初心の趣

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宝達志水町の「志お食堂」でボルガライスとオムカレーを食べる

オムライスの町である宝達志水町福井県越前市と北海道富良野市と2014年にオムライスの三国同盟を結んでいるらしい。

越前では「ボルガライス」、富良野では「オムカレー」がご当地オムライスとして知られている。

宝達志水町で50年続く「志お食堂」では、それら「ボルガライス」と「オムカレー」も提供しているというので食べてきた。

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オムライスの郷・宝達志水町の志お食堂へ

宝達志水町はオムライス町だ。

県外の方なら、何言ってんだ?となるかも知れないが、町を上げてそう名乗っているのだから受け止めていただきたい。

諸説あるもののオムライスを考案したと言われる北橋茂男さんという方が宝達志水町出身で、その縁から「オムライスの郷」として町おこしを行っているのだ。

町内にある外食店数店がそれぞれオリジナルの「やわらぎオムライス」を考案し提供しているプロジェクトで、自分も以前、何件か回って同ブログでも記事にしている。

そんなオムライスの町である宝達志水町は、独自のオムライスで知られる福井県越前市と北海道富良野市と2014年に「ご当地オムグルメ三国同盟」なるものも調印していた。

越前市には「ボルガライス」が、富良野市には「オムカレー」というご当地オムグルメがあるのだ。

宝達志水町ではそれら2市のオムグルメを招いてイベントを行ったりもしている。

その同盟を機に、越前の「ボルガライス」や富良野市の「オムカレー」もお店で提供するようになったのが「オムライスの郷」プロジェクト加盟店でもある「志お食堂」だ。

志お食堂は、自分がオムライスの町を最初にブログで記したときにも立ち寄ったお店だ。

以前、志お食堂へ足を運んだときの記事はこちら

久しぶりに宝達志水町でオムライスを食べたくなったので、どうせなら志お食堂で三国同盟のものを一度食べてみたいと思い、先日足を運んできた。

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ということで志お食堂に到着

宝達志水町敷浪にある。

国道249号線沿いにあるお店だ。

地図

自分自身、国道159号線ばかり使って249号線をあまり使わないので目の前を通る機会も少ないが、のと里山海道を走っていて今浜ICに近づくと、ここを降りれば志お食堂も近いなといつも思い出している。

このお店、お年寄りの従業員が数人いて、店内に入ったときの石油ストーブの匂いなんかが田舎のばあちゃんの家を思い出させてくれるところなんだよね。

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使い古したストーブが味わい深い

懐かしいというか、落ち着くというか、盆休みや正月に田舎の祖父母の家に立ち寄ったときのような安堵がある。

 

ボルガライスをいただく

初めてこの店に立ち寄ったときは、当店オリジナルのやわらぎオムライスである「ポークソテーオムライス」を注文している。

以前の記事でも記しているが、そのときには「ボルガライス」や「オムカレー」も提供していて、いつかまた食べに来てみたいと思っていたのだ。

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ということでこの日はボルガライスを注文

ボルガライス福井県越前市のお当地オムグルメで、オムライスの上に大胆にも豚カツが乗っかっているのが特徴だ。

豚カツとオムライスを同時にいただける代物なのだ。

あっちも食べたい、こっちも食べたいと悩む必要がない。ボルガを頼めば豚カツもオムもいただけるわけだ。

志お食堂ではお味噌汁に小皿もついて1000円。

「おむてなし」の小旗もちゃんとついている。

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ではいただきます

もちろんカツもオムも一緒にいった。

バラバラなんてありえない。これが正しいボルガライスの食べ方だと勝手に思っての一口目だ。

口に入れてみるとしっかり豚カツだ。

越前のボルガライスはデミグラスソースをかけてあるのだけど、こちらのは自家製ソースがかけられている。

ケチャップの酸味と、そして卵の甘みが豚カツの味を複雑にしている。

でも、どれも子供の頃に食べて好きな味だと記憶されたものだから、好きの3倍で頬が緩んでしまう。

美味いじゃないか。

さらにはライスだ。

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ちょっと茶色がかったライス

このお店のオムライスのライスは醤油をベースにした味付けをされている。

かなり独特のライスなんだけど、これがまた日本人の自分の舌には懐かしい。

子供の頃、白米に醤油をかけて食べて、親に叱られていたことがあったけか。

叱られても美味いものは美味いし、醤油って一番馴染みのある味だと今でも思っている。

それを肯定されているようで、この醤油ライスを食べているだけで嬉しくなってしまう。

しかも、ライスの中にはベーコンもたっぷり。

好きの3倍がさらに4倍になって、子供のようにガツガツと食べ進めてしまうのだった。

いやはや、たまらん。童心に帰ってしまう。

具材も宝達志水町や県内のものを使い、こうして独自のライスなものだから「越前ボルガライス」を名乗ることはできないそうなんだけど、志おのボルガライスはやはり懐かしい味がする。自分の舌には好みだ。

