初心の趣

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廃駅の旅5「比良駅」

廃線となった鉄道路線の廃駅へと足を運ぶ個人的な旅、その第5回目。

今回は前回の中居駅の次の駅、のと鉄道能登線にあった「比良駅」に行ってきた。

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比良駅前というバス停がある

廃駅の旅、第5回目として今回足を運んできたのは旧能登線の「比良駅」だ。

比良駅はこう書いて「びらえき」と呼ぶ。自分は写真を撮りに行っていた間ずっと「ひら」と呼んでいたのだけど、間違っていた。「びら」が正解だ。

のと鉄道の旧能登線にあった駅で、今も営業中の穴水駅から数えると2つ目の廃駅だ。

廃駅の旅をしていて気づいたのだけど、廃駅はそれがあった近くに現在、廃駅の名前がついた(もしくは名前の一部がついている)バス停が近くにあることが多い。

今回の比良駅もその例にもれず、北鉄奥能登バスに「比良駅前」というバス停がある。

それを目印にして向かうと行きやすかった。

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ということでバス停に

このように「比良駅前」というバス停がある。

場所は穴水町字川尻だ。

写真の道路は国道249号で、前回の中居駅に向かうときにも走っていた道路だ。

ご覧のとおり長閑なところだ。

周りには民家と田畑ばかりだけど、近くに「穴水町比良」という交差点(信号)もあるし、比良郵便局もあるので比較的見つけやすいと思う。

さて、目的の廃駅はといえば、写真でいうとオレンジの車が止まっているところで左折した先にある。

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この道を入っていく

「石田酒店」と書かれた看板が掲げられた家屋も見える。今も営業しているかは不明だ。多分やっていない。

なんにせよ、このちょっと坂になった道を上がっていく。

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道中、赤いコーンが置かれていた

こういうのが置かれていると、車では入って行きにくい。

グーグル・マップでもこの先は行き止まりになっている。

バス停「比良駅前」の地図

ただ、その行き止まりに旧比良駅があったりするのだ。

 

人ん家の畑?と思ってしまう廃駅

赤いコーンのそばを通り抜けて、地図上では行き止まりとなっているその先に歩いていくと線路の一部のようなものが見えてくる。

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レール発見

駅のホームへ移動する時の構内踏切があったところだと思われる。

道に埋め込まれたレールだけ残っていた。撤去しづらかったのだろう。

こう構内踏切の後があるということは、そこ又は近くにホームがあるということで、一部とはいえこのレールを目にしたときちょっとした安堵があった。

前回の中居駅では見つかりづらくて結構探したのだ。

実際、踏切の先を見ると左へと上がるスロープがあるのがわかる。

この形状はだいたいホームである。

左に振り向いてみると…

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ホーム発見

形がしっかり残っている。

だけどなんだろう、この駅の名残をあまり感じさせない景色は…

線路があったところにトンネルのようなものが見えて、ホームにも待合所のようなものも見えているのに、違和感がありまくりだ。

これ、近っ寄ってみるとわかるのだけど、トンネルみたいに見えたものってどうやらビニールハウスなんだよね。

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角度を変えて見てみる

待合所だと思っていたところも、ロッカーみたいな形をした椎茸乾燥機が置いてあったり、ドラム缶が置いてあったり、農作物用のカゴが転がっていたりしているので物置のようになっている。

ホームの途中にもカゴを並べてなにか葉っぱが植えられているし、このあたりは人んちの畑なのかと立ち入るのも憚れてしまう。

所有権とかどうなっているのかわからないので、こうして遠くからばかり撮ってしまった。

こういうのも廃駅の再利用といえば再利用と言えるのかもしれないが、一般人が訪れやすいところではないだろう。

 

感想

以上、旧比良駅の写真だ。

見つけるのは簡単であったが、近寄るのには抵抗がある、そんな駅であった。

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仕方がないのでホームとは反対側を撮る

踏切より先のレールは見事にない。

無いけれど、在りし日の姿をぼんやりと想像できる。

過去を想像して、現在の何もない長閑さにしんみりとしてしまう。

鉄道の時代が終わって久しく、現在は車社会に移行しているのだ。このレールも過去の遺物と言えるだろう。

でも自分などはこのレールの今後というものも想像したくなるもので、このあたりから宇宙にまで行く列車が走らないだろうかとSFチック(アニメチック)な妄想をムクムクと膨らませてしまうのであった。

天気がいいからか、それくらいこの遺物も空とマッチしているように思えたのである。

夜の空にも合いそうな気がする。

七夕の夜にライトアップとかされないかな?なんてことも想像してみたり…

個人的に、夏が似合うと思った廃駅であった。