金沢大学医学部の学園祭「金沢大学 医学展」が10月28日と29日に行われている。
健康診断や医者の体験ができるなど変わった催しがある学園祭だ。
以前より少し興味があったので足を運んでみたら、体組成を計ってもらえた。
「医学展」の様子と合わせ、軽く紹介したい。
宝町キャンパスへ
金沢大学医学展の会場は金大の宝町キャンパスだ。
金大医学部があるキャンパスだ。すぐ隣に金沢大学付属病院がある。一般市民からするとそちらの方に馴染みがあるので、附属病院を目指すと会場へとたどり着ける。
金沢大学附属病院だ
しばらく行っていなかったら、外観がきれいになっていた。
ここの駐車所に入ろうとすると、その手前で医学部の学生さんが駐車場の案内をしてくれたのでスムーズに駐車できた。
キャンパスへと足を運ぶと看板が見えてくる
奥の校舎に入ると受付があり、1階、2階、地下階で展示や体験ブースがあった。屋外にもステージがセットされ、屋台も並んでいた。
体験ができる
普通の学園祭と違って医学部だけに医者の体験ができるブースもある。
お医者さん体験ブース
ネーミングからして、おもに子供向けのブースだと思われる。
実際、子供連れの家族が多かった。
ただ、使われている器具等が本物だから大人でも楽しめてしまうところだ。
体験して色々と説明を聞いているお年寄りの方もチラホラいた。
こちらは腹腔鏡の体験
小さな内視鏡を腹腔(ふくくう)内に挿入して、お腹を切らずに手術をする腹腔鏡手術で使われているものだ。
実際の手術でもモニターに映ったお腹の中の映像を見ながら手術をしていく。
体験ではモニターを見ながら靴紐を結んだり、ビーズを移動させたりしていた。
子どもたちに人気で列ができていた。
ビーズを移動させている様子
医者って、頭がいいだけじゃなくて手先も器用じゃないと務まらないようだ。
器用さを試されるではないが、隣では「結紮(けっさつ)体験」も行われていた。
結紮とは糸結びのことだ。
こういったもの
外科医はもちろんすべての医者に求められる技術なんだとか。
実際にどう結んでいくか、医学生さんたちが教えていた。
聴診体験もできる
肺や心臓の聴診体験のコーナーもあった。
心臓の方は自分も実際にやってみた。
病院に行って医者から聴診器を胸に当てられるという体験は誰もが子供のころから何度もしてきたであろうが、聴診器を実際に耳に当てるという体験をした人はなかなかいないだろう。自分も初めてだった。
聴診器を耳に当てると、外からの声が聞こえづらくなる。水中にいるような感じで、こうも聞こえづらくなるとは知らなかった。
これも知らなかったことだが、聴診のポイントというものがあった。人型ロボットの胸に、そのポイントに沿って聴診器を当てるとドクンッドクンッとちょっとくぐもった脈打つ音が聞こえた。
また、ロボットの調整を変え、心臓に病気を持ったの人の鼓動も聞かせてもらえる。
ノイズが混じったような音がして、明らかになんか悪そうな気持ち悪いリズムだった。
その隣では心臓カテーテルの説明も
心臓カテーテル、略して「心カテ」だ。
治療にも使えるカテーテルの説明をモデルを使ってしてもらえた。
図説もある
狭くなった血管にバルーンを入れて、それを膨らませて血管を広げる治療法だ。
バルーンで一度広げられた血管って、その後バルーンをしぼませて回収した後もその広げられた状態でキープされるそうだ。バルーンを抜く時、ステントというものをその膨らませた血管に留置させることで、より状態を維持させるのだとか。
学生さんが持っている器具で実際に膨らませる体験ができる
モニターを見ながら器具で空気を送って膨らませていくのだ。
こういうの、ドラマ『バチスタ2』で見たことがある。
ほかにも妊婦の腹部エコーの体験や、別の部屋では細菌について教えてもらえるブースといった子供たちが体験して学んで、将来医者になりたくなるような展示がいくつもあった。
大人からすると、自分たち自身がいつこういうものにお世話になる病気にかかるかわからないなので、予備知識を蓄えるという点でこれらの体験はとても有意義だった。
認知症や薬学について知れるブースもあるので勉強になる。
細菌のブースではヤクルトの人も来ていた
腸年齢チェックに答えてヤクルトももらえた。
ヤクルトの方曰く、乳酸菌って毎日便とともに排出されるものらしく、本気で腸内を改善したいなら、ヤクルトって毎日飲まないといけないようだ。週一とか月一飲んだくらいではダメなのだ。知らなかった…。
同ブースではついでに子供向けに「うんこおりがみ」というものも
汚いものかもしれないが避けては通れない便について、考えるきっかけに役立ちそうなツールだ。
