初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

旧針山小の大きな竹細工オブジェがジャンケンしていた

石川県羽咋郡宝達志水町の旧針山小学校に10月、竹でできた大きなオブジェが登場したらしい。

気になったので見に行ってきたところ、かなりの里山にあり、オブジェはなんだかジャンケンしているしと、いろいろと開口させられてしまったので、紹介したい。

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山の中にある

宝達志水町というと町がオムライスの町であったり、なぜかモーセの墓があったりとユニークなところだ。

能登で一番高い宝達山もあって、里山のイメージもあったりするけど、今回足を運んだ旧針山小学校のある「針山」というところはその中でもかなりの里山、住民が5名くらいしかいないという所謂「限界集落」だった。

「針山」の場所

(旧針山小学校の場所はGoogleの地図にも載っていなかった)

カーナビを使って向かったものの、そのナビの画面を見ていてもどこを走っているのかよくわからないという状態が何度もあった。

行き方としては、国道159号線を走り、杉野屋北の信号機で東側に曲がって(金沢から向かっている場合は右折)、そのまま「能登サンセットライン」という広域農道を進むことになる。

その能登サンセットラインをひたすら山の方へと走っていると…

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この看板が見えてくる

矢印があるようにここで左折することができる。

こんなところ入っていくの? と一瞬戸惑ってしまうくらい細い坂道だけど、そこを登っていったところが「針山」という集落になるのだ。

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こういった山の中の道を通っていく

車で走っていると、車好きならたぶんラリーのターマック(舗装道路)を思い出してしまうような山道だ。

本当にこの道であっているのかと疑いながらも登っていくと「針山」と書かれた看板が見えたりするので、それに従ってどんどん進んでいただきたい。

ついでに「クマ出没」の看板もあったりするので気をつけよう。

すると、そのうち大きな竹でできた球体のオブジェが見えてくる。

そこが目的の旧針山小だ。

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旧針山小だ

昭和49年には閉校になった小学校の跡地だ。

当時このあたりは宝達志水町ではなく志雄町で、志雄町立の小学校だったようだ。

ちなみに隣には民家もある。

この石碑の前にスペースがあるので自分はそこに駐車した。

 

巨大な鳥の巣のようなオブジェ

旧針山小跡地は決して広くはないが、オブジェはいくつかある。

メインとなるのは鳥の巣と卵をイメージしたというオブジェだ。

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それがこちら

一際目立つ竹のオブジェだ。

特に四方八方に広がった竹竿のおかげで大きく見える。

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近寄ってみたら「予感」と書かれてあった

このオブジェのタイトルだそうだ。

何かが起きる「予感」だというなら、このオブジェは未来を示していることになる。

四方八方に伸びた竹竿が巣から飛び出す閃光にも見えてきた。

または今にも卵から何かが孵ろうとしているのかも知れない。

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こうしてみるとジャングルジムのよう

ただ、中に入れるようなものでもない。

入れるようなものでもないので、裏を返すと入ってしまったら出られないもののようでもある。

こうして接近してまじまじ眺めていると、竹でできた檻のようにも見えてくるのだ。

この竹のオブジェを作ったのは、この針山に住む陶芸家の「坂田善憲」さんという方だ。

10月11日まで集会所にて「竹に思いを」という個展を開いていたようで、竹の巨大オブジェもその作品の一つだという。集会所での展示は終わったものの、この旧針山小の巨大なオブジェは常設し続けるとのこと。

坂田さんの個展「竹に思い」は数年前から行われているようで、旧針山小でこうして大きなオブジェを作るというのもずっと続いているようだ。

この作品名「予感」の他に、過去に作ったオブジェも置かれていた。 

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たとえばこんなオブジェ(休憩所かもしれない)

卵のように縦に長いドームの内側にこれまた卵を想起させる球体が吊るされていた。

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丸いカゴのような球体

ガンダムの全天周囲モニターのあるコクピットってこんな感じなんだろうなと、見ていて思えてきたが、残念ながら乗り込めるものではない。

間違ってもハンギングチェアのように座ろうと考えないほうがいい。

この球体を囲むように丸太のベンチが置かれているので、座るならそこだ。

 

ジャンケンしてくるオブジェもあった

過去作の中には何だか人型のようなものもあった。

ただし、ちゃんとした人型ではなく大雑把な人型だ。

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このように

遠くから見た時、それが何なのかよくわからなかった。近寄って目がついているのを確認して、ようやく「人型」だと察した。

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よく見ると拳もある

この拳が「人型」だと自分の中で確定させた要因だ。

関節部がよくできていた。殴られたら痛そうな迫力ある拳だったのだ。

どうでもいいけど、ジャンケンだと「グー」だ。

なんてことを考えていたら、このような「人型」の竹のオブジェが他にも2体あることに気づいた。

しかもそれら、よく見てみたら手の形がそれぞれ違う。

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「チョキ」

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「パー」

肝心なのでもう一度いう、「グー」「チョキ」「パー」だ。

ジャンケンだった。

この旧針山小の人型のオブジェはジャンケンしていたのだ。

そして永遠にアイコだ。

…平和だ。

 

最後に手の部分だけアップ

以上、旧針山小学校跡地に置かれているアートの紹介だ。

不思議なものが多い宝達志水町だけにますます町全体が不思議に思えてきたオブジェだったが、こうした遊び心がないと山の中の集落はただ忘れられていくだけになってしまいかねないので、こうして何かを発信し続ける姿勢は勉強になる。

最後に改めてジャンケンの手の部分だけをアップしたい。

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サザエさんの次回予告で使えないだろうか…

…使えないか。

なんなら、坂田さんが小型のジャンケン竹細工を作ってくれないだろうかと、そんな勝手なことも思った。

この竹の手でジャンケンしたくなったのだ。