GW中の5月3日、4日に加賀温泉郷の一つ山中温泉で山中漆器祭というものが毎年行われている。
能美市の九谷茶碗まつりも有名だけど、山中でも同じ頃に漆器祭が行われているのだ。
一度行ってみたいと思っていたので、先日足を運んできた。
山中も漆器で有名な所
石川県は漆器の産地として知られている。
伝統的工芸品の漆器の産地が3つもあるのだが、一つの県に3つもあるのは石川県だけだろう。
「塗りの輪島」、「蒔絵の金沢」、「木地の山中」と呼ばれていて、同じ漆器でもそれぞれで個性が違う。
輪島塗は、輪島漆芸美術館に足を運んだり、沈金体験なんかも経験しているからか自分の中でそれなりに馴染みがある。
(輪島で沈金体験したときの話は→こちら)
金沢は住んでいる場所だ。
3つの中では一番縁遠かった山中漆器であるが、山中漆器の木目の美しさには前々から惹かれるものがあり、いつか一つ安いものでもいいから手に入れたいと思っていた。
そんな山中漆器であるが、5月のGW中に漆器祭を毎年行っている。
能美市の九谷茶碗まつりはニュースなんかでしばしば取り上げられて盛況している様子をよく目にするけど、山中漆器でも同じような時期に同じような見本市を兼ねた直売会が行われるのだ。
どうせなら通販なんかで買うよりも、実際に手に触れて買ってみたい…
ということで一度にいろんなお店の山中漆器を見られる漆器祭に足を運んだのであった。
まずは駐車場を求めて道の駅へ
山中漆器祭の会場は山中温泉菊の湯ラウンジ(「山中座・菊の湯」前広場)だ。
地図でいうとここ
よくここでイベントが行われているので、山中温泉のど真ん中みたいなところだと自分などは認識している。
少し離れたところに臨時駐車場も設けられており、そこからシャトルバスも出ている。
祭の期間中、この菊の湯周辺で駐車することはできない。
自分も当初、菊之湯周辺で停めれないかと考えていたのだけど、現場についてよくわかった、まず無理だと。
そんなもので臨時駐車場に向かわなければならなかったのだが、最初に菊の湯の方に向かったものだから、交差点の曲がる方向を間違えて道の駅の方へと向かってしまったのだった。
臨時駐車場は逆方向だったのだ。
戻るのも時間かかりそうだったので道の駅で駐車
道の駅「山中温泉ゆけむり健康村」で停めた。
臨時駐車場が混んでいて待たされる可能性だってあったし、シャトルバスは来ないけどここに停めて歩いて向かえばいいやと考えたのである。
道の駅から歩いて向かう
菊の湯の方へ歩き出した
すぐにY字路が現れる。右に行くと会場となる菊の湯へ。
左へ行くと臨時駐車場へ続いている。
右に行くべし
近くに設置されていた臨時看板によると、このあたりから臨時駐車場まで1.8kmあるそうだ。
なかなかの距離だ。
道の駅から菊の湯までは約1.1kmなので、徒歩でも15分くらいで着ける。
宿泊施設が並ぶ通りを歩いて行く
県道39号線、いわゆる「山中伊切線」と呼ばれる道路を歩いていった。
自分がやってきたのは5月3日なのだけど、この頃の山中温泉は新緑が目に優しく風も涼しくて、ときどきウグイスなんかも鳴いたりしていて、歩いていて気持ちが良かった。
道中、おわんさんの説明書きも
山中温泉の方言で旅館の若旦那のことを「おあんさん」というそうで、それがさらに訛ると「おわんさん」と言うそうだ。
「おわんさん」は若旦那なわけだ。
菊の湯に近づいてきた
正面の建物が菊の湯だ。
バリケードなんかもされていて、その建物の後方や左側、つまり広場の方へ車が入っていけないようになっている。
広場とは少し離れたところに設けられた青色の屋根のテントにも出店があった。
でもそんなことよりも、個人的には今はもうない「加賀テレビ」の看板のほうが気になってしまった。
いまでは「加賀ケーブル」に吸収合併されている地元局だったところだ。
会場へ
菊の湯に到着
でも漆器祭の会場はこの総湯の建物の中ではなく、その隣の広場だ。
左手にテントがならんで見えるところがそうだ。
左の方からは入れなさそうだった
入れないことはないとは思うが、ステージでセレモニーが行われていて、とてもその側を突っ切る気にはなれなかった。
