仏を拝みながら足からデトックス!の足湯の旅20回目だ。
今回は小松市にある西圓寺温泉にある足湯を利用してきた。
天然温泉の西圓寺温泉
それは石川県小松市の野田町にあった。
8号線からそれて住宅街の細い道に入っていくとその寺はある。
今回の足湯は寺にある
寺と言ってもそこは寺カフェを擁した温泉というか、温泉とカフェを擁した寺というか、ただ修行をしにいくような、ただ説法を聞きに行くような、ただ参拝するようなところではなかった。
そこは西圓寺(さいえんじ)という
社会福祉法人の佛子園が運営するコミュニティセンターのようなところだそうだ。
寺名の上には「三草二木」と書かれてある。
大中小の草も、大小の木も等しく雨によって潤うように、姿形や考え方が違っても仏の教えで等しく悟りの世界に入れるという仏教用語らしい。
西圓寺では「一草一木、一人ひとりに応じた福祉サービスの創造を通して、人と人が支え合う町づくりに貢献します」との意味だそうだ。
ほんと町中にある
車で入ろうとすると車同士のすれ違いが面倒になるくらい狭い道の途中にあった。
でもちゃんと駐車場もある
境内に駐車場もあるのでクルマで来てOKなところであることは間違いない。
ただしその駐車場、数台停められるけど駐車場一つ一つがなかなか狭いので停めるとき注意が必要だ。
入口正面へ
この古い民家のような建物が目的の温泉だ。
暖簾がかかっているのでそこが西圓寺温泉なんだろう、温泉として営業しているのだろうとまだわかる。暖簾がなかったら、普通の民家だと思っておそらく立ち入るのをためらってしまっただろう。
この暖簾をくぐると、玄関から正面に男湯、女湯とで別れた天然温泉の脱衣所への入口が見えた。
しっかり浸かれるこれら天然温泉のお風呂は有料だった。
大人(中学生以上)は400円、小学生は150円、それより小さい子は50円だ。
地元である小松市野田町の方は無料だそうだ。
地下750メートルから湧き出る天然温泉とのこと。神経痛、慢性消化器病、冷え性などにいいらしい。
玄関左手にはカフェもある
寺の本堂だろうか、そこがカフェになっていた。
メニューを見てみると、味噌トンテキやラーメン、カレー、唐揚げ定食といった食事のほか、パフェやわらび餅、アイスクリームといったスイーツやコーヒー、ソーダといったソフトドリンク、奥能登ビールや日本酒と言ったアルコール類も頼める。
さらに右手に進むとレジ
温泉、カフェの会計はここでできる。
またこの西圓寺温泉、なんでも湯治リラクゼーションというプログラムもあるようだ。カイロプラクティック、アロマ整体、アジアンボディケア、ハワイアンロミロミ(ロミロミ=ハワイの伝統的なマッサージ)、フット・ボディケアの5種類の施術と天然温泉入浴を組み合わせてリフレッシュできるとのこと。
もちろん有料だけど、5種類の組み合わせも自由なようで、想像しただけで極楽が見えてきそうである。
足湯は無料
そんな有料の天然温泉とは別に、建物の中に無料で利用できる足湯がある。
これまで当企画で紹介してきた足湯たち同様に今回のものも無料で利用できるのだ。
場所はレジの真ん前だ。
実は上の写真はそんな足湯から撮っている。それだけで位置関係はわかっていただけると思われる。
そのお湯
このようにベンチのすぐ足元が足湯になっている構造をしていた。
広さはそこまで広くはない。大人6人くらいは一度に利用できる広さだろうか。
ここ、確かに無料だけど一つ条件がある。
それはこの場にいる菩薩様にお参りすることだ。
浄行菩薩(じょうぎょうぼさつ)さまだ
水徳を以って体の苦を除き平癒に導く神通力を発揮されるという。
まずは合掌だ。
お参りしてから入水へ
合掌した後、さっそく湯の中に足を入れてみた。
思ったほど熱くなく、どちらかというと「ややぬるめ」と表現したくなる。
天井が空いているところなので熱もすぐに下がってしまうのかもしれない。
このように軒(のき)と軒の間のその下にある
意外と露天だった。雨が降ったら濡れるのだろうか?
これも外だからか、お湯を嗅いでみると、やや硫黄の香りがした。
ガツンと硫黄臭ではなくあくまで「やや」だ。
ついでに言うとこの足湯のお湯は呑めるらしい。
全身浸かる温泉のお湯は飲めないけどここ(足湯)のはOK
慢性消化器病、慢性便秘にいいそうだ(腎臓病、高血圧症の方は避けたほうが良い)。
どちらでもない自分なので、軽く味見だけしてみたら、やっぱりほんのり硫黄の香りがするものの、たとえば塩の味がしたりといった癖はなかった。
なお、そんな温泉の効能とは別にこの足湯にいる浄行菩薩さまには平癒の神通力があるそうなので神頼みのようなことをすることもできる。
なんでも腰が痛む人は菩薩さまの腰の部分に、背中が痛いなら菩薩様の背中に手水鉢のお湯を掛けて良く洗うと平癒の願いが成就されるとのことだ。
自分は消化器病や便秘ではないけれど、少々手を負傷している(いわゆる「バネ指」)ので、その作法に従ってみた。
よろしく治してください
とまあ、菩薩さまの手にお湯をかけて祈願したのだった。
おかげかどうかわからないが、自分の手は回復の方向に向ってきている。
個人的に足だけではなく手も癒せた足湯であった。
まとめ
小松市にある西圓寺温泉の足湯、有料の天然温泉施設の中に設けられているので、無料で使っていいのかちょっとためらってしまうけれど、タダでそこだけ利用して帰ったとしても問題はないようだ。
でも使用の前はちゃんと菩薩様に合掌だ。
そんな罪悪感を抱いたり、合掌することでその罪悪感を晴らしたりするなんてこと、ほかの足湯ではなかなか味わえないので、ここがどれだけ希有な所かと思う。
寺カフェもあるし、オシャレなところでもあった。かつ懐かしいアイスなんかも売られているしどこか庶民的なところでもあった。
個人的には足湯を利用しながら手の怪我の回復を祈願してしまっているので、何かちぐはぐとしたものがあったけれど、こういった体験も貴重であろう。
ちなみに菩薩様にお湯を掛けながらの撮影は難しかった
上手いこと「手」にかけられず何度か失敗している。
写真の為に関係の無いところをかけまくってしまっていたうえに、掛けるばかりでこすっていない(洗っていない)ので、そのうち罰があたるかも知れないなどと、ちょっと思うのであった。
お許しを。