初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

嵐の後の機具岩を撮る

先日、志賀町に向かった際、外浦(日本海側)にある機具岩(はたごいわ)も見てきた。

台風のような嵐の日だったが、志賀町に着くと次第と止んで、海が却って綺麗に見えたのでついシャッターを切ってしまっていた。

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まずは夫婦岩

先日、能登牛を求めて志賀町に向かった。

台風かって思えるくらい風雨の荒れた日だったのだけど、思い立ったが吉日で動いてしまう自分なので、道中危ないかなと思いつつも車を走らせていた。

実際、海のそばを走る「のと里山海道」を進んでいるときは海からのダイレクトな横風がきつすぎて車が流されていきそうになっていたものである。

雨もすごかったから前も見ずらいし、タイヤのグリップも悪い悪い。

前を走る軽自動車のバンは何度も線を割りそうになっていたのだから、今考えるとよく無事に行って帰ってこれたなと思う。

それでも志賀町に到着する頃には雨は止んで、日本海に日差しも見えた。

風で余計なチリとかが吹き飛ばされているからか、そのときの海が車の窓越しに美しく見えたものだから、つい車を止めてしまっていた。

その停めたところがちょうど名勝「夫婦岩」のあるところだったので、カメラを持って車を降りていた。

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こちらが夫婦岩

能登金剛にはいわゆる夫婦岩と呼ばれる対の岩が3箇所もあり、機具岩なんかもその一つだ。もう一つは巌門だ。

こちらの夫婦岩はそのまんま「夫婦岩」という名前が付いていて、国道249号線沿いにあるのでその道を何度も通ったことがある石川県民の自分としては夫婦岩というとココが一番に思い浮かぶ。

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地元の人しか知らないパワースポット

なんていう紹介もされている。

崖を見下さないと見えないので、こういった案内がなければ旅行客はきっと見逃しているだろう。

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ということで見下ろす

手前の草や枝が写り込んでしまうくらい、崖に近いところにある。

左の穴の空いたものが女岩で、右のが男岩だ。

ここの夫婦岩は間にもう一つ小さい岩がいて、「子供岩」と呼ばれているところが特徴だ。

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それぞれ

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アップ

男岩の脇にいる小さいのが子供岩だろうか。

実は自分もそのあたりがよくわかっていない。

ほかに間に岩らしい岩はないですからね。

それにしても、海が荒れている。

写真でもそのあたりが伝わっていると嬉しい。

ただ、その荒さよりも目に止まったのは海の色だ。

これも嵐のせいだと思うのだけど、海が青いんじゃなく、緑に見えたのだ。

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このように

部分的にいつもの日本海らしいマリンブルーを残しつつ、広くシーグリーンの色が広がっていたのだ。

この緑色が美しく見えたものだから、つい車を停めてしまったのだった。

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さらには日差しもあり

雲の漂い方もダイナミックで、その隙間から見える空の青さがまたキレイだった。

海の色との違いも合わせて、なかなか見れる海の景色ではなかった。

嵐の後に海に来ることって殆ど無いし、こんな感じになるのかとちょっとした感動があったのだ。

この夫婦岩は崖の近くにありすぎて、それら空と海とを含めて撮影するのはちょっと難しかったのだが、この先にある機具岩までいけば、岩と空と海のきれいな写真が撮れるんじゃないかとふと閃くのだった。

 

ということで機具岩で

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そんなもので機具岩までやってきた

機具岩はこう書いて「はたごいわ」と読む。

投げた機具(はたぐ)が岩になったという伝説があり、陰陽石が相対する真の夫婦岩なんだそうだ。

ちなみにこんなところにある

こちらも国道249号線沿いにある。(ただし、目の前まで行くには道をちょっと逸れる)

岩と岩の間に太い綱がかかっているので特別感があり、神事に絡んだ神聖な場所に思えてくるところだ。

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波の花だ

崖を見下ろすと波の花が見えた。

雪のように宙に舞ったりするんだけど、このときはそれを拝むことはできなかった。

それでも冬だなと思う。

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こちらが女岩

てっぺんに祠(ほこら)のようなものが乗っている。

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こちらが男岩

緑色で波が荒ているのに、バックが晴れているから妙にさわやかだ。

形からプティングに見えてくる。

爽やかさと合わせると、美味しそうにも見えてくるから嵐の後というのはなにか異様である。

この繋がれた二つの岩をそんな空と海と一緒に、且つ二つ揃って1枚の写真に収めたい。

永遠のカメラ初心者である自分にそれができるのかという不安も大いにあったが、景色のキレイさに心がはずんで、トライするのみであった。

撮った一枚が…

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これ

う~む、雲の動きのダイナミックさと日差しの神々しさは伝わるかもしれないけど、海の緑色はこれでは分かりづらいし、何より左側の女岩の穴がこのアングルでは見えず、これらが真の夫婦岩である機具岩だということが伝わりにくい。

納得がいかない。

納得がいかないけど、日差しを逆光として利用して撮るにはこの角度からじゃないと撮れないので女岩の穴も写すのは、さて難しい。

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妥協してこの角度から

逆光を大いに利用できてはいないが、穴もそれなりに入れれた、海の緑も確認できる、そんな一枚がこれだ。

でもやっぱり妥協だから納得は行かない。

穴も入れて逆光も入れてとなると、もっと左側から構えて夕日の頃に写す必要があるようだ。

夕方だと、写真でいうと右側に太陽がいる。そういえば機具岩をうまく撮っているプロやセミプロ、ハイアマチュアの方々はだいたい夕方に撮っている気がする。

嵐の後の夕方、そんなタイミングを待てということだろうか。

リベンジするなら、次はそんな機会を狙いたい。

 

感想

嵐の後の日本海は空も海もより荒々しく、でも清々しく、その色も光も普段とはひと味もふた味も違っていた。

それはいい発見だった。

そんな状況下で機具岩を撮ろうとしたわけだけど、機具岩のポジションを考えるとそこにさらに「夕刻」(夕焼け時)という要素も必要であることに今回気づいた。

アングルの難しさも思い知った次第だ。

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ちなみにここを上って撮ってみたりもした

機具岩を正面にして振り替えると道路を挟んでこんな石段がある。

上って撮っている人がいたので、自分も真似て撮ってみたら…

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電線が入ってしまった

もし電線がなかったら、夕刻にここに上るといい夕日と機具岩を自分でも撮れそうな気がした。

何が撮影の正解かなんてわからないが、こうして正解を探そうとする行動は楽しい。

これが永遠のカメラ初心者である自分にとってのカメラの醍醐味であるのかもしれいない。