8月ごろ、石川県能美市大長野町に奇特な案山子たちが農道に並ぶ「かかし街道」が現れる。
4年前にも一度足を運んだそのシュールで愉快なファームロードへ久しぶりにカメラ片手に赴いてみたので、以前同様にツッコミを入れながら、もとい愛を持って撮った写真を羅列したいと思う。
久しぶりのかかしロード
8月頃限定、能美市大長野町の隠れた名所「かかし街道」。
そう呼んでいるのは自分だけもかもしれないが、そんな知る人ぞ知る、というか好きな人は好きな珍スポットに久しぶりに足を運んでみた。
当ブログでも一度記事にしている。もう4年前のことだ。
隠れた名所と持ち上げながら4年間も訪問にブランクがあるのだから自分もなかなかいい加減だ。
ただ、言い訳をさせてもらうと、記事にした翌年も、その次の年もあの辺りに足を運んでいる。
予定が合わず9月に入ってから観に行ったりしては、もう片付けられた後だったということが続いていたのだ。
9月に入ると台風の接近が増えるので、台風の予報が入ったりすると風でふっとばされないように案山子たちを片付けてしまうようなのだ。
すれ違いだ、運が悪かったのである。
このコロナ禍で夏の祭りが次々中止になっているので、思い出したように8月のうちに大長野町の方へと向かった。
最近では新聞などで告知されるわけではないので、やっているのか不安だったけど、現地について見ると…
ちゃんと並んでいた
ほっとした。
ネットで見る限り去年もちゃんとやっていたようなので、今年も並ぶだろうとの自分の期待に応えてくれたようで(思い込み)素直に嬉しい。
場所であるが、4年前の記事でも書いたように能美市大長野体育館の斜め前だ。
グーグルマップにも掲載されていた
まさかグーグルに載っているとは思っていなかった(失礼)。
いやぁ、やはり隠れた名所だと思う。
一体ずつ愛でる
ではさっそく一体ずつ写真を羅列、もとい愛でたいと思う。
一体目はこちら
アマビエだ。
その姿を描き写した絵を持っていると疫病退散効果があると言われている、コロナ禍でたちまち知名度を上げた妖怪だ。
こちら、去年も展示されていたようで、今年もトップバッターにいることからもコロナ禍がずっと続いており、それが今の社会の一番の懸念であることが伝わってくる。
隣にはこんな看板も
「疫病退散」!
自分などは陰陽師を思い出してしまうけど、強い願いが伝わってくるのだ。
なんて社会的な案山子なんだろうか。
近くで見るとよくできているし
髪は梱包用のビニールバンドを使い、体の鱗はフェルト生地のようなものを一枚一枚切って使われていたりと、上手いこと作ってあるなと感心してしまう。
アートっぽささえ感じさせる一体だ。
社会的で芸術的… あれ? こんなにアカデミックな街道だったっけ?と、4年ぶりの訪問に浦島太郎のような心地がしてしまった。
いえ、やっぱりそんなヘビィな街道ではないようです
このスタイル、この雰囲気、やっぱり4年前と同じかかしロードだ。
アップで見るとひょうきんな目をしているしね
マスクをしていてイマドキ感がビンビンだけど、その奥の瞳のギャグマンガチックさに安堵してしまう自分がいた。
見よ、この硬そうな手刀を
コロナ禍にあっても農家の人達もこの強そうな手で頑張っているのだ。
農家に手刀は関係ないかも知れないけど…
ナースだって負けずに頑張っている
顔にマネキンを使ったスタイルにも、らしさと懐かしさを感じてしまう自分がいた。
モデルみたいだな
この感想も4年ぶりだ。
顔にマスクというのは4年ぶりの自分には新鮮だ。
コロナ禍でも戦っている、疫病退散の気持ちが、なるほどこれらからも伝ってきた。
チャイナ服のお姉ちゃんもコロナと戦っている!
役場のおっちゃん(多分)も頑張っている!
みんなみんな、コロナ禍と戦っているんだ! 友達なんだ~♪
伝わってくる… 願いが伝わってくるカカシたちだ…
何だったら彼ら彼女らマスクマンたちの独特な手と腕の作りが戦闘の構えに見えてならない。
頑張ったネ!オリンピック
マスクマンたちの次にはこんな看板が
「頑張ったネ! 東京オリンピック」と書かれた看板があった。
ここからテーマが変わるのだろうと察する。
今年はオリンピックも開催されたしね。
クオリティ、けっこう高!
オリンピックマスコットのミライトワがいた。
メダル授与式の花束でよく目にしたマスコットだ。
一瞬、公式かと思ってしまった。
もちろん手作りですけどね
発泡スチロールでできているし手作り感満載のDIYなカカシだ。
聖火ランナーがいた
シワ等々におっちゃん感がよく出ている。聖火のトーチも作ってあるし、靴も手描きなのに遠くから見たらちゃんと靴に見えたし、構えにも力強さが出ているし気合を感じる一体だ。
こちらは…気の抜ける一体だ
沿道で旗を振る見物客だ。
手に持つ旗はわかる。
頭の旗は… ハタ坊だ
でもこういうおばちゃん、いるように思えてならない。
柔道選手だ
金メダルを獲ったみたいだ。
胸の国旗を見る限り日本の選手なんだろうけど、スキンヘッドに髭面なのでフランスとか海外勢に見えてしようがない。
サミング(目潰し)するぞ
こわい… 問答無用で強そうだ。
女子スイマーの金メダリストもいた
「ROCO NAILS」と書かれた水着なのできっと学生だ。
岩崎恭子さんを超えるような学生金メダリストが誕生しそうな予感がする。
水泳じゃないけど、スケートボードでは最年少金メダリストが出てましたね。
オラに元気を分けてくれ!
