一年以上前に陶芸体験で作成したカップが不注意から割れてしまったため、同じようなものを作り直そうと再び同じ工房に足を運んだ。
陶芸リベンジだ。
長町のクリーヴァへ、再び
当ブログでも以前記事にしているが、2017年の5月、自分自身それまでやってみたいと思っていた陶芸体験に初めて挑戦してみた。
自分でろくろを回して形を作り、体験教室の先生によって焼いてもらってできたコーヒーカップはずいぶんと斜めっていたものである。
斜めっていたとはいえ、自分の個性がそのまんま表出していたようなそのカップをかなり気に入り、コーヒーを飲む際には頻繁に使用して愛着も湧いていた。
ところがその自作カップを不注意から割ってしまった。ヒビが入って、水やお湯を入れるとダラダラと漏れてくるようになってしまったのだ。
これはまた作らねば…
そう思った自分は前回一緒に行ったメンバーに声をかけ、再び陶芸体験をしに行くことになった。
足を運んだ先は、前回と同じく金沢市の長町にある「atelier & gallery creava」(アトリエ&ギャラリー クリーヴァ)だ。
ということでクリーヴァへ
長町というと武家屋敷なんかがあるところだ。
このcreavaの建物も古い蔵を改装したものだそうだ。
入ってすぐ水出しコーヒーを提供してくれるカフェがあり、その奥に陶芸を体験できる作業場がある。
一応、地図も
ただ、武家屋敷のある細い道を入っていくのでなかなか分かりづらいかもしれない。
目印としては金沢聖霊総合病院だろうか。
一応、数台停めれる駐車場もあるのだけど、道が狭くて入っていくまでがそれなりに大変だということだけは覚悟したほうがいい。安全運転推奨だ。
制作体験の様子
前回、作業中ならびに作業場の写真をほとんど撮ることができなかったので、今回は作りながら撮ったり撮ってもらったりをしてみた。もちろん許可をもらってのことだ。
その写真も少し上げたい。
アイデアスケッチから始まる
絵がヘタなのはご容赦いただきたい。
大体のイメージをスケッチして、誰のものかわかるようにどのような窯印を入れるのか決め、ハンドルを付けるのかつけないのか、そして釉薬はどの色にするのか等々を記入していく。
自分の窯印は前回同様「俺」だ。即決だ。
あくまで印なので文字である必要もなく、マークでも可能だ。
色のサンプル
釉薬の色は6つ。
あめ、黒、ルリ、ローズ、織部、白。
これから選ぶことになる。
前回はもう少し色の種類が多かったと思う。
先生が言うには、なんでも前回来たときと釉薬そのものの種類が変わったそうなのだ。
前回は仕上がりがどちらかというとザラッとしたものであったが、現在のものはどちらかというとツルッと滑らかな感じになるという。
こちらがロクロ
電動のものだ。部屋に3台くらいあっただろうか。
土がすでに盛られている。先生がある程度形を整えて、そこから成形作業が始まっていく。
ある程度、形を整えてくれる先生
どうやって回せばいいのか、手の添え具合や力のかけ具合など、説明しながら整えてくれる。
最初に見本も作ってくれるけど、簡単にあっさりと一つ作り上げてしまうので、素人の自分にはちょっとポカンとしてしまう。
ちなみにエプロンとサンダルは無料で借りられる。
先生の見本
あっさりと作ってしまったこちら、キレイだ。
ロクロはこの足のレバーで動かす
回す速さも調整できるみたいだけど、自分はだいたいMAXパワーだった。
自分もトライ
先生とは違い、素人の自分にはなかなか思い通りにコップの形になっていってくれない。
左利きということもあって、手の使い方も先生のお手本から比べるとチグハグなので上手くいかないのだ。
でもこれ、こうして土に触っているだけですごく気持ちいい。
なんにも考えずに手を添えているだけでストレスがどこかに飛んでいくような気さえする。
