初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

能登島で吹きガラスの体験をした

七尾市能登島には日本初の公立のガラス美術館があったりしてガラスが有名だったりする。

先日、その能登島の道の駅に足を運んだところ、奥にガラス工房があるのを見つけた。そこで吹きガラスの体験をやってみることになったのでまとめたい。

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能登島のガラス工房へたどり着く

最初に目指したのはガラス美術館だった。

能登島の道路を走っているとよくその看板を目にする。久しく行っていなかったので足を運ぶことにしたのだ。

すると、そのガラス美術館の前に道の駅があった。

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道の駅「のとじま」だ

本当に久しぶりすぎて「こんなのあったっけ?」と思わず呟いてしまった。

そうして美術館よりそちらの方に興味が湧いて、まず先にこの道の駅へと向かってしまっていた。

入ってみると、館内には能登島を中心に七尾市能登半島の特産品が並んでいた。お店もキレイで店員の方々の活気も良かった。

その館の奥にも出入り口があり、出てみるとすぐガラス工房があった。

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能登島ガラス工房だ

むかし、友人より能登島にガラスの工房があることは聞いていたが、まさか道の駅の裏にあるとは思っていなかった。

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入ってみる

自分は金銭的な問題等がない限り基本的に「とりあえずやってみる」という人間なので、とりあえず入ってみた。

入るとすぐこのように「吹きガラス体験」のポスターを目にした。

体験物に興味がある自分としては足を止めてしまう。

体験料は3240円より。送料は別途650円だ。少し高い気もするけど器などを作る体験としては妥当、もしくは良心的な値段だ。

どうしようかなと考えていると、職員の方に声をかけられた。しかも二人に。代わる代わる声をかけられて体験の説明をされた。そのためというわけではないが、やると腹を決めたのだった。

 

吹きガラスの体験

まず、受付をする前にどの形でどんな柄のものを作りたいか先に決める。

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入り口にサンプルが並んでいる

コップで10種類の形。

少し割増になるが、灰皿や小鉢、一輪挿しに風鈴なんかも作ることが出来る。

形を決めると柄も決めれる。形との組み合わせも自由だ。

期間限定で特別色というのもあった。

どうせならということで、自分はその特別色から「A」の柄を選んだ。

また、無料でガラスの表面に「泡」を入れるかどうかも選択できる。これまたどうせならということで泡も入れてもらうことにした。

それらを受付にて記入して料金も払って少し待つと、いよいよ体験が始まる。

最初に流れや注意事項を説明してもらったが、ガラスづくりの経験がまったくない自分には何がなんだかよくわからなかった。

そんなもので少し不安になったけれど、ここの体験は先生が付きっきりでずっと補助してくれるので、やってみると難しいことはなかったりする。

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貸してもらえる装備品

体験は木の椅子に座って行われる。

座る前に軍手とデニム製のエプロンと腕貫とを手渡されるので装着することになる。

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溶解炉でガラスを熱してくれる先生

元となるガラスに色のガラスを付けてこの炉の中で熱していた。

作成中、何度も炉に入れる場面があるが、火傷をしないように炉を使う作業はすべて先生がやってくれる。

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取り出されたガラスがこちら

すでに模様のようなものが出来ている。

これを少しずつ吹いて膨らませてコップの形にしていくのだ。

ちなみに自分は今回くびれもないシンプルなコップの形を選んでいた。(形の番号で言うと「10」)

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吹いた

先生に支えてもらいながら、先生の指示どおり吹いている。

やる前は思いっきり吹かないといけないものだと思っていたけど、優しく吹くものだった。

この後、濡れた新聞紙(「紙リン」というらしい)の上を熱したガラスを転がして大まかな形を作った。

そしてさらに…

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ハサミを使って形を作っていく

新聞紙の上を転がし終えると、次はハサミ(「ピンサー」というらしい)で掴んで鉄の棒を回しながら形を作っていく。

写真で見えているように先生が手伝ってくれるので初心者でもできる。

再び炉に入れてガラスを柔らかくして、形を変えてはまた炉に入れてもらう…そんなことを繰り返して少しずつ形ができてくる。

途中、長さ(グラスの深さ)はこれくらいですか?といったことも聞かれた。多少、自分好みに短くしたり長くしたりできるようだ。

なお、作業で両手が塞がっているのにこう写真があるのは、工房の方が撮ってくれたからだ。

体験中に撮影していいですかと聞くと、「両手ふさがりますよ」と言われ「そうですよね」といった会話をした末に「撮ってあげますよ」ということになった。ありがたい。

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底を作ってます

濡れた板を当てながら棒を回すと底の部分が平らになっていく。

ガラスのコップの底ってこうやって作っていたとは知らなかった。

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口を作ってます

飲み口はこのようにハサミを使って広げていく。

先生の手も借りながらなので、特に大きなミスもなくコップになっていった。

先生さまさまだ。

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完了だ

本当は自分本体と記念撮影しているのだけど、恥ずかしいのでコップ部分だけトリミングした。

先生が色々とやってくれるので、スムーズに進行して案内に書かれてあったように本当に15分くらいでできた。よくわかっていないから、体験している身としてはあっという間だった。

 

後日郵送される

出来たものを冷まさなければならないので、完成品が手元に届くのは後日となる。

一週間ぐらい待たされるのだろうなと漠然と思っていたら、二日後に郵送された。

さすが同じ県内、早い。

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こちらがそのコップ

見事にシンプルにコップだ。

実用性を考えてこの形にした。

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泡も入っていた

作っている時は分かりづらかったが、冷めた後だとハッキリ見える。

写真はないけどハサミみたいなもので表面をプスプスと突き刺して空気を入れることで気泡になる。面白いものだ。

先生に助けられっぱなしだったけど、かなり満足だ。

ただ一点、失敗したところがあった。

実際に使ってみてコップを洗うときにコップの底に指が届きづらいことに気づいたのだ。

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微妙に底に届かない…

直径が狭いので自分の手だとすっぽり入らない。

深さも自分の指の長さ以上にある。

長さ(コップの深さ)はこれくらいですかと聞かれた時、もうちょっとだけと欲を出して長くしたのが誤りだった。

なんで長くしてしまったのだろうか… 自分でもよく思い出せない。

 

感想

この工房での体験は基本的に思い出づくり、お土産作りを目的に行われているので、ほとんど先生が手伝ってくれ、ガラスづくりの本当の難しさを知ることはできない。それでも完成品を眺め、使用していると、ガラスづくりの楽しさが何度も思い出されて、もう少し本格的にやってみたくもなった。

15分くらいでも「作る楽しさ」をしっかり植え付けられてしまった、そんな体験であった。

こちらの工房では吹きガラスの体験の他にガラスの表面に文字などを入れる「サンドブラスト体験」や「とんぼ玉」や「ガラスのアクセサリー」を作る体験もある。機会があればそれらもやってみたい。

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コップは現在、牛乳用に使わせてもらっている

以前から毎朝の牛乳摂取用のコップがほしいと思っていたのでちょうど良かった。

担当してくれた先生と、写真を撮ってくれた工房の方々に感謝だ。