初心の趣

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富山県射水市の新湊曳山まつりへ夜に観に行ってきた<前編>(夕方ならまだ間にあう「花山」)

毎年10月1日、富山県射水市の新湊で曳山行事(まつり)が行われている。

新湊の内川を観光したときに教えてもらった縁もあって、見に行くことにした。

丸々一日は時間的に無理だったので、夜に絞って行ってきた。

 

 

夕方に新湊へ

新湊曳山まつりは放生津八幡宮の秋季祭礼の一つだ。

曳山行事と築山行事とがあり、13基の曳山が巡行する曳山行事は毎年10月1日に行われる。

平日とか休日とか関係なく、毎年必ず10月1日に行われるそうだ。

今年2022年は土曜日であったので自分のような一般的な社会人でも観に行きやすかった。

曳山行事は朝早くから夜中まで行われていて、「山」が昼間と夜で装いが違う。

昼間は「花山」、夜は「提灯山」に衣替えするのだ。

まつりをすべて楽しむなら一日ずっと見ていなければならないのだけど、自分の時間の都合もあって夕方以降しか見に行けなかったので、夜のまつりの景色を撮ることに目標を絞ることにした。

夕方に新湊に到着

16時に見どころの一つである「提灯山への換装」が「クロスベイ新湊」の駐車場で行われるというので、とりあえずその時刻に現地に到着できるように富山県射水市に向かったのだけど、やはりというか、祭・イベントあるあるの一つでもある駐車場難民問題がここでも発生したのだった。

予定では16時ちょっと前に新湊に到着していたはずなのに、車を停めれる場所がなくて、市内をグルグルと回っていたのだった。

結局「新湊きっときと市場」の駐車場に停めることになったのだけど、そこから「クロスベイ新湊」へは2km以上も離れているので、歩いて行くとなるとなかなか大変である。

写真はその道中のものだ。

それにしても路上駐車禁止の看板が立っていても、みんな平気で停めているな。

地図にするとこんな感じ

徒歩だと30分以上はかかるだろう。

ただ、曳山まつりを見に行く、曳山まつりを追うということは「町内を歩き続ける」ということでもあるので、これもまた準備運動みたいなものである。

 

クロスベイ新湊へ向けて歩く

道中、こんな景色も眺められるしね

神明宮という神社の前の通りで出店が並んでいた。

特に子供心には、これぞ祭りだなっていう景色だ。

神社の隣には東町の曳山格納庫も

縦に高い曳山をそのまま収められる格納庫なのででかい。

鳥みたいなマークは東町の曳山の「ダシ」だろう。

それぞれの町の曳山には「ダシ」と呼ばれるシンボルみたいなものがてっぺんに乗っかっていて、東町のものは「諫鼓の鳥」(かんこのとり)なんだそうだ。

中央に設けられた祭壇ではなにやら人形が動いていたけど…

町の人が動かしていた

これまた曳山には町それぞれで「前人形」というものも乗せられているそうで、東町では「三番叟」(さんばそう)なんだけど、これもそうなのかなと、よくわかっていない自分などは勝手に想像した。

小さい子にも操作させてあげる町のおじいさん

見物客、おそらく町の人だと思うのだけど、近づいてきた子どもたちにこうして操り方を教え、実際に操作させていた。

こういった体験が継承されていくきっかけになるんじゃなかろうか。

さらに歩いていくと内川の方へ

日本のベニスこと内川だ。

手のオブジェがあるあの橋は山王橋だ。

7月に一度この内川を散策しているので、地元民でもないのに帰ってきたって感じがした。

内川を散策したときの記事前編はこちら

内川を散策したときの記事後編はこちら

さらに歩くと「川の駅 新湊」

7月に内川を散策した時、ここで出会った観光ボランティアグループ「あゆの風」の方に新湊曳山まつりのことを教えてもらったのだ。

駅内を軽く覗き込んでその方を探したもののこのときここにはいらっしゃらなかったので会えなかったけど、自分はちゃんと祭にやって来ましたよ。

夕方だと川とステンドグラスがまた映える

このステンドグラスがある橋は神楽橋だ。

内川散策の際に一番最初に渡ったのがこの橋だった。

橋の上からもまたきれい

7月に訪れたときは夕方の内川を撮ることができなかったので、この機に撮影した。

時間帯や季節にもよると思うけど、太陽が川に沈むような画にはならなかったが、町が焼けた感じは出てくれる。

そんなことをしていると神輿発見

神輿渡御を発見した。

ここに来るまでに町内の家の前に神輿がやってくる張り紙が貼ってあった家があったので、おそらくそれら家々を回っているものと思われる。

ちなみにこういうの

最後の漢字が読めない…

まあ、全体的に神輿がやってきてその前で止まる家だということはわかる。

神輿がやってきて祝詞をあげるのではなかろうか。

残念ながらその瞬間には立ち会えなかった。

新町のとあるお店には「山」のミニチュアも置かれていた

昼間の形態である「花山」の状態のものだ。

こんな形の曳山が町中を巡行するのである。

実物を見る前からテンションが上ってきた。

 

クロスベイ新湊に並ぶ換装前の曳山

行事予定表を確認していると今年は16時にクロスベイ新湊の駐車場に13基の曳山が集結するとのことだった。

だからこそその時間に合わせてこの新湊にやって来たのだけど、駐車場難民になってしまって、駐車場も離れていたからそこに自分がたどり着いたのは夕方の17時くらいであった。

