初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

能登町羽根の八幡神社の狛犬と海を眺める

能登町羽根に立ち寄った際、海沿いに八幡神社を見つけた。

目の前が海なその神社の狛犬たちがしっかり水平線を眺めていたのでつい写真を撮ってしまった。

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鳥居が海の前にある神社

廃駅の旅で能登町羽根を訪れていた際、駅の近くの県道35号線沿いに大きな石製の鳥居を目にした。

しかもその鳥居、海を正面にして立っているから思わず車を止めてしまった。

どういうこっちゃ?と思われそうなので、百聞は一見にしかずということでまずその鳥居の写真を見ていただきたい。

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こういうことだ

ご覧のように海の真ん前に大きな鳥居がドンっと鎮座しているのがわかるだろうか。

これは県道側から撮っている。

鳥居からすると裏側になるので、正面は海へと向いていることになる。

海からやってきた人を迎え入れているような鳥居なのだ。

うん? 海からやってきた人って誰だ?

漁師か漂流者か、それともジェームズ・ボンドのようなスパイか…

これを撮っているときには釣りをしようとしているおじさんたちや海水浴をしていた外人さんたちがいたが、そういう人たちが海から帰ってきたときに迎えているのか、はてさて…

いずれにせよ、そんな海からやってきた人たちが目にする景色が…

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これだ

ちゃんと奥に社があって、この海を向いた鳥居も神社のそれだとよくわかる。

神社の名前は八幡神社(はちまんじんじゃ)だ。

地名から羽根八幡神社と呼ばれることもある。

こうして見ると海の一歩手前から境内になっているかのようであるが、社と鳥居の間には道路が横断している。

県道35号線だ。

ここで地図

位置関係としてはこんなところだ。

八幡神社が県道より北側にあり、鳥居は県道の南側にある。

参道前に鳥居があるというのは珍しくなく、社までの道中に道路が横断している神社もしばしば見受けられるが、鳥居の入口手前が海というのはそうないのではなかろうか?

海の中にある厳島神社の大鳥居には負けるとは思うけど、なかなか奇特だ。

また社の背後は山のようになっているので正面から見ると、小さな社ながら結構厳かな迫力がある。

釣りにしろ海水浴にしろ、海から上がってきてこうしてちょっと奇特で且ついかつい神社があると軽い畏怖の念を抱いてしまいそうである。

そんな羽根八幡神社にもやはり狛犬がいた。

狛犬写真家を自称することを目指そうかと目論む自分としてはやはり狛犬に反応してしまう。

こんな奇特な位置に鎮座する神社の狛犬たちは何を見ているのか、気になって仕方がなかったのである。

 

狛犬の見つめる先ももちろん海

狛犬たちが何を見ているのか?と記したけど、まあ海である。

そんなものはわかっている。わかっているだけに海と一緒に撮りたくなった、というのが正しい動機だろう。

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こちらがその狛犬

正面から見て左側にいる子連れの吽形と…

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右側にいる阿形

阿形の方は玉を抱えている。

台座を見ると昭和十二年と書かれてあったのでそれなりに古い。

古いが、形は岡崎現代型と呼ばれるものだ。

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近寄ってみる

高いところにいるので下から見上げることができる。

この角度からだと凛々しい。

足元の子供まで凛々しく見える。

海を前に威風堂々たるものだ。

百戦錬磨の水将みたいな面構えだ。

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阿形の方は威嚇しているみたい

こちらは海から不審者がやってきたら真っ先に飛びかかりそうな歴戦の猛者のような面構えをしている。

この角度から撮るともうすでに海が入ってしまうように、海の近くにこの子達がいるのがわかるだろう。

こう海の近くにいる割に、なかなか状態が良い。

髪のくるくるも足の爪も玉(毬)の文様も、目も口も鼻もくっきりとキレイに残っていた。

強い子達だ。

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もちろん見つめる先は海

しかも、ちょうど鳥居の方を見つめているように見える。

特にこの阿形は睨みを利かせているようである。

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密漁禁止なので

大昔なら海からの侵入者を見張っていたかもしれないが、現代は密漁者やゴミを捨てる輩がいないか見張っているようである。

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吽形の方も

こちらもやはり海、さらには鳥居の方を眺めている。

吽形の方は表情がまだ穏やかなので見守っている感があるからか、一緒に海を眺めていると落ち着くものがある。

情緒ありますな。

まあ、同時に海に遊びにいって溺れたりしないか見守っているようでもある。

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外人さんたち気をつけてね

日本海はなかなか波が荒いので。

 

狛犬たち、それぞれが見つめるものはやはり海であった。

それも海の安全を見つめているのだと思われる。

そう想像できることが面白い神社と鳥居であった。

なにごとも安全第一。

自分はどこか普段からそういうところがあるので、この狛犬たちのことが好きになった。