初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

宝達志水町の休耕田にトトロがいた

先日、新聞を読んでいると、宝達志水町の休耕田に一般の方の手によってトトロが作られたとの記事を目にした。

しかも今年で4年連続らしい。

宝達志水町って変わったものが多い。今回も奇特なものへの好奇心をくすぐられてしまったので実際に見に行ってきた。

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宝達志水町の山崎へ

休耕田にてトトロが制作されたのは宝達志水町の「山崎」というところだ。

地図ではこんなところ

以前、当ブログにて勝手に石川県の七不思議に数えた「モーゼパーク」というところがある。何だそれって思われるかもしれないが、宝達志水町にはなぜか海を割ったり、十戒で知られるモーゼの墓があるのだ。

以前に紹介したモーゼパークの記事はこちら

山崎はそのパークから近いところにある。

モーゼパークへ行ったときと同じ様に、国道159号線を金沢から宝達志水町に向かって走り、同町途中、右手に見かけた「ヤンマー」の前を曲がっていくと辿り着ける。

その道を真っすぐ進んでいくと、途中でモーゼーパークの案内の看板を見かけ、その前も通り過ぎてさらに奥へと進んでいくと山崎方面に出る。

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こんな看板が見えてくる

山崎だ。

まっすぐ進むだけで辿り着けるので迷子になることもないだろう。

目的の休耕田もすでに見えている。

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目印はこの看板

進むと「今浜、宝達駅」と書かれたこの看板が見えてくる。

その奥には写真のように水田が広がっている。

休耕田といってもすべてがそうではなく、これら現役の水田の端に一枚あるといった具合だ。

そうしてもう見えていると思われるが、田んぼの中に田んぼに似つかわしくない巨大な何かがいるのだ。

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さらに横に回るとなんとなくわかる

なんだかトトロっぽいものがいるとわかる。

左に曲がれるようなので回り込んで正面に出ようと更に進む。

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と思ったらなんか通行止めになっていた

このあたりで法面崩壊の危険があるらしく4月より当面通行止めになっていた。

これじゃ回り込んで正面から見えないじゃないかと思ってしまうけれど、道は何もここ一本だけではない。

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こっちからもいける

最初の「山崎」の看板があったところからすぐに左折して脇道に入っていけるのだ。

車で入っていった人もいた。それも一台だけではなく数台いただろうか。

まあ、中には先程の通行止めのバリケードの前に止めて、そのバリケードを越えていく人もいましたけどね。

みなさん、やんちゃだ。

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バリケード付近より撮影

みんな、コレを見たいのだ。

トトロを見たいのだ。

 

田んぼの中のトトロ

自分も休耕田に近づき、トトロを間近で見ることにした。

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途中にこんな看板もあるけれど

電気柵があるらしい。触れると危ないので注意していただきたい。

慌てず、近道しようとせず近寄って…

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ご対面

トトロだ。

よくできているなぁと思う。

制作したのは地元の山本隆さんという方らしい(御年70を超える方と聞いた)。

なにか企業のPRとかではなく個人によるものだ。

これで4年連続作成しているのだとか。

以前と比べると今年はまた大きくなったと見物客のうちの誰かが言っていた。

どれぐらいでかいって…

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これくらいでかい

今年のものは6メートル近くあるそうだ。

大人と比べても3倍以上ある。

でもこのデカさが、キッズたちからしてみればよりトトロらしいのかもしれない。

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さらに近寄ってみた

見上げてしまう。

近くで見るとわかるように、こちら、表面は葉でできている。

なんの葉かといえば「アテ」の葉だそうだ。

石川県の県木でもある「アテ」だ。

それにペイントして目や鼻、耳をつけてネットで覆っているのだ。

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目鼻の様子

ゴミ袋だろうか? この手作り感がステキ。

 

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耳もお手製

ちゃんと葉とネットで作成されている。

 