この感覚が忘れられなくて、こうしてまた作りに行きたいと思ってしまった。体験に再び来た動機の一つだったりする。
こちらが今回自分で作ったもの
形は、斜めらなかったと思う。
それなりに真っ直ぐになったのではないかと思う。
ただ、サイズがちょっと大きくなってしまったような…
焼いたら縮むので、それに期待を込めてこれで完成としたのだった。
みんなの作ったものも一緒に撮影
ご覧のようにカップだけではなくお皿やボールなど、いろんな形のものを作ることができる。
こうしてみると、自分のカップ、カメラのレンズみたいな形をしている気がする。
みんな、上手いですな。
出来上がりを確認
陶芸体験で形を作り、その後先生の手によって焼き上げてもらうまで2ヶ月かかる。
2ヶ月は、結構あっという間だった。
2ヶ月後回収してきたのでその出来上がりを確認してみた。
それがこちら
ツヤツヤスベスベの白いカップが出来上がっていた。
前回と比べると肌触りがすごくいい。
ただ、その形は…
なんというか、やっぱり真っ直ぐではないような気がしてならない。
いや、気のせいではなくちょっと斜めっている。
上から見ると今回も楕円だし…
土を捏ねたときはまっすぐ出来上がったかなと思ったけれど、やっぱり自分の性格が出てしまうらしい。
どうしても天の邪鬼なことをやらずにはいられない性質なようで、そんな自分の性格を汲み取ったのか、このカップも焼き窯の中で期待とは違う方向に向かっていってしまったようである…
もとい、土をこねた段階ですでに斜めっていたようである。
土の段階だと分かりづらいが、焼いて色がつくとその斜めな角度が目で見てよりわかりやすくなったというところだろうか。
「違う方向」といえばこんなところにも
下の方に青色の釉薬の跡も。
先生が言うには窯の中でいっぺんにいくつもの作品を焼くので、近くの器の色がぼんやり移ることがある。
それが偶然の産物による個性になるわけだけど、これもその一つだろう。
窯印も確認
これ、ロクロを回し終えたあと先生が入れてくれるんだけど、底の真ん中ではなくちょい上に刻まれていた。
先生も自分の天の邪鬼な性格を汲み取ってくれていたようである。
あと、やっぱりというか、このカップ、コーヒーカップとしては少し大きめであった。
どちらかというとマグカップに近いかもしれない。
スープとか蕎麦湯とかを入れるのに適していそうな大きさだった。
陶芸、なかなか難しいものだ。
感想
以上、陶芸リベンジだ。
前回同様に斜めったカップが出来あがっていたので、リベンジ失敗しているように思われるかも知れないが、そもそも割れてしまったから作り直しに来たのであって形そのものに自分自身こだわりはない。
やはり斜めってくれて、むしろ嬉しい限りだ。
こんな形、市販ではまずお目にかかるまい。それこそ自分だけの自分オリジナルなカップである。
ちょっと大きくてコーヒーカップには見えなくても、もちろんコーヒー用として使うつもりだ。
実際、さっそく使っている。
使う前にちゃんと煮沸
前回も記したように、米の研ぎ汁で30分ほど煮沸した。
器を締め、とぎ汁で器の表面の小さな空間を埋めるためだ。
コーヒー、いただきました
コーヒーの黒に白が映える。
この色、アイデアスケッチをしている段階では別の色にしようか迷ったけれど、リベンジという意味でも白にして良かったと思う。
また、よく見てみるとただの白ではなく、全体的にピンク掛かっていて面白い。
この点はバージョンアップしているのだ。
コーヒーを入れて持ってみたところ、大きい分、厚みもあって前回のものより丈夫そうな気もしてきた。
これからじっくり使って、怪我(損傷)に強いカップに育ってくれれば本望だ。
陶芸はなかなか難しいものだけど、やっぱり楽しいものである。
楽しめたので、リベンジは9割方成功であると思われる。