仕方なく菊の湯の右側へと回り込む。
入り口発見
検温器とかも置かれていたし、こちらが正規の入り口だろう。
いわゆる感染対策のため、どっからでも入れるようにはなされていなかった。
検温&手指の消毒をしなければならない
もちろん協力はする。協力はするけど、正直これらにはもううんざりとしている。
こちらが出店案内
自分は山中漆器初心者なので、どのお店がどんなものを主に扱っているか等々、全くわかっていない。
わかっていないだけに全部まず見てやろうと考えた。
「3年ぶりの大蔵出し!」とも書かれてあるように、去年一昨年は行われなかったので自分としても気合が乗っていた。
気に入ったものを見つけてやろうと意気込んでいた自分がいたのだった。
ちなみにこちらが会場マップ
このマップの写真を後で見返して気づいたんだけど、山中座の中では「山中塗りガンダム」なんてものが展示されていたんだね。
さらには「お椀デザインコンクール」なんてものも…
気に入ったお椀を見つけてやろうと意気込んで物販コーナーばかりに気を取られていたからか、山中座の中については完全に見落としていた。
やらかした…
いざ物色
気を取り直して、いざ物色だ。
なお、気に入ったものを探すのに熱中していて会場の様子はほとんど撮影していない。
ここでもやらかした。
これくらいしか撮っていない
皆さん買い物に来ているわけで、バシャバシャと撮れるような雰囲気でもなかった。
自分としても買い物メインであったので、カメラは肩から下げながらも、ファインダー越しに覗くよりも、直に漆器に触れ、直に見ることに集中していた。
変にカメラを向けて出品物にぶつけてもドン引きものだ。
撮影はほとんどしていなかったが、それでもこんな出来事があった。
一つのお店のブースの前で物色していると、自分の真横に押し入るようにガタイのいいおっちゃんが突然現れ、器を探し始めていた。
勢いありすぎて「なんだこのおっちゃんは?」と思ったのだけど、よく見てみると…
県知事だった…
馳浩知事が自分の真横にやってきて、勢いよく物色して勢いよく蕎麦用の器を買っていったのだった。
もちろん自分のことなど歯牙にもかけない様子で、代わりに秘書らしき人が自分に挨拶してくれていた。
馳知事、それくらいパワフルな人なのだ。さすが元プロレスラー。
この方が馳知事
自分が物色を始める少し前にオープニングのセレモニーで政治家の方々が挨拶していたのだった。
先の知事選は保守三つ巴で自分は馳さんには入れなかったけど、経済政策をどんどんやってくれているので今ではかなり期待している。
ほか、加賀の宮元陸市長もいたし、先の参院補選で勝った宮本周司氏も見かけた。
挨拶しながらお店を回っていたようなので物色していると普通に市長が近くにいたりもしていた。
ここ数年の加賀市ってすごく面白いので、自分は加賀市民ではないけど宮元市長のこともかなり期待している。
ちなみにお椀を購入した後の馳知事、他のお客さんと写真撮影にも応じていた。
自分も撮ってもらえばよかったかなと、ちょっと悔やまれる。
購入したもの
初めて山中漆器祭にいったけど、高いものから安いものまで、お椀からお盆から、曲げわっぱや時計やら、いろんなものが置かれていたので山中漆器初心者としては物色しがいのあるイベントだった。
もちろんすべての店を見て回って(しかも何度も)、隅々まで見たと思う。
お店の人が漆塗りについて色々と教えてくれて勉強にもなった。
そうして選んで購入したものが…
こちら
木目をしっかりと味わえる赤い漆の汁椀だ。
3000円くらいしただろうか。
自分の中では結構に高めだ。
自分は山中漆器初心者なので、この器の良し悪しははっきり言って分からないが、インスピレーションでパッと見て気に入ってしまったので購入した。
木目がはっきりしたこの手のお椀を以前から欲しかったというのもある。
ついでにいうと、これを何度も手に触れ、眺めていたときに横に馳知事が現れたので何かの縁を感じ取って買ったという節もある。
自分はこれを「知事椀」とアダ名をつけようかと思う。
長く使いたいものだ。