もういなかったりして…

そんな事も思ったけれど…

いた

しかもまだ花山の状態のものも多い。

この駐車場で引き回しなどを披露して、披露し終えた町から花山を夜の形態である提灯山へと換装させて行くようなんだけど、自分が到着したときには、このようにまだ花山のものが数基いたのだ。

すでに換装中のものもいたけれどね

上部に花飾りが乗せられているのが昼間の「花山」で、提灯で覆われてしまっているのが夜の「提灯山」だ。

すでに換装させている山もありながら…

現在引き回しをお披露目中の町もあった

この写真、すごい勢いで曳山を動かし、旋回させているところです。

お披露目中のものはまだドーム状の花飾りが乗せられている。

駐車場難民になっていたとき、提灯山しか見れないかなと諦めていたけど、なんとか花山も見れたのだ。

立派だ

車輪がまたすごいな

この新町のものは特に豪華で、放生津でも一番なんだとか。

なお、玉座みたいなものに座っているのは王様

曳山には前人形の他に「王様」と呼ばれる玉座に座った人形も置かれている。

どんな王様が乗っているのかやはり各町で異なっていて、写真の新町のものは前人形がいない代わりに「神功皇后」(じんぐうこうごう)と「武内宿禰」(たけのうちのすくね)の2体の王様が座っているのだ。

前人形なしのパターンはどうやらこの新町だけのようだ。

また、玉座の周りには町のお子さんたちも乗せられていて、提灯山へと換装する前に、それらお子さんたちを下ろす必要があった。

一人ひとり下ろすので、時間もかかるし大変だ。

キッズたちを下ろすと花の取り外し作業

すべての花山を見ることはできなかったが、こうして換装作業の風景を見れたことは自分には貴重である。

 

提灯換装を眺める

このように櫓のように組んで提灯を取り付けていく

皆さん手順よく、ときに怒号も飛び交いながら換装作業を行っていた。

ダラダラしていられないし、安全に無事に換装させるためにはときに厳しくなるのも致し方ないことだろう。

スタンバイ中の提灯

横一列がまとめて取り外され、まとめて取り付けられていた。

このように

高いところの作業なので、落としてもダメ出し、自分が落ちても危険だし、慎重を要する作業だと傍から見ていてもわかる。

どんどん出来上がっていく提灯山

引き回しているときは一般客はこの駐車場内に入っていけなかったんだけど、お披露目も終わって換装作業が始まるとこのようにみんなして入っていって、近くで写真を撮っていた。

自分もそれらに紛れてこうして駐車場内で撮影していると、いつの間にか作業の終わった山も増えていた。

暗くなる前に「ダシ」も撮っておこう

ダシというのは天辺のシンボルマークみたいなやつだ。

この立町のものは「壽」(ことぶき)だ。

こちらは紺屋町の「振鼓」

荒屋町の「千枚分銅」

これが東町の「諫鼓の鳥」か

こちらは古新町の「鈷鈴」(これい)

これは奈呉町の「錫杖」

3つまとめて

手前のモスラみたいなものは長徳寺の「揚羽蝶」。

真ん中のは四十物町(あいものちょう)の「打出の小槌」。

奥のものは法土寺町の「軍配」だ。

こちらは三日曽根(みっかそね)の「和同開珎」

そして新町の「法螺貝」

南立町のものを個別に撮り忘れていたので…

こちらで

真ん中に写っているのが南立町の「五三の桐」だ。

なお、中町だけほかと変わっていてダシがない。

提灯山になるとダシがちょこんと天井から出ているような格好になるんだけど、中町だけはそれがなかった。

赤と白の提灯で覆われているのが中町

上段と下段と提灯の色が赤と白で別れ、囲いの大きさも小と大で違っていた。

後で知ったけど、あの赤い提灯のあるブロック、回転するのだ。

中町だけダシがない分、提灯が特別だった。

余談だけど、これを撮っている時、その手前で地元テレビ局のインタビューが行われていた。

思わずズームしてしまう自分

おそらくこのクロスベイ新湊内にある「iCN射水ケーブルネットワーク」の中継だと思う。

ズーミィちゃん(マスコットキャラ)がいるところだ。

自分はローカル番組が好きなので、射水市民でもないのについインタビュー中継をに見入ってしまっていた。

じょじょに薄暗くなっていくクロスベイ近辺

撮影しているとあたりも暗くなってきてライトも付き始めていた。

提灯山を見ても点灯確認中

夜の提灯山巡航がそろそろ始まりそうな気配が…

始まってしまうと駐車場内に一般客はまたまた入れなくなってしまうようなので、自分はその外側にこうして移動した。

カラーコーンが立っているのでわかるかと思う。

夜の開始は18時30分。

まだ30分以上あったけど、いい場所で見たかったので、ここで待機することになる。

この頃から気温は少しずつ下がり始めていた。

 

次回に続く

以上、新湊曳山まつりへ夜に見に行った前編だ。

ぎりぎり昼間の花山の姿も見れたので自分としては納得しているし、安堵している。

夕方にやってきても16時~17時くらいならまだ見れるのだ。

真っ暗になってからの夜の巡行は次回に記したい。