8月4日、いしかわ動物園では5つの動物園で競うカピバラのスイカ早食い競争が行われていた。
カピバラ好きとしては見逃せないので応援という名の撮影に行ってきた。
カピバラによるスイカ早食い競争を見にいしかわ動物園へ
「5園国コラボ対決!カピリンピック★カピバラのスイカ早食い競争~勝つのはどのカピバラ!?~」
という。
5つの動物園や動物王国がそれぞれカピバラを一頭ずつ代表に選んで競う。
その5つというのが
埼玉県東松山市の「埼玉県こども動物自然公園」
「カピバラ露天風呂協定」というものを結んでいる5園国だ。
この協定はいしかわ以外の4園国がカピバラの露天風呂を普及させていく目的で2015年に結んだもので、長風呂対決などを毎年行っている。その普及活動の一つとしてスイカ早食い対決も行われていた。
2018年になり新たにいしかわ動物園もこの協定に組みしたことで、このたび早食い対決にも初参加したのだった。
ということで「いしかわ動物園」へ
8月4日。11時よりスタートすると言うので、それに間に合うようにやって来た。
入口前には球体のオブジェがあった。
「アニマルボール/いのちの灯(あかり)」という名のアートだそうだ。
動物の形をした木板で装飾されていた
ライオン、キリン、ゾウ、トキ、カンガルーの5種類の動物の板に九谷焼伝統の五彩や素地の白色を塗ってあり、その裏には地元住民の方々が自分好みに柄をつけているのだとか。
この日もまた、なにせが暑い日で、入館時に「こんな暑い中、よく来てくれました」と入り口受付の方に声をかけられた。
猛暑日近い気温だったと思う。
ホワイトタイガーも日陰でゴロニャン
早食い競争は園内のふれあい広場の方で行われるので、そこへと向かう途中で目にした。
ホワイトタイガーのところも空中散歩ができるように新しくなっていたが、暑いときは動きたくないらしい。
わかるよ、その気持ち。
ミストに癒やされる
園内のふれあい広場のところではこのように暑さ対策用のミストが出る装置もある。
しばらくその場に動きたくなくなるけれど、カメラが濡れてしまうというジレンマもあった。
新たに生まれたプレーリードッグの赤ちゃんにも癒やされる
ふれあい広場のあたりではプレーリードッグの展示もあり、3ヶ月位前にそこで6匹の赤ちゃんが生まれたそうだ。
最近、その子たちの公開も始まった。専用のゲージに入れられていてちょっと遠いけれど、かわいい。
ここだ
ちゃんと風呂もある。
そしてすでに一頭、早食いの選手が待機していた。
最年少シータの挑戦
カピバラの展示場に行くと周りでお客の他にマスコミ関係者が何人も待機していた。
テレビで3社くらい、さらに新聞社も少なくとも2社はいたのではないだろうか。
カメラが並んでいた
想像以上に地元マスコミに注目されていた。
自分としてはもっとのほほんと見れるだろうなと思っていたので驚きだった。
中には昨年、小松市の粟津温泉の石の彫刻展で出会った中日新聞の記者さんもいた。
(石の彫刻の記事は→こちら)
のちほど挨拶したら覚えてくれていた。
計測用のタブレットが置かれていた
競技は5園国がそれぞれの動物園で早食いの速度を計測し申告して、それらを集計してどこが勝ったか結果がでる。
また同じ時間に一斉に開始されるわけでもなく、開始時間は少しズレていた。
いしかわ動物園では11時にスタート。これは5園国で一番早いスタートとなる。
11時なのは、おそらくカピバラのお食事タイムがいつも11時からだからだと思われる。
いつもの時間に食べさせるわけですな
そのほうがカピバラも食事の時間だと体が覚えているのだろう。
なお、当園の代表は一番若いシータ(メス)だった。
最年少のシータ。まだ2歳くらいだ。
ちなみにここのカピバラたちは地元の国造ゆずのPR大使に任命されている。
冬場はゆず湯に浸かることもあるのだ。
シータです
カピバラたちは動物なのでこと食事に関しては親子だろうと関係なく取り合いにあるそうだ。
