初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

足湯の旅15 あわら温泉「芦湯」(福井県)

福井に行っても足からデトックスの足湯の旅、15回目だ。

今回はあわら温泉にある「芦湯」(あしゆ)に行ってきた。

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福井県あわら市

先日、福井県あわら市に寄ってきた。

福井県といっても、あわら市は石川県の加賀市と隣り合っているので、金沢からだそんなに離れていない。

60~70kmくらいだろうか。金沢から七尾や穴水へ行くほうがまだ遠い。

そのあわら市は温泉があることでも知られている。

えちぜん鉄道三国芦原線の「あわら湯のまち」駅で降りると、もう温泉郷だ。

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その駅前

この日は夜に足を運んだ。駅の紹介をしているが、自分の移動手段は車だった。車でもこの駅を目印にして向かうとわかりやすい。

というのも、目的の足湯もこの駅前にあるのだ。

 

湯けむり横丁を抜けた先の「芦湯」

駅前から道路を挟んですぐ「湯けむり横丁」と書かれた看板が見えてくる。

足湯はその通りを抜けた先にある。

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こちらがその「湯けむり横丁」

焼き鳥屋やフレンチ料理やが並ぶ屋台村だ。

焼けた鳥の香りがぷ~んとしてふらふらっと足が向いてしまうところだ。

この通りを抜け、突き当りを右に曲がった先に足湯がある。

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右に曲がって見える景色

渡り廊下のようになっている。

夜にやって来たのでどのような形をしているのかわかりづらいが、その薄暗さがまた趣のある廊下だった。

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芦湯だ

源泉かけ流し、無料の足湯だ。

あえて混浴と記してあるところが湯けむり浪漫をくすぐってくれる。

見てのとおり、建物が新しい。2014年4月に開湯している。

新しいが、その建築様式は芦原大火(昭和三十一年)以前の伝統的な意匠・技法を取り入れた数寄屋造だそうだ。

大正ロマンが香る総ひのきの足湯なんだとか。

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営業時間

朝7時から夜の11時までやっている。

最近では夕方くらいに終わってしまうところが多いので、こう遅くまでやっているところは珍しい。

 

足湯をハシゴできる

この「芦湯」、建物の中に入ってみると中には足湯が5つもあった。同じ建物の中で足湯のハシゴができるのだ。

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中の様子(奥に見える扉が上の写真の入口)

縦に長い建物で、入口から窓側に三つの足湯が並んでいる。

写真で言うと奥から「壱の湯」で、その次が「参の湯」、写っていないが手前側に「弐の湯」がある。さらに写真で言うと右手にもう二つ足湯があるのだ。

ということで一つずつハシゴしてみた。

 

壱の湯

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まずは「壱の湯」

あわら温泉には計74本の源泉があるようで、この「芦湯」ではそのうち49号と、47号が使われているそうだ。

説明書きにあるようにこの「壱の湯」では49号井の湯だ。

角質が柔らかくなる美肌系の湯らしい。

湯温が41℃であったので、体感ではやや熱めであった。

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「壱の湯」の様子

窓側に像が置かれている。福井県の民話「嫁おどし肉付きの面」のいち場面を模したものだ。

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このように像が置かれている

「壱の湯」と「弐の湯」にそれぞれ2場面ずつ置かれていた。

姑が嫁を驚かそうと般若の面をかぶったら取れなくなってしまう、そんな物語だ。

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驚かしている様子

おっかないわね。

 

