宇宙科学博物館コスモアイル羽咋に立ち寄ったとき、売店にて宇宙日本食の「スペースカレー」というものが売られていたので一つ買ってみた。
しかも、普通に食べる気にはなれなかったので、同じ羽咋市にある「のとしし団」のイノシシ肉と合わせて食べてみた。
コスモアイルで見つけたスペースカレー
冒頭の写真のようにコスモアイル羽咋の売店には「スペースカレー」なるものが売られていた。
ハウス食品がJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同開発し、2007年に宇宙日本食としてJAXAに認定されていて、それがレトルトカレーとして販売されていたのだ。
宇宙ステーションでの長期滞在用に作られているので普通のカレーと違って吸収率を上げるビタミンDの量が多かったり、抗酸化作用があるウコンも多かったりしている。
科学館や博物館でしか売っていないようなのでその希少性にも惹かれ、味見をしたくて買ってみることにした。
こちらがそのカレー
一つ660円。
パッケージが宇宙感あってかっこいいじゃないですか。
どうやら具にはビーフを使っているようだ。
裏面によると無重力状態で食べることを想定してスパイシーで味も濃くしてあるらしい。
なんと親切な説明書きじゃなかろうか。
ただ、それだけに味の想像もしやすく、食べる前に文字として表現できてしまっているのでレポートする側としてはちょっと寂しくもあった。
おかげでいつもの天の邪鬼(あまのじゃく)がうずきだして、二番煎じのようにただこれだけを食べて紹介終了という気にはなれなくなってきた。
要するにそれだけではなんだか物足りない気もして、何かを足したくなったのであった。
では、何を足してやろうか?
少し考えた末、同じ羽咋市には「のとしし団」のイノシシ肉があるなと思いだす。
一度イノシシ肉をカレーに使ってみたいとも考えていたものである。
さらには、羽咋にある道の駅「のと千里浜」にはUFOとイノシシが一緒に彫られた七福神の砂像があったことも思い出す。
そのイメージが頭から離れなくなって、スペースカレーと「のとしし」との掛け合わせが頭の中で決定事項として固まるのであった。
イノシシ肉調達
のとしし団のイノシシ肉は羽咋市の道の駅やJAなんかでも手に入る。
UFO&猪も彫られた砂像があった「のと千里浜」にも売られているので肉調達のためひとまずそちらへ向かった。
のと千里浜へ
入り口側には、猪を狩り、食べる気満々の顔ハメパネルも置かれていた。
この道の駅、ならびにこの市は猪肉への気合が違う。
現在の砂像
この道の駅にはこうしてでかい砂像が展示されている。
現在は猪の上に座る毘沙門天様だ。
以前は大黒天様であった。
その大黒天さまがやはり猪に乗っていて背中にUFOが刻まれていた。
それがインパクトありすぎたものだから「UFO×イノシシ」のイメージが自分の頭の中にずっと残っていたのだ。
ちなみにこんな砂像(過去の写真1)
こんな背中(過去の写真2)
以前、同道の駅にある足湯を紹介したときに撮ったものだ。
(りんご湯になっただいこん足の湯を紹介した記事は→こちら)
やりたい放題がダイナミックで素敵だ。
そりゃ、スペースカレーに猪肉を合わせたくなるというものだろう。
ちなみに同駅のレストランではイノシシ肉を使ったカレーも食べれる(そちらはもちろんスペースカレーではない)。
さらに言うとそのレストランのカレーをレトルトにして物販所で販売もしている。
そのイメージもあったものだから、今回の宇宙食との掛け合わせが閃いたという節もあるかと思われる。
いまでは自動販売機まであるんだね
今回、肉を調達しに行ったらこんな自動販売機が新たに設置されていた。
そののとししのレトルトカレーのようにイノシシ肉の加工品や、野菜チップスなどの特産品がこの自販機でも買えるようになっていた。
のと千里浜限定のチップスとか自分も好きだ。
店内ではこんな新商品も売られていたので買ってしまった
唐戸山のカリカリポッキーみたいなやつだ。
「唐戸山」というのは自然栽培コシヒカリ「羽咋米」を100%使ったオリジナルの日本酒で、味付けにその酒粕を使っているようだ。
正式名「酒粕ティック」だ。一つ450円。
横からの図
味見してみたら酒の味がした。
ほのかにチーズの味も効いているのだけど、最初にガツンと来るのはやっぱり酒粕の味だ。