一番若くて体の小さいシータはいつも取り合いに負ける方なので、日頃から取られないように早食いする性分らしい。その性分に白羽の矢が立って、今回の競争の当園代表に選ばれたのだとか。
ただ、パッと見、すんごくのほほんとしていた。
11時頃に飼育員さんが西瓜を持って登場
シータもそわそわとし始めた。
スイカは皮付きの500グラムだ。
これを食べ始めて、完全に食べきる(口の中でモグモグも終わる)までのタイムが競われる。
食う気満々
眠そうな顔をしている(生まれつき)けど目は餌しか見てない。
いよいよシータの挑戦が始まるのだ。
自分はその姿を近いところから撮りたかったのだが、このカピバラたちは普段から人間に慣れていて、写真で言うところの手すりの近くに人がいると餌をもらえるものだと勘違いしてしまうことがあるらしく、より眼の前のスイカに集中してもらうためマスコミもお客もみな、その手すりから2、3歩下がらされている。
どうせなら勝ってほしいので我々ももちろん協力している。
おかげで自分としてはもっといい望遠レンズがほしくなりましたが。
いよいよ挑戦スタート
シータ、まっすぐスイカに向かっていく。
計測はタブレットで行われるはずであったが、暑さのせいで高温注意が表示されて使い物にならなかったらしく、外側で進行していた別の飼育員のスマホで計測していた。
食べ始めるシータ
のっそりと食べ始めていた。
犬のようにガツガツ食べるわけではないので、はじめ食べ始たのがいつか分かりづらかった。
順調に食べるシータ
静かにマイペースに西瓜を食べるカピバラを子供も大人もマスコミも静かに見守るという不思議な空間であった。
とありあえず早いのか遅いのかもよくわからない。5園国の中でもトップバッターなので何位になりそうなのか順位もわからないという状況だ。
ちなみに過去の最高記録は1分36秒らしい。
食べてる途中でこっちを見るシータ
カメラ目線ありがとう。でも、マイペースだな。
とても1分台で食べ切れる雰囲気は… なかった。
ラストスパート、シータ
もう、あとは皮というくらいまで食べている。
ここから皮も食べきらないといけない。
と、そこでまたカメラ目線
とって食べたりしませんって。
さらにはマスコミの方にもカメラ目線
食う気満々だと思ってたら、撮られる気も満々だったようだ。
スターの素質があるかもしれんわね。
残りの皮も口に含んで…
最後のモグモグ
そしてゴックン。
タイムは… 4分37秒であった。
過去最高記録の1分36秒と比べると3分くらい差があり、3倍近くかかっている。
進行をしていた飼育員の方は5分を切ったので良いほうだと言っていたが、他の4園国の結果が気になるところであった。
このときの自分としてはとても優勝できたとは思えなかった。
後日、結果発表
5園国それぞれで、また時間も少しズラして競技を行っているため、最終結果は後日発表されることになった。
その結果は以下の通りである。
1位 1分48秒 那須どうぶつ王国「リゼ」(メス・4歳)
2位 1分49秒 埼玉県こども動物自然公園「心音」(メス・2歳)
3位 3分15秒 長崎バイオパーク「メイプル」(メス・7歳)
4位 4分7秒 伊豆シャボテン公園「ケビン」(オス・5歳)
5位 4分37秒 いしかわ動物園「シータ」(メス・2歳)
シータ、最下位だった 。
やっぱりね。
今回新たに参加した「いしかわ動物園」なのだ、そんなに甘くないよという洗礼みたいなものだろう。
でも、不思議と口惜しくはない。
競技後のカピバラの湯の様子
挑戦が終わったあと、腹いっぱいとばかりに御眠(おねむ)タイムに入っていたこの子たちののんびりっぷり。
むっちゃかわいかった。
その「のんびり」こそがカピバラの魅力ではないだろうか。
言うなれば最下位こそがもっとも可愛げがあろう。
そんな弁解をしてあげたところで、今回の〆としたい。
来年ものんびりっぷりで頑張ってほしい。
自分も、もっと遠くを写せる望遠レンズを手に入れるよう頑張ろうかと思う。