石川県の津幡町にある倶利伽羅不動寺ならびに倶利伽羅峠では6000本の八重桜が植えられていて、県内でも桜の名所の一つになっている。
毎年GW頃に「八重桜まつり」というものが行われているので、今年見に行ってきた。
まずは倶利伽羅不動寺 西之坊鳳凰殿へ
津幡町にある倶利伽羅不動寺、そじて富山県小矢部市へと続く倶利伽羅峠は八重桜で知られるところだ。
ソメイヨシノより少し遅れて咲くのでGWの少し前辺りから見頃になってくる。
ちょうどこの頃「八重桜まつり」というものが毎年行われていて、期間中夜間にはライトアップされたりもする。
今年は4月23日(土)~5月5日(木)だ。
昨年もGW中に見に行ったことがあるのだけど、連休中だと少々見頃が過ぎていたりしていたので、今年は祭りが始まった翌日に行ってきた。
その日、4月24日はちょっと天気が怪しかったが「見頃」を優先して足を運んだのだった。
なお、倶利伽羅不動寺は「山頂本堂」と「西之坊鳳凰殿」の二箇所ある。
もちろん両方でまつりが行われているのだけど(正確には鳳凰殿は「花詣で」)、距離にして6kmくらい離れているので車がないと両方には行きづらいだろう。
自分はこの日、まず「西之坊鳳凰殿」へとむかった。
地図
道の駅「倶利伽羅源平の郷」の直ぐ側なので車で行きやすい。
駐車場もある。
祭りが始まって2日目、しかも日曜日とあって駐車場は混んでおり、入口前の坂で車の列が出来ていた。
少し並んで鳳凰殿に到着
午前中で10台近く並んでいたので、昼ぐらいならもっと混んでいただろうなと考えながら待っていた。
ただ、出入りも早いのか、そこまで待たされた感覚はなかった。
待って見えてくる景色がこちらの建物。
平成10年(1998年)に伽藍の復興事業として建立されたのがこの西之坊鳳凰殿だ。
24年前の建物なので仏閣としてはまだまだ新しい。
前方には人工ながら池も設置されている。
真正面から
中央の他に堂が左右あわせて3つ並んでいて横の長さは計75メートルもあるので、1枚の写真に収めようとしても収まりきらなかった。
自分、構図が下手だな。
境内には枝垂れ桜やツツジ、藤の花も植えられていて、見頃がこの八重桜まつりと重なったりもする。
ここ鳳凰堂では「花詣で」と呼ばれていて、このまつりの季節に来ると、いろんな花の見頃に会えますよというわけだ。
池のそばから
常香炉も置かれている。
その後方には高い階段も見えるが裏山につながっている。
その裏山には弥生時代末期の七野墳墓群がある。
不覚にも墳墓群の写真を撮るのを忘れてしまった。
去年の写真ですが…
昨年に撮ったものだけど、こんな感じで墳墓群が残っている。
昨年は天気が良かった。でも、八重桜はだいぶくたびれていた。
今年の写真に戻ろう
「愛山料」を入れる賽銭箱も置かれている。
境内に入るの無料なんだけど、善意による入館料代わり「愛山料」を払うと後ろめたさはなくなる。
お一人200円。もちろん自分も入れた。
この後方に食堂も見えるのだけど、この近辺には藤の花も植えられていて、それもまたここ鳳凰殿の名物だったりする。
ということで早速撮影
満開とまではまだいかないのだろうけど咲いていた。
藤の花は見頃のタイミングが難しく、この頃には満開ではなかったが、GWに入ってしまうとちょっと遅いかもなんて言われたりもするのでなかなか儚い。
ちなみにクマンバチがこの周りでよく飛んでいる。おとなしいハチだけど、あのブンブン音は反射的に警戒して避けようとしてしまう。
その流れでお堂の裏を歩いてみた
花の香りをかぎながら銅像に合掌。
お堂の裏に回ってみると境内にはいろんな花が植えられていることに気づく。
自分は花の名前や植物の名前に詳しくないので、どれがどれとは言えない。