お酒の味を知らない子供にはちょっとわからないかもしれないけど、アルコールがないのに酔ってしまいそうな濃い味が舌から伝わって脳の裏を叩くような感覚だ。
これ美味い。酒粕のクセがあるけど、それがまた病みつきになてしまう。
自分はすぐ酔って眠くなるのでアルコールをほとんど飲めなくなってしまったけど、酒の味は好きなんだなと改めて知ったよ。
肉を調達しに来たのに脱線してしまったが、店内でもちろん猪肉も購入した。
こちらがそれ
猪肉の「ロース」だ。
販売されていたイノシシ肉には「バラ」とか「肩ロース」とか「ウデ」とか「ランプ」とか色々と部位がある。
お店の方にカレーに合いそうな部位を尋ねたところすぐに脂身の多い「バラ」と答えてくれたのだけど、あいにくその日、のと千里浜店内ではバラが入荷していなかった。代わりに加熱しても使え、脂身も負けじと多いこの「ロース」を購入することにした。
この量で1600円以上するので肉としてはちょっと高いけれどGWの楽しみの一つとして購入した。
スペースカレー×イノシシ肉を調理
肉も調達したので調理に取り掛かる。
調理と言っても自分は料理が上手くなく、レパートリーも少ないので炒めるくらいしかできませんが。
炒める
フライパンの上で玉ねぎと一緒に炒めた。
カレーなので玉ねぎくらいは欲しくなった。
途中でしめじも投入
玉ねぎが黄色く色づいていくうちにキノコ類も入れたくなったのでしめじも投下した。
ロースから脂がすごい出ていたのでそれを吸わすためにもこういうのを投下したくなった、という理由もある。
味付けは軽く塩コショウ、あとちょっとの醤油のみだ。
炒めたものをご飯の上に
カレー皿に盛ったご飯の上に炒めたイノシシ肉たちを乗せた。
こうしてみるとご飯も具も結構な量だ。イノシシ丼にも見える。
これにレトルトのカレーをかける
スペースカレーはレトルトパウチのまま3~5分くらい熱湯で温めて、封を開けてから掛けた。
本当に掛けただけだ。しかも具が多すぎて見栄えは悪いが、これで調理終了だ。
なお、かける際にカレールーを少し舐めてみたらちょっと辛いかなとの印象があった。
説明書きのとおり少しスパイシーのようである。
自分は辛いのが苦手なのでこのときちょっと警戒した。
いただきます&感想
できた
スペースカレー×イノシシ肉、完成だ。
炒めていたときから感じていたが猪肉の野趣な香りがして食欲をそそられる。
のとしし団のイノシシ肉は処理がしっかりされていて変な臭みもない。
プラスしてカレーのスパイシーな香りもほのかにする。ほのかな香りだけならスパイシーさってこれまた食指を動かすんだよね。
いただきます
辛さを警戒しながら一口食べてみた。もちろんルー、肉、玉ねぎを一緒にだ。
そしたら驚くことに辛さを全く感じなかった。
それどころか甘口カレーのような甘みすら感じる。
多めだというウコンの香りと味もしっかりするんだけど、それがスパイシーさを強めているわけでもない。
ウコンのおかげか、玉ねぎの甘さか、イノシシ肉の旨味と脂が辛さを中和し独特の甘みを作っているのか、はてさてそれらがすべて同時に作用しているからなのか、なにせがまったく辛くないのだ。
辛さ対策のため、お茶も用意していたけど全く不要だった。
辛いのが苦手な自分もこれならばひたすらルーとイノシシ肉と玉ねぎやシメジの美味さを堪能できるというものでスプーンが進んで進んで仕方がなかった。
ウコンも本来独特の味がするし、イノシシ肉も野趣な味わいがしてクセがあると感じる人もいるんだけど、それら独特な味やクセのある味も、甘みに包まれながら新しい旨味のハーモニーを作っている。
うめぇ。奇跡のコラボ。
しかもこのスペースカレー、抗酸化作用もあって胃腸なんかにもいいウコンの量もカルシウムの量も多いし、イノシシ肉はこちらはこちらで一過性の疲労感を軽減させるというコエンザイムQ10という成分が多く含まれていると言うし栄養豊富で食べているとなんだか元気が出てくるようで、嬉しいったらない。
その嬉しさのせいでますますスペースカレー×イノシシ肉が美味いと感じるんだから、食うことに幸せを感じるってこういうことなんだろうかと思った。
砂像を思い出して思いつきでやってみた勝手なコラボだけど正解だった。
宇宙と山の恵に感謝だ。
ごちそうさまでした。