ごちそうさまです。

 

後日、オムカレーをいただく

日を改めて、ふたたび宝達志水町に寄ったときに志お食堂にも立ち寄った。

前回、ボルガライスを頂いたので今度は富良野市ご当地オムグルメ「オムカレー」を頂くことにした。

三国同盟、最後の一品だ。

オムカレーはそのまんまオムライスにカレーを掛けたものだ。

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そんなオムカレーを注文

ボルガライスと同じ理由で「富良野オムカレー」ではなく、「志お食堂のオムカレー」だ。

これも子供が好きそうな食べ物がシンプルに掛け合わされている。

オムもカレーもどっちも食べたいんだよという人には面倒がなくて良い。

こちらもお味噌汁に小皿もついて1000円。

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「おむてなし」の小旗、かわいい

こうしてみると、お子様ランチのような趣がある。

いや、子供が好きだよ、この組み合わせ。

自分も舌が子供っぽいので好みだろうなと食べる前から直感でわかる。

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オムカレー、いただきます

卵にケチャップがかけられておらず、ソース代わりにカレーを絡めながら食べるオムライスだ。

ひとくち食べてみるとすぐにわかる、カレー、それなりに辛い。

決して甘口ではない。

甘口カレーばかりを食べるお子様の舌を持つ自分にはパンチ力があったが、卵の甘さがこれを包んでくるから中和されていく。

そしてライスの醤油だ。

ここでもやはりライスは醤油ライスだ。

辛味と甘味と、さらには醤油の旨味が加わって不思議なハーモニーを作っている。

美味い。思ったとおり美味い。

そしてやはり懐かしい。童心に帰る味だ。

スプーンがどんどん進んでしまう。

なんだろうか、食べれば食べるほど、小学校が午前中で終わっていた土曜日のお昼ごはんの時間を思い出してしまう。

決して都会の小洒落たお店で食べる西洋的なカレーソース+オムライスではなく、庶民的な町の定食屋のオムカレーなんだけど、泣けてくる味だ。

お店の田舎のばあちゃんの家みたいな雰囲気と合わせて、ほっと落ち着く味なのだ。

また食べたいと思う味なのだ。

気がつけばすぐに食べ終えてしまっていた。

ごちそうさまです。

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食後に従業員のおばあちゃんがコーヒーを運んできた

ボルガのときもそうだったけど、どうやらサービスのようで無料で頂けた。

あったかい心遣いだ。

自分のようにご飯を食べるとすぐ眠くなる者にとっては、運転のことを考えると本当にありがたい。

すでに砂糖と少々のミルクが入ったこのコーヒー、自分は普段ブラックしか飲まないけど、これまた珈琲の味を覚えたばかりの小学生高学年の時分を思い出してやはり懐かしくなった。

 

感想

以上、志お食堂でボルガライスオムカレーを食べた話のまとめである。

数年前から食べてみたいと思っていたものだけに、この一ヶ月位で一気に果たせて満足である。

どちらも、「越前の」でも「富良野の」でもなく「志お食堂の」オムグルメだったけど、都会的で高級路線ではない、庶民的な懐かしい味わいになっていて、自分は子供の頃のようにガツガツと食べてしまっていた。

やはりここのオムライスは、ボルガでもカレーでも自分好みだ。

オムカレーを食べ終える頃、おそらく常連客だと思われる方が「ポークソテーオムカレー」なるものを注文していた。

聞き間違えかと思ったけど確かに「ポークソテーオムカレー」と言っていて、実際に当店オリジナルのポークソテーオムライスにカレーがかかったものが運ばれているのを目にした。

皿の大きさも自分が頼んだオムカレーより大きかった。

メニュー表には載っていないものだ。

そんな合せ技もできるのかと、二度見、いや三度見はしたと思う。

その組み合わせ、マジで食べたいと童心をくすぐられてしまったので、また今度足を運んだときはそれを頼んでみようかと思う。

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お店、50周年なんだそうだ

帰り際に気づいた。

そんな年にまたこのお店に足を運べて運命めいたものを感じた。

前回から数年あいていたけど、今後はちょくちょく足を運んでいきたいと思った。

いつか普通にポークソテーオムカレーを頼めるような常連になれたらと思う。

懐かしい気持ちになれるお店なので、皆さんこれからも健康でいてくれて、長く(さらに50年くらい)続いてほしい。