最近そのあたり、人生を損している気がしているので今後少しは憶えようかなと思ってしまう。
布袋様の石像発見
裏に回ると小さな仏像が何体も並んでいて、ところどころこうしてちょっと大きめの七福神の像も置かれていた。
去年も思ったことだけど、七福神なのに五神の像しかこの境内では見かけないんだよね。
こちら毘沙門天様
こちら寿老人様
こちら福禄寿様
そして弁財天様
鳳凰殿の境内を散策してみてもこの五柱の像しか見かけないのだ。
自分としては、このときまでこれがずっとミステリーだった。
気を取り直して境内散策の続き
本堂の裏側あたりにこのように高くて急な階段がある。
下から見上げるとそびえ立つ壁のようだ。
登るのが億劫になりそうだけど、登ってみたくなるのも人の心情の不思議なところである。自分だけかもしれないが…
去年も登っているので何があるのかはわかっているが、まつりとはいえ参拝も目的であるので今年ももちろん登った。
登った先にも仏像があるのだ
流石にきついのか、お堂に比べると人はあまりいなかったけど、登っている人はいる。
勝手ながら仲間意識が芽生えてしまう。
参道の脇の花の植え方も一味違う。
何の花だろうか?
名前がわからないとレア度もわからず、有り難みもわからないからやはり人生損している気がしている。
花の名前、憶えようとしているけど、憶えられないんだよね。
菩薩に合掌
まだ新しい像が鎮座している。
お堂の中の仏像は撮影禁止のものばかりなので、こうして撮れるのはここでは貴重だ。
振り返ると…
津幡の町を望める
登るのはなかなか大変だけど、その分、見えるものも変わってくる。
階段を登るだけでも、人生の何かを教えられた気がする。
階段の上からだと鳳凰も撮りやすい
鳳凰殿の屋根にはちゃんと鳳凰も置かれていて、高さ的に階段の上からだと水平に見ることができる。
再びお堂の正面へ
裏をグルっと回って正面の方へまた戻ってくる。
この右のお堂の前には花手水も設けられていて写真を撮っている人が多かった。
自分も一枚
シャッタースピードを上げると水の流れも止まったように撮れる。
花は、これはツツジだろうか。
境内散策中に見られたツツジの花と同じに見えたので、そうだと思う …多分。
それからお堂の中に入っていったのだが、先にも少し記したように中の仏像等は撮影が禁止されているので、ほとんどカメラを使わなかった。
仏像に手を合わせ、渡り廊下のところで外を撮る、ということを繰り返していた。
お堂からも景色がいい
というか上等な日本庭園を大きな屋敷から眺めているみたいで、一番落ち着くところじゃなかろうか。
時間を忘れて眺めていられそうで、ここ、かなり好きだ。
廊下から正面側を見ると枯山水も見下ろせる
石や砂などで山水を表現したあれだ。下で近くから見ようとしても大きいので分かりづらいけど、この高さからだと全体を見られた。
ちなみに下から撮るとこんな感じ
これはこれで紋様である「箒目」をくっきり捉えることができるので撮っていて楽しい。
欲を言えば、もっと天気が良ければなと思った。
この日はずっと曇りだったのだ。
左側のお堂の前にも花手水あり
こちらはお地蔵さんあり。
どれにピントを合わせていいのかわからなかったので、最終的にこのように花に合わせた。
絞りを自分で調節する一眼レフのマニュアルカメラはフォーカスされたところ以外はかなりボケさせられるので、地蔵様をメインにするか花をメインにするかかなり悩んだ。
これが人物だったら、すぐに人物に合わせるんだけどね。
特別限定朱印をいただく
八重桜まつりでは限定の特別な御朱印の授与もある。
