初心の趣

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奥能登国際芸術祭2023を地震に負けず回る第一日目その8(アナ・ラウラ・アラエズ「太古の響き」)

能登国際芸術祭2023の大谷エリア最後の作品は笹波海岸にあるアナ・ラウラ・アラエズさんの「太古の響き」だ。

「知恵の木」をイメージしたというそれを、誰もいないときに見てきた。

 

 

大谷エリア最後の作品

能登国際芸術祭2023を大谷エリアから鑑賞していったが、そのエリアの作品も次で最後だ(公開延期していたNo.5の作品は飛ばしましたが)。

場所は笹波海岸で、ここは第一回目の2017のときも、次の2020+のときも誰かしらの作品が展示されていたので、行き慣れた場所だ。

駐車場が狭く、停めづらいことも承知している。

これくらいの狭さ

3台か、頑張って4台、停めれるかなぁ、といった狭さだ。

自分が到着した時、先客の方の一台が停まっていた。

案内の人や交通整理の人がいないので、ほかのお客さんたちとタイミングが重なると道路上で車が並ぶことになる。

正直、混雑しているときには行きたくない場所だ。

さて、作品であるが、この駐車場入口の看板付近からもう見えている。

矢印の先の、銀色の物体がそれだ。

 

8番 アナ・ラウラ・アラエズ「太古の響き」

なんなら道路からも見えていた

県道28号線からもこうして見える。

緑の茂みの中にブロッコリーのような形をしたシルバーの物体が生えているように見えるので、なかなか目立つ。

このとき、先客の方が一人いたが、しばらく待っていると帰っていったので、誰もいなくなったところを鑑賞することになった。

08番だ

スペインのバスク地方ビルバオ出身のアーティスト、アナ・ラウラ・アラエズさんによる「太古の響き」だ。

アナさん、映像制作もすれば音楽プロジェクトもし、雑誌編集もすれば、インテリアデザインもする、多才な人なんだそうだ。

こちらが「太古の響き」

どう見ても、ブロッコリーか何かの植物に見える…

まあ、それもそのはずで「知恵の木」をイメージして製作したそうなので、植物に見えて当たり前である。

それにしても、お客が自分以外にいなかったので撮りやすかった。

ここもまた見晴らしが良くて水平線と空の境目もきれいに見えるから、晴れていると撮っていて気持ちがいい。

大谷エリアは外浦沿いの海岸での展示が多いので晴れの日や夕方と相性がいい。

もっと近づいてみよう

そのボディのシルバーは、鏡面のようなクローム加工というよりは、ややマットかかっていた。

それでも反射はするので覗き込んでみると普段は見えないものが見えてくるようで面白い。

しまった、撮っている自分自身が写ってしまった…

平面の鏡ではなくカール状のボディに映り込んでいるので、世界がやや歪んで見える。

うむ、自分自身は純粋で清廉な人間ではないということをあらためて解らせてくれるようではないか。

作者本人は「人類の経験を蓄積した『知恵の木』」をイメージしているそうで、タイトルの「太古の響き」も、個人の経験からではなく歴史から学べと言われている気もする。

こうして撮るとUFO襲来のようにも見える

歴史から学ぶだけではなく、時空も超えて学べって、言われている気も…

海側から撮ると地球外生物神経細胞を伸ばしているようにも…

見えてきた。

宇宙の生物と、いや宇宙そのものとも心通わせて、幸福へと辿り着けよと、そう諭されているような気までしてきた…

これは、哲学だ…

 

感想

いやぁ、アナ・ラウラ・アラエズさんの「太古の響き」、色んな角度から見ていると色んな物が見えてくるようで、ブロッコリーのようだと思っていたものが、しまいには幸福へ到達するための宇宙への通信デバイスのようにも思えてきて、想像力が突き抜けていきそうだった。

誰もいないところで一人で見ていると、自分と向き合っているような感覚もあった。

これは、哲学の木、じゃなかろうか?

その実を一つ食べてみたくなったじゃないか

とまあ、最終的にはこんなお遊びな画を撮ろうとしているんだから、自分の悟りへの道は程遠いだろう。

まあ、己は知れた。

そう己を知るというのも、この木からの一つの教授なのかもしれない。