初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

東尋坊の「崖淵シュークリーム」を食べたい

福井県坂井市三国町にある東尋坊には「崖淵シュークリーム」なるものが売られているそうだ。

しかも外側が漆黒(黒い)らしい。

気になってしまったので、越前市に行った帰りに東尋坊にも寄ってみた。

 

 

かなり久しぶりに東尋坊

東尋坊に行ったのはいつぶりだろうか?

学生時代の同期と行った記憶があるので、そうとう昔だ。

あの頃は車にナビが付いていなくて、地図や看板を頼りに、ときに人に訊ねたりしながら向った思い出がある。

タクシーの運ちゃんに聞いたときは…

「君ら、ちゃんと戻って来るだろうね…?」

と、聞き返されたものである。

東尋坊といえば、当時、自殺の名所で知られていたので、心中しに行くんじゃないかと思われたようだ。

まあそんな場所だけに、多感な二十歳そこそこの若造には一度行ってみたいと逆に思ってしまったのものなのだが… 懐かしいものである。

こんなところにある

崖で知られるところなので海沿いだ。

ナビがあったので迷わず行けた。

ただ、現地に到着してみると、駐車場が有料だった。

500円取られるのだ。

お土産屋や食堂で数千円以上(ちょっと忘れた)使うと無料になるみたいなんだけど、まさか有料だとは思っていなかった。

むかし行ったときに駐車場代なんて払った記憶がなかったからだ。

この坂道、ひさしぶりだ

駐車場から東尋坊の崖の方までこうしてゆるい坂を登って、また少し降りることになる。

この坂の両脇にお土産屋や飲食店が並んでいる。

その場で食べれる海産物の焼いたものとかも売られているので、この坂、歩いているといい匂いがするのだ。

道中、こんなものも

東尋坊にはこのようにシンボリックなタワーもある。

その名もそのまんま「東尋坊タワー」だ。

昭和39年、むかしの東京オリンピックのあった年に設立したっていうんだからかなり年季の入った展望台だ。

 

東尋坊を観光

今回の目的は「東尋坊の崖淵シュークリームを食べたい」である。

それを満たすためにやってきたわけだけど、崖を見ずに帰るというのももったいない気がした。

シュークリームの名前も崖淵であることだし、東尋坊だけは見ておくことにした。

下り坂

坂を登ると次には海に向って下ることになる。

その海沿いの崖が東尋坊だ。

このあたりでも道の左右はお店が並んでいる。

見晴らしの良いところにでてきた
崖だ。

でもなんか、公園のようにきれいだ。

東尋坊ってこんな感じのところだったっけ?

ずいぶんと久しぶりに来たものだから、以前の景色を思い出せないこともあって、正直戸惑った。

東尋坊であることは確かなようだ

国定公園なんだね。

碑の側からちょっと見下ろしてみる

この崖の感じ、むかしきて目にした景色だわと、俄に記憶が蘇ってくる。

自分たちも崖ギリギリの方まで行って海を見下ろしていたなと、懐かしくなる。

それにしても、観光客、多いね。

人がうじゃうじゃいる。

遊覧船も出てる

こういうのも動いているんだね。

むかし来たとき見かけたかな?と、また記憶が曖昧になる。

なんにせよ、観光地だ。

いい意味で、観光地になってしまっている。

もっと近づいてみよう

崖に近づくほど東尋坊は見ごたえのある景色を見せてくれる。

ちゃちゃっと見て撮って帰るつもりでいたけど、観光客のみなさんが崖の淵に近づいて記念撮影していたり黄昏れていたりしているのを見ると、引き込まれるように自分も久しぶりに近づいてみたくなってしまった。

こんなところまでやって来た

崖の上だ。

岩場なのでやってくるとき足がふらふらとするところもいくつもあったけど、やって来てしまった。

なぜだろうか、人は崖に引かれてしまうのだ。

そうして見下ろしてしまうのだ

う~む、落ちたくはないけどね。

むかしに行ったときは、心霊スポットのようになにか見えてはいけないものが崖下の海から見えてしまっていないかと、携帯電話のカメラで撮影しまっていたけど、残念ながら(?)なんにも写っていなかったものである。

今回もしかり。

ただ、崖の岩肌が人の顔のようにも見えなくもなかったりもするので、想像力をたくましくすると神話なり、心霊話なり、物語を即席で作れてしまいそうでもある。

顔をあげると、ただただいい景色なんですけどね

自分がやってきたのが16時くらいだったからか、だいぶ日が水平線に近づいてきているので黄昏れたくなる気持ちもよくわかった。

左を向くととこんな景色も

石段も設けられていて、そこを降りていくとより海に近づくことができる。

場所によっては海水に触れることもできてしまう。

あんまり時間はなかったのだけど…

自分も降りていってしまった

惹かれてしまうのだ、崖の底に…

う~む、いい眺めだ

海面に近づいても、景色がいい。

やはりここは観光地だ。

20代前半の頃に行ったときとは印象がぜんぜん違う。

これは歳を重ねたせいだろうか?