弐の湯

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続いて「弐の湯」へ

こちらは47号の井の湯だ。さらに温度が高く42.5℃あった。

足を入れてみると「熱め」に感じた。刺激系とあるように、熱さと併せて足に圧迫感があるかのようで、長く浸けていると低温やけどしそうな、そんな感覚がある。

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そしてここでも民話の像

般若の面が取れなくなったときの様子だ。驚かそうとしてこれだから、悪いことは出来ないものだ。

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坊さんの力でお面が取れた光景

蓮如上人によるご縁を説くお言葉を聞いて涙したことで取れたそうだ。

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場面ごとの説明書きもある

いつの世も、お互いによく話し合うことが大切なようだ。

現実問題として、認知症などになると話そのものが通じなくなりますがね。逆に、話が通じないなら宗教の信心に訴える、と坊さんは言いたいのかもしれませんが。

何にせよ、足湯に浸けながらこの土地の昔話を楽しめるのだ。

 

参の湯

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続いて「参の湯」へ

こちらは49号と47号のブレンドしたお湯だ。

湯温も39℃なのでぬるく感じた。

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参の湯の様子

弐で完結しているので民話の像はここにはない。代わりに冊子などが置かれていた。

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メニュー表もあった

ここではアイスやドリンクを買えるようだ。

このときは夜だったので係員はいなかったが、いない時は電話すれば良いとのこと。

 

舟の湯

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次は「舟の湯」へ

建物の真ん中あたりにある。

こちらも49号と47号のブレンドだ。

ただ、42.5℃と高めだった。

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こんな形をした風呂だ

文字どおり舟の形をしていた。

なんでもあわら温泉が発見された当初に流行ったのが、田んぼの用水路で使う端舟(田舟)を浴槽とした「船湯」というものだったらしい。

あわら温泉のルーツともいえる浴槽の形なのだ。

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湯の中がライトアップ

夜だからか、赤っぽい色や青っぽい色の光線が湯の中を走っていた。

この光る装置は参の湯でも見られた。

 

円満の湯

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最後は「円満の湯」

ここもブレンドだ。

温度が一番高く43.5℃とあった。

ただ、自分が入る前に子供連れの家族が入っていたからか、そこまで熱いとは感じなかった。

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ご覧のような円形

丸い掘り炬燵式の足湯だった。

卓の上に荷物を置けるので、足湯に浸けながらおしゃべりしたり、スマホをいじったりするのに適した場所だった。

5つの足湯の中では一番人気があった(人がずっといた)のもここだった。

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側の窓にはステンドグラスのような装飾

大正ロマンっぽい。

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卓上の様子

ここにも冊子等が置かれている。

ふむふむと町の情報を仕入れながら…

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足をあっためられる

足を湯に浸しながら本を読んだり、スマホをいじったりするって、むちゃくちゃ心地よい。ついでにテレビもある。

心地よすぎて、ずっとここにいたくなる。

人気があって溜まり場のようになっていたのがよくわかる。

さらにあとで知ったことだが、この円満の湯、ジャグジーになっていて泡も出るそうだ。

ますます長居したくなる。

 

まとめ

いつもどおり軽い気持ちで立ち寄ってみたあわら温泉の「芦湯」は、入ってみると珍しいハシゴのできる足湯だった。

5つもあるというのはなかなかない。

浴槽に使われている石はすべて福井県産の笏谷石(しゃくだにいし)というものらしい。民話の像といい、売られている食べ物といい、福井をたっぷり味わえる足湯だ。

湯けむり横丁ではしご酒を楽しんで、さらにここでお湯のハシゴをして、心身ともに適度に火照って床につきやすくなれる。

先に足湯を利用して、火照ったところで食事や酒を楽しむ逆のパターンもありだろう。

おそらくそれらをすべて計算して設計されているのだと思われる。こういった設計理念というか、気配りみたいなものは、温泉宿のおもてなしの精神なのだろう。

これはもはや「憩いの場」を超えている。全部入れて「リラクゼーション横丁」と呼びたくなった。

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タオルも販売している

北陸あわらのおもてなしキャラクター「湯巡権三」(ゆめぐりごんぞう)のタオルだ。

ここでも「おもてなし」の言葉を見つけてしまった。

この足湯で感じ取れた「おもてなし」の精神は、きっと気のせいではない。