なんか元気をもらえた、気がした。
元気? 余裕で渡すよ
さすが金メダリスト。
ピースにグッドポーズの手は、意味がよくわかりませんけど
グッド&ピースポーズ、流行したりしないだろうか…
一体ずつ愛でる(中盤戦)
オリンピック関連が終わると1つ目の交差点が見えてくる
前半終了だ。
この交差点から次の交差点があるところまでを中盤としたい。
交差点で「とまれ」と大きく書かれてあるが、数年前に農道の交差点で交通事故があったそうだ。
街道のカカシたちも、そもそも交通安全を呼びかける目的で作られたものだったりする。
そんなものでか、長いかかし街道の途中で見られる交差点では交通安全を注意喚起させるような一体が置かれてあることが多い。
両さんがいた
4年前にも目にした両さんがいた。
交通安全キャラでは一番インパクトあるだろう。
右足の足首から下が吹っ飛んで靴ごとなくなっているけどまだまだ現役だ。
おじさんも注意喚起
横断見守り運動の人だ。
手にしている「横断中」の旗に「能美ライオンズクラブ」とも記されているから本物の旗だと思う。
ベストだってたぶん本物
寺井小学校見守り隊のものだ。
リアルすぎる。
旗が本物だし、背格好から本物の見守り運動の人に見えてしまう瞬間がある。
隣にはパラリンピック応援の看板
「頑張れ! 東京パラリンピック」とある。
オリンピックが終わってちょうどパラリンピックが行われていた頃なのでタイムリーな看板だ。
もしやと思ったら…
やっぱりいた
オリンピックのミライトワがいるならこちらもいるだろうと思っていたから期待を裏切らない。
吊り目がちょっときついところも上手く似せてきている。
背中のマントみたいな、放熱板みたいなものも作られていた
こういうところまで作り込んであるから公式の案山子なんかじゃないかと思えてしまうのだ。
ここで突然の鬼滅の時間です
あれ? パラリンピックは? と目を疑ってしまったが、パラリンピックタイムはソメイティ一体で終了だ。
センシティブな表現になってしまうからなのか、突然の閑話休題とばかりに急な炭治郎登場だ。
アニメで押し切ろうじゃないか。
と思ったら、誰?君な子供
田舎の少年だろうか。それとも昔の子供か。
時代的にむりやり大正時代の子供ですと先の鬼滅と繋げられなくもないけど、自分の頭の中では井上陽水の『少年時代』が流れてきた。
もはやなんでもありだ。
なんでも… ありだな
隣はまさかの鳥人間。
自分には何のキャラなのかもわからないので、頭が色々と混乱して整理できない。
次にはこの少女
リアルに戻ったと思ったら…
またファンタジー
ワニ人間、多分子供
もう子供ってくくりでしかまとめられないじゃないか。
自由だ。子供は自由だ…
なお、振り返るとこんな顔ハメパネルが置かれていた
仏像が置かれている大長野やすらぎ公園に大長野町のマスコット「オオカサマツくん」と能美市のマスコット「ゆず美ん」になりきれる顔ハメパネルが置かれていた。
しかもしっかりと「大長野かかし街道」と書かれてあるので、この街道のための顔ハメパネルだ。
いつの間にこんなものが登場していたのだろうか… やはり浦島太郎の気分だ。
この顔ハメパネルもキッズたちが喜びそうですな。自分も好きですが。
中盤戦もあとちょっと
4年前は、このやすらぎ公園までを中盤戦としていた。今回は交差点が区切りだ。
まだまだ中盤戦
今度はパンダ顔の女子だ。
中盤戦の流れがまだまだ継続している。
女子の世界はわからんが、どういうポーズなんだ?
マダム
優雅に水田の畦道でパイプ椅子に腰をかけるご婦人が隣りにいた。
流れそっちのけな(自由)ところも流れを引き継いでいる。
優雅そうでその腕の構えは気を練っているようにもみえる
ドラゴンボール的だ。
バトンは繋げたぞ。
YES! マァム
今度は顔が豚で胴体が女子な奴が現れた。
そういえばこういうキャラって鳥山明の世界によく出てくるよね。
拡散エネルギー波が飛び出しそうだし
クリリンがサイバイマンたちをまとめて蹴散らしたアレだ。
兎人参化ってドラゴンボールにいたよね
触れると人間を人参にしちゃう兎面の人。
こちらは胴体が浴衣姿の女子ですが。
交差点に監視の女性が
流れが止まったと思ったら交差点だった。
中盤戦もこれにて終了だ。
それにしても何のポーズだろうか?
影絵でカニでも作ろうとしているのだろうか?
もしくは「スピード出し過ぎは駄目!」というポーズなのだろうか。
自分には「ドラゴンボールネタで繋げようとするのは駄目!」と言われたような気がした。
後半戦はまた後日
以上、2021年の大長野町かかし街道の2つ目の交差点までの案山子たちの姿である。
写真を羅列しすぎて重くなってきてしまったので、今回はここまでとする。
残りの後半戦は後日、別の記事で紹介することにしたい。
あしからず。