今は緑色をしたこれらの葉は少しずつ茶色くなっていくそうで、色の変化も楽しめるという。

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色変化の片鱗

こちら、隣の小さくのっぺらぼうの方だ。その一部がこのようにすでに茶色くなっていた。

2ヶ月ほどで全部色が変わるそうだ。撮影したのが5月終わり頃であったので7月から8月に見に行くと全身茶色になったトトロを見ることができるかもしれない。

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ちなみに中も入っていける

空間になっていて中に入っていける。

ただし、骨組みがあるので広いわけではない。

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中はこんな感じ

ハシゴもあって、なんだかジャングルジムのようにも見えるけれど、崩れたりでもしたら危ないので、あんまり中で遊ばないほうがいいかもしれない。

隣の小さい方も同じ様に中に入ることができるが、そちらはさらに狭かった。

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なお、こんなのも作られてある

ちっちゃいトトロ型の顔ハメパネルだ。

これまたよくできている。

大人には小さすぎるサイズなので主にお子さんたちが使うことになると思う。

 

すぐ近くの神社で森っぽい体験も

トトロのいる田んぼへと迂回して向かう途中、神社の鳥居が見える。

山の中にある神社のようで、覗き込むと小さいながらトトロの森のような雰囲気があったのでそこにも立ち寄ってみた。

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改めて遠くからの写真

トトロたちからするとその後方に鳥居があるのが見えるだろうか?

山の真ん前に鳥居があり、境内は山の中といった神社だ。

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「金崎神社」とある

木漏れ日の中、石段を上がっていく必要があり、この時点ではまだ境内も見えない。

クマとかでないよな、とちょっと心配になりながらも…

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登っていった

う~む、雰囲気だけならトトロの森っぽく感じられる。

石段はそれなりに登ることになるものの、そこまで高いところまで行くわけでもない。

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そのうち拝殿も見えてくる

奥に社があるのだ。

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ちょっと古そうな神社だ

調べてみると養老(今から1300年くらい前)に創立したと伝えられているそうだ。

能登が開国した頃だ。

もちろん何度か乱などによって建物が消失しているので、建物そのものは養老時代のものというわけではない。

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古そうな

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狛犬もいた

いつ作られたものか、その台座等には記されておらず不明ながら、その姿はいわゆる岡崎現行型とは違う。

苔の生されっぷりを見ても古いんじゃないかと思われる。

顔がブサ可愛い。

狛犬好きとしてはトトロに負けないくらいかわいい。

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ついでに尻尾も特徴的

もみじ饅頭みたいな葉っぱ型をした尻尾だ。

なかなか珍しい形なのでまじまじと眺めてしまった。

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御神木と

境内にある椎木(シイノキ)が押水町の天然記念物だそうなのだが、この木がそうなのだろうか?

なんにせよ、トトロに誘われていいものを見れた、そんな心地があった。

 

まとめ

以上、休耕田のトトロの紹介だ。

自分の中では想像以上にクオリティが高くって驚いている。

モーゼの墓が何故かあったり、オムライス町と呼ばれていたり、不思議な町・宝達志水町にはトトロまで町民の中の有志によって田んぼの真中に現れるのだ。

なんでもアリ感はするけれど、でもその心意気が子どもたちには嬉しい記憶として残るのだ。

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じっさい、子連れの見物客も多かった

我々トトロを見て育った世代にしても、こういうのが町の中にポンッと現れると、懐かしいやら微笑ましいやら、なんだか日頃の喧騒の中の疲れも晴れる気がしてくる。

トトロってやっぱり牧歌的な香りがして、田舎や郷愁のシンボルみたいな趣があるなと、そんなことも改めて考えさせられた。

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背後より

なぜ田んぼの中に?と来る前は思ったけど、今となってはものすごく似合うように思う。

こういう景色、これからも大事にしていかなければいけないんだろうなと、そんなことも考えさせられた今回の山崎訪問であった。

稲穂が垂れる頃にやってきたら、また違ったきれいな景色を見れそうだ。