お堂の右翼殿、主殿、左翼殿で参っていたら、主殿(三仏堂というらしい)の中で特別で限定の御朱印の授与があることを知った。
主殿でこんな案内があった
春限定、数量限定でまつりが始まった4月23日から授与が始まっていた。
数に限りがあるため授与の方法も少し変わっていて、こちらでまずお金を払って引換券を受け取り、それを食堂にある頒布場所(食べ物やお守りなんかも販売、頒布しているところ)へ持っていって初めて受け取れるのだ。
丁寧に地図も描かれてある
わかりやすい。
頒布料は…
1300円とかなりお高かったですが…
そうして頒布された特別御朱印が…
こちら
全体的に桜色をしていて、端には八重桜の切り絵も施されていて、さらには「春詣で」と金の箔押しもされているスペシャルなものだ。
そりゃ、普通の頒布料ではいただけないわね。
山頂本堂と鳳凰殿の2種類あるそうで、ここ西之坊鳳凰殿でいただいたものは「倶利迦羅山鳳凰殿」と書かれてある。
ちゃんと「令和四年四月二十四日」とこの日の日付が記されているのも嬉しいところだ。
どうせならということで八重桜の前で撮ってみた。
ここでも、もっと天気が良ければと思った。
それにしても鳳凰殿、色々述べて引っ張ってきたけど、ここでようやく八重桜が登場である。八重桜まつりなのに。いや、正確にはここ鳳凰殿では「花詣で」なので、これで正しいのかもしれない。
鳳凰殿の境内では八重桜ばかりがたくさんあるというわけでもない。
鳳凰殿で八重桜をたくさん見れるところと言ったら、やはり食堂の周り(正確には裏の方)だろうか。
この御朱印も、その食堂のまわりで撮っている。
いっぱいの八重桜
ようやく画的に八重桜まつりらしくなってきた。
食堂には大きな窓が何枚もあって、そこからこうしていっぱいの八重桜を眺めることもできる。
花見しながら食事したくなる。
食堂で倶利迦羅そばをいただく
食堂のある建物で御朱印を受け取っていたら、ここで食事をしたくなってきた。
金曜日のMROラジオでここの「倶利伽羅そば」が紹介されていたので、ソバを食べたくて仕方なくなっていたのだった。
ということで一杯頼んだ
かき揚げの他にも「とろろ」だとか「天ぷら」だとか色々と種類があり、温かい「かけ」のほかにも冷たい「もり」もあった。
倶利伽羅そばの特徴はその緑色で、なんでも宝達山の麓なんかで採れた「山ごぼうの葉」なんかが入っているそうだ。さらには宇治抹茶も入っているんだとか。
このあたりでは昔から山ごぼうの葉を餅に入れて、その食物繊維ならではの粘り強い食感を楽しんでいたそうで、現代になってソバにも練り込んだようである。
この蕎麦、津幡ブランドにも認定されている。
いただきます
その食感は「かけ」であることもあってかモチモチとしている。それでいて歯で簡単にフツフツと切れるのでちょっと変わった食感だった。
全体的にツルツルと行けて、舌の上では甘みも感じられた。
もっと葉っぱやお茶の、渋さやクセがあるものかと思ったけど、ほのかに葉や野の香りを残しながらもクセはなく食べやすかった。
香りの鼻抜けが良いのだ。山にいる感じがする。
いえ、実際、山で食べているんですけどね。
美味いじゃないか。
ごちそうさまです。
後編へ
そばも食べてお腹も満たされたところで、西之坊鳳凰殿を後にすることにした。
ここだけでもかなり満足してしまったけど、倶利伽羅不動寺にはまだ山頂本堂がある。その周りに倶利伽羅峠もあり、八重桜まつりはむしろそのあたりがメインだったりする。
来年に持ち越し案も考えながらも、時間の余裕もあったのでやはり続けて向かうことにした。
予め言っておくと、そこでも充実できた。
このままでは文字数が多くなりすぎるので、山頂本堂へ行った話は次回の<後編>で記したいと思う。