてのことだと思うので貴重な体験だった。
おまけに、香辛料の神様を祀っている神社だけに、しょうが湯を振る舞われたのもありがたかった。寒かったので温まる。
さらには福引も引かせてもらえた。
初詣に来るとこんなこともしてもらえるのだ。
その景品でまた「しょうが湯」(袋に入ったもの)をもらえたんだから生姜づくしである。
さっそく家で飲みました
しょうが湯って胃にも良いらしくて、今日はお腹の調子がいまいちだなと思えるときに
飲んでみると、お腹がぐるぐるしていたのも止んでくれたものだから、風邪を引くとまず先にお腹に来てしまう自分には、ほんと薬みたいだった。
すごいよ、生姜。
料理が上手くなるお守りも手に入れれたし、心身ともに晴れやかである。
ちなみにおみくじは「中吉」でした
今年は人並みにいいことが起きそうである。
また行きたい。