9月23日(土)より珠洲市で始まった奥能登国際芸術祭2023を初日より観に行ってみたら、スズ・シアター・ミュージアムがある旧西部小学校に、2020+のときに飯田町の「さいはてのキャバレー」に設置されていた、あの卓球台も置かれていた。
スズ・シアター・ミュージアム内にもう一つ作品
前回からの続きとなるが、スズ・シアター・ミュージアム(旧西部小学校)のグラウンドには今年新たに建設された「潮騒レストラン」の他にまだ作品が置かれていた。
レストランが海側にあるのに対し、その作品はどちらかというと山側に置かれていた。
レストラン側からグラウンドを遠く眺めると…
作品看板が置かれていることに気づく。
しかもその隣には二年前の2020+の際に目にした、石造りの「あの台」らしきものが目に入った。
いや、らしきものではない。
あの卓球台が、2023ではここスズ・シアター・ミュージアムに移されていたのだ。
4番 浅葉克己「石の卓球台3号」
近づいてみよう。
4番だ
浅葉克己さんの「石の卓球台3号」の文字がしっかりと記されていた。
2020+のとき以来なので、久しぶりだ。
あのときは飯田町の海沿いにある「さいはてのキャバレー」に置かれていた。
そのフォルムも変わっていない
この旧西部小学校に置かれているから、飯田町に置かれていたものとはまた個体が違うのかとも思ったけれど、飯田町にいたものを5月5日の大地震を機にこの場所に移したんだそうだ。
自分も詳しく聞いた訳ではないが、大地震のせいで、さいはてのキャバレーがある飯田町の海近辺の地面が液状化現象等々でぐちゃぐちゃのガタガタになったそうなのだ。
そういった理由から、この作品も内浦側にある飯田町から外浦側にあるこのグラウンドにやってきたというわけだ。
簡単にやられないし、芸術祭開催期間中にちゃんと作品としての営みを続けようとしている…
ある意味、地震に負けない珠洲の人たちを象徴するかのような作品でもある。
ラケットとボールはともにインフォメーションで借りれるとのこと
実際に、卓球台として遊ぶことができるのだ。
この日この時間は、あいにく卓球を楽しんでいる人はいなかった。
まあ、インフォメーションまでそれなりに距離があるしね
駐車場を挟んで潮騒レストランに併設されたインフォメーションセンターまで戻らないといけないので、思い立ったが吉日でプレイしたくなっても、この距離だと借りに行く気は削がれるかもしれない。
なお、自分がやってきたとき、台に張るネットがなかったが、これもインフォメーションで借りられるのだろうか?
まあ、ネットなしというのも白熱しそうだけどね。
感想(そしてさらにもう一つの作品)
浅葉克己さんの「石の卓球台3号」、久しぶりだった。
前回同様、一人で来ているものだからラケットとピンポン玉を借りて卓球の試合に興じる、なんてことは今年もしなかったけど、こういうのは本来プレイしたほうが何倍も語れそうなものである。
どんな跳ね方をするのか、玉は速くなるのか等々、実際にプレイしたからこそ言える感想もあるだろう。
そんなもので、機会があれば借りたラケットで誰かと対戦してみたいものである。
ソロ活に慣れている自分だけど、さすがに一人で卓球は難しいのだ…
この場所には会期中必ずまた戻ってくるので、それをこの作品の一つの目標、いや夢としたい。
ところで、なぜ、また必ず戻ってくるかというと…
このグラウンドにはもう一つ作品が展示される予定だからだ
No.5の作品、牛嶋均さんの「松雲海風艀雲(マツクモウミカゼハシケグモ)」がまだ公開されていないからだ。
7月に発生した福岡県の大雨により、牛嶋さんのアトリエや牛嶋さんの作品を手掛ける近隣業者が被災したため制作作業が難航しているそうなのだ。
作品看板の下には「10月中旬公開予定」と書かれてあった。
ネット等で確認してみると完成は10月19日を予定しているんだとか。
このNo.5の作品を観るため、それ以降に自分もまたこの地にやってくるわけである。
慌てず待って、しっかりと鑑賞してきたい。
この場所にはレストランにしろ、卓球台にしろ、やりのこした宿題みたいなものが残っているからまた来るのが楽しみだ。