健康診断もできるので体組成を計ってもらう
お医者さん体験等が基本的に子供向けだとすれば、大人たち、とくにお年寄りの方々には健康診断が人気だった。
血圧や骨密度、また皮膚科のブースでは肌年齢なども見てくれるのだ。
その中の一つに「体組成」というものを計るコーナーがあった。
「体組成ってなんだっけ?」と思って見ていると、医学生の方が体脂肪率や筋肉量などを計るものですと教えてくれたので、流れから自分も計ってもらうことにした。
普段、軽く筋トレをしている身としては普段から興味がある内容だ。
本当はメタボリックシンドロームが気になる方や運動不足が気になる方が利用するものだと思うのだけど、改めて計りたくなったのだから仕方がない。
混んでいたので、少し待った末に…
こういうので計ってもらえた
体組成(たいそせい)とは筋肉や脂肪、骨など人間の体を構成する組織のことを言う。
全身に微弱の電流を流して部位別の体組成を推定する機械がこちらだ。
「タニタ」の製品とあった。
鉄板の上に裸足で足を置き、電話の受話器のようなグリップを左右の手でそれぞれ握ることで測定される。測定時間は15~20秒くらいだった。
結果、自分の体脂肪率は「10.1%」だった。
むかし簡易の体脂肪率計で計ったら「8.9%」だったので少し上がっている。
最近、歩く距離が短くなったからなぁ、としみじみ思う。
体型判定は「細身筋肉質」と出ていた
これは自分も自覚している。
面白いのは左腕、右腕、左足、右足、そして体幹と、部位によって筋肉や脂肪がどういうバランスでついているのかもわかる点だ。
自分の場合、筋肉が全体的に若干右側に寄っていた。道路を歩く時、左側をよく歩いてしまうことに何か関係があるのだろうか? 面白い結果だ。
ちなみに…
燃えやすい体質らしい
これも昔から自覚している。
学生の頃、人の二倍食べても太らないから「燃費が悪い」って揶揄されたことがあるけど、最近では食事量も減って少量でも長持ちすることがわかったから、あの揶揄は間違いで、実は「燃費が良い」と思うようになった。エコだ。
なお、隣ではアルコールパッチテストも行われていたので、そちらもやってみた。
アルコールパッチテストのコーナー
普段、お酒を全く飲まない自分なのでこれまたあまり関係がないかもしれないが、酒に強い、弱いがわかるというのでやってもらった。
パッチを腕に貼ってもらう
(写真がボケててすみません。今回の写真のほとんどはスマホで撮りました)
このパッチを貼って5分後に結果が出る。
なんでも5分後に剥がしてそれから20秒経って赤くなると「お酒に弱い人」らしい。
赤くならずさらに5分間待って、貼ったところが赤くなると「ほんとは飲めない人」だそうだ。飲めないわけでもないが、強いわけでもないとのこと。
そしてまったく赤くならなかった人は「飲み過ぎ注意な人」とあった。アルコールを分解する力が強く顔に出ない人なのだとか。
自分はといえば、貼ってある最中に若干赤くなっているように見えた。これって極端に弱いってことなのだろうか? いまではビールをグラスに半分飲んだだけでもう眠くなるので、これまた自覚はある。
気をつけよう。
感想
以上、金沢大学医学展で体験したことの紹介だ。
学園祭なので、学生や子供のための催しかと思ったら、結構お年寄りも多かったことが印象的だった。とくに健康診断のブースはお年寄りの方々で盛況していた。
将来医者になろうという志のある子も、これから医者にお世話になるであろう人にも、どちらにも有意義な展示会だったのではないかと思えた。
自分としてもいつ病気になるかもわからない。普段から少しでも医学や医療の知識を頭に入れておきたいと思っているので、こうやって楽しみながら、体験しながら学べる機会というのはありがたいことだ。
特に体験は、お医者さんたちの凄さと苦労もわかる。
それらを知っていることで、自分や身内が病気になっても覚悟ができるだろうし、不安から生じる医者との無駄な軋轢も減らせるのではないかと、そう思えた。
これも軋轢を減らすツールに違いない!
医学展には「イガクテンジャー」という独自の戦隊ヒーローもいた。ステージでショーも行われている。子どもたちとの軋轢は…解消されるに違いない。
金沢大学医学展は29日にも行われています。
(イガクテンジャーの29日のステージは14時50分からと書かれてあった。ほかにも学園祭らしくビンゴやミスミスターコンもあるようだ)
興味のある方は足を運んでみてはいかがだろうか。
実際に足を運んだ自分は、医者になりたくなった。(もう無理だけど)