振り返るとthe・崖

石の階段があったとは言え、こんなところを降りてきたのかと自分の軌跡に驚いてしまう。

自分は登山の経験がほぼないので、これくらいでも難所に見えてしまうのだ。

ヤッホー!

と、叫びたくなったのは自分だけだろうか…

まあ、そう叫ぶ人はいなかったので自分だけだろう。

軽く立ち寄るつもりが、東尋坊の崖をずいぶんと楽しんでしまっていた。

 

崖淵シュークリームを購入

ふたたび坂の方へ戻る

崖の方で写真を撮っているといつのまにか時間も経ってしまって、崖から上がってきたときには近くのお店でサンセット営業の準備が始められていた。

ほんと、かるく見学するつもりだったのに…

想定外に岩の上を歩いていたものだからちょっと疲れた。

当初の目的であるシュークリームが、お店が閉まる等で買えなくなることだけは避けたかったのでお店へと戻ることにしたのだった。

「戻る」というのはシュークリームが売られているお店が坂の途中のお土産屋に売られていたのを来るときにすでに確認していたからだ。

それがこちらのお店

東尋坊 正太楼」というお店だ。

店頭に崖淵シュークリームのクーラーが置かれていて、ポスターも貼ってあったのですぐに目についた。

写真でも生地が黒いのがわかるだろう。

中はカスタードクリームで、普通のカスタード(380円)と、生チョコカスタード(440円)の2種類が売られていた。

初めてこれを食べるのでまずはスタンダードなものから行きたいところであったが、自分はチョコ好きでもあるのでちょっと悩んでしまった。

さすがに2つを買うつもりはなかったのだ。

悩んだ末…

チョコ味を選んだ

王道よりも嗜好が勝った。

渡されたそれはすんごくひんやりしていた。

というのもこちら、冷凍されているのだ。

少し解凍させて食べるか、しっかり解凍させて食べるか、それはその人の好み次第なんだそうだ。

 

崖淵シューを家で食べる

冷凍されていたのでまだアイス状態だったため、これを東尋坊の現場で食べることはしなかった。

どうせなら少し溶かした状態のものを食べたいと、自分の中の趣味が訴えるので、家に持ち帰ることにしたのだった。

いざ、家で実食

袋から取り出してみたら、その見た目は崖の岩というより溶岩みたいだった。

黒がかなり濃い。

なんでも竹炭を使っているらしい。

状態としては少し溶かしてある。

ただ、それでもまだ冷たい。

ひっくり返すと底からクリーム

これでクリームの溶け具合がわかる。

半解凍といったところだろうか。

まだ暑い日が続いていた頃なので、この状態で食べることにした。

いただきます

かじってみると、さらにその解凍具合がわかる。

外側はサクサクっと言うよりもサクッ&しっとりで、中は少し溶けつつあるものの、まだちょっとアイスクリーム状態のカスタードクリームだった。

その味は「濃厚」一言。

溶け切っていない状態でも生チョコカスタードの濃さがすぐにわかった。

自分はチョコレートケーキとかを食べるとその甘さや濃さからすぐに頭が痛くなってしまうのだけど、この生チョコカスタードクリームにもそれに似た衝撃があった。

越前塩という食塩も使っているそうで、そのせいで甘さも際立つようである。

まだまだ半解凍であったから冷たさもあって頭痛にまでは及ばなかったものの、これが普通に溶けた状態だったら、もっと「濃さ」を強く感じて、こめかみあたりからやられていたかもしれない。

美味い!

頭痛が来そうな感じがあっても旨いものは美味い!

止まらなくなって一個をあっさりと食べきってしまっていた。

危ないとわかっていても崖の底の方を覗き込んでしまうように、頭痛がしそうでもこのカスタードクリームの濃さには惹き込まれてしまう。

まさに崖淵に立ったときの心情そのものだった。

ごちそうさまです。

 

感想

東尋坊の正太楼さんで売られていた、東尋坊の岩をイメージしたという崖淵シュークリーム、噂通りそのカスタードクリームが濃かった。

これは後から知ったことだけど、解凍してから電子レンジで20~30秒温めると、外はサクッ、中はひんやりのベストな食べ方になるんだそうだ。

今回自分は半解凍で食べているので、また食べる機会があれば、そのときはより濃さを求めて、その食べ方を試してみたいと思った。

もちろん頭痛が来ようが関係ない。

その「濃さ」を求めたくなる魅力がこの漆黒の崖淵シュークリームにはあるのだ。

なお、これも後で知ったことなのだけど、製造しているのは「フルーツザファクトリー」さんというところで、実は東尋坊以外でもネット通販のアマゾンなんかでも買えるらしい。

東尋坊まで足を運ぶ必要なかったじゃないかと思われるかもしれないが、自分としては崖淵の気分も味わえたので、何の後悔もなく、むしろ久しぶりに行ってよかったなと思っている。

シュークリームに似た岩がある

これが外側のモデルなのかな?とも思った。

次来たときは、この岩のそばで海を眺めながら食べたくもあるのだ。

時間的に東尋坊タワーにも寄れなかったので、そこにも寄って、展望台から眺めながら食べるのも乙かもしれない。

そのときは… 電子レンジを貸してもらえないだろうか?

こう想像していると